國分功一郎のレビュー一覧

  • 社会の抜け道
    個別の現場に足を運び、それを元にした社会観察日記。実は速水健朗さんも関わっているという一冊。
    なんとなく、このままではよくないと思いがちな社会。ガラッと変わる革命の不可能性、実際には自分の問題なんだという方向への気づき。
    古市くん流の注釈を國分さんもやっていて、それも面白い。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    わかりやすさとわかりにくさのバランスが絶妙!
    この「わかりにくさ」が、この本で言う「思考」をさせることになると考えると、哲学書って奥が深いなと思う。
    哲学書は初めてだったけど思ったより楽しめた!
    帯にある通り、ちょっと泣けた。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    著名な哲学者の言説を継接ぎしていく形を取っており、新鮮味を欠き、その言説と退屈への結びつけも必ずしも丁寧とは言いがたかった。
    ヘーゲルの退屈の3つの分類とその考察は面白かった。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    オチに期待しすぎた感がある。
    いろんな学者の言葉をそれぞれ比較して論理的に意見を組み立てるというのは面白かった。
    どんなオチなんやろって期待しすぎて最後がっかりって感じ。当たり前じゃねとか思っちゃう人もおるかも。
    セリフというか、言葉自体は好きなのがたくさんある。言葉はね。
    自分なりに考えるしかない...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    Audibleにて。
    依存症について調べていくとここに行き着く。真の自由、完全に独立した意志による行動選択などないとする考え方。中動態につながるのがコナトゥスか。

     「人間がやがてAIに取って代わられるのではないか?」という不安は、合理化を進めた末に動かなくなっていった精神活動に対する自信の無さか...続きを読む
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    「退屈」という概念を、人類の歴史や過去の哲学をもとに再定義し解説している。
    アカデミックな論調の割にはロジカルさ、網羅性が足りない印象(哲学とはそういうものなのかも)で、あまりしっくり来なかった部分があったが、それでも自分の退屈に対する理解は確実に深まった。
    退屈しないためにどうすればいいかは厚くは...続きを読む
  • スピノザ 読む人の肖像
    伝記的事項から書き始められているので、初めは優しいが、思想的事項に内容が変わると、ついていくのしんどくなります。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    私には難しい部分もあったけど基本わかりやすくて面白かった。
    人は生きている限り傷を負い続ける運命にあって、自分じゃ消化しきれない記憶を、一緒に消化してくれる人を求めてるってとこ。すごいしっくりきた。彼氏彼女に弱いとことかわがままなとこも受け止めて欲しいっていう欲求も、まあしゃあないわなってことかし...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    冒頭の伊藤さんの話は分かりやすく読めたが段々、理解が追いつけず、最毒が必要と感じた。
    全体を通しての印象は「利他」も含め、一見、善い言葉も使うときには正しく理解しなくてはならないということ。特に利他はその最たるものの一つ、と思った。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    修士論文が終わり卒業もし、入社するまでの期間中、暇な時間ができたので、タイトルに惹かれて読んでみた。途中、なんでこの本を読んでるのかわからなくなってしまった。でも退屈な時間に退屈とは何か考えて楽しめたから人間らしい生活ができたんじゃないかな。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
     いつも聴いているpodcastの番組に著者の國分功一郎さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。
    なかなか面白そうだったので、ちょっと気になって手に取ってみたのですが、やっぱり駄目ですね。私には、國分さんの丁寧な解説も全く理解できませんでした。
     私の場合、そもそも思考する訓練が...続きを読む
  • 言語が消滅する前に
    やや難解。話題の哲学者二人の対談集。2017年から2021年にかけての対談が収められている。
    言語の価値が低下しているという点については、大いに賛同できる。引用される哲学者の言葉が、なかなか難しい。『中動態の世界』を前もって読んでおくべきだった。
    所々に登場する、フランクな会話は興味深いものが多い。...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    「あなたへのおすすめ」のなかに、本書の著者である國分功一郎氏の最近の本の名前が挙がっていたので、その前に、有名と思われるこの本をまずは読んでみた。

    スピノザという17世紀のオランダの哲学者のことは全く知らなかったが、著者による解説を読む限り、とても魅力的な説に聞こえる。
    「ありえたかもしれない、も...続きを読む
  • 言語が消滅する前に
    道具的で記号化してきた現在の言語。

    実存主義、エビデンス主義、メタファー、心の闇、アレントやスピノザ、ハイデガーなど引用しながら國分功一郎さんと千葉雅也さんの言語に対する想いも含め、近年変化していく言語をどう取り戻すのか、そもそも言語とはなんなのか、そして言語無き人間とは存在するのか。

    例えば「...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    本書は哲学者である著者の講演をベースにしてまとめられた書籍です。講演録なので基本的に読みやすいですし、色々と考えさせられることが多かったと思います。第1部ではイタリアの哲学者であるアガンベンの主張を取り上げます。コロナ禍のような例外状態によって、いかに我々市民が易々と権利や民主主義を放棄してしまうの...続きを読む
  • 言語が消滅する前に
    現代社会をとらえる上で重要なヒントがいくつも出てくる。東浩紀「観光客の哲学」にも通じる問題意識がある。現代知識人の危機感が分かる必読書かもしれない。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    2023.14th
    前半はコロナ禍での権利制限について、三つの論点が提示されています。①価値があるのは生存だけなのか?②死者の権利(葬儀の権利)を蔑ろにしていいのか?③移動の自由の重要性を忘れていないか?の3点です。その上で、著者は権利制限けしからん!と主張する訳ではなく、提示された論点を踏まえてち...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    例えば、腕なら可動域の範囲で動ければ自由、腕の自由とは360度動くことではないように、なんでもあり、の状態が自由というわけじゃない。

    なぜ今17世紀のスピノザ?という問いには、17世紀は近代社会の基礎(OS)が選択された時代、デカルトが選択された側、スピノザは選択されなかった側だけど、もし、スピノ...続きを読む
  • スピノザ 読む人の肖像
    『暇と退屈の倫理学』がおもしろかったので買ってみました。哲学ということで当然に覚悟してはいたものの、新書だからなんとかなるだろうとも思っていました。が、何ともなりませんでした。『エチカ』はじめスピノザの著作の解説的な内容なので、ベースがないと難解です。お経をお経で解説されている感じでした。といっても...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    「一つの行為は実に多くの要因のもとにあります。それらが協同した結果として行為が実現するわけです。つまり、行為は多元的に決定されているのであって、意志が一元的に決定しているわけではないのです」
    現代が「意志教」になっていることへの警句を著者はスピノザを通して語ってくれている。