山下澄人のレビュー一覧

  • 砂漠ダンス
    「皆にわかるように、誰が読んでも読み間違わないように書きましょう。」とか、言われて、書き直しをさせられる子供がいますが、そんな子が、まんま、書きました。
  • コルバトントリ
    私であり、あなたであり、誰でもある
    過去でもあり、現在でもあり、未来でもある
    生でもあり、死でもある
    その「目」の自由さよ。

    すべてを俯瞰しながら、全部がつながっている感じが良かったです。
    私たちは世界を分け合って生きているのだ、と思いました。
  • おれに聞くの?
    人生相談を読むのが好きだが、本書はそもそも人生相談なのか微妙。著者自身もそんなつもりではないと言ってるし。ほとんど「答え」になってないのが結構あり、それどころか何を言っているのか(私には)わからないのもチラホラある。それでも随所にウーンと唸らされるくだりがあって、じっくり読んだ。

    著者は、世に流布...続きを読む
  • おれに聞くの?
    いろんな人生相談に答えるQ&Aの形で進められるが、答えがちょっと斜めな感じが良い。相談者がより悩んでしまいそうな答えもあり、面白い考え方の人だなと思う。
  • おれに聞くの?
    答えをもらったような気もするし、もらってないような気もする。それでも会話は聞けたし、足元にあるような発見をさせてもらえて良かった。
  • 君たちはしかし再び来い
    S字結腸に穴が空いての緊急手術から始まって次々起こる体の不調。猫もまた年老いて同じく開腹手術。書き続けている小説と白鯨や赤毛のアン、アンネの日記等々の文学作品あるいは妄想と過去が現在に浸出してきて、山下氏の頭の中を覗き見るような具合だ。
    そして表紙の絵が作品の雰囲気にぴったりだ。
  • 君たちはしかし再び来い
    「わたしがスマホを出してわたしに見せた」
    引っかかって何度も何度もページをめくり戻して何度も何度も読んだ。自分の頭がおかしい?
    こんな調子の文は読んだことがなかったから面白かったけど、作為的なのか?
    とまどいながらもとにかく読み終えた。
  • 掌篇歳時記 秋冬
    12人の作家による秋冬の歳時記にあわせた短編集。はじめましての作家も数人。好みはそれぞれあるけれど、こんな編集でなければ出会わなかったと思う。
    春夏編が先だったと知る。
  • 文藝春秋2021年4月号
  • 月の客
    新しい読書体験!
    普段だったら本を読んだあとにもっと本の世界が立ち上ってきたりするけれど、この本は違う。読んでいる最中の、まさに隣で見ている感が強すぎて。顔を上げた途端に声が遠のく。だけど再び戻した視線から音が聞こえるような感覚を味わえた。
  • 掌篇歳時記 秋冬
    ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうこ...続きを読む
  • 鳥の会議
    文章のリズムが不思議で音楽みたい。
    シーンがいきなり変わるので
    頭の中で映画みてるみたい。

    この男の子たちが微笑ましかったり。
    とっても悲しくなったり。
    ゆらゆらしました。

    町田康が解説に書いてるように
    根底で魂が繋がっているって
    納得でした。
  • ほしのこ
    とっても不思議な世界観でした。

    ほかの星から来た子供。名前は「天」。
    父が居なくなってから、出会った昆布ばばあ。
    飛行機乗り、逃げなかった彼。彼を撃った男。
    ルルという小さな子。

    もう、いろいろと不思議で誰が誰だか、なにがどうつながっているのか…。
    けれど、戦いで傷ついた人や想いは伝わってきて、...続きを読む
  • コルバトントリ
     死に際に立ったことがないので適切な表現かわからないけれど、「走馬灯のような」小説だった。
     過去・現在・未来。主観・客観。生・死。すべての境界線が曖昧で、1枚の絵をびりびりに千切って、ランダムに繋ぎ合わせた塊のような印象だった。物語性が希薄なため、記憶には残らなさそう。。
  • コルバトントリ
    時間軸にとらわれないパラレルワールドのような状態で、かつ俯瞰から眺めているような不思議な小説。始めは、言い知れない違和感があったけれど、慣れてくるとコーヒーカップに乗っているような感覚でクルクルと展開していけた。著者他の作品も読んでみたくなった。
  • ルンタ
    文体が独特です。最初は取っ付きにくいですが、そのうちこのぐるぐる感に慣れてきて、妄想とも自分の脳内思考とも言う物が自分の中で出来ていく不思議な共有化がありました。だけど、それで?と言う感じ。何がしたかったのだろう?
  • 文藝春秋2023年9月号

    秋篠宮家の娘たちの擁護記事

    どんな内容かと思って購入しましたが、A宮一家の娘たちがいかに大変で悲壮感たっぷりで辛い目に遭っているかという話がつらつら書かれていただけでした。残念です。皇族の方々が並々ならぬ重圧の中で役目を果たしてくださっているのは最もですが、この一家の人々と他の皇族の方々を並べて語ることは許せません。やたらと、...続きを読む