塩原通緒のレビュー一覧

  • 人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病

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    表紙を一見して、人体の進化の歴史を上下巻で延々と説明した本、にも見えるが、副題にもある通り、進化の観点から、現代の人類を悩ます病気とその対策について考察した本である。

    筆者はハーバード大学の人類進化生物学者という肩書きであるが、人類の進化の歴史に目を向けるのみならず、進化が現代の私達の体をどう作り上げ、それが文化的な発展と相まって、どういった健康上の問題を起こしているのか、そして、それを解決するにはどういった個人的、社会的な取り組みが必要なのか、といったテーマについて研究をしているらしい。(あとがきによると、進化医学というとか。)
    現代に存在する病気は全て、体の進化が文化の進化に追いつかない

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    2016年01月24日
  • 人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病

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     下巻では、「過剰」と「快適」が問題となっている。今では、少なくとも日本やアメリカのような24時間営業の店が、住んでいる地域にある人にとって、手軽に好きな食べ物や飲み物が手に入り、便利だ。しかし、摂取するものによっては過剰摂取になり、脂肪という余分なポイントをため込むことになり、臨界点を超えると様々な病気を抱えることになる。

     第13章で、「本当の適者生存」として、いくつかの方法を提案している。

    1.問題解決を自然選択のふるいわけに任せる
    2.生物医学による研究と治療にもっと投資する
    3.教育して力をつけさせる
    4.環境を変え
    5.後ろを向きながら前へ進もう

     人体の歴史を踏まえて、どう

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    2016年01月05日
  • 人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病

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     人類は昔からしたら進歩していて、そのおかげで健康になって便利な環境で生きていられる。それは事実だが、便利になったのが、健康にとって命取りになっている面がある。そんな側面を浮き彫りにしたのが今回の本だ。

     「人間は何に適応しているのか」と著者は問いかけている。そこから現代、問題になっている症状が見えてくる。

     「進歩とミスマッチとディスエボリューション」の章を読んでいると、現代人は結構体に悪い生活を送っているのがよくわかる。

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    2016年01月05日
  • 人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病

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    適度な運動、バランスの良い食事のなぜが腹落ちする良書。最近、ジャンクフードは全く食べないが、よりよく子供にも説明できるようになりそう。

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    2015年12月10日
  • 数理モデルはなぜ現実世界を語れないのか 社会的な視点から科学的予測を考える

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    原題は『Escape from Model Land : How Mathematical Models Can Lead Us Astray and What We Can Do about It』であり、How を Why を使って訳してしまうというかなりよくあるタイプのミスリーディングをタイトルの時点で含んでいる。

    本書では著者の専門であるらしい気候や金融といった大規模で複雑なシステムに対するモデルについて言及する。しかし、そのモデルの元となるはずの数理的なモデルについての言及はない。
    感染症予防といった予測もコントロールも難しい問題への漠然とした不安感のようなものに共感を示してくれる

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    2025年11月29日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

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    この本を読みながら、平等とは何か、格差とは何か、平等と格差について、望ましい状態は何かを考えさせられた。
    本書が望む状態がクリアであれば、もっと楽しめたと思う。

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    2025年10月31日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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     つまり、当時のテクノロジーは、それらが排除した機会と同じだけ、労働者向けの機会も創出したのだ。これは、自動車産業における大量生産に関して見たのと同じ理由からである。通信、輸送、製造のテクノロジーの改善によって、ほかのセクターが活気づけられたのだ。だが、より大切なのは、 これらの進展は、それが起こったセクターでも新しい雇用を創出したことだ。数値制御やほかの自動機械が人間の操作者を完全に排除することはなかった。というのも、一つには、それらの機械は完全には自動化されておらず、生産を機械化するにつれて多様な追加作業が発生したためだ。


     あるレベルでは、なにが起こったのかは明らかだ。戦後の共有され

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    2025年07月12日
  • 技術革新と不平等の1000年史 上

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    進歩のバンドワゴン
     テクノロジーの進歩は共有利益をもたらすという楽観主義の根底には、「生産性バンドワゴン」というシンプルで強力な一つの考え方がある。これは、生産性を高める新しい機械や生産方法は賃金をも上昇させるという主張だ。テクノロジーの進歩につれて、バンドワゴン〔パレードの先頭を進む楽隊車)が、起業家や資本家だけでなくあらゆる人を引っ張っていくというのである。


    説得する力は絶対に堕落する
     たとえ、われわれが権力者のビジョンに行き着く可能性があるとしても、彼らのビジョンが十分に包摂的で開放的となることを、少なくとも希望することはできるだろうか?というのも、彼らが自分たちの構想を正当化す

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    2025年07月06日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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    ネタバレ

    解説より
    自由な市場経済、リベラルな政治は実現と維持は困難。アラブの春、ポピュリズムの台頭、排外主義の台頭。
    経済成長とは、量的拡大だけでなく、質的拡大が必要。新しいもの、新しい生産方式など。
    テクノロジーの生まれる環境は、制度やビジョンによって形作られる。
    技術革新が包括的か搾取的か、多面的に見る必要がある。
    高度成長は、見えざる手に導かれたのではなく、労働運動の結果、社会保障制度の充実と福祉国家体制の確率がなければ生まれなかった。
    分配の不平等が解決しなければ、経済の発展はない。
    データ所有権のアイデアで格差の解消ができるかもしれない。

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    2025年05月09日
  • 引き算思考 「減らす」「削る」「やめる」がブレイクスルーを起こす

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    引き算の効用は高い。
    人は意識しないと、つい足し算をしてしまう。
    引き算思考を意識して、引き算で物事を解決するようにする。

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    2025年01月17日
  • ホーキング、ブラックホールを語る BBCリース講義

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     「宇宙を語る」と同じようなボリュームがある本当ばかり思ってポチッたが、実際の本は大きな活字の100ページ程度の文庫本である。宇宙を語るは難しすぎて。この本は反対にあっさりし過ぎて物足りない。

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    2025年01月09日
  • 技術革新と不平等の1000年史 上

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    ネタバレ

    AI等の技術革新から労働者は守れるか?等の問題を、過去の歴史や現代の例を挙げてこれからの視点を教えてくれる実用書。

    限界生産性等ワードや重要な部分はボールペンでライン引きながら読んでます。

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    2025年01月01日
  • 引き算思考 「減らす」「削る」「やめる」がブレイクスルーを起こす

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    ネタバレ

    引き算で考えるということが如何に難しのかということが例を変えて沢山書かれていた。
    少々事例に偏りすぎている感は否めないが、数々の本が組み合わせということを訴える中で、ここから引き算してみたらどうだろう。という視点を持っておくのは重要だと思う。

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    2024年11月25日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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    教育のことも少しは書いてあったが実例が書かれておらず、抽象的なものであった。AIの章ではきたいしたがそれほど学生の役に立つとは思われなかったのがざんねんである。

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    2024年08月31日
  • ホーキング、ブラックホールを語る BBCリース講義

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    ネタバレ

    小学生くらいの頃にブラックホールの番組に目が釘付けになって(吸い込まれたらこわい!)自由研究でブラックホールを取り上げたことを思い出した。

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    2023年01月09日
  • 言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―

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    ネタバレ

    言語を「ジェスチャーゲーム」に例えて考察した本。
    論文チックでやや表現は難解だが、コミュニケーションの示唆に富む。

    得られた気づきを一言で表すと、「言語は共同作業→相手の背景・反応を意識できる者が会話上手」ということ。
    他者と会話する時は、その人が使っている言葉の意味を正しく理解するように努めるようにしたいと思った。

    以下は、勉強になった部分のまとめ。
    ・コミュニケーションは一方通行ではなく、言語の意味は対話の当事者による共同作業で作られる
    ・言語は固定の符号でメッセージを送るものではなく、言語に受け手の背景知識や価値観を加えて解釈がなされる
    ・子供の言語能力を向上させるには、言語の練習機

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    2023年01月07日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

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    まず、本書については一言で言うと、
      『重い』(物理的にも、内容的にも)
    ということに尽きる。

    人類の歴史が始まって以来、人類の歴史は
      持つ者と持たざる者との歴史
    であると言って良いと思う。

    本書をざっと読んでみて、平等を実現することがどれほど難しいということかが改めて確認できた。

    農耕生活が始まる以前の
      狩猟採取生活
    が人類が最後に経験した平等であったのかもしれない。

    本書で論じられる人類を平等化をさせる可能性のある四騎士
      〇戦争
      〇革命
      〇崩壊
      〇疫病
    のうち、本当の意味である一定の社会を平等化できたのは
      〇戦争→大量動員戦争である第二次世界大戦
      

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    2021年05月23日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

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    不平等・平等化について
    歴史的なデータから分析している

    最近のITが発達している社会では
    同様なことが起きても
    また違った展開になるのかな

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    2021年01月07日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

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    歴史上のエビデンスから文明が平等化を平和裏に進めたことがないという事実は暗澹たる気にもなる。徳川~戦争~戦後処理にかけての日本への言及も多く非常に興味深い。

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    2020年12月31日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

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    ネタバレ

    「数千年にわたり、文明のおかげで平話裏に平等化が進んだことはなかった。既存の秩序を破壊し、所得と富の分配の偏りを均し、貧富の差を縮めることに何より大きな役割を果たしたのは、暴力的な衝撃だった。」

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    2020年02月16日