國分功一郎のレビュー一覧

  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    哲学についての知識をもたない読者にも読むことのできる、たいへんわかりやすく書かれたスピノザの入門書です。

    著者は、デカルト哲学を基盤として発展していった近代科学の発想とは異なる考えかたが、スピノザの思想に見られると述べて、「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」についての展望を切り開こうとしてい...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    他社への関りはとても難しい。傍目に困っているように見えてもその人にとっては日常で、助けてもらう必要が無いと思っている必要もあります。
    せっかく助けてあげようと思ったのにと、どうしても善意を踏みにじられたような、恥ずかしい思いをさせられたような気になる事もあります。
    そんな他社への介在をどうやって考え...続きを読む
  • 原子力時代における哲学
    ハイデガーが原子力を兼ねてから批判的だっとことは知らなかった。”放下"という概念を用いて、物事に対してある種放置し、開かれた状態でいることが重要であるということが述べられている。しかし、用いられる要素がある種現実の議論から浮遊した机上の空論のようにも感じられた。また結論に向かうところでのフロイトを援...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他という言葉を最近になってラジオで耳にし興味を持つようになりました。なんとなく自分よりも相手や周りのために尽くす意味合いかと思っていましたが、利他にも色々あるらしいです。
    本の内容は全体的に難しく感じましたが、利他について考える行為自体がとても大切な事なのだと感じた。何のための利他なのか、誰のため...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他について、さまざまな専門家がさまざまな視点で。
    利他とは自分の中にあり、本能的なものというのが私の受け取り方。

    全体の内容とは関係がないが。
    ブルシットジョブという仕事があることには気づいていて、それが単語化されていることに驚いた。
  • 「利他」とは何か
    伊藤亜紗の「利他」についての概論が一番よかった。
    なぜ今、「利他」なのか、ということが、まず知りたかったので、ジャック・アタリの合理的利他主義や効果的利他主義についての説明がありがたかった。

    中島岳志のいう「利他」は合理的利他主義とは違い、湧き起こるものであること、親鸞のいう若松英輔の「利他」は民...続きを読む
  • 言語が消滅する前に
    ざっくばらんな勉強論(研究論ではなく)として楽しめました。研究ということばはなんかおこがましい、研究じゃなく、一生勉強し続けていたい、という考え方にとても共感。
  • 言語が消滅する前に
    2022/05/25 20:56

    うーん…つまりは、現在はあまりに直接的すぎる?それが故に、自身の意志なり意見なり、そしてそれを表すはずの言葉が、発酵しない?
    だからもっと、考えようぜということなのか?
    千葉さんの勉強の哲学も、国分さんの中動態の世界も、買ってはあるのにまだ読み始めていなかったから...続きを読む
  • 言語が消滅する前に
    対談をまとめたもののため、二人の中で共通の知識、言葉選びがあるため理解できていない部分がある。
    ところどころ日本語ではなく英語の横文字を調べなくてはならず、少しずつ読むもののやはり何度か読まないとつらい。
    (言語を扱え人たちが選んだ言葉だと思うので、選び方にも意味があるということなのか)

    これまで...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「利他」には常に裏鏡としての「利己」が見え隠れする。で、その実相に迫るためにはいくつもの回路があってー倫理、哲学、心理学、文学…ー本書はそのいくつかのレンズを与えてくれる。善悪とか美醜とか正義とか、周辺の概念を考える手前で考えておきたいテーマ。
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    民主主義とは何か、民主的とはどういうことか。
    本書では、小平市都道328号線をめぐる行政との経緯を追いながら、民主主義、特に議会制民主主義の構造と欠陥を紐解いている。
    著者の「制度を増やすことで人はより自由になる」という指摘が目から鱗だった。決定方法を増やすことで、民主主義を補完していく方法だ。
    ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「うつわ」という言葉が響いてきました。分ける、対立するのでなく、うつわに入れて和える、和ませるという感覚でしょうか。「平和」の「和」ですね。

    本の中身とは直接関係ないですが、こんな研究ができる東工大は素敵だと感じました。
  • 言語が消滅する前に
    2017年頃から2020年までの國分功一郎と千葉雅也の対談を収録したもの。散文的ではなく一本テーマのようなものが横たわっている。非常に読みやすい。
    特に第四章、第五章が楽しかった。
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    ・スピノザとデカルトのosがちがう。デカルトは近代哲学的な証明主義。我思うゆえに我あり。疑いを前提とした思想。スピノザは主体性の変容。わからん。

    ・神は完全なものであるからして、外部的ではない。無限である。わしらは全員神の中にいる。万物は神の容態のひとつ。

    ・善悪がない。全ては組み合わせ…相対的...続きを読む
  • 原子力時代における哲学
    原子力に関する哲学講義録。

    1950年代に原子力(原爆ではなく)に対する危険性を指摘していた、唯一の哲学者ハイデガー(本書ではハイデッガー)に焦点を当てる。
    彼が著した数少ない単行本のなかで、原子力の問題を指摘しているが、その著作の最終的な答えが「考える」。何とまぁシンプルかつ深い。が、本書は哲学...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他とはうつわのようなもの
    自分が立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持つ
    組織のあり方、会議の議事進行のなかでも雑談のような「余白」が必要
  • 原子力時代における哲学
    ・読書会で、ちょっとずつ読んでる。
    放下について知る。
    自然。
    ・ハイデッカーの原子力に対する捉え方がすごい。
  • 原子力時代における哲学
    「原子力時代」とか言葉としてあったけ?と考えたら、日本ではどうかはわからないけど、英語では、"Atomic Age"というのがあったな〜。

    「原子力」(核爆弾を除く)が、科学が開く未来の希望であった時代に、ハイデッガーーは、それに否といっていた。ということで、ハイデッガーの「放下」の読解を中心に「...続きを読む
  • 原子力時代における哲学
    「僕はこの事故に大変なショックを受けました。(中略)自分が原発のことを真剣に考えてこなかったことを悔やみ、そして反省しました。」
    「僕の率直な気持ちとしては、一方で、原子力発電がコスト高であり経済的に割に合わないということさえわかれば、原発に関する議論はもう答えが出たも同然ではないかという気持ちがあ...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    ニュースで話題になっていた、小平市の道路新設工事に対して住民投票をやった話。投票率が50%に届かなかったら投票は成立せず、開票もされないという。問題を投げかけるという意味では有意義かもしれないが、著者への感情移入はできなかった。肯定派の意見も全く紹介されず、一方的なものの見方に終始しているように思え...続きを読む