國分功一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2013年に行われた東京都小平市での、
都道328号線建設をめぐって行われた住民投票と、
その住民投票が実現するまでに及ぶ住民の運動を起点に、
議会制民主主義の欠陥を分析し、
それをどのような方法で補っていけばよいかを論じた本です。
議会制民主主義においては、
民衆の代わりとなる代議士が政治を行いますが、
実際に政策などを実現するのは行政であり、
その行政には独断的な強い決定権がある。
つまり、この国を動かしているのは民衆が選んだ政治家ではなくて、
公務員たち行政の側だというところに、
日本の民主主義の欠陥があることを解説しています。
そこをどうしていけば民意が反映されるのかを考えたところが -
Posted by ブクログ
たまたま目に入って、気になったので読んでみる。
フランスのポスト構造主義のドゥルーズの訳者による政治哲学入門と思ったら、実は、こっちのほうが本業らしい。ほ〜。
かくいうわたしも、実は、政治学のM.A.だったりするので、メジャーな関心に近かったりする。
といっても、政治哲学をちゃんと勉強したわけでない。が、一応、ホッブス、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カント、程度はいろいろだが、読みかじったことはある本たちである。こうした古典を読んでいて、なんだかな〜?と思いつつ、明確に言語化できなかった疑問が、本当にクリアにされていて、すごいスッキリです。目から鱗がたくさんありました。
他の人が -
Posted by ブクログ
ボダン、ホッブズ、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カントの政治哲学について考察している本です。
単なる概説ではなく、哲学史的な叙述を通して著者自身の政治哲学上の問題意識を明瞭に浮かびあがらせるというスタイルになっています。著者自身の問題意識が最初に見えてくるのは、ロックの章です。ここで著者は、ロックの「自然権」理解があいまいだと批判し、彼が「自然権」という概念のうちに、ほんらいそれにもとづいて説明されなければならないはずの規範性が密輸入されていることを指摘しています。
さらに著者自身の問題意識が明瞭になるのは、ルソーの章です。ここで著者は、多くの論者たちを悩ませてきた「一般意志」につい -
Posted by ブクログ
ネタバレ84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。
消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。
シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。
フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いか