國分功一郎のレビュー一覧

  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    自由の根幹は「移動の自由」
    日本国憲法が示すように、場所を選び移動できることこそが自由の土台である。

    行為の本質は“自己を守る営み”
    ガンディーの言葉を引用し、「ほとんど無意味に見える行為」でも、世界に流されず主体性を保つうえで不可欠だと強調している。

    目的に縛られた行為は自由ではない
    「○○のためにやっている」と説明できる行為は、動機や目標に従属しており真の自由とは言えない。

    目的を超えて“遊び”へ―手段‐目的連関からの逸脱
    文化祭の準備の議論が次第に楽しくなる例のように、最初の目的を超えて自発的・創造的に広がる活動を著者は「遊び」と名づける。

    社会運動にも“遊び”の要素が必要
    運動

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    2025年06月10日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    決断が必要なときは?意図せずに行われていた逡巡と熟考の末に、ああ、これがなすべきことだったという仕方ですでに決心ができている自分に気づく。

    決断とは受動的なもの。人間はこうしようという形で決断するのではなく、そうなってしまうという形で決断する。
    もっともっと今自分が置かれている自体を見つめること。そして自分の中に決断が出来上がるのを待つ。
    焦ってはいけない。焦りは今心の中に出来上がりつつあるパターンから目を背けさせる。

    こういうことをやっていた人間はこうなれると思わないこと。答えはない。

    愛するとは相手を認めること。相手が存在していることを心からいいと受け止めること。

    心な穴からは確か

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    2025年05月12日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    読みにくいけど、読みたい内容。
    その行為が、それ自体を楽しむものでなく、何らかの目的のための行為、手段としての行為になってしまうことの警鐘と受け止めました。目的だろうがなんだろうが何かに支配されていくのは嫌だな思いますが、依存行動と付き合っていくにも、そこから卒業するにも、基本の理解として役立つ考えだったと感じています。

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    2025年05月09日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    ・イギリスの料理が不味くなったのは、資本主義のせい?

    ちょっと脱線しますが、皆さんは「イギリスの食事はまずい」とよく言われていることは知っていますか。

    実際のところ、最近は美味しいんですけどね。確かに一時期までは本当にひどかったようです。かつてのクオリティーの食事を提供する古い食堂は残っていて、そういうところで食べると塩味が付いていない。

    というのも、食卓にある胡椒と塩で各自が自分向けに調整して味付けすることになっているからです。これには面食らいました。

    しかし、イギリスの料理はずっと昔からまずかったわけではなく、それは一九世紀に産業革命と農業革命から決定的な悪影響を受けたことの帰結で

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    2025年05月05日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    2025.04.29 かなり考えさせられる良い本だと感じた。全てが手段化する現代社会。コスパなんでいう概念はその最たる証では。余白が無くなっている。well-beingと言われるけど、どんどん逆の方向にいっているのではないか。

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    2025年04月29日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    受動態vs能動態の対立は、思っていたより私の思考にべったり貼り付いていたのだな…と思った。1番の原因はやっぱり英語教育かもしれない。「する」の反対は「される」であり、受動態の文は能動態の文で書き換えができるものなのだ、と。染みつきすぎているその当たり前から、読みながら少しだけ自由になれた気がする。

    「なんだか理由が分からないけれどすき」なものってある。明確な理由は思い浮かばないけれど、なんとなくいつも選んでしまうもの、傍に居る人、足を運んでしまう土地。こういうものを敢えて説明しようと試みるとき、中動態という概念が必要なのかもしれないなー、なんて。両極に位置するものではなくて、質の差として考え

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    2025年04月27日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    第三象限(手段の概念を含む)と第四象限(享受の快)の違い説明は非常に興味深い。
    この議論は哲学的なものでなくとも、一般的に議論されていたりする内容だと思い至る。
    趣味や嗜好品を手段としてはならない。
    誰もが無意識に陥る罠ではないだろうか。
    気を付けたい。

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    2025年04月26日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    スピノザの診察室という本から、スピノザ哲学とはどんなものだろうと手に取った本です。
    スピノザの診察室のセリフにもあったようにとにかく難しい印象でした。

    しかし、例え話や現代の身近な話に置き換えて説明してくれるこの本は楽しく読めました。

    印象に残ったのは必然性に従うことこそ自由であり
    足や手は可動域に限界があるが、その範囲を動かすこと自由に動かしていることになる。
    という、スピノザ哲学の自由という概念に関しての例え話は心にスッと入ってきました。

    哲学系の本は考えた気にさしてもらえる。かりそめな思考かもしれませんが、その感覚だけでも充実感がありました。

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    2025年04月22日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    いつ読んでも面白い。

    今回は「嗜好品」とカントを絡めながら、ただ快を味わうことを、目的に対する手段へとすり替えられることへの警句を示している。

    健康であることは、それ自体で快い。
    しかし、「健康」でありたいと目指して、サプリメントを飲んだり、毎日運動をすることで、それは目的と手段に代わってしまう。

    ドイツではナチスが台頭した際に、ただチェスをすることは許されなかった。
    能力を磨くという目的のための手段となった。

    私たちが快さ、楽しさを享受することの、大切さ。

    コスパ・タイパという世の中にあって、目的もない行為は、良しとされないのかもしれない。
    ただ、私たちがパフォーマンスを求める、本

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    2025年04月19日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    本書は、カントの提唱する快の四分類(快適なもの、美しいもの、崇高なもの、善いもの)を丁寧に解説することから始まる。
    - 快適なもの:感官的な快であり、個人的な好みに依存する。目的や合目的性を持たない、純粋な享受の対象。
    - 美しいもの:反省の快であり、主観的ながら普遍性を要求する。目的はないが、合目的的に感じられるもの。
    - 崇高なもの:理性的観照の快であり、人間の想像力を超える強大なものに対する畏敬の念から生じる。
    - (端的に)善いもの:道徳法則に従うことによって得られる快であり、理性の実践的な働きによる。目的そのものであり、自律的な意志によって実現される。

    美しいものや崇高なものが、そ

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    2025年04月06日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    難解だけれどどうしても分かりたくなる!読み進めたい!と思わせてくれるのは筆者の丁寧な先行の哲学の精読と確かな(そして誠実な)筆力によるものと思います。ただ難解でとっつきにくい本と感じて読まないのはあまりにも勿体ない、難解だけれど確かに分かる・共感できる部分がたくさんある、哲学によって人を救済したいという真摯で優しい願いを不思議と感じられる書籍。
    哲学用語や言語学の用語、概念など難しいところは検索したり調べたりしつつの読書となりましたがとっても有意義な時間になりました。

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    2025年04月03日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    コロナにおける緊急事態での移動制限を容易に受け入れてしまった社会に対する警告とも言えるアガンペン氏の論考をもとに自由について考える。

    そこから筆者は目的以外の遊び、自由を認めない社会への警輪をならす。効率化を求め目的以外の活動を認めない。そこには楽しみもない。満足できる浪費もなくただ記号としての消費をさせられる。そんなただ生きることのみの権利を大事にする社会にアガンペンは一石を投じていると。

    確かに、説明可能な目的以外の活動は組織においてどんどん排除される。そしてその影響が会社員、労働者割合の増加とともに社会にも侵食。

    その際たるものが、塾や習い事漬けと受験戦争として子どもに影響を及ぼし

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    2025年03月31日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    暇と退屈の倫理学の結びに登場した楽しむとはどういう事かというテーマについてとてもわかりやすく考察されていた。人間性は生活習慣によって積み上がっていくものではないかと少し前に思った事があったが、筆者の予感として同じ様な事が書かれていて大きく頷いた。
    カントのタバコに関する考察の邦訳文に惚れ惚れした。素敵な文章でした。

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    2025年03月30日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    学生に向けた講話。

    目的がないと生きられない世の中になり、その目的に抗ってみようかという提案。

    コロナ禍の状況を哲学の観点で考察されていたことは、医療従事者として興味深かった。

    命か経済か。
    命か自由か。
    その二項対立は目的に縛られているのではないか。
    (目的が何なのかがはっきりとわからないけれど、「社会をどう維持するか」「個人の幸福をどう定義するか」ということ?)

    感染した死者とは会えない。
    感染した死者をビニール袋に入れる。
    その行為は、生きている者に価値を置きすぎているのではないか。死者への尊厳が失われていないか。

    不要不急とは。
    線引きはどこ。

    (上記、私の記憶から出てきた

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    2025年03月22日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    目的は立てるべきもの
    目的があるからこそ高い成果が出せると思っていた(いる)自分にとって視野が広がる1冊だった

    計画的偶発性理論に似た話かと思うが、しばしば目的を超える時があるという知識を持っておくことで、目的に縛られない生き方に繋がると感じた

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    2025年02月24日
  • 「利他」とは何か

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    共感や信頼などの利他が、必ずしもいい方向に結びつかないことを学んだ。他者のために何か良いことをしようと支援するとコントロールすることになる。フィクションで感動するような作品は利他的なものが多いので、デメリットというところには気づきづらい。対人関係に疲れてしまうのも責任や力量を超えた意思などが原因なのかもしれない。利己的な部分と利他的な部分を両立させ、こころに余白を持たせたいなと考えさせてくれた本だった。

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    2025年02月21日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    コロナ禍に感染拡大防止などの御旗のもとに取られた、移動の権利などの諸々の権利制限が我々に課されたことは記憶に新しい。

    筆者や、筆者が紹介する哲学者が疑問を抱くのは、そうした権利制限をたやすく受け入れているかのように見える、言い換えると、対統治者の苦難の歴史を乗り越えて勝ち得てきた重要な権利をたやすく手放して良いものか。統治者側、肥大する行政権の恣意で世の中がおかしな方向に進んでいきはしまいか。目的のために行為するだけの人間の孕む危険性―

    そうした出発点から、哲学が問を発する意味(アブのようにちくちく刺すというような表現だった)、改めて、人間が人間らしく生きるということはどういうことなのか、

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    2025年02月19日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    非常時に行政のスピーディ化が支持される。
    行政と立法権の一体化。
    極端な例は、ナチ党。

    (正しい)目的があることでその過程の作業は正当化される。
    目的から脱却すると自分のその場の思いに従って純粋な活動ができる(終わりの見える活動)

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    2025年02月09日
  • 「利他」とは何か

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    数値化すればするほど減っていく利他性。言動が内発的な利他性から、外発的もしくは内発的な利己性になってるから?

    人は信頼してる時、他者の自立性を尊重。悩んでる人に対して諭すことなくツンツンして自らの解決を待つ感覚

    利他とは聞くことを通じて相手の隠れた可能性を引き出すこと、と同時に自分が変わること

    二つそれぞれあるのに、不ニであり、一に似たのも。主語が2人の考えに似てるような気がした

    現代では、論理上の矛盾がないことが正しさの証とされるが、現実世界の説明としては非常に脆弱。むしろ矛盾のまま表現できる方がよほど現実的です。
    計算された利他は、本質的な意味では利他にはなりえない。

    自分がした

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    2025年01月05日
  • 「利他」とは何か

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    ネタバレ

    利他の最大の敵は、「これをしてあげたら相手にとって利があるだろう」という「私の思い」に基づいて、特定の目的に向けて他者をコントロールしてしまうこと。利他は本来、「自分の行為の結果はコントロールできない」「見返りは期待できない」という数量化し得ない、意味から自由な「余白」が原則である。

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    2025年01月02日