國分功一郎のレビュー一覧

  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    デリダの来るべき民主主義の結論は陳腐な気がしたけれども、哲学者である著者が住民運動に携わる中で、民主主義への疑問点を実感的につかんでゆく過程はとてもつたわってくる。確かに、行政は実際ほとんど決めていて立法府はあまり役に立たないように感じる。まああくまで、一つの見解である。
  • 保育園を呼ぶ声が聞こえる
    日本の保育園とイギリスの保育園を比較しながら、日本の保育の問題を対談形式で掘り下げていく本。

    保育園の理念とニーズがずれてしまっているという点について警笛を鳴らしている。

    子供の人格が形成される大切な時期に、いかに生活環境を整えて接するかが重要であるが、待機児童問題の対策として、基準の緩和、子供...続きを読む
  • 保育園を呼ぶ声が聞こえる
    保育園が教育産業であることを英国の保育事業にも詳しい方を招いての座談会。改めて保育園が重要な役割を担っており、それがここ10数年の趨勢であることを痛感する。日本では単なる就労支援の手段!と考えていることにその遅れの原因があるように思われる。したがってこの問題を考えるとき、預ける母親の視点に立った検討...続きを読む
  • 社会の抜け道
    おなじみの社会学者・古市憲寿と、若手の左寄り哲学者・國分功一郎の共著、対談集。國分もlifeで知って、とても面白いしっかりした人だなという印象を持っていた。哲学者って名乗るのは結構大変だと思う。哲学の仕事って真理の探究でしょ。思想とは違う、っていうのはイメージで線引きはわからないけど、でも逆にそう名...続きを読む
  • 社会の抜け道
    デモや消費社会、保育園に食料問題まで幅広く現代社会について対談している。当たり前の価値観が本当に当たり前かなんて比べてみなきゃ分からないし、社会は劇的になんて変わらない。何を選択して生きていくのかを考える本。
  • 原子力支援  「原子力の平和利用」がなぜ世界に核兵器を拡散させたか
    この本は、副題の<「原子力の平和利用」がなぜ世界に核兵器を拡散させたか>を、計量的手法を用いて明らかにしようというものである。したがって、いわゆる環境の本という枠からは少し外れているのだろうが、「平和的利用」の中には当然「原発」も含まれるわけで、その意味からすれば、目を通してみるのも、あながち無駄な...続きを読む
  • 哲学の先生と人生の話をしよう
    直前に岡田氏の同類相談本を読んでいたので、一歩負けるなあという感じで読み終わりました。

    以下戯れ言なので本当に失礼だったら申し訳ないんですが。

    國分先生は、イケメンなのがもったいないなあって思っちゃうのは私だけなんでしょうか…

    いやなんていうか、イケメンキャラを要求されて、要求されたら応えなき...続きを読む
  • 社会の抜け道
    読みやすいけど、これを出発点に考えを深める可能性がありそうな一冊。ショッピングモール、保育園、など題材は身近。だからなんだ、といいたくなるような個人の感想的な部分もあるけど、それすら裏付け部分に厚みがあるために興味ひかれた。

    興味深かったのは、社会的な運動をする際、それ自体を楽しむのか、変革を目的...続きを読む
  • 社会の抜け道
    思ってたより面白かった。随分前にぱらぱら冒頭を読んでいたときは、ざっくばらんであると同時に雑多な会話の集積という印象だった。けれど、今回ふと通読してみると、なかなかどうして面白い。視点が共有されていると同時に違うことで、話が面白く転がっている。
    気になるのが、國分さんの加筆・修正部分。取ってつけたよ...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
     著者がニュース番組に出演したとき紹介のテロップで紹介されていた本。内容はまったく調べないまま買った。
     小平市都道328号線の建設問題から民主主義を考える。328号線は住民側からすると建設に合理性がない。また住民の憩いの場である雑木林が切り倒されてしまう。住民投票を実施して建設を中止させようとした...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    小平市の住民投票の新聞記事は興味を持って読んでいましたが、投票率50%に達しないため開票を行わない結果を残念に思いました。この前提があると、投票しない行い自体にも賛成反対以外の第三の意味合い、成立させない、住民投票の結果を共有しないという選択肢が出来てしまい、投票そのものが無駄になってしまって良くな...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    退屈の倫理学を読んで、この著者に興味を持ち、また面白そうなタイトルだったから手に取った。著書は、民主主義の欠陥について、著者の体験を通じ、その改善案を提示しており、非常に分かりやすい。小平市の都道新設を巡る論争。分かりやすいが故に、二点。民主主義そのものを良しとするバイアスでの理論の起点には掘り下げ...続きを読む
  • 社会の抜け道
    國分&古市の軽い対談集。古市さんがいつもの調子で國分さんの発言をうまく引き出している。軽いけど、それなりに考えさせられる点もある。

    IKEAとコストコでは、消費社会を否定するのではなく、新たな意味を消費者側が付加していく(ゲームセンターが高齢者のたまり場となっている例)ことで、望ましい方向に少しず...続きを読む
  • 社会の抜け道
    この窮屈な、閉塞感一杯の社会の抜け道は、やっぱり、一見か弱くも実は逞しく強かな、現場の人々によって見つけられて(作られて)いくのだなぁと。興味深い対談でした。
  • 社会の抜け道
    予想していたとおり居酒屋トーク的にスタートしていく。いろんな本が紹介されているので、わあ読むものがまた増えたなあ、と喜びながら。しかし、本は過去のことが記録されているもので、世の中のオンタイムからは遅れてしまうのだ、キャッチアップできないのだ、とも…まあいいや。
    消費派と半消費派的立場からショッピン...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    民主主義について哲学者が書いた本。東京都小平市に住んでいる著者が、偶然に参加した道路計画見直しの住民運動を通して、理解したことや感じたことを説明している。ニュースでも話題になったが、50年以上に前に作られた道路計画を見直してほしいという住民の声が届かず、署名活動の結果、住民投票が実施されたが、投票率...続きを読む
  • 社会の抜け道
    國分氏のやや難解な説明を古市氏が噛み砕いて説明していく流れ。
    フーコーの下りが出てくる前半部分はやや難解。
    幼稚園・保育園の下りからぐっと読み易くなる。

    古市氏の脱力感はここでも健在。