國分功一郎のレビュー一覧

  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    本来国民の声を幅広く聞いて実行するはずの政治が機能していない。
    特に身近に溢れているインフラ整備の問題などこれまでは自民党の主導で行われてきたが、ここにきてそれも限界を迎えそうな感じがする。
    本書はそうした社会構造の矛盾を市民の側から変えていく自らが引き受ける民主主義を体現しようとした若き哲学者の声である。この本に書かれているとおりにもっと市民の参加しやすい行政の構造改革が行われれば、今の任せて文句を言う体制から社会は少し脱却できるかもしれない

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    2015年08月12日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    なぜ私の考えは行政に反映されないのかという疑問をもつ人の為の本。私と主権がどうリンクしているのか、そして主権の在りかは行政にどう働きかけるのか。主権概念の来歴を追うことで、現在の政治のあり方や主権国家システムを相対化することができる内容になっている。
    あまり古典の解説で聞かない内容があっていい。ホッブスの社会契約には二種類あることや、ルソーの一般意志は少数意見に容赦無いことなど。ただカントまでで章が終わっており、少なくともヘーゲルまで読みたかった。ヘーゲルには著者の持論を援用できる内容は少なかったということだろうか。

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    2015年07月29日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    民主主義の欠陥に迫った一冊。何度も頷かされました。ぜひ誰しもに一度読んでみて貰いたいです。
    「哲学に携わる者の責任とは、配達されるべき言葉を配達することだ。」と筆者も言っているように、実にこの問題をデリダなどの思想と繋ぎながらわかりやすく伝えてくれています。
    優しく、熱い一冊。必読です。

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    2015年06月17日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    我々のこの民主主義・民主制は、ある種の欺瞞のもと、何か別のものが民主的と呼ばれているにすぎないのではないかーー。そのような疑問から出発し、政治哲学の大家たちの論を紐解きつつ、彼らの「自然権」「主権」「立法」「行政」などの用語法の細かな異同に目を配りながら、何百年も前に提起された諸問題が今もなお熟慮に値することを明らかにしてゆく。

    初めて書店で見かけた時は硬くストレートな題名には好感を抱きつつもこれで本当に売れるのかと心配になったが、数ページ読んでそれが杞憂であることを確信した。とにかく解り易い。変に奇を衒った所は全くなく、極めて簡潔な文体で淡々と論が進められてゆく。あまりに噛み砕かれると却っ

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    2015年06月02日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    やや進歩史観的というか、過去の思想を「乗り越える」という形で単純化して書かれすぎているきらいはあるが、その点を踏まえても本書の試みが、その魅力が損なわれるということはない。
    行政という観点に着目して読み直される政治哲学史は、掛け値なしに新鮮なものだった。

    著者の『来るべき民主主義』と併読されることを強く勧める。ほとんど姉妹のような本だ。

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    2015年05月08日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    こども・若者の社会参画について考えていて、間接民主主義やら投票率向上キャンペーンに限界があるんじゃないかでもどうしたらいいんやーみたいなことを考えていた時に先輩から勧められて読んだ。
    まだ「はじめに」しか読んでないけど...
    主権=立法権を前提にしている近代の政治思想や行政が決定している実態への指摘がまさしくその通り!と思うもの。政治思想を平易な言葉で解説しつつ、現実的なアプローチを提案している。さらに読み進めたい。

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    2015年01月04日
  • 社会の抜け道

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    数ある対談本の中でも1,2を争う面白さ。

    思想や哲学を生活に結びつけるということはきっとこういうことを言うのだろう。ショッピングモール、保育園、食など、誰もが身近に接するものから見える問題。そしてその問題との向き合い方のヒント。

    今を代表する論者である國分功一郎氏と古市憲寿氏との対談はそれぞれの問題へのスタンスを明らかにする。國分氏は熱く、古市氏はクール。きっと大きな意見の隔たりもあるに違いないが、互いのリスペクトが対談を対立ではなく、協調へと導く。

    対談自体もそうだが、批判の応酬からは問題の解決の糸口は見つからない。対談は最後は「反革命」というキーワードん出すが、まさにその通りで社会は

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    2014年06月01日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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     小平市都道328号線問題のような住民問題は、マンションや道路、ダム、ゴミ処理工場、最終処分場など、問題の構図として必ずと言っていいほど、《住民対自治体(行政)》の構図が浮かび上がってきた。そして、行政をチェックする機能としての議会も、行政の取り組みを認可するだけの役割に成り下がるだけの役割しか見えてこなくなっている…。
     上記のような構図が毎回、テレビなどのマスコミで報道される。すると住民や世論は、そんな体たらくな行政を議会が正すべきだと、選挙の重要性をクローズアップする。要は「議会が機能すれば、行政が正常化する」と…。
     本書をただ、小平市都道328号線問題がいかに行政がおかしいかを指摘し

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    2014年05月11日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    ネタバレ

    小平市の都道建設計画を見直す住民投票運動に参加した社会哲学者が、自分の専門である政治哲学と実践とを見事に結びつけた良書。日本の政治や行政に関する「理解不能」な部分をなるほどと解き明かしてくれました。行政権が大きな比重を占める日本では、主権=立法権という政治哲学の前提が間違っているので、住民投票やパブコメをちゃんとやりましょう、という話は目から鱗でした。お薦め。

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    2014年05月03日
  • 社会の抜け道

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    学生時代は社会学に全然興味がなかったんだけど、この二人の対談は、するする頭に入ってきて、世の諸問題への関心が高まっていく。
    國分さんの単著も読んだことなかったんだけど、この本のおかげで大分関心が高まりました。
    そしてシャルル・フーリエがなぜここ最近見直されているのか謎。妙に波がきてる感じがするよね。

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    2014年04月28日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    ドゥルーズやデリダなどの研究を専門にする哲学者が、自らが住む小平市の道路建設に反対する運動に関わる過程で得た現在の民主主義への違和感と課題についてまとめられた本。タイトルにもなっている「来るべき民主主義」は著者が専門とする哲学者ジャック・デリダの言葉だ。「現在の民主主義を見直し、これからの新しい民主主義について考えることが本書の目的である」とのこと。

    その内容を端的に言うと、実際の決定は行政機関によってなされるのに、立法権に間接的に選挙で関わることが担保されているが、行政権には公式にアクセスする手段がないということが問題だということになる。立法権の優越は、近代民主主義における欠陥だというのが

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    2014年03月31日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    「平易な文章で、よくもここまで上手に説明するものだ」と驚かされた良書。実に面白い!
    小平市の道路開発問題という超ローカルなネタを素材にしているが、議会制民主制に対する幻想・勘違いと限界、そして議会制民主制を補完する方策のアイデア、まで幅広く論じている。自分自身の「政治」に対する向き合い方が変えられるかも。

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    2014年03月19日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    テクストを読み解くスキルを活かし、哲学者が一般読者の人生相談に答えています。
    アドバイスとして言っていること自体は良心的で、即問題解決に結びつくようなものではありませんが、しかしその「悩み」のどこが問題なのかを読み解き、なぜそのようなアドバイスをするに至ったのかを明確に述べています。
    相談メールの中には何が書き落とされているのか、何が書かれてしまっているのか、どんな文体で書かれているのか。そこに書き手の人柄が表れるのであり、そこに着目するのがいわゆる批判的な読み方なのだと思いました。
    文章を読み、書くための勉強になりました。

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    2014年02月27日
  • 社会の抜け道

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    古市さんの「絶望の..」を読んだことがあるが、國分さんのものは初めて.的確な論評に感心した.保育園の話しでフランスの少子化対策での成功事例を紹介していたが、女性の労働支援を実施した由.日本も取り入れたらどうかな.國分さんの言葉で「いいものを提供しても、受け取れる人と受け取れない人がいる.リテラシーの問題がそれぞれの人のものの受け取りを規定している」は大事な論点だと感じた.

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    2014年02月19日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    相談の手紙に書かれていないところ、相談者が言っていないところに、本当の問題点があること。悩みも、解決策も常に個別・具体的であること。國分先生の、本質を見抜く見方・考え方や、鋭角的なアドバイスが、とても役に立っています。

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    2014年01月16日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    働き始めてから、OFFの時間に難しいことを考えられなくなった。難しい情報処理を受け付けなくなった。

    疲れた頭でも思わず読み進めてしまったのがこの一冊。

    他人の人生相談を読みながら、普段、いい子ぶっている自分の行間に、図々しい自己主張があるのでは、とえぐられるようだった。

    それにしても哲学はおもしろい。

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    2013年12月11日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    一般的•抽象的なものはこの世に存在しない。存在しているのは個別的•具体的なものだけ(p175)と、相談者の文章から具体的な状況を読み取ろうという姿勢が素晴らしい。
    情動と感情の関係、遵法闘争、運と無意識の選択、「観念の物質化」など面白い。
    「言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない。」(p251あとがき)

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    2013年12月08日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    タイトルの通り、哲学者の國分功一郎氏が、とあるメルマガにて連載していた人生相談を本にまとめたもの。

    寄せられた相談に著者が、主に哲学の視点と著者独自の考えから答えを出している。

    中でも私が一番面白かったのは、「モテない」という相談に対し、そもそも「モテる」とは何なのか、という著者の結論。

    「『モテる』とは『敷居が低い』ことを意味しているーこれが私の結論です。何らかの理由で或る人物の中に他人が入りやすくなっているとき、その人物は『モテる』のです。」(p.38)

    誰もが抱える「心の穴」を埋めるため、多くの人が「心の敷居が低い」人に集まった状態。
    それが「モテる」であると。

    真理を得た気が

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    2013年12月04日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    ・とても読みやすい。一文の区切りが短いのと、情報の出る順番が丁寧だからだと思う。Aという主張をするために、前提となる情報を出す。この基本に忠実な文体。新しい情報を出す前に入念に復習や補足まで行なってくれる。優しい塾の先生みたいなやり方だと思った。

    ・消費と浪費は違う。モノそのものの価値ではなく、それが新しいだとか、みんなが使っているだとか、そこに付与した記号を買わされることを消費と定義されていた。三宅香帆さんの著書「考察する若者たち」で言及されていた、「報われ消費」と近い考え方だなと思った。

    ・消費というと、現代ならスマホが一番近いような気がする。スマホには天井がない。延々と続く情報の海に

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    2026年02月07日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    人はなぜ暇の中で退屈するのか、そもそも退屈とは何か、退屈とどうむきあうべきか、を命題とした哲学書。暇を客観的条件、退屈を主観的状態と定義したうえで、過去の哲学者たちの主張を丁寧に追って展開されていく営みは、哲学という学問の面白さを感じさせる一方で、全てを理解しきれないもどかしさも感じる一冊だった。漠然と身近にあった暇という現象に対してこうした解釈がなされるのは非常に面白かった。
    人間は環世界を相当な自由度をもって移動できるから退屈するのであり、定住革命と同時に暇と向き合うようになり、供給側が需要を操作しているといる現代の高度消費社会においては、終わることのない観念消費のゲームとして資本主義が暇

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    2026年01月24日