國分功一郎のレビュー一覧

  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    消費と浪費の定義が自分自身のこれまでのモノと違ったなと思いつつ、アップデート出来て良かった。積極的に消費ではなく浪費していきたいと思った。
    あと、人間というのは気晴らしと退屈が複雑に絡み合った存在である、という落としどころは腑に落ちた。
    教養や興味が広がる場所へ赴いて、とりさらわれる経験を受け入れる態度を持って生きていきたいと思う。

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    2026年03月29日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    エチカはあり得たかもしれない近代のもう一つの思想・哲学。17世紀のスピノザの本をいま改めて読む必要性は、現代の「あたりまえ」を問いなおす考え方そのものをインストールするため。最初の「神即自然」から、当時の時代背景を踏まえてこれが言えたのか、と感心。全ての事象に因果関係があるため、真の自由はない。(これは著者の危惧だが)現代のAIの進化は凄まじいが、人間が(その人間らしさ・本質)を忘れAIに近づいてしまうことを恐れている。現にこれは自分の周りでも起き始めているように思う。

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    2026年03月26日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    快を得る手段である嗜好品の話が冒頭に出てきて、最後に出てくるまで、カントに関する長い知的冒険だった。1部は論文をベースとした堅めの解説文、つまずきながらも何とか読み終えたら第2部は語り口調で親しみやすく、少しは理解が進んだか。崇高なものや美しいものに比べ、快楽をもらたす嗜好品とは。
    現代社会への危機感を警告するのではなく、哲学を通じて掘り下げて掘り下げて、1周して同じところに戻ってきたときに、同じ景色が違って見える、読み手なりに哲学の面白さを感じることができるのが奥深い。

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    2026年03月23日
  • 言語が消滅する前に

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    人間の意志というものは、それほど明確でないし、あやふやで信念もない。それを厳格に日の下に当てようとして、矛盾が生じる。また、世の中はエビデンスや法的根拠など分かり易い説明に逃げ、責任回避している。逃げずに、どうゆって説明するか。そこで求められるのが言語だろう

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    2026年03月22日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    自分だったらここまでバッサリ言われると心が折れるかもしれませんが、第三者視点から見るととても面白かったです笑

    國分先生が変に寄り添わず、情報不足があれば容赦なく詰めたり、独りよがりな相談であれば指摘するのは読んでいるこちらも背筋が伸びました。ただ、こういう風に言ってくれる人や機会はかなり貴重だとも思いました。

    特に印象に残ったのはプラス思考のお話です。プラス思考とは考えることを放棄すること。物事のネガティブなところから目を背けることと言われ、確かにと思いました。

    世間ではプラス思考=いいことだと言われがちですが、そうやって考えることを放棄するのは違う気がします。

    関連しているかはわかり

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    2026年03月14日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    一見すると、暇と退屈は同じ意味として捉えられるが、哲学的には全く異なるものである。ラッセルの「幸福論」と「退屈論」が本書の中の一節で引用され語られているが、人々がパチンコにハマる理由が何となく分かって面白く感じた。また、ユクスキュルの「環世界」論は、自分が本書を手に取る前から漠然と考えていた事だったので、この理論はとても興味深い。

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    2026年03月07日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    昨今の過剰なまでの推し活産業への懐疑から、様々な書籍を読んでいるが、また新たな知見の発見となる本であった。例えば仕事や学業の辛さから逃れることを目的として、または自らの精神的な健康を目的として、推し活をすることをやたら推奨されている。産業からすればそれが一番手っ取り早く人々を依存させ、金銭を稼ぐことができるからだろう。しかし本当に楽しいもの、快適なものは提供されているのだろうか?何も疑問に思わず産業の言う通りに消費することが本当にいいことであろうか。

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    2026年02月16日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    暇とは何か。退屈とは何か。それは本当に主観的な感情なのか。それとも、近代社会が構造的に生み出した状態なのか。
    著者である國分功一郎は、古代から近代に至る思想史を横断しながら、退屈を倫理の問題として再定義する。
    刺激過多の社会において、私たちは退屈を回避することに最適化されている。しかしその回避行動そのものが、実は退屈の深化である。この逆説が中々目から鱗。

    退屈とは、世界との関係が断絶した状態であると同時に、新しい関係を開きうる契機でもある。刺激を消費し続けるのではなく、世界を再び見るための余白。それが退屈。
    正直に言えば、私はこれまで「暇」や「退屈」について真剣に考えたことがほとんどなかった

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    2026年02月16日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    暇と退屈の論理学が大変面白かったが、内容としては本書の方が難解な印象。コロナ中に不要不急の外出が禁止されたことに対する違和感を発端に、人生と目的についての関係性を哲学的に講義した内容と捉えた。

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    2026年01月12日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    スピノザの主著『エチカ(倫理学)』。その難解な迷宮に足を踏み入れるための地図として本書を手に取った。そこで示されていたのは、「どのように生きるか」という問いに対する、現代的で力強い視点であった。

    1. 世界の捉え方:神の「副詞」としての人間
    スピノザが説く神とは、外部をもたない自然そのものである。私たちは自立した個別の「名詞」ではなく、神(自然)という唯一の実体が特定の現れ方をした「様態」に過ぎない。

    本書で著者が用いた「私たちは副詞のような存在だ」という比喩は、非常に腑に落ちるものだった。私たちは独立して存在するのではなく、神という存在の「あり方」を表現している一つの現れなのだ。この世界

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    2026年01月10日
  • ドゥルーズの哲学原理

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    本格的にドゥルーズの解説を試みた本で、
    非常に難しい。
    どの程度理解できたかは不明。
    気になった点は2点。

    ドゥルーズの単著では唯一、提唱されているものと言っていいと思われる“無人島”という概念について。
    “他者こそが対象の対象性を保証しているとするならば、他者を欠くと自我を想定できない”。
    そもそも主観と客観というものが一般のレベルで意識されるようになったのは近代以降になる。
    その後、欧州から個人主義が広まって今日に至る。
    他者と他者のニッチにしか自我が存在しないなら、
    例えば、『自分探しにインドに行った人』は『インドに行ったことがある人』というニッチが得られるのかな、とか。
    自分を探すに

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    2026年01月02日
  • いつもそばには本があった。

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    國分功一郎さんの言葉が、最近とくに身に染みてくる。とくにアーレントを巡って。

    ほぼ同じ時代を生きて、あの90年代のクソな空気に反発し、そこから真摯に学んできたのだろう。

    私はそこまで学びに打ち込めなかったけれども、この人の危機感とか憤りとか、疑問などはものすごくよく分かる。だからこそ本を読み、考えるべし、ということも。

    長い学びの旅路の針路を示すブックガイドとしても、大変ありがたい。

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    2025年12月19日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    本書の帯にも「暇と退屈の倫理学」の深化と書かれた國分さんの新作。コロナ禍の政策に対して、哲学者がいかに「社会の虻(あぶ)」として重要な提言をしていたかをわかりやすく解説。「目的の本質とは、手段の正当化にある」との指摘にハッとさせられる。Purposeを求める前に読んだ方が良いかもしれない。目的の奴隷になってはいけないことを学べる一冊。

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    2025年11月24日
  • 「利他」とは何か

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    「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。

    現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。

    ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。

    結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。

    最近、私の考えていたことです。

    この本を読んで、その考えは合っていると感じるとともに、
    利他は意図せずしっかりと存在することも実感できました。

    それは自分という器を誠実に生きるということ。

    自分が全力になれることを全力でやることが、人類の歴史や系譜に奉仕することになるという作家・磯﨑憲一郎さんの言葉は、私たちの迷いを幾分和らげてくれるのではないでし

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    2025年11月13日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    Youtubeの企画で朝井リョウがおすすめしていたため、手に取ってみましたが、、、
    あまりにも哲学的すぎて、私にはなかなか理解が追い付かない点が多かった。

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    2025年11月03日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    面白かった暇と退屈の倫理学をより深化させた論考ということで気になって購入。
    コロナ禍の2020年と2022年にあった2本の講義を再録したもの。

    暇と退屈の倫理学については前半はちらっと言及があるくらいだったが、後半は浪費と消費の話から、目的と手段の話にまで広がって、暇と退屈の倫理学の補講のような感じで読めた。

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    2025年11月03日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    授業で読んだ國分功一郎さんの評論が面白く、手にとってみた。
    哲学は難しいという印象があったが、寄せられた質問に答えていく形式になっていて読みやすかった。
    人生の話をしよう、という名前の通り寄せられた質問からその人の生き方なども考察した上での解答で読んでいて驚くことが多かった。

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    2025年10月27日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    とても面白かった。何年も前からぼんやりと考えては、うまく考えが進まなかったことを、ずっと前の時代の哲学者がかんがえていたのだなあ、と感慨深かった。

    スピノザの本質概念の転換のところがとくに面白く、いろんな人のいろんなあり方のそのままを肯定しよう、というやっと今になって広がってきた考えをそんなに前から考えていた人がいたのかあ、とびっくりしたし、スピノザの考え、いいなあ!と思うと同時に、哲学者の考えが難しいから全部賢い人のいうことだし、わからないけどなんか正しいんやろうなあ、みたいに思っていたのが、対比する哲学者の考えを知ることで、あー、そっちの理屈は肌に合わないわあ、とか、それは偏ってるんじゃ

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    2025年10月15日
  • 「利他」とは何か

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    「利他」に偽善的なものを感じつつも、必要なものだよなあという気持ちもあり、興味のあるテーマなので読んでみた。
    正直3章以降は難しすぎたのだけれど、伊藤亜沙さん、中島岳志さんの文章に、何度も視野を広げてもらった。以下、特に印象的だった部分のメモ。

    伊藤亜沙さんの文章では、効果的利他主義という考え方を知った。徹底的な「評価と比較」をして行う利他だ。
    例えば、他者のために働きたいと考える若者が、限られた給料のNPOに就職したりせずに、ウォール街でお金を稼いで寄付する方を選ぶというような考え方となる。
    利他の原理を「共感」にしないのが目的らしい。共感によって行う利他では、ふだん出会うことのない遠い国

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    2025年10月10日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    掲載された元の論文も読んでいたが、改めて面白かった。どうしてかはわからないけど善いとか心地よいとか美しいと感じる感性を呼び覚ましたい。
    あと、あとがきにあった目的に縛られた主体は経験を失う、という視点がすごい。窮屈さや寂しさを感じるのは経験によって何も蓄積されないからかもしれない。目的と手段に多様性は求められない。

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    2025年10月07日