國分功一郎のレビュー一覧

  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    単に哲学に興味がある人だけでなく、生活に充実感を感じつつも、漠然とした物足りなさを感じている、そんな人におすすめの一冊。
    「自由」について真剣に、かつ遊びをもって考えることができた。

    個人的に社会人になってからというもの、顧客数、売上、利益率の目標などといった分かりやすい「目的」を達成するために日々生活している気がする。

    もちろん生活の為に何かしらの「目的」を達成することは大切なのだけれど、そればっかりになっている気がするなと、この本を読んだ後には思えてきた。
    本著に出てくる対比として、
    「目的」と「手段」
    「消費」と「贅沢」
    「行政」と「立法」
    などが並ぶ。
    これから通関しているのが新鮮

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    2026年04月26日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    流石によく整理されている。タバコについてのカントの記述が読めるのは大変良い(多分道徳的にも、ある意味では背徳的にも)。ただ國分さんこんなの書いてるってことはよっぽど人生楽しくないと考えていたのかなと勘繰ってしまう。いや、楽しくなくても考えるのが楽しければそれでいいのだけど! タバコの良さを論じるカントがタバコをやったとは想像し難い。國分さんがタバコを吸うかは知らないが、こういう人は多分考えるのが好きなので吸わない気がする(無論勝手な想像だが)。アレントのチェスの手段化の話も読める。

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    2026年04月15日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    時間を要したけど今読んでよかった。
    ひとりでいる不安を消すために予定を詰めたりしていたけど、病まない程度に暇ときちんと向き合いたいと思った。
    わたしは大学生で、自分も周りの子達も隙間がないほどバイトや遊び、就活など予定を入れている。一昔前の大学生は人生の夏休みと言われるほど、ゆとりがありのんびりしているイメージだった。SNSの普及により、資本主義の奴隷になっていたり、暇ではいけないという潜在的な認識に駆られているような気がしている。 

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    2026年04月12日
  • スピノザ 読む人の肖像

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    謎に爆売れした「暇と退屈の倫理学」の著者による、専門であるスピノザについての本。
    同著者の『はじめてのスピノザ』を読んで気になり始めた。

    で、本当はスピノザの主著「エチカ」を読みたいものの、超難しそうなので副読本として買ったのが本書。でも読んでみたら副読本なんて言うのが申し訳ない素晴らしい本だった。スピノザ著作の分かりやすい解説だけに留まらず、スピノザの生涯と各著作の背景にある思いが丁寧に分析され、熱く語られるので、彼の哲学がより味わい深く感じられる。
    意外にも爽やかな読後感。良い伝記を読んだな…みたいな。

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    2026年03月31日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    世の中、捨てたもんじゃない。希望も必ず見出だせる。國分先生にそう語りかけられているような気がした。何かと『目的ドリブン』であることに駆り立てられるような世の中で、最適化して最短最速で正解の道を行くことが勝ち筋で勝ち組のような雰囲気に抗うことってできるんだろうか。それに意味があるんだろうか。そんなことでモヤモヤしていた自分に新しい視点を与えてくれた気がする。

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    2026年03月28日
  • いつもそばには本があった。

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    人文書を読む悦びを教えてくれた一冊。著者とは年代が近く、どの本にどのタイミングで出会ったのか、そしてそれはどこに繋がっていったのか、といったことに共感できる箇所が多かったため、さながら旧知の友人から受け取った手紙を読んでいるかのような悦びがあった。たとえば、尾崎豊のコンサートに持って行った本がソシュールだったり、大学のイベントで柄谷行人がカントを一から解説するシーンに出会したり。90年代初頭に学生時代を過ごした人文系青年なら誰もが胸の熱くなれるエピソードが満載なのだ。

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    2026年03月23日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    「目的への抵抗」

    このタイトルを本屋で見た瞬間、私の手がスーッと伸びた。

    私は、目的という言葉が、あまり好きではなかった。
    けれども、錦の御旗を掲げた軍のように、「目的」という言葉は、批判するにはあまりに絶対勢力すぎる。
    ケチをつけたが最後「お前はぜんぜん分かってない!」という批判が矢のように飛んできそうな気がして、ケチをつけるのも憚られたのだ。

    だからこのタイトルを見たとき、しかもそれを國分功一郎さんが書いていることを知ったとき、私は大喜びで、本を手に取ったのだ。

    素晴らしい内容だった。

    特に印象に残った文章を、メモとして引用したい。


    重要なのは人間の活動には目的に奉仕する以

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    2026年03月21日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    古代の世界で使用されていた文法「中動態」を起点に、能動・受動の捉えなおしながら、「私がなにごとかをなす」ことを分析していく哲学書。
    先人たちの言語学と哲学の研究を紐解きながら、丁寧に中動態を解釈していくさまに感嘆しかない。前提となる情報で土台を作って、論理をひとつひとつ積み上げて、中動態とはいったいなんなのかを紐解いていく。その過程はまるで、強固な城を建設しているような印象だ。言葉の意味を的確に拾っていかないと、筆者の言わんとしていることについていけなくなるので、辞書をお供に読み進める。哲学は言葉のひとつひとつの意味を大切にする学問であることを実感する。
    能動態と受動態の区別は、主語が動詞によ

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    2026年03月12日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    もっと読み込まないと。
    でも、スピノザの哲学は自分な現代に生きるすべての人にとって一種の救いになるようなものだと感じる。
    いろんな解釈に触れて理解を深めていきたい。

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    2026年03月09日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    〜感想〜

    國分功一郎先生の暇と退屈の倫理学がわかり易く、面白かったので、國分先生が教えてくれるスピノザなら間違いないはずだと思い、本書を手に取りました。結論、國分先生のこともスピノザのこともさらに好きになりました!

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    〜印象的なスピノザ論〜

    『すべての個体はそれぞれに完全である』
    (この家は) 「まだ屋根がついていないから完成していない」
    これは、私たちが完成された家についての一般的観念をもっていて、それと比較しているからである。

    一般的観念というのはいわゆる偏見で、これまで何度も見たものに基づいて作られた観念にすぎない。それぞれの個体はただ一つの個体と

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    2026年03月04日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    スピノザの診察室から。
    スピノザの思想をかじってみようかなくらいのテンションで読んでみたら、価値観がアップデートされるほどの衝撃を受けた。
    特に「自由」についての考え方が心に残った。
    「自由」とは、自分が何でもできるようになることではなく、自分のできる範囲で力をうまく発揮することだという。
    これは自分が最近考えていた、教育観にもつながる。以前は、経験によって自分のレベルが上がれば今できないこともいずれできるようになり、最適な教育が可能になると思っていた。でも、それは違うのかもしれない。教師にも置かれた環境、人間関係などによってできることは制限されるし、公教育における限界もある。それを理解した上

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    2026年02月12日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    能動と受動は二者択一ではない、度合いを持つもの。われわれは常に外部からの刺激を受け続けているので、純粋な能動・受動になることはできない。
    でも、考える力を高めることで、能動の部分を増やすことはできる。
    時間をあけて改めて読みたい

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    2026年02月08日
  • スピノザ 読む人の肖像

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    スピノザ面白い。実体は一つしかなく、スピノザはそれを神と呼ぶ。神は無限の属性をもつが、人間はそのうちで物体と精神という属性をもつ。そしてそこから人間の感情について導出していき、喜びに満ちた生を能動的に送っていけるような理論を展開する。著者の博論が「スピノザの方法」であるように、スピノザの方法についての話がすごく面白かった。発生的定義してみたい

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    2026年01月25日
  • 言語が消滅する前に

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    意見や世論はできあがったものとしては存在していない。
    作り上げていくもの。
    アレントは完成された自由を求める。
    革命は漸進的にしかなりえない。
    國分

    哲学において大切なのは真理じゃなくて、問題とそれに応える概念
    ex 依存症患者との出会いで中動態という答えを見つけたように

    ●教育は中動態的であるべき
    プロセスを見せる
    悩み続ける

    すべてがコミュニケーションに支配されて、すべての手段が交換可能、変換可能になっている。

    ね。プロジェクトと言えば、何と言ってもハイデガーですね。ハイデガーは「投企」という言葉を使って、人間をプロジェクトする存在として捉えました。


    確かに人間はプロジェク

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    2026年01月11日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    「免責が引責を可能にする」
    この一節に私はしびれた。

    なにかミスがあると、世の中では「責任をとれ!」という話になる。言い換えれば「このミスを犯す意志を持ったものは誰か?」というお話。本書では、このような「意志によって根拠付けられる責任」を「堕落した責任」と呼ぶ。

    責任とは、そういうものではない。責任とは応答することなのだ、と。そしてその応答としての責任の生成は、実は免責※によって生まれる、と本書はいう。

    ※ここでいう免責とは、無罪放免にする、という意味ではなく、自らの行為が、意志ではなく、無数の原因によってもたらされた結果であることを理解する手続きのことを指す

    この考えに、私は驚いた。

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    2025年12月04日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    國府先生、これはかなり難しかった。何回も行きつ戻りつしてやっと一周読みましたが理解が追いつかない。。。
    私なりに理解したところによると、目的を持たない快(酒やタバコをを嗜むような)が、現代では目的に蝕まれつつある=純粋に行為自体を快楽として受け取る余裕がなくなってるよ、っていう警鐘なのかなと思いました。実際私も酒びたりのときが一時期あり、現実から一瞬でも思考を切り離す道具として酒を飲んでいたなぁと今は思います、当時は美味しいから沢山飲んでると思い込んでましたが(病)。

    前作の新書より具体性が上がってるのについていけない自分の理解力のなさに悲しみを覚えつつ、一方で凡人がついていけないレベルの内

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    2025年12月01日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    國分さんの本はとにかく面白いので、いつか読むだろうと本書も積読しておりました。

    スピノザは國分さんの本ではたびたび登場する人物であり、他の人の本でも肯定的に引用されることが多い印象で、どうやら日本人が好きそうな人物です。なぜ現代に肯定的に受け取られているのかを考えながら読んでおりました。

    まず代表的な考え方である、「神即自然」。神は自然であると言い切るスピノザ。キリスト教神学が支配している時代で、この考え方を提示できるのはすごいです。。。自然信仰が馴染んでいる日本人にも受け取りやすい考え方でしょう。

    國分さんは本書の初めにスピノザの凄さを伝えるためにこのように述べています。

    「哲学者と

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    2025年11月25日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    「読んでて難しい」「難解だ」と感じる人ほど(少なくとも私はこちら側だと思う…)、「能動↔︎受動」の言語に基づく思考体系に浸かってしまっているということなのでしょう……


    中動態について、言語の歴史やスピノザ哲学など、あらゆる側面から國分先生の哲学論が展開されていきます。難しくても読み終えて初めて「中動態の世界」の入り口に立てるのかもしれない。
    最後に能動態↔︎中動態的思考から「責任論」に話は移行していきますが、社会の分断が進む現代社会が進むべきヒントを与えてくれるカギとなるのではないでしょうか。

    「暇と退屈の倫理学」でもあった通り、本書もまた「(理解しきれない部分があったとしても)通読して

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    2025年11月09日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    國分功一郎はスピノザの哲学を、やや象徴的に「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」の哲学と形容する。
    実際に、近代哲学の在り方を規定したのはスピノザではなくその少し後のデカルトだ。現在の社会も、多かれ少なかれデカルト的な考え方に則って成立している。

    本書はそういった「近代的な」発想とは異なったスピノザ哲学の概念を紹介する。
    各章ごとに①組み合わせとしての善悪(↔︎一般的観念としての善悪)、②力としての本質(↔︎形相としての本質)、③必然性としての自由(↔︎自由意志としての自由)、④自己変容としての真理(↔︎客観性、明晰性としての真理)といった具合だ。

    これらの概念は新鮮というよりむしろ、

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    2025年10月06日
  • ドゥルーズの哲学原理

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    何回でも読み直したい作品
    ここ最近で一番、日常における認識にざらつきを与えてくれる本だった

    p.131
    人が積極的意志(「…をしよう」)によって真理に至ることはない。真理は常に、思考を余儀なくされたことの結果として獲得される。人は思考するのではない。思考させられる。思考は強制の圧力によってのみ開始されるのであり、それを強制するシーニュは常に偶然の出会いの対象である。

    p.298
    欲望のアレンジメントは、権力装置を伴うだろう(…)だが、権力装置はアレンジメントの様々な構成要素の中に位置づけられねばならない。(…)権力装置とは、したがってアレンジメントの一構成要素ということになるだろう。

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    2025年09月28日