國分功一郎のレビュー一覧

  • 保育園を呼ぶ声が聞こえる

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     前期高齢者の男性が読んで、何だか暗澹としてくる現場の報告です。

     自分の子供たちのことをきちんと考えなかったし、ましてや保育園とかについて実質的行動を何もしなかった「子育て」だったことに対して、まず振り返らないと、というのが一つ。

     今、目の前の、お孫さんたちや、その母親、父親の置かれている社会的現実に対してというのが二つ目。

     話し合っていらっしゃる、三人の、なんというか、態度に好感を持ちました。国分さんの本はファンですが、残りの二人の本を読むことから、はじめようか、そんな感じです。

     自分の中で何かが始まるといいなと思っています。

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    2019年03月09日
  • 原子力支援  「原子力の平和利用」がなぜ世界に核兵器を拡散させたか

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    原子力支援の提供側と被提供側双方に様々な思惑(経済的利益、周辺国への脅威等)があり、結果的に核兵器拡散につながった可能性が高いことが統計的分析により示された。IAEAにとって日本がよい事例(原子力支援を受けていながら核兵器保有を企図しなかった例)であることは興味深かった。

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    2019年02月24日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    人が集まり、そこでできる、せざるを得ないルール作り。
    それが、どんな「哲学」で成り立っているのか、それを整理する著書。
    分かりやすい良著。

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    2019年01月28日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    引用が上手。引用されてる本を読みたくなる。
    関口存男の、世間が面白くない時は勉強にかぎる。 失業の救済はどうするか知らないが個人の救済は勉強だ。という文章が印象的。改めて読んで見たい。
    人生相談の回答はなかなか良い。人間は間の抜けた自意識に振り回されてるんだなあ、と自分含めてこっぱずかしいものも多い。

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    2018年08月06日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    ネタバレ

    2013年に行われた東京都小平市での、
    都道328号線建設をめぐって行われた住民投票と、
    その住民投票が実現するまでに及ぶ住民の運動を起点に、
    議会制民主主義の欠陥を分析し、
    それをどのような方法で補っていけばよいかを論じた本です。

    議会制民主主義においては、
    民衆の代わりとなる代議士が政治を行いますが、
    実際に政策などを実現するのは行政であり、
    その行政には独断的な強い決定権がある。
    つまり、この国を動かしているのは民衆が選んだ政治家ではなくて、
    公務員たち行政の側だというところに、
    日本の民主主義の欠陥があることを解説しています。
    そこをどうしていけば民意が反映されるのかを考えたところが

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    2018年05月08日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    タイトル通り近代政治哲学の主要な人物における理論、主張の概説なのだが、紹介されている7人の考え方にどのような差異があり、またどのように変遷を辿ってきたのか、そしてなおも解決されていない課題には何があるのか、という点に言及がある。結論といえるものはなく、最後はこちらへ投げる形で終えているのは、その先は我々が、あるいは読者自身が考えるもの、ということだろう。平易な文章で読みやすかった。

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    2018年02月12日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    近代政治思想といえば、社会契約説がすぐに頭に浮かぶが、ボダン、スピノザ、ヒューム、そしてカントの政治論をそこに並べてみれば、ホッブズやロックの思想がまた違って見えてくる。

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    2017年10月26日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    たまたま目に入って、気になったので読んでみる。

    フランスのポスト構造主義のドゥルーズの訳者による政治哲学入門と思ったら、実は、こっちのほうが本業らしい。ほ〜。

    かくいうわたしも、実は、政治学のM.A.だったりするので、メジャーな関心に近かったりする。

    といっても、政治哲学をちゃんと勉強したわけでない。が、一応、ホッブス、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カント、程度はいろいろだが、読みかじったことはある本たちである。こうした古典を読んでいて、なんだかな〜?と思いつつ、明確に言語化できなかった疑問が、本当にクリアにされていて、すごいスッキリです。目から鱗がたくさんありました。

    他の人が

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    2017年05月01日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    ボダン、ホッブズ、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カントの政治論を解説している。少しルソーに肩入れしすぎのようにも。

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    2018年10月14日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    ボダン、ホッブズ、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カントの政治哲学について考察している本です。

    単なる概説ではなく、哲学史的な叙述を通して著者自身の政治哲学上の問題意識を明瞭に浮かびあがらせるというスタイルになっています。著者自身の問題意識が最初に見えてくるのは、ロックの章です。ここで著者は、ロックの「自然権」理解があいまいだと批判し、彼が「自然権」という概念のうちに、ほんらいそれにもとづいて説明されなければならないはずの規範性が密輸入されていることを指摘しています。

    さらに著者自身の問題意識が明瞭になるのは、ルソーの章です。ここで著者は、多くの論者たちを悩ませてきた「一般意志」につい

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    2024年03月25日
  • 社会の抜け道

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    軽い雑談トークのように作られながら、結構重要なトピックがいくつか。30年前にもこの議論はあったけど今もあんまり変わってないよね〜なこともあれば、この30年でものすごく変化したこともある。(後者はもちろんネットの普及によるところが大きい。)
    どちらも、目をそむけたり都合のいい解釈をしたりせず、真っ向から受け止め適応していかなくちゃならないんだよなあ。。。

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    2015年12月15日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    ボダン,ホッブス,スピノザ,ロック,ルソー,ヒューム,カントの思想を概括して,自然権に関する論考を延々と述べている.でも,理解しきれない.哲学者の読書量がすごいことが分かった.

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    2015年11月28日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    ”「運がいい人」は、膨大な情報処理に基づいて
    無意識のうちに適切な選択を積み上げている人”
    “幸せな人というのは、「心の穴」を無理に塞いだりしようとせず、
    おりあいをつけられる人”
    ”決断とは受動的なもの。
    自分がおかれている事態を見つめ、自分の中に決断が出来上がるのを待つこと”

    相談者自身で考える事を手助けしてくれる、
    意外なアプローチからのツボを突いた回答が面白くて、
    こんな考え方もあるんだという、視界が開ける感覚もある。
    もっとこの先生の言葉を聞きたくなる。

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    2015年06月05日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    大変重要な示唆が盛り込まれた書。かなり短期間に書き上げたらしく、それだけに「これは言いたい」という思いが強く伝わってくる。

    主権者である国民が、現実的にも「主権者」であるために、何が障壁でどう乗り越えるのか、実体験に根差したその意見は実に説得力がある。
    「市民運動」に対する僕の偏見が一新された一冊。

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    2015年05月30日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    相談の裏を読む、水面の下の見えない部分を読む、そういう相談室。参考図書もたくさん挙げられていて、やや偏りがあるかもしれないけど、ブックガイドとしてもよいんでないでしょうか。

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    2015年02月12日
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題

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    はじめに書かれている事がこの本のすべて。

    民主主義においては立法に関与する権利を国民は有している。立法をもって世の中を変えていける、そのつもりのはず。

    しかし実生活では行政が物事をきめているケースが非常に多い。だから、実は政治参加しているという感覚に乏しいんじゃないかと。

    この本では道路建設のケースが挙げられていたが、道路は行政の権限で建設が決まっていき、そこに住民の意見を取り入れるプロセスに欠けている。そこに不可思議さを感じるだろう。なぜ直接関係者の住民は口を挟めないのか、と。

    確かに、と思わせる内容だった。

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    2014年10月16日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    個人的に、最近悩んでもやっとしてたことが、あれやこれや言葉になっている感じであった。
    こういう本に出会えたことに感謝

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    2014年09月23日
  • 社会の抜け道

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    ネタバレ

    84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。

    消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。

    シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。

    フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いか

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    2014年08月30日
  • 社会の抜け道

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    第二章 「暮らしの実験室」の幸福論…の「契約派」と「農場派」の分裂から見えてくるもの、組織は必ず分裂するという新左翼運動の轍、「ダウンシフター」か「静かなる異端者」か、フーコーの権力批判と「新自由主義」…が特にお気に入り‼︎

    見田宗介さんと大澤真幸さんの対談集『二千年紀の社会と思想』を読みはじめたけど、この周辺の話しが堪らなく面白い(o^^o)


    國分さんの『来るべき民主主義』、『暇と退屈の倫理学』を読んでからの『社会の抜け道』でした。既に購入済みの『ドゥルーズの哲学原理』に挑戦してみようと思う。

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    2014年07月08日
  • 社会の抜け道

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    多様な領域へのたくさんの情報がちりばめられている、かつ読みやすくまとまった対談。これを足掛かりにして、注釈に書かれている文献に手を出すとかなり深められるのかと思う

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    2014年05月18日