角川書店のレビュー一覧
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万葉集のアンソロジーですね。
編集、解説は、坂口由美子さん。
『古来とくに親しまれている歌を中心に約百四十首を選び、意味や和歌の技巧、時代背景、人間関係などを解説した。』と、紹介されています。
川の上の つらつら椿 つらつらに
見れども飽かず 巨勢の春野は
(春日蔵首老)
磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど
見すべき君が 在りと言はなく
(大伯皇女)
淡路の 野島の埼の 浜風に
妹が結びし 紐吹き返す
(柿本人麻呂)
あをによし 奈良の都は 咲く花の
にほふがごとく 今盛りなり
(小野老)
我妹子が 植ゑし梅の木 見るごとに
心咽せつつ 涙し流る
我がやどの 夕陰草の 白露の
消ぬがにもとな 思ほゆるかも
(笠郎女)
親しみ易い構成で万葉集を楽しめて、解説も爽やかに、持っていたい一冊ですね(=^・^=) -
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ちゃんと読んだの初めてかもしれない。求婚者に不遜な態度のかぐや姫、いい人だけど俗物っぽいおじいさん、みんなキャラが立っている5人の求婚者たち。心を通わせる帝にはかぐや姫が心を開くのも、わかるーとなった。見た目(の噂)だけで求婚してくるなんて、とんでもないと思う。その時代では普通だったんだろうけど。あと帝も最初は見た目の噂で興味持ったけど、おもしれー女、、、となって興味を持ったようだから、諦めないことが大事なのかもしれない。
解説もすごくおもしろかったのだが、「〜するわ、〜するわ」を「〜するは、〜するは」と書いていてすごく残念に思った、、そこにだけ校正が入らなかったのだろうか? -
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角川ソフィア文庫の『ビギナーズ・クラシックス』シリーズ。
例によって、原文(万葉仮名ではない)、現代語訳、解説の3点セットで、140首ほど掲載されています。
地図や植物のイラストを用いた解説は非常にわかりやすく、三輪山伝説はじめとする◯◯伝説、枕詞などの和歌の修辞、柿本人麻呂などの重要人物などについては、適宜コラムで補足解説されています。
万葉集を学びたて、あるいはこれから学びたい人にとっての足がかりとしておすすめです。
本書に取り上げられている歌のうち、わたしが最も好きなものは、磐姫皇后の以下の歌。
「ありつつも君をば待たむうち靡く
我が黒髪に霜の置くまでに」
いつまでもあなたを待ちましょう、私の黒髪に霜が降るまで(=私の黒髪が白髪に染まるまで)、という意味です。
私がこの歌と出会ったのは学生のころ。
さだまさしさんの「まほろば」にて、この歌が本歌取りされていたことがきっかけです。
26歳にしてあの歌を書き上げたさださんの圧倒的な教養と恐るべき表現力を、同じ年になった今、よりいっそう身に沁みて感じるところです。 -
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今は昔〜のフレーズから始まる、十二世紀初めに成立した巨大説話集。その話数は千を超える。
天竺(インド)部、震旦(中国)部、本朝(日本)部の三つの重層構造にて設計される。
登場人物は、上は神仏、天皇、貴族、僧侶、武士から下は浮浪者、盗賊まで勢揃い。
平安時代を隅から隅まで堪能できる良作である。
下世話かつ下品な話も中にはあるが、はんなりとした古語だと許せてしまうのが妙であり、笑える。
芥川龍之介や谷崎潤一郎も、今昔物語に取材して傑作を生み出していたということを知らなかったので学びになった。
以下、印象に残った話を箇条書き
◾️月のウサギの由来となる説話
自己犠牲の尊さを人間に伝えるために、ウサギの姿を月に刻み込んだという、なんとも切ない話。
◾️盗みに失敗して親を殺した男の話
肉親へのドライな行動や、悪者でありながらカラッとした明るさは、さながらグリム童話の主人公よう。
震旦部の話の源流を遡ると、中国インドからさらにエジプト王家の物語に辿り着くと知り腑に落ちた。
◾️ライバルを祈り殺した弘法大師の話
日本仏教界のドンらしからぬ行動がなんとも俗人っぽくて興味深い
◾️美女の色じかけで、学者となった青年僧の話
学問の素質はあるのに怠け者の若者に対して、菩薩が彼の性癖を利用して悟りを開く方向に導く。
教育には「対機説法」が効果覿面ということがよく分かる話。
教科書では扱いづらい話ではあるが、こういうクスッと笑える話があると、学生の古文への関心も高まる気がする。
◾️芥川の「鼻」の元となる話
現代ではタブーとなり得る外見を茶化した笑話。
本作を読んでから芥川の「鼻」を読むと、また面白い。
◾️平安の色男 平定文が恋焦がれしぬ話
定文がイケメン設定なのに、行動があまりに下品で笑える。現代よりはるかに男尊女卑の世の中であったにも関わらず、今昔物語の中では男性をやり込める強い女性が多く登場する。きっと当時の多くの女性読者を楽しませていたことだろう。 -
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高校の頃先生が源氏物語はエロ本だと言い放っていた。もちろんメインは10人以上もの女の人を見初めて手にしていく源氏だし、嫉妬も羨望も権力争いも渦巻く大人の汚い世界を描いているのだけど、源氏自身はどんな女の人も傷付けない優しさを持ってるし、他人の子を丁寧に育てる母性・父性有り、妻同士が互いに認め合う瞬間有り、教育論や教訓有りと、ひと言で「エロ本です」とは語りきれない。
そりゃ当時のベストセラーなのだからしっかりした内容なのは当たり前なのだけど、今にも通ずる部分は沢山ある。一夫一婦制の今だからこそ、ここでしか見られない夢を持って読み伝えていきたい本だと思う。 -
Posted by ブクログ
遥か昔に教科書で文語体である『舞姫』を読んだがその時は言い回しが難しい上に悲惨なオチだと思っていた。本書は現代語訳と補足する様に当時が伺える解説がついた事で分かりやすかった。格調高い文章が抜けて意味が分かると豊太郎の他責型ゲス野郎ぶりが浮き彫りになるがコレもまた人間。外国人が現地人にその国の言葉で教えるとか頭脳明晰である事は確かである。
実際のエリスのモデルになった人は鴎外を追ってきたというからこんなタマでは無いし鴎外自身も書簡を大切にしていたらしい。敢えて悲劇性を強調する事で思い出を鮮烈なものにしたかったのかは不明だがこのオチに現代を生きる女性の方々はどう思われるのか気になるところである。