國分功一郎のレビュー一覧

  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    前半は非常に興味深く読むことができました。

    昔、小平に住んでいたこと、話題になっている都市計画道路についての本だったので、手にとってみたのですが、読んで良かったと思っています。

    立法と司法の関係や、住民投票の投票率をもって開票をしないという行為について考えさせられました。
    改めて再読してみたい本です。

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    2014年05月06日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    この本を読むと、哲学とは無用の学問ではなく、世界の捉え方を学ぶ学問だということが分かる。國分功一郎さんは頭が良すぎて世間と乖離してそうなイメージを勝手に持っていたが、とても優しいことが分かる。だが同時にとても厳しいのはイメージ通り。
    たくさんの読者からの相談に一問一答で答えていくが、全てが真摯。そしてとにかくテキストを大事にする。書かれていること、書かれなかったこと、ディテールから、相談の背景を読み取ろうとする。このテキストに向き合い読み解く力が、本当に信頼できる学者だと思う。

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    2014年04月19日
  • 社会の抜け道

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    対談形式なので読みやすい。もっと雑然とした内容かと思っていたがそうではなく、しっかりまとまっているのは構成が速水健朗さんだからか。IKEAやコストコに行ってみたことで消費論について語ったり、これからの農業について、コミュニティについて語ったり、食や保育、政治参加にまで話が及ぶ。こうして読むと哲学というのは無用のものでいて、世間にどう相対して解釈するかの基準を作ってくれるのだなあと思う。
    國分さんは著書を読んだ時、人としての感情がないくらいに超絶頭が良さそうに思ったが、実際はドライながらもかなり暖かそうな人のようだ。
    とにかく頭が良い人同士の対談。面白かった。

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    2014年04月12日
  • 社会の抜け道

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    対談形式なので読みやすい

    注釈で紹介されている本のなかに興味深いものが多々あったので、それらも合わせて読んでみたいと思った

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    2014年04月08日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    つまらない情報でも、ある瞬間には思考の呼び水になったり、感性のツボを刺激してくれたり、目からウロコの体験のきっかけになる。そんな思考経験が詰まった度々ハッとさせられる面白い本だった。哲学を通じてのテクストを読む訓練を、してみたくなった。翻って、自分をながめるとっかかりとしても有効なように思う。

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    2014年05月08日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    小平市における都道建設に伴う住民投票を中心に、参加型民主主義の在り方について論じた本。

    たとえば道路を建設する際には、東京都などの自治体が計画を策定し、小平市などの基礎自治体に照会した上で建設が決定され、住民向けの説明会が実施される。

    このプロセスについて、おかしいと感じるかどうか。つまり、決定されるまでのプロセスには住民の意思が介在する余地はなく、説明会は建設が決定事項として一方的に通達されるだけである。

    小平市においては、この都道建設計画に反対するというよりも、プロセスに主権者たる住民の意思が反映されない民主主義の在り方に疑問を持ち、住民投票が行なわれるまでの流れが描かれている。

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    2014年04月03日
  • 社会の抜け道

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    対話形式ですらすら読めるが頭に残りにくいため、☆四つ。ただ情報量はものすごく、改めてこの二人は本当にすごいと感じた。少しは紹介された興味ある文献に当たってみたい。

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    2014年03月18日
  • 社会の抜け道

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    古市 社員旅行に参加する年配社員の意識も変わってきているんだと思います。苦手な社員に酒を強要したりする昭和的圧力は駆逐されつつあります。小説家の朝井リョウさんは、社員旅行先でずっと小説を書いていたらしいです。だったら、行かなきゃいいと思うんだけど(笑)

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    2014年03月07日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    民主主義とは、民衆・大衆・市民が政治参加すること、政治決定に参画することなのだと、改めて気付かされます。
    お任せでブー垂れてるだけじゃ、ダメなのよ。文句言うだけの居酒屋民主主義は、本来の民主主義ではないのですわ。

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    2014年03月06日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    なぜ主権者が立法権にしか関われない政治制度―しかもその関わりすら数年に一度の部分的なものにすぎない―が、「民主主義」と言われうるのだろうか?

    面白かった。

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    2014年02月12日
  • 社会の抜け道

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    今の閉塞感ムンムンの世の中がガラッと変わるような大革命。そんなのはいろいろ大変だろうから、いろんなところからちょっとずつポジティブに変わっていけばいい。そんな良いところを草の根的に探して語ってる本に思えた。これは面白い。

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    2014年02月07日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    当たり前のことを当たり前に言ってそれが実現されない奇妙な民主主義。小平市の道路建設反対運動を例に、住民投票などもふまえて、とても具体的にあるべき民主主義を示してくれた。最後にデリダの『来るべき民主主義」に着地するところがさすがの哲学者!それにしてもつくづく腹の立つ行政だ。猪瀬知事に物申していたけど、彼ももういないし、、

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    2014年01月23日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    政治とは、複数の人間(多)と単数の決定(一)を結びつける営みであり、多と一を結びつけるためには、何らかの権威が必要。かつては宗教的権威や伝統的権威がそれを担ったが、近代の政治体制では、国家という権威に民衆を従わせなければならず、編み出されたのが「主権」という概念だった、つまり、主権に基づいて定められた法律が統治者を拘束するということで、主権とは立法権に他ならないと考えられていた。
    しかし、現代の国家は極めて複雑で、立法権によって社会を統治するということは困難になっている。にもかかわらず、民主主義は立法権をコントロールすることで社会を統治しようしていて、行政権をコントロールする仕組みがない。(パ

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    2014年01月17日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    哲学者の著者が、メールで送られてきた人生相談に全力で回答する、刺激的な本。相談の本質を炙り出し、自分勝手な内容についてはぶった切るのが面白い。自分が悩んでいることも、自分本位であったり、何かをごまかしているのかもしれない。深層心理について考えさせられました。

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    2014年01月13日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    実際にお会いして話をしたことがあるだけに、相談に乗っている國分先生の顔が目に浮かぶようで面白かった。

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    2013年12月27日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    スピノザを専門とする哲学者が、地域開発計画への個人的な関わりを題材にして、民主主義についての考察とその実践への手掛かりについて、新書読者層へ訴えた本。國分は、武蔵野の風情の残る雑木林が、道路新設計画で無くなろうとすることに反対し、行政との折衝を通じて、「民主主義」が人々には誤った形で認識されていると考えるに至った。間接民主主義における議会は、立法府として主権を表わす機関には違いないが、そこでは法を作るのであり、実際の行為を意思決定するのは行政である。ところが主権者である地域住民が、個別の事案で行政に対して対等に交渉できる仕組みがない。
    これを解決するために、住民投票の制度の改良や、ファシリテー

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    2018年10月14日
  • 社会の抜け道

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    何かを変えたければ、いきなり大きくではなくて少しづつ変えていこうという國分さんの主張が色濃く出ている。
    古市さんのいい感じの脱力感も健在。

    ショッピングモールの役割から料理の意味、幼保一体化って一体なんだったのかというところまで幅広い話題を考えぬく過程がおもしろかった。

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    2013年12月23日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    車両通行が減りつつある中で、なぜか東京都小平市に50年前の道路建設計画が復活。住民の憩いの場をつぶして幹線道路を作るという計画に住人が反対、住民投票が行われるが…

    住民の生活に直接影響を与える決定は、議会よりも行政で決定されている現実があって、従来では住民の行政への参加は首長の選挙という形が取られてきた。
    しかし、ここに来て住民投票やオンブズマン制度などの行政への参加法が確立されてきたが、さらに多くの手段が必要なのではないかというのが筆者の主張。

    議会制民主主義を肯定して、新たな制度を作ることを「強化パーツをつける」と表現している。革命は必要なく、変化が必要なのだというのがすごく腑に落ちた

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    2013年12月23日
  • 社会の抜け道

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    ネタバレ

    ○社会学者、評論家である古市憲寿氏と哲学者である國分功一郎氏との対談本。
    ○“IKEA”や“ららぽーと”といったショッピングモールや有機農業を営む農場、保育園の見学、デモの実態など、様々な場所を訪問しつつ、お互いが考える「現在の社会の実情」を、それぞれの知見から幅広い観点で考察。
    ○とても面白い作品。

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    2013年12月17日
  • 社会の抜け道

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    古市さんと國分さんの対談本。

    イケアから始まり、いろんな話題が出てきます。お互い得意分野の社会学、哲学を交えながら保育、遊びetc、を論じます。何か画期的な答えが見つかるわけでも、発明されるわけでもないんですが、様々な気付きを与えてくれる一冊です。

    社会は革命的には変わらず、少しずつしか変えられない。革命への願望、欲望はなかなか抗えないが、だからこそ少しずつかいくことに慣れるしかない。想像力が無いからガラッと変えるという発想になりがちです。気をつけましょう。

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    2013年12月12日