山下澄人のレビュー一覧

  • FICTION

    購入済み

    山下さんの作品の中では読みやすい。創作を実践し、記憶を辿り、いくつもの書物を引用することで、生のありか、死のありか、【わたし】のありか、創作のありかなどを探っていく。その思弁的な文章に、山下さんの独特な哲学がいくつも混ぜ込まれていて、考えさせられる。おそらくエッセイ的な要素もあり、山下さんの人柄が直に感じられる。とても温かく、励ましてもらえる本。何度も読んでしまう。

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    2024年11月28日
  • コルバトントリ

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    この演劇的な時間の飛び方、癖になる。
    だけど、語られてることはめちゃくちゃシンプル。
    ただ素直に受け取ればよい。

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    2024年10月07日
  • おれに聞くの?

    購入済み

    いい本。もっと広まってほしい!

    この本ができる前、mondで連載(?)されていた頃からファンで、ずっと読んでいました。一度質問した事もあります。読むと、最初はとにかく笑える。予想外の角度から回答が来たり、全然回答になっていそうになかったりで、意表を突かれて笑ってしまう。笑うと、好きになってしまうので、どういうことを言おうとしているのかと何度も読んでしまう。もうこの本を十回以上読んでいるけど、わからない部分がまだある。でも、システムが仕掛ける罠があるということ、反省は趣味であるということ、なぜかわからないがどうにかなるということ、などを理解できただけでも、かなりの悩みが解消された。それでも残る悩みは「生きているから仕方ない」と

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    2023年09月10日
  • 砂漠ダンス

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    小説といえばこれだよ! 
    映画化できない、コトバの編み物なんだよ!

    とはいえ、何が面白いのかわからないという気持ちもわからないでもない。

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    2022年08月11日
  • 君たちはしかし再び来い

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    何度も時空を立ち戻る文章が好きなので、ドキドキしながら読んだ。中上健次しかり、カズオイシグロの「充たされざる者」しかり。こまかく、視点を変えながら、記す者として正確にその場を表現しようという気持ちが、写実の絵画みたいでワクワクした。同じことを何度も、何度も、何度も書く姿勢が、私は好き。他の本も読んでみようと思った。 90

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    2022年06月08日
  • 君たちはしかし再び来い

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    ネタバレ

    不愉快とか、こまったなあとかも含めて、なんかわけわかんないけど何かを追体験した。これって小説じゃないとできないことだよなあ。痛いとか、自分のじゃないんだけど。

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    2022年06月08日
  • ほしのこ

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    大人になるにつれて学んだこと。論理性、客観性・・・・。

    それらと引き換えに失った子どもの頃に持っていたはずの大切なものたち。

    大人になって身につけたフィルターを通さない世界がここにはある。

    この作家の本、私は好きです。

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    2020年07月25日
  • 小鳥、来る

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    泣けた・・
    今でも僕の中に子どもの心が少しは残っているだろうか・・
    あと少し年をとったらまた子どもに戻っていけるだろうか・・
    夏のあの日の物語。

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    2020年07月04日
  • ギッちょん

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    【ギッちょん】
    過去のことが連想されたり、記憶が曖昧になっている感じが面白かった。でも意識をリアルに書きあらわすと案外こんな感じなのかもしれない。今がいつなのかわからなくなったり、そもそも今という瞬間自体がないように思えたり、何が架空のことで何が現実なのかもわからないような浮遊感というか掴み所のなさが良かった。
    【コルバトントリ】
    過去の自分が未来の自分の視点で過去の印象を語るような箇所が何箇所もあり不思議で面白い。
    話の筋とかがこの小説の面白さのポイントではなく、感覚が次々と飛び込んできて記憶や予兆がごちゃ混ぜになって今考えたことなのかその時思ったことなのかもわからないような特殊な、でもリア

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    2020年04月21日
  • 小鳥、来る

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    書店をフラフラしていたら、ながしまひろみさんのカバーイラストが目に止まり思わず購入。
    表紙のイラストと中身である本文が、これほど見事な組み合わせはなかなかお目に掛かれないと思います。

    台詞が連続する部分などは、ページの使い方 (段落の組み方)がずいぶん大胆にも感じますが、それが言葉のリズムを作ると同時に、ここでは余白が大きくあることが作品にとってとても意味を持っているのだと思います。

    物語の語り手は9歳の「おれ」ですが、脈絡なく急に話題が変わるところなど、小学生の男の子の語り方の特徴をうまく捉えているなぁと、思わずニヤリとしてしまいます。

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    2020年03月17日
  • しんせかい(新潮文庫)

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    まるで、別の世界の迷宮に迷い込んだかのようであった。作者は、倉本聰の主催する富良野塾の二期生なので、この谷という場所はそこで先生は倉本さんなのだろうが、そこはテレビもない、冬は雪に閉ざされた場所で奴隷のような意味があるのかわからない労働をしいられ、勉強し、周囲の変化に無意識に翻弄され、まぁ、青春小説なのだが、前半、句読点をあるべき場所に打たない長文のリズム感の悪さにイライラさせられ、どこか見知らぬ場所に監禁されたような気分になったかと思うと、言い切り、断定的な表現を多用し読者を煙に巻く。不思議な小説だった

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    2019年12月19日
  • 鳥の会議

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    これは私的傑作です
    これほど鮮明な少年たちを書けるのかと思うほど
    彼らの声、息、歩き方までリアルに脳裏に浮かぶ

    篠田、神永、長田、三上の4人を主軸に篠田の一人称で語られる物語
    群像劇ではあるのだが、そこが山下さんの妙で篠田の目線で神永の痛みを共有するような予知夢?を見たり
    篠田の目は千里眼のように他の人の「今」を語ったりする

    夢か現かとはこのことです

    神永は家庭環境が劣悪で、篠田家も貧しいとても
    その住居環境の周りには暴力や日常茶飯事でそこに悲しみや優しさがある

    彼らの心の中に精錬さ深い繋がり思いやりが見える
    絶対に裏切らないし見捨てない
    混沌雑多な街だからこそ彼らの絆は深いのかもしれ

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    2017年05月20日
  • おれに聞くの?

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    面白い。相談者が求めているのと違うレベルの回答をしていて笑ってしまう。基本的に思いやりがあり、ときどきすごく良い回答がある。

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    2023年10月21日
  • 小鳥、来る

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    子どもたちの後に引かないさっぱりしたやりとりとしょうもない大人たちのやりとり
    父は1回やる、やって終わる。それでおれと父は解散する
    というのがとても良かった

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    2020年07月18日
  • 小鳥、来る

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    内容は 昭和の小学生の
    頭の中のまんま
    とりとめなく 
    すぐにオウム返ししたり
    人のこともぐちゃぐちゃと混ざる
    昭和の小学生にもどって
    半分ぼーーーーっとしたような感じで
    読むのがいい読み方のように
    思えます

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    2020年06月12日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

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    2020年02月09日
  • しんせかい(新潮文庫)

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    当時を思い出している人の体内に入って
    思い出を断片的にスライドショーで見るような本。
    説明してあるところ以外は真っ白で
    奥行きがない。
    これが記憶です、と言われたらその通りですね!と答えざるを得ない...

    しんせかいの後に書いてある
    「率直に言って覚えていないのだ、あの晩、実際に自殺をしたのかどうか」も必ず読んでほしいです。
    ごはん7割(しんせかい)山椒漬け3割(率直に言って〜)みたいなかんじでふわっとしたしんせかいに味付けしてくれてる。でも時間軸は逆行しててすごくおもしろい。

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    2020年01月30日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12名の著名な作家の短編が72候の解説と一緒に読める、ある意味で贅沢な本だ.重松清の鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)は父親としての最後の旅行で息子の翔太を見つめる親心がうまく描写されている.筒井康隆の蒙霧升降(ふかききりまとう)は戦後の風物詩を散りばめた彼独特の文章でしっかり意見を述べているのが良い.堀江敏幸の熊蟄穴(くまあなにこもる)は菱山の取材活動のなかで村の古老たちとの奇妙な会話が面白かった.

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    2019年12月08日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日
  • 砂漠ダンス

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    「皆にわかるように、誰が読んでも読み間違わないように書きましょう。」とか、言われて、書き直しをさせられる子供がいますが、そんな子が、まんま、書きました。

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    2019年02月04日