角川書店のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
芥川龍之介が好きなので、一度は読んでみたかった。
講談社学術文庫に全訳版があるが、読むのに相当苦労しそうだったので、角川文
庫の簡易版にした。
十分楽しめた。
法力で人を殺めたり、チビ学生が力士を投げ飛ばしたり、坊さんが女を抱きたい
がために必死で勉強したり、強盗一味をあっさり切り捨てたり、夫が別の女性と
思って、変装していた妻を口説こうとしてなぐられたり、姨捨山の話だったり。
好きな女性を辱めようと、便器を盗んで排泄物を見たり。
しかしまぁ、いろいろな話があるなぁ。
しかも、なんか独特というか変な話がある。
その現代語訳もおもしろいが、原文で読むとまた笑ってし -
Posted by ブクログ
角川ソフィア文庫の『ビギナーズ・クラシックス』シリーズ。
例によって、原文(万葉仮名ではない)、現代語訳、解説の3点セットで、140首ほど掲載されています。
地図や植物のイラストを用いた解説は非常にわかりやすく、三輪山伝説はじめとする◯◯伝説、枕詞などの和歌の修辞、柿本人麻呂などの重要人物などについては、適宜コラムで補足解説されています。
万葉集を学びたて、あるいはこれから学びたい人にとっての足がかりとしておすすめです。
本書に取り上げられている歌のうち、わたしが最も好きなものは、磐姫皇后の以下の歌。
「ありつつも君をば待たむうち靡く
我が黒髪に霜の置くまでに」
いつまでもあなたを待 -
Posted by ブクログ
今は昔〜のフレーズから始まる、十二世紀初めに成立した巨大説話集。その話数は千を超える。
天竺(インド)部、震旦(中国)部、本朝(日本)部の三つの重層構造にて設計される。
登場人物は、上は神仏、天皇、貴族、僧侶、武士から下は浮浪者、盗賊まで勢揃い。
平安時代を隅から隅まで堪能できる良作である。
下世話かつ下品な話も中にはあるが、はんなりとした古語だと許せてしまうのが妙であり、笑える。
芥川龍之介や谷崎潤一郎も、今昔物語に取材して傑作を生み出していたということを知らなかったので学びになった。
以下、印象に残った話を箇条書き
◾️月のウサギの由来となる説話
自己犠牲の尊さを人間に伝えるために、 -
Posted by ブクログ
高校の頃先生が源氏物語はエロ本だと言い放っていた。もちろんメインは10人以上もの女の人を見初めて手にしていく源氏だし、嫉妬も羨望も権力争いも渦巻く大人の汚い世界を描いているのだけど、源氏自身はどんな女の人も傷付けない優しさを持ってるし、他人の子を丁寧に育てる母性・父性有り、妻同士が互いに認め合う瞬間有り、教育論や教訓有りと、ひと言で「エロ本です」とは語りきれない。
そりゃ当時のベストセラーなのだからしっかりした内容なのは当たり前なのだけど、今にも通ずる部分は沢山ある。一夫一婦制の今だからこそ、ここでしか見られない夢を持って読み伝えていきたい本だと思う。