國分功一郎のレビュー一覧

  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    人は退屈を何より苦痛に感じる。耐え難い苦痛から逃れるために働き、趣味に没頭する。苦しみを分かち合いたいから誰かと一緒に過ごしたいと思う。生きるとは暇と気晴らしを行き交うこと。眠れない夜に過去の辛い経験を反芻するのは正に人間の本性なんだなと納得の一冊。

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    2026年06月07日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    とても面白かった
    退屈から逃れるために人は決断し、熱中する
    でもそれは結局決断の奴隷になっているにすぎない

    ニーチェが「勤勉とは逃避である」と言ったこととも繋がるように感じられる

    じゃあどうするか?
    退屈しながら気晴らしをしている間のような状態
    そこにできるだけい続けることを推奨している

    具体的にどうするかはない
    自己啓発書ではないだろうし
    だからこそ、自分で考える必要があるように感じた
    哲学書の哲学書たる所以かもしれない

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    2026年06月06日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    目的と手段から脱する。遊びのように行える。それこそが人間を作る。目的に追われない。それで体を硬くしない。しなやかに

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    2026年05月31日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    人間が、特に明確な原因はないけど、なんとなく漠然と死にたいと思うのもここからきてるのかなーと思った。
    普段あまりこういう新書に近いものは読まないが、周りがあまりにもすすめてくるので気になって読んでみた。面白くて最後まで一気に読み進められた。
    とても難しいことを簡単に、簡単なことを面白く説明してくれている本だった。自分の持論で「人類皆寂しがりや説」というのがあるのだが、第5章で似たような話がでてきてびっくり。時間なくて読みきれない!という人はせめて5章だけでも読んでほしい。
    自分が前に挫折した「生物から見た世界」が出てきたのでこれを機にもう一度チャレンジしたいと思う。

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    2026年05月25日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    人生相談といえば、聞かれたことに対して共感したり、たまには本人の思想も混ぜこみながら指摘するくらいのものしか出会ったことがないが、國分先生は違った。言い回しや書かれていない部分を含めて、思い込みや歪みを暴いていた。文章をここまで洞察できるのかと感嘆した。

    たまにボロカス言ってる箇所もあって痛快だったが、自分にとって耳の痛い話もあった。

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    2026年05月24日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    哲学というのは、ここまで日常的な概念(意志/責任)を深く掘り下げられるのかと感じさせられる。確かに自分たちは「意志」という概念を能動的なものとして捉えているし、これを責任をもたらす重要な概念として捉えている。しかし、あくまでも意志は無数のファクターにより導かれた結果であり、完全に能動とも受動とも言えず、故に中動態という忘れ去られた態を参照し直す必要がある。これに取り組んだ一冊。
    「意志」を純粋な能動と捉えることは、即ち過去との断絶(影響したファクターの無効化)を意味し、これはある種の全能感をもたらす。しかし神ではない人間はあくまで中動態の世界に生きており、様々なファクターの影響を受けつつ、自由

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    2026年05月23日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    コロナ危機で顕在化した別の危機。目的合理的な行政権力によって、人間らしさが蹂躙されていく。そしてその暴挙が、けっこうあっさりと正当化されていく。ちょっと待て。「目的」を問い直し、「自由」を取り戻そう。これが本書の主張だ。

    「何となく」「仕方ないよね」なんて言っているうちに、世の中がいつのまにか悪い方へ悪い方へ転んでいく。これでいいのだろうか。そんな危機を感じたら、この國分さんの声を受け止め、自らの頭で少しずつ考えていこう。自由に生きるために。

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    2026年06月29日
  • 天皇への敗北―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    コラムの亡命の箇所、2026年の最低最悪の衆議院選挙の話かと思ったら12年前の選挙だった。不意打ちの解散によって争点もハッキリしないままに自民党が票を集めるのは10年以上前も今も一緒だったらしい。

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    2026年05月26日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初めての哲学書。
    読みやすかった。
    暇も退屈も感じるのは、人間の定め。それでいいんだ。
    その上で、私たちは日常を楽しまなければならない。
    どんなことにもそこにはどんなワクワクがあるか、探し続けたい。

    ただ、習慣化されたり慣れたりするとまた退屈は始まるよね。
    その時その時で退屈がやってきたって気づくことが大切かな。
    そして、気づいたらその退屈が消え去る何かを待つ。
    そのために、本を読んだり人に会ったり、映画を見たり美術館に行ったり、自分の好きなことをする。
    それを忘れちゃいけないんだ。
    第二形式の暇と退屈を感じる時、私はものすごく虚しくなる。
    同じ熱量で楽しめていない時、私は強く虚しさを感じる

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    2026年05月14日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    暇ではないが人生に退屈を感じていたので、テーマはちょうど良かった。読者の感じる暇と退屈を、この本のなかで扱われる哲学の系譜のなかに(なんとなく)位置づけられると面白い本になると思う。
    文章に関しては、意図的に同じことを繰り返し述べているのだと思う。ところどころ難しかったり、話が進むと前の内容を忘れてしまう。ときどき、前の内容を振り返って述べてくれるのはありがたかった。

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    2026年05月11日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ◾️メモ
    楽しむことを学び、思考の強制を体験することで、人はそれを受け取ることができるようになる。<人間であること>を楽しむことで、<動物になること>を待ち構えることができるようになる。これが本書『暇と退屈の倫理学』の結論だ。
    ◾️感想
    暇と退屈はなんとなくある。
    それを人類学の観点で始まりから定義していく。
    聞いたことのある哲学者たちの思想から紐解いていくプロセスが腑に落ちる部分や理解が追いつかない部分があり、ここに本書の醍醐味を感じた。

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    2026年05月10日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いろいろと忙しくて本が読めないことは、人生的に暇で退屈することと矛盾することではないんだということをいろいろとちょっと複雑に書かれていた。

    個人的には飽きるという言葉をよく使うけれど、

    つまりもっと今とは違う生き方とかしたい、という欲でもあり、

    でもそうやって今を否定してばっかではいられないので、

    いろんな可能性にあふれている世の中でも、

    今ここで自分が実現できる気晴らしを実践してそれを実感して毎日を送っていくことはまあまあ大事だなーと思った。

    あとは、現実逃避に対しては否定的なイメージがあるけれど、
    日常という現実ばかりが大事な現実ではないのかもしれないなーとあらためて思った。

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    2026年05月09日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    注の部分を抜いても400ページ超ある文庫で、断続的に読んでいたこともあり、読み終わるまでに一カ月ほど時間がかかった。このままでは読み終えることができないと思い、GW中に一気に読むことにした。
    読み応えのある本だったが、哲学的な内容であるため、自分の中で消化できていない、理解できていないモヤモヤした読後感が残るのは悲しいところ。
    ただ、暇と退屈についての考察は自分の経験上から、なるほどと思うところもあり、読み物としてはこの手の本としては面白いところもあった。
    この本、売れているので、本当によい本なのだろうし、読んでいてもなんとなくいい本なのだろうなという気がする(そこまで自分が評価できるレベルに

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    2026年05月06日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ただ漠然と暇と退屈の抽象的な議論がされているのかと思いながら読み始めたが、全くそんなことはなかった。これは人間の生き様を抽象的かつ具体的に議論できる根幹となる倫理学だ。であるからこそ、自分にも容易に投影できた。
    時間を忘れて夢中になれることが自分には無いことをコンプレックスのように捉えてきた人生だった。「自分には何か没頭できるものがあるはずだ」「自分には天職があるはずだ」と。その退屈さに対して無理矢理に自分の進むべき方向を「決断」してきた。その決断が大きかったうえに、あまり幸福とは言えない経験を辿った過去がある故に、とても響く内容だった。
    退屈さを受け入れ、思考する。そんな簡素な結論は自分には

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    2026年05月05日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    政治哲学というのは難しい分野ですね。
    有名な政治哲学者が、主権とは何かを突き詰めて考えて、国家がどの様に関わり合い管理すべきと考えたかを一つの軸としてまとめた入門書です。
    主権をどう捉えるかかは当時の社会背景が多分に反映されており、宗教戦争が蔓延していた時代は、ホッブズを始めに、人間は放っておくと戦争を起こすために国家が管理すべきという悲観的な見方が広がり、逆に人間は共感し合う存在だというルソーやヒュームを始めに楽観的な見方が根付く時代も。
    人間の本質は何か、国家がどう管理すべきかは古くも新しいテーマだとも言えますね。

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    2026年05月04日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    初めての世界に躍り出た気分である。
    分からないところ、理解や想像が及ばないところも含めて、初めてであり、新たな概念に出会った気分である。

    『責任という虚構』にも参考文献として載っていたのと、『暇と退屈の倫理学』に感銘を受けていたので読んだ。

    ここまで読書をしてきて、精読する欲求がようやく芽生えてきた。そして精読をするには書くという行為が同時に必要であると感じる。
    國分さんの著書はどれも論理的で読みやすい。何より構成が秀逸である。大いに参考にし、書きながら精読していきたい。

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    2026年04月26日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    質問自体が自分事と感じないものについても、回答の考えや言葉が刺さる、というものが多くあった。
    個人的に印象に残ったのは↓
    4.女性との接し方が分からず、ホモソーシャル的な空気に逃げてしまいます
    20.交際相手が自分の言葉で話してくれません
    28.相談というのは、どうやってすれば良いでしょうか?

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    2026年04月25日
  • 天皇への敗北―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    安保法制や憲法改正を掲げ日本中に大きな議論を巻き起こした第二次安倍政権。そんな政権から日本国憲法を守るためには、結局天皇の一言に頼るしかなかった。保守は憲法改正を断念せざるを得ず、当初は反天皇制であったはずのリベラルもそんな天皇を利用するしかなかった。立憲民主国家において日本国民の力で守るべき憲法も天皇の力を使うことでしか守ることができなかったことは、いわば日本国民の「天皇への敗北」である。

    戦後の日本人の多くは、旧帝国の第二次世界大戦時の戦争責任は否定しないものの、大日本帝国の国民ではなく戦後生まれ変わった日本国の国民として、どこか「被害者意識」を持ってしまうのはなぜか?

    では日本人が本

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    2026年04月25日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    エチカはあり得たかもしれない近代のもう一つの思想・哲学。17世紀のスピノザの本をいま改めて読む必要性は、現代の「あたりまえ」を問いなおす考え方そのものをインストールするため。最初の「神即自然」から、当時の時代背景を踏まえてこれが言えたのか、と感心。全ての事象に因果関係があるため、真の自由はない。(これは著者の危惧だが)現代のAIの進化は凄まじいが、人間が(その人間らしさ・本質)を忘れAIに近づいてしまうことを恐れている。現にこれは自分の周りでも起き始めているように思う。

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    2026年03月26日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    快を得る手段である嗜好品の話が冒頭に出てきて、最後に出てくるまで、カントに関する長い知的冒険だった。1部は論文をベースとした堅めの解説文、つまずきながらも何とか読み終えたら第2部は語り口調で親しみやすく、少しは理解が進んだか。崇高なものや美しいものに比べ、快楽をもらたす嗜好品とは。
    現代社会への危機感を警告するのではなく、哲学を通じて掘り下げて掘り下げて、1周して同じところに戻ってきたときに、同じ景色が違って見える、読み手なりに哲学の面白さを感じることができるのが奥深い。

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    2026年03月23日