國分功一郎のレビュー一覧

  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    思考がスイッチして集中の続かない人間だからこそ、
    思考を深化させるために物事を楽しむ余裕と訓練が必要であると学んだ。

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    2026年08月09日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    『暇』何もすることのない。人の感情は無関係。
    『退屈』
    何かしたいのにできないという感情、気分。人の感情は関わってくる。

    人類の歴史は遊動生活から定住生活を始めた頃から余裕が生まれ退屈が出てきたとある。
    その気晴らしとして土偶にデザインが入ってくる。

    本書を読む事でお金や自由が満たされても現代人が幸せになれないのが深く理解できる。
    ロシアの哲学者、アレクサンドル・コジェーヴが
    1950年代米国の自由と便利の世界を歴史の終わり→人類の終わりと評しているのは興味深い。
    そして、そのコジェーヴが当時の日本を訪問して日本人こそ歴史以降の人間の姿といっている。
    著者はこれについては反論しているが個人的にはコジェーヴに賛成である。確かに理由が『ハラキリ、特攻』の形式が人間的であるのは如何な物かと思うが。
    残念ながら今の日本人には無くなったが当時の日本人には気品、知性がコジェーヴがそう考えたのかと思う。やはり東洋思想がこれからは重要だと認識している。

    他の方の感想にもあったが暇を埋める為のスマホいじりなども含め、生活の見直しから考えさせられた。そしてたくさんの本を読む事で所謂『環世界』を広げていきたい。





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    2026年08月09日
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

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    ふと、自分の人生がつまらないと感じてしまう瞬間がある。そんな時、恵まれない環境で必死に生きている人に比べれば贅沢な悩みだと自分を戒め、自らが置かれている環境への感謝を胸にそんな気持ちをやり過ごす。しかしそれでもなお、しばらくすると同じような虚しさがぶり返してくる。このモヤモヤの正体は一体何なのだろうかと日々考えていた。そんな疑問に対して、ひとつの答えを示してくれたのが本書だった。
    本書はまず、人間にとって暇や退屈とは何かを、古代人類の歴史を遡りながら丁寧に紐解いていく。暇や退屈という身近な現象を、哲学だけでなく歴史学や社会学など、あらゆる学問の観点から徹底的に解析していく。加えて、過去の偉大な哲学者たちの思想を丁寧に紹介しつつ、時には批判も交えながら独自の新しい解釈へとたどり着く展開は、専門知識がない初心者であっても思わず引き込まれる非常に興味深い構成になっている。
    そして本書は、私たちが日々の生活の中で暇や退屈にどう対処していくべきなのかについても、深く納得できるひとつの考え方を示してくれる。
    読み進めるうちに、この本を通読すること自体が、退屈に対する見事な対処法のひとつであるということに気づかされた瞬間は、本当に腑に落ちるものがあった。
    自分の内側にある得体の知れない感情と向き合いたい人におすすめしたい1冊。

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    2026年08月05日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    意志(個人)ではなく関係性を重視すると責任の不在が問題視される。責任をどう考えるか。
    結論としては、能動ー受動態の世界観ではなく、むしろ能動ー中動態の世界に身を置くことで、責任の念が生じる。
    現代は個人に重心が傾き過ぎなので、そろそろ関係性、中動態の出番かな、と思う

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    2026年07月23日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    同じ新潮文庫から出ているから
    「暇と退屈の倫理学」の向こう側の話かと思っていたら、
    (作品を書くに至った経緯としては連続性があるものの)
    全く別の系統の話だった。

    かつて確かに存在した態、中動態。
    現在の(特に英語で顕著な)能動態と受動態の二元論に
    吞み込まれてしまった態。

    現在の言語体系の中では本質を見失ってしまう
    責任と意志について探索していく。

    前半はほぼ言語学なので、興味のない人は読み飛ばしてしまってもいいかも?

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    2026年07月11日
  • 天皇への敗北―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    「民主主義とは、民衆が権力を作る政治体制のこと。立憲主義とは、いかなる権力も制限される原理のこと」であり、立憲主義が危機に瀕すると、天皇がグッと前にせり出してきてこれを守ろうとする構造が日本国憲法には内蔵されているという指摘に、今日の日本の状況を鑑み深く納得。日本国民が憲法秩序を守るために成熟した態度をとることが出来ず天皇に頼ってしまったことを、天皇への敗北と評し、戦後、成熟出来ずにいる我々日本国民は、人権が認められず、その身分に即した義務と特権のみがあるという身分制を残した「飛び地」である天皇制の問題を曖昧にせず、潜在的な被害者意識を乗り越え戦争責任を主体的に引き受けられるようになることの必要制に深く同意。また情不感症はダメであるし、また、人情に負けるのもダメであること、人情的なものから目を背けず、その「皮膚感覚」を感じとることの重要性は現在の左派、リベラルの支持率の低さを考える上で大切な指摘に感じた。

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    2026年07月05日
  • 天皇への敗北―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    まーじでいま読まれるべき本。

    憲法一条で規定された天皇は、憲法の存在が脅かされるときに護憲的な役割を果たすという機能が内在されていた。天皇制はもちろん令和のいまリベラルな価値観では到底許容してはならない「飛び地」である…にもかかわらず第二次安倍政権での安保法案改正・あるいはそもそも超民主主義的なふるまいをする安倍政権に対して「民主主義」としてNOを突き付けることができず、天皇の言葉に頼る形になってしまった。これが「天皇"への"敗北」として本書で書かれていることだ。全くもって非常にその通りで、現状の高市政権にていま議論されている皇族数の確保問題も超重要な国民的マターとして進めないといけない。

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    2026年06月17日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    アツい。國分さんのお話は、胸に刺さる。
    目的、手段、主体が形成される機会が奪われるということ。資本主義がもたらす弊害など。
    本当にそうだな、と、実体験から腑に落ちるお話が多い。
    いい本だった。國分さんの他の本も、読んでみたいな。

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    2026年06月11日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    暇と退屈の倫理学からの続き。一冊飛んでこの本を先に読んだけど全然大丈夫だった。前半後半に分かれてるけど、まずその考え方が響いた。まず書いて完成すると話ができる。文章にするから話せる。この考え方は良い。学びだ。
    本の内容としては、いつもながらかなり理解に苦しんだ。哲学書っていつもそう。読んで苦しむ。読後頭からしばらく離れない。それがまた良い。今回も同じ。
    この本は生きる目的を失いつつある、40〜50代におすすめ。折り返し地点を過ぎた我々は何かを楽しむことを忘れている。そこに明確な線引きがない。難しいな。心に正直に生きるのは難しいと思う。

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    2026年06月10日
  • スピノザ 読む人の肖像

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    國分功一郎の文章はとても読みやすい。途中で???となって戻って読み直す、と言うことがない。語彙の選択も的確で、言い回しに統一感があり、構成にムダがなく、整然としているから話が直線的に進んで行く。だから先を読むのが楽しみになる。これは才でもあり、鍛練や努力の結果だと思う。だからといって内容が全てそのまま理解できるわけではない。それは著者のせいではない。なのでもう一度読むことになるが、それが苦痛にならない。どの著作も手元に置いておきたい。

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    2026年06月05日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    ネタバレ

    非常に面白い論考やった。こんな公演、講和を聞いてみたい。

    暇倫の國分先生の本はこれで3冊目になるが、読みやすくて面白い。いや、めっちゃ読みにくい時もあるしわかりやすい説明もあれば、説明不足やなあというところもある。普通の哲学書をあんまり読んだ経験は少ないけど、論拠も用意してるし、國分先生の思考の道を、たどるような書き方をしてくれてるのがいいと思う。

    これも再読したい本。わかりきってないと思うから。

    以下は頭の整理?

    不要不急の外出制限が受け入れられたのは、浪費を否定する消費社会、「目的」を至高とする目的社会が土壌にあったのでは?

    人はモノは体験の浪費により贅沢を楽しむことができる。対して消費は、バズってますとか人気ですとかのただの情報の摂取になったり大量生産大量消費によるある目的を満たすためだけの購入、摂取になる。

    消費社会では目的に沿った行動だけが重視される。対して浪費はただの個人の満足。こういうのをしていこう。

    不要不急の外出制限が受け入れられたのは、目的が無いなら出ていくなという立法府ではない行政府による命令、要請に人が納得したということ。これは行政による越権行為のはず。これで法律学者は何も言わないのはなぜか?また、葬儀もされずに死んでいく人たちも大勢いたが、死者の権利、死者への敬意が奪われている現状に教会が声を上げないのはなぜか?イタリアの哲学者アガンベンは、そう声明を出して炎上した。

    普通に考えてコロナ禍の緊急事態なので炎上するでしょと思うかもしれんが、誰も声をあげないのは違う。哲学者はソクラテスの言う通り社会の虻なのでチクリと刺す必要がある。もちろん緊急事態なので社会の対応も必要ではあった。反マスク反ワクチンみたいな人もいたけど、その人たちとは違う今の緊急事態は例外状態だよ、専門家は声を上げろよ?という指摘。

    実は人はこういう例外状態にコロナ禍以前から慣れてしまっている。テロへの対策、紛争状態などで、行政が立法を超えて要請命令を出すことは日常茶飯事になっている。立法が立てた法の内側で実務をする行政が、暫定的な命令要請を社会にしてもだれも違和感を覚えなくなってきている。

    目的があるから仕方ない。

    でも目的とは「手段を選ばずに遂行すべきモノ」という意味なので、(実際、手段を選ばないときは批判されるが、批判されなければ手段を選ばなくていいし、一定の倫理観を持つ人じゃないと批判しないし、なんなら批判されても果たせば目的を果たしたことになる)目的のための手段というものは本質的に目的に制限されている。

    純粋な手段を楽しみましょう。
    人は浪費を楽しむように手段そのものを楽しみましょう。そうすれば消費社会、目的社会への見方も変わってくるかもしれない。

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    2026年06月02日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    レンズの研磨職人をして、哲学者もしてたスピノザという人がいた。自分もレンズ研磨の仕事をしているので気になって調べた。有名なエチカという哲学書があり、難しいとあったので、どうにか入りやすい本はないか探し、本書を見つけた。現代の生活や他の有名な哲学者との比較をしながら、自由とは何か、組み合わせによる善と悪、エチカを読むなら上巻からじゃなく下巻から読むと入りやすいなど、わかりやすく丁寧に書いてあって、自分のなかのスピノザに対するハードルが下がった。植物と物質の組み合わせは守る善になるけど人間とその物質は合わなくて毒となり悪になる。善と悪は組み合わせだって言うのは面白い。自由に対する考え方も自由は縛りはないと思うけど、身体の動きも可動範囲に縛りがあるのに「自由に動かせる」という。ならば自由とはどういうことなのか?その解説もすごく分かりやすかった。スピノザの本エチカも含めて読むの挑戦しようと思えた。

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    2026年05月30日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    難解なエチカを、具体的な例を交えて丁寧に述べておりとても好印象でした。

    コナトゥスの概念
    自由の再定義
    自由意志への疑問

    今を生きる自分からすると、信じ難くも説得力がありました。
    哲学を生活に活かすにはという視点もあり、実用性の目線からも耐えうるものだと思います。

    OSの違う哲学を、できるだけ分かりやすく噛み砕いた良書です。
    スピノザを学ぶなら入門書としてうってつけだと感じました。

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    2026年05月24日
  • スピノザ 読む人の肖像

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    今回読んだ國分功一郎『スピノザ 読む人の肖像』は、
    スピノザの人生と、その思索をともに辿っていく一冊。

    他人と比較せず、自分の本性に従って生きることこそ、
    もっとも徳のある生き方だという考えが、個人的に大好き。

    実際、私も自分の喜びを満たしたときが一番、他人に優しくなれる。

    そんなこと、みんな薄々わかっている。
    でも、人生に持ち込むのは簡単ではない。

    國分さんのスピノザ論を読むと、不思議と勇気がもらえる。
    自分を満たすことにもっとこだわっていい。

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    2026年05月09日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    私も目的に縛られているなと思った。特に社会生活を送るうえではすべて目的がないと行動ができなくなっている。仕事をするのもお金のため。勉強するのも仕事で評価されたいため。運動するのも美しくいため、健康でいたいため。社会で良いとされているものにめちゃくちゃ引っ張られ、それが目的になってしまっている。どうやったら目的を超えた何かを感じられるようになるのだろうか。なかなか目的もなく勉強をするのは難しい。
    子供の頃は、目的もなく純粋に好きなことを目的もなく楽しんでいたと思う。
    自分の好きなことであれば、今も目的もなく行動することができるだろうか。食事のための食事、バレーのためのバレー。一つでも目的のない何かがあれば、楽しく生きていける気がする。

    また、この本で消費と浪費の違いを初めて理解した。
    消費は終わりがない、満足がこない。浪費は終わりがあり、満足がある。消費は記号。浪費はモノ。
    私も立派な消費者の一人であるなと思った。

    私に取ってパンケーキを食べている時は、目的もなく浪費者として、贅沢を享受できていると思う!



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    2026年05月05日
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政

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    「はじめての経済思想史」の著者がお勧めしてたので。政治の成り立ちから近代 (18世紀位) までの流れが、教科書にも載っている偉人達が何を主張していたのかを通じて論理的に哲学的に書かれている。ただ、教科書的な話というより、筆者の解釈/言葉で語られているので政治/哲学の初学者でも興味深く読める。著者はロックが嫌いなのか「根拠のない主張は哲学では無い」とぶった切る感も面白い。全体の流れは最終章の結論でおさらいできるのも有り難い。

    聞き慣れない「自然状態」「自然権」「社会契約」「一般意思」等の前提条件や成り立ちの話から、普段何気なく使っている「封建制」「国家」「主権」「共和制」「民主主義」の言葉の意味を再認識しながら話が繋がっていくのは気持ち良い。立法が最重要である一方で、その執行権(行政権)は個別対応であり、肥大化/暴走の懸念と正義の遵守/統制のバランスが如何に難しいかは現代にも通ずる話。(全員でない全員による)民主主義は欺瞞であるが、その価値を問い続けるのが大事だと(by カント)。

    ところどころでキーワードとして出てくる「所有」の話をもう少し突っ込んで聞きたかった。また、本書は主に西洋史での流れだが、日本の歴史/政治に当てはめて話も聞きたくなる。

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    2026年05月04日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    現代の世界において我々は能動態と受動態の枠組みで世界を生きている。しかし、その枠組みに収まりきらない事象が多く存在する。ここで法律を適応するにあたって重要であり、この事象を理解するのに重要だと思った能動態と受動態の定義をまとめておきたい。能動態は行動によって自分の本質を表現することで受動態は自分の本質に関わらず他者から何かをさせられている状態だと言えることができる。しかし、何かそれは法や社会、歴史かもしれないものの見えない圧力によって自分は本質を表現しているつもりなのにも関わらず、実際には冷静で合理的な判断がなされないまたは誰かにやらされていると自分で認識していても別に強制させられているわけでもないことが多々ある。このような事象は中動態と能動態の枠組みにしか収まりきらない。それを知るだけでも世界の見方は少し変わると思う。

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    2026年04月27日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    暇と退屈からこっちも気になって読んだ。
    正直かなり難しい。ちょっと読み飛ばした部分もある。
    ただ、中動態という新しい(?)概念も知ることができた。今の言語では中動態が広まっていないのがもどかしくなる。

    以下、本書と直接関係ないが感想。

    小説などの物語がなくならない理由の一端に、中動態の喪失があるかもしれない。
    特に悲劇のような物語では、登場人物は誰かに強制された行動もあれば、進んで自分で行ったとは言えない行動もする。大きな物語の流れの中で、彼らは思い通りに行かない行動を自らとる。こういった行為は能動態/受動態では書き表せない。
    物語を読む人は、ストーリーを楽しむだけでなく、確かにあるが表現できず忘れてしまった中動態へのノスタルジーを感じているのかもしれない。

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    2026年04月27日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    単に哲学に興味がある人だけでなく、生活に充実感を感じつつも、漠然とした物足りなさを感じている、そんな人におすすめの一冊。
    「自由」について真剣に、かつ遊びをもって考えることができた。

    個人的に社会人になってからというもの、顧客数、売上、利益率の目標などといった分かりやすい「目的」を達成するために日々生活している気がする。

    もちろん生活の為に何かしらの「目的」を達成することは大切なのだけれど、そればっかりになっている気がするなと、この本を読んだ後には思えてきた。
    本著に出てくる対比として、
    「目的」と「手段」
    「消費」と「贅沢」
    「行政」と「立法」
    などが並ぶ。
    これから通関しているのが新鮮で、かつ著者の思考の深みが伺えた。仕事に熱中しがちな現代人こそ読む一冊。

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    2026年04月26日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    流石によく整理されている。タバコについてのカントの記述が読めるのは大変良い(多分道徳的にも、ある意味では背徳的にも)。ただ國分さんこんなの書いてるってことはよっぽど人生楽しくないと考えていたのかなと勘繰ってしまう。いや、楽しくなくても考えるのが楽しければそれでいいのだけど! タバコの良さを論じるカントがタバコをやったとは想像し難い。國分さんがタバコを吸うかは知らないが、こういう人は多分考えるのが好きなので吸わない気がする(無論勝手な想像だが)。アレントのチェスの手段化の話も読める。

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    2026年04月15日