國分功一郎のレビュー一覧

  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    スピノザの診察室という本から、スピノザ哲学とはどんなものだろうと手に取った本です。
    スピノザの診察室のセリフにもあったようにとにかく難しい印象でした。

    しかし、例え話や現代の身近な話に置き換えて説明してくれるこの本は楽しく読めました。

    印象に残ったのは必然性に従うことこそ自由であり
    足や手は可動域に限界があるが、その範囲を動かすこと自由に動かしていることになる。
    という、スピノザ哲学の自由という概念に関しての例え話は心にスッと入ってきました。

    哲学系の本は考えた気にさしてもらえる。かりそめな思考かもしれませんが、その感覚だけでも充実感がありました。

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    2025年04月22日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    いつ読んでも面白い。

    今回は「嗜好品」とカントを絡めながら、ただ快を味わうことを、目的に対する手段へとすり替えられることへの警句を示している。

    健康であることは、それ自体で快い。
    しかし、「健康」でありたいと目指して、サプリメントを飲んだり、毎日運動をすることで、それは目的と手段に代わってしまう。

    ドイツではナチスが台頭した際に、ただチェスをすることは許されなかった。
    能力を磨くという目的のための手段となった。

    私たちが快さ、楽しさを享受することの、大切さ。

    コスパ・タイパという世の中にあって、目的もない行為は、良しとされないのかもしれない。
    ただ、私たちがパフォーマンスを求める、本

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    2025年04月19日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    本書は、カントの提唱する快の四分類(快適なもの、美しいもの、崇高なもの、善いもの)を丁寧に解説することから始まる。
    - 快適なもの:感官的な快であり、個人的な好みに依存する。目的や合目的性を持たない、純粋な享受の対象。
    - 美しいもの:反省の快であり、主観的ながら普遍性を要求する。目的はないが、合目的的に感じられるもの。
    - 崇高なもの:理性的観照の快であり、人間の想像力を超える強大なものに対する畏敬の念から生じる。
    - (端的に)善いもの:道徳法則に従うことによって得られる快であり、理性の実践的な働きによる。目的そのものであり、自律的な意志によって実現される。

    美しいものや崇高なものが、そ

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    2025年04月06日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    難解だけれどどうしても分かりたくなる!読み進めたい!と思わせてくれるのは筆者の丁寧な先行の哲学の精読と確かな(そして誠実な)筆力によるものと思います。ただ難解でとっつきにくい本と感じて読まないのはあまりにも勿体ない、難解だけれど確かに分かる・共感できる部分がたくさんある、哲学によって人を救済したいという真摯で優しい願いを不思議と感じられる書籍。
    哲学用語や言語学の用語、概念など難しいところは検索したり調べたりしつつの読書となりましたがとっても有意義な時間になりました。

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    2025年04月03日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    コロナにおける緊急事態での移動制限を容易に受け入れてしまった社会に対する警告とも言えるアガンペン氏の論考をもとに自由について考える。

    そこから筆者は目的以外の遊び、自由を認めない社会への警輪をならす。効率化を求め目的以外の活動を認めない。そこには楽しみもない。満足できる浪費もなくただ記号としての消費をさせられる。そんなただ生きることのみの権利を大事にする社会にアガンペンは一石を投じていると。

    確かに、説明可能な目的以外の活動は組織においてどんどん排除される。そしてその影響が会社員、労働者割合の増加とともに社会にも侵食。

    その際たるものが、塾や習い事漬けと受験戦争として子どもに影響を及ぼし

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    2025年03月31日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    暇と退屈の倫理学の結びに登場した楽しむとはどういう事かというテーマについてとてもわかりやすく考察されていた。人間性は生活習慣によって積み上がっていくものではないかと少し前に思った事があったが、筆者の予感として同じ様な事が書かれていて大きく頷いた。
    カントのタバコに関する考察の邦訳文に惚れ惚れした。素敵な文章でした。

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    2025年03月30日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    学生に向けた講話。

    目的がないと生きられない世の中になり、その目的に抗ってみようかという提案。

    コロナ禍の状況を哲学の観点で考察されていたことは、医療従事者として興味深かった。

    命か経済か。
    命か自由か。
    その二項対立は目的に縛られているのではないか。
    (目的が何なのかがはっきりとわからないけれど、「社会をどう維持するか」「個人の幸福をどう定義するか」ということ?)

    感染した死者とは会えない。
    感染した死者をビニール袋に入れる。
    その行為は、生きている者に価値を置きすぎているのではないか。死者への尊厳が失われていないか。

    不要不急とは。
    線引きはどこ。

    (上記、私の記憶から出てきた

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    2025年03月22日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    ひまわりめろんさんのレビューを読んで手に取った本。
    お悩み相談は恋愛関係が多めだったせいか(性的なものが思ったより多かった)、自分の悩みに ピンポイントで当てはまるものはなかったけど、興味津々で読んだ。
    相談内容そのものというより、國分先生の文章の読み解き方がお見事でただただ感心。
    「人生相談には、言われていないことが重要」という言葉の通り、文章に書かれていないその人の背景にまで思いを寄せて返答されていて、その姿勢は見習いたいなと思った。
    同時に、國分先生みたいな人に相談したら、全てを見透かされてしまいそうで、ちょっと怖くもなった。

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    2025年03月02日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    目的は立てるべきもの
    目的があるからこそ高い成果が出せると思っていた(いる)自分にとって視野が広がる1冊だった

    計画的偶発性理論に似た話かと思うが、しばしば目的を超える時があるという知識を持っておくことで、目的に縛られない生き方に繋がると感じた

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    2025年02月24日
  • 「利他」とは何か

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    共感や信頼などの利他が、必ずしもいい方向に結びつかないことを学んだ。他者のために何か良いことをしようと支援するとコントロールすることになる。フィクションで感動するような作品は利他的なものが多いので、デメリットというところには気づきづらい。対人関係に疲れてしまうのも責任や力量を超えた意思などが原因なのかもしれない。利己的な部分と利他的な部分を両立させ、こころに余白を持たせたいなと考えさせてくれた本だった。

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    2025年02月21日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    コロナ禍に感染拡大防止などの御旗のもとに取られた、移動の権利などの諸々の権利制限が我々に課されたことは記憶に新しい。

    筆者や、筆者が紹介する哲学者が疑問を抱くのは、そうした権利制限をたやすく受け入れているかのように見える、言い換えると、対統治者の苦難の歴史を乗り越えて勝ち得てきた重要な権利をたやすく手放して良いものか。統治者側、肥大する行政権の恣意で世の中がおかしな方向に進んでいきはしまいか。目的のために行為するだけの人間の孕む危険性―

    そうした出発点から、哲学が問を発する意味(アブのようにちくちく刺すというような表現だった)、改めて、人間が人間らしく生きるということはどういうことなのか、

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    2025年02月19日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    非常時に行政のスピーディ化が支持される。
    行政と立法権の一体化。
    極端な例は、ナチ党。

    (正しい)目的があることでその過程の作業は正当化される。
    目的から脱却すると自分のその場の思いに従って純粋な活動ができる(終わりの見える活動)

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    2025年02月09日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    疫病の流行やテロなどへの危機感を煽られて、何も疑いを持たずに「自由」を放棄してよいのか?

    何らかの「目的」のために、一人ひとりの自由が制限されることについて考える。大義名分のために、個人が自由をあきらめるようなことがないように、意見を表明したり、考えたり、話したりを続けないといけない。

    パブコメを出すことについても、前向きに考えられるようなことが書かれていた。誰かの代わりに話すことについても。

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    2025年01月06日
  • 「利他」とは何か

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    数値化すればするほど減っていく利他性。言動が内発的な利他性から、外発的もしくは内発的な利己性になってるから?

    人は信頼してる時、他者の自立性を尊重。悩んでる人に対して諭すことなくツンツンして自らの解決を待つ感覚

    利他とは聞くことを通じて相手の隠れた可能性を引き出すこと、と同時に自分が変わること

    二つそれぞれあるのに、不ニであり、一に似たのも。主語が2人の考えに似てるような気がした

    現代では、論理上の矛盾がないことが正しさの証とされるが、現実世界の説明としては非常に脆弱。むしろ矛盾のまま表現できる方がよほど現実的です。
    計算された利他は、本質的な意味では利他にはなりえない。

    自分がした

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    2025年01月05日
  • 「利他」とは何か

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    ネタバレ

    利他の最大の敵は、「これをしてあげたら相手にとって利があるだろう」という「私の思い」に基づいて、特定の目的に向けて他者をコントロールしてしまうこと。利他は本来、「自分の行為の結果はコントロールできない」「見返りは期待できない」という数量化し得ない、意味から自由な「余白」が原則である。

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    2025年01月02日
  • 「利他」とは何か

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    東京工業大学のなかにある人文社会系の研究拠点「未来の人類研究センター」に集まった研究者のうち、「利他プロジェクト」の5人のメンバーでそれぞれ<「利他」とは何か>について執筆したものをまとめたものが本書です。発刊は2021年。

    「利他」といえば、「利己」の反対の行為で、つまり自分の利益を考えて振舞うのではなくて、他者の利益になるように助けてあげること、力になってあげることとすぐにわかるじゃないか、とせっかちにも僕なんかはすぐに答えを出してしまったりするのですが、本書を読んでみると、一言に「利他」といっても、たとえばそこに「利己」が裏面にべったりとひっついていることがわかってきて、かなり難しいの

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    2024年12月29日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    長い歴史を紐解けば?  この本では目的や目標を持つこと自体を批判する。特に、コロナ禍での行政からの制約を例として、感染症封じ込めのためならば「移動の自由」を犠牲にしても良いのかというアガンベンの問題提起も引用しながら論じている。

     目的や目標がしばしば個人の幸福や満足感を犠牲にすることを指摘し、目的から解放された生き方を提唱している。

     学者らしく批判の矛先は政府や行政に向かいがちだが、この本を読んで私が真っ先に思い出したのは、目的のために他を犠牲にしがちな共産党や左翼活動家のことだ。一切触れられていない。

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    2026年01月18日
  • 「利他」とは何か

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     中島は人間の意思に還元できない利他的行為が存在するのだと言う。利他が宿る器になるために我々がすべきことはなんだろうか。

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    2024年07月01日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    とても噛み砕いて、例えも多用されており、わかりやすい説明だった。ほんの少しだけ理解できたような気がする。スピノザは難解なので何回も挑戦していくしかないと再認識した。

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    2024年06月13日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    封建国家による統治が限界を迎えた先にどのように近代国家の輪郭が形成されていったのか、その輪郭の骨子はなにかを、順に登場する各思想家の考えに沿って読み解いた本。
    コテンラジオの「フランス革命編」を追体験し、より深く理解できたと感じる。

    個人的におもしろかったのは、ぼんやりとしか捉えられていなかった封建国家の解像度が上がったことと、「行政権」を捉え直すことで「民主主義」という概念と実態のチグハグさが見えるようになったことか。
    自身が組み込まれた政治体系をただ受け入れるだけでなく、主権の一部を担う民として政治体系を捉え直し自意識として組み込むことの重要性を主張しているように感じた。
    国分さんの本は

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    2024年05月18日