國分功一郎のレビュー一覧

  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
     小平市都道328号線問題のような住民問題は、マンションや道路、ダム、ゴミ処理工場、最終処分場など、問題の構図として必ずと言っていいほど、《住民対自治体(行政)》の構図が浮かび上がってきた。そして、行政をチェックする機能としての議会も、行政の取り組みを認可するだけの役割に成り下がるだけの役割しか見え...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    小平市の都道建設計画を見直す住民投票運動に参加した社会哲学者が、自分の専門である政治哲学と実践とを見事に結びつけた良書。日本の政治や行政に関する「理解不能」な部分をなるほどと解き明かしてくれました。行政権が大きな比重を占める日本では、主権=立法権という政治哲学の前提が間違っているので、住民投票やパブ...続きを読む
  • 社会の抜け道
    学生時代は社会学に全然興味がなかったんだけど、この二人の対談は、するする頭に入ってきて、世の諸問題への関心が高まっていく。
    國分さんの単著も読んだことなかったんだけど、この本のおかげで大分関心が高まりました。
    そしてシャルル・フーリエがなぜここ最近見直されているのか謎。妙に波がきてる感じがするよね。
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    ドゥルーズやデリダなどの研究を専門にする哲学者が、自らが住む小平市の道路建設に反対する運動に関わる過程で得た現在の民主主義への違和感と課題についてまとめられた本。タイトルにもなっている「来るべき民主主義」は著者が専門とする哲学者ジャック・デリダの言葉だ。「現在の民主主義を見直し、これからの新しい民主...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    「平易な文章で、よくもここまで上手に説明するものだ」と驚かされた良書。実に面白い!
    小平市の道路開発問題という超ローカルなネタを素材にしているが、議会制民主制に対する幻想・勘違いと限界、そして議会制民主制を補完する方策のアイデア、まで幅広く論じている。自分自身の「政治」に対する向き合い方が変えられる...続きを読む
  • 哲学の先生と人生の話をしよう
    テクストを読み解くスキルを活かし、哲学者が一般読者の人生相談に答えています。
    アドバイスとして言っていること自体は良心的で、即問題解決に結びつくようなものではありませんが、しかしその「悩み」のどこが問題なのかを読み解き、なぜそのようなアドバイスをするに至ったのかを明確に述べています。
    相談メールの中...続きを読む
  • 社会の抜け道
    古市さんの「絶望の..」を読んだことがあるが、國分さんのものは初めて.的確な論評に感心した.保育園の話しでフランスの少子化対策での成功事例を紹介していたが、女性の労働支援を実施した由.日本も取り入れたらどうかな.國分さんの言葉で「いいものを提供しても、受け取れる人と受け取れない人がいる.リテラシーの...続きを読む
  • 哲学の先生と人生の話をしよう
    相談の手紙に書かれていないところ、相談者が言っていないところに、本当の問題点があること。悩みも、解決策も常に個別・具体的であること。國分先生の、本質を見抜く見方・考え方や、鋭角的なアドバイスが、とても役に立っています。
  • 哲学の先生と人生の話をしよう
    働き始めてから、OFFの時間に難しいことを考えられなくなった。難しい情報処理を受け付けなくなった。

    疲れた頭でも思わず読み進めてしまったのがこの一冊。

    他人の人生相談を読みながら、普段、いい子ぶっている自分の行間に、図々しい自己主張があるのでは、とえぐられるようだった。

    それにしても哲学はおも...続きを読む
  • 哲学の先生と人生の話をしよう
    一般的•抽象的なものはこの世に存在しない。存在しているのは個別的•具体的なものだけ(p175)と、相談者の文章から具体的な状況を読み取ろうという姿勢が素晴らしい。
    情動と感情の関係、遵法闘争、運と無意識の選択、「観念の物質化」など面白い。
    「言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを...続きを読む
  • 哲学の先生と人生の話をしよう
    タイトルの通り、哲学者の國分功一郎氏が、とあるメルマガにて連載していた人生相談を本にまとめたもの。

    寄せられた相談に著者が、主に哲学の視点と著者独自の考えから答えを出している。

    中でも私が一番面白かったのは、「モテない」という相談に対し、そもそも「モテる」とは何なのか、という著者の結論。

    「『...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    豊かな社会の道しるべ : 「小さな参加の革命」(3/3) 山崎亮×國分功一郎

    この対談記事を読んで、読んでみたくなりました。

    民主主義の胡散臭さに自然と距離をおきたくなる自分と、民主主義国家と言われる国に住む自分にとって何らかのカタチで上手いこと理解し、自分のスタンスを固めたいと思う自分が交差す...続きを読む
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    著者の語り口が良く、折々で要点を振り返ってくれるから、終始面白く読むことができた。が、やはり哲学は、難しい。。。理解するには何度か読み返す必要がありそう。手元にあるとうれしい本なのは確か。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    かなりボリューミー、その分考える。

    僕自身はかなり日常も楽しめている分類だと勝手に思っています。
    色々な本を読むのが好きですし、何でもかんでも興味が湧いてしまう。好奇心の旺盛さだけは誰にも負けないと言えるぐらい。

    「楽しむためには訓練が必要」
    これはごもっともだと思います。
    勉強しろ、知識を持て...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    ただ詩のために、詩を書き、学び、詩自体を愉しみたい。

    まとめ
    195 目的合理的な社会は絶対に無くならないが、「無駄な(遊び)ことも必要」と異議することは一定の価値がある。
     人間活動には、目的のために行動する以上の要素があり、活動が目的によって動機づけられているとしても、その目的を超え出ることを...続きを読む
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    おそらく書かれていることの意味を正確に理解できていない箇所がたくさんあるだろうなと思いながら読んで、それでもおもしろいと感じることができて、不思議な読書体験でした。
    いろんな哲学書がわかりやすい解説付きで引用されているのがよかったです。
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    人間の行動の根源は退屈にある。
    退屈を紛らわす方法は2つある。
    一つは仕事(スキルアップ)に没頭する事だ。しかし退屈よりは辛くないけど、楽しくない没頭状態の場合、これは紛らわす方法としてあまり良くない。仕事の奴隷となっている。
    2つ目が楽しみに没頭する事だ。いわゆる趣味だ。ここで必要になるのが、考え...続きを読む
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    優しく書いてあるのだろうが、哲学的な本は私に理解しにくい。賛同できる論旨も多いが全体が理解できない。▼増補新版で追加された『傷と運命』は共感できる。つまり;▼人間は生き延びて行く中で記憶し続け、傷を負い続ける。だがその中には自分だけでは消化できない記憶がある。もしその記憶の消化を手助けしてくれる者が...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    正直なところ、優しく教えてくれてるのにその内容は難しく結局のところなんだったのかわからない。
    感動もあまりできなかったので何も身についていない。
    國文先生に関心があってスピノザにはあまり興味がなかったことに気づいた。
    でももっと深く知ったら自分の中で何か変わる気がするので、時間のある時にもう一度読み...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    コロナ禍に行われた2度の講話を収録。「不要不急」の言葉を対象として、「目的」や「自由」など概念との関係を考察していく。コロナ禍で登場し今ではコロナ以外の場面でも当たり前のように使われるようになってしまったこの言葉の何が危ういのか、改めて考える視座をもらえます。