山下澄人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生相談を読むのが好きだが、本書はそもそも人生相談なのか微妙。著者自身もそんなつもりではないと言ってるし。ほとんど「答え」になってないのが結構あり、それどころか何を言っているのか(私には)わからないのもチラホラある。それでも随所にウーンと唸らされるくだりがあって、じっくり読んだ。
著者は、世に流布する型通りの考え方に縛られて苦悩することの愚を説く。以下は心に残った箇所の抜粋。
・「今何をすべきかわからない。若いうちにしておいて良かったことを教えてほしい」という問いかけに対して
「『今』は『未来』の保険ではないし、つながりもしない。今が未来につながっているように見えるのはそうした『物語』をわ -
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Posted by ブクログ
ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着
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Posted by ブクログ
ネタバレオビに変なネタバレがなくてホッとした。
個人的には先入観なく読んだ方がいいと思う。
読み終えて解説を読んだ時に、山下澄人の経歴や、【谷】が何を象徴していたのかが分かった。
私小説として読んでいたら、もっと違った感想を抱いていただろうなと思う。
作者は、私小説として読んで欲しかったのかもしれないけど。
俳優になるために、【谷】で自給自足の生活を営むというお話。
でも、スミトからは俳優になりたいというガツガツした意志は感じられないし、むしろ、生きているのだか何なのだか分からない感じだけが残る。
スミトを通して見た「しんせかい」は、私にとってても「宗教みたいなもん」でしかなかった。
これを別人物