國分功一郎のレビュー一覧
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購入済み
面白い!
とても面白かった。対談本なのですらすら読めてしまうのだが、内容は決して軽いものではなくて、いくつも考えさせられる事柄があった。「ちょっとここのところを考えてから次を読もう」と思い、本を閉じて、考えるのだが、「もうちょっと読みたいなあ」と思ってしまい、考え切らずにまた読んでしまう、という本だった。多分、何回も読んでちょっとずつ考えることになると思う。個人的には、千葉雅也さんの、「僕はマイノリティとして、差別されても別のクラスタでありたいと思っています。それに、こっちはこっちで逆に異性愛文化を小バカにしたりするわけだから、それはもうお互い様です。」という発言がリアリティがあっていいなと思った。
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読み終えた僕らは、岩波新書らしからぬ煽りに煽った帯コピー「この思考は、人間のすべてを根底から覆す」が、全然大げさではないことを体感する。
スピノザという至高の読む人と、國分功一郎という気鋭の読む人との対話を通じて、読むこと、読み継ぐことの難しさと楽しさ、素晴らしさを体感できる一冊でもある。
難解なテキストを薄めることなく、がしかし読み外さないように丁寧に根気強く、時にユーモアに時に切実に、日本語で導ききった國分功一郎の仕事、狂気の沙汰レベルに凄まじい。
スピノザが示した道としての「方法」や第三種認識は、仏教徒の柳宗悦が民藝運動に込めてた「不ニ」や道元の悟りにも通じるのでは?と思った。だとしたら、民藝を経由して、’ものづくり”についても考えたい -
Posted by ブクログ
スピノザの著作を想定される時系列でその人生でのできごととも関連させながら、紹介していく。そのため、「エチカ」の執筆を中断して、「神学・政治論」を書いたということを踏まえて、エチカの前半と後半の間に「神学・政治論」の解説がはいる。そして、「神学・政治論」の議論が「エチカ」の後半にどう影響を与えたかが検討される。
一応、スピノザの「人と作品」という体裁はとっていて、それなりに入門書的にわかりやすいわけだが、内容的には、新書のレベルではなく、新しい研究動向まで含めたところで、著者の最新のスピノザ解釈を示すものになっていると思う。
わたしは、そこまでスピノザを読み込んでいるわけではないのだが、これまで読んだなかで、一番、「わかった」気がした。
スピノザはなんだかいいことを言っていそうなんだけど、それがなんだかわからないというモヤモヤをかなりのレベルでクリアにしてくれた気がする。
たとえば、スピノザは自由意志の存在を否定しているのだが、それなのにどうして「エチカ」、「倫理」を語ることができるのか?みたいな基本的なところで、わからなかった。そして、これまで読んだいくつかのスピノザ入門書ではそこがなんだか腑に落ちない感じがあったのだ。
「エチカ」は、神の存在証明からスタートするわけだが、やはりスピノザが問題にしているのは倫理なのだな。
とある意味、当たり前のことを確認した。
にもかかわらず、それを自分の言葉でまとめることがまだできないというもどかしさは残る。
いずれにせよ、これがこれからのスピノザ入門の基本図書になるのではないかな? -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれ、昨今の言葉の誤用を嘆いた内容なのかなと軽い気持ちで手に取ったらもっと深く切り込んだ内容でした。
著者の方々やきちんと内容を知らずに購入したので、こちらが不勉強なため中々理解が難しかったです。
漠然と今まで自分の中で考えていたこと、気になっていたことが次のステップに進むようなヒントを貰えた気がします。
昨今蔓延る自己責任論。どうしてこうなってしまったのかピンとくるものがなかったのですが言語が思考に影響しているのではというのは自分の中では今までになかった視点だったのでとても興味深く面白かったです。
お二方の著作を読んだ方がこの対談をより理解できると思うので読む順番大事かもしれません。
IQの値が離れすぎていると会話がスムーズにいかないと聞いたことありますが読んでいる中でそんな気持ちになりました。
だいぶ「リッチ」な会話をしているように思えました。
インターネット、SNSの普及でこれから先の時代がどうなっていくのか。
年を重ねたことで今生きているこの瞬間も絶えず変化し続けるもので未来から見てようやく何があった時代なのかがわかるのだと悟りました。
若い頃は、過去の歴史を見ても今から切り離して考えていて今の時代の問題に気付きませんでした。
止められない流れはあるだろうけど、そこの中でも自分の価値観や意識を保っていかねばと思いました。 -
Posted by ブクログ
中動態、勉強、コミュニケーション、エビデンス主義などなど、様々なトピックが、「言語」の横軸で横断的に議論されている1冊でした。とくに第3章「「権威主義なき権威」の可能性」が、示唆に富む内容が個人的に多かったです。
現代的なコミュニケーションは、何でも明確に表出することを求める、明るみの規範化が問題となっている。そうではなく、人には「心の闇」が必要である。言語化できないような不合理性があることで、曖昧なかたちのままで自己を認識できたり、どこか他者を信じれたりする。
それに関連して、エビデンス至上主義は、ある種の民主主義の徹底でもあるけれど、全てを明るみにしなければいけないとか、エビデンスだけで全てがわかって、合理的に判断できるのだと勘違いしてしまっている。
言語が果たす役割の大きさと可能性を感じされられた1冊でした!やっぱり國分さんと千葉さんの本は面白い。