鍛原多惠子のレビュー一覧
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哲学、生物学、歴史学、宇宙物理学と、様々な学問から「未来」というものを触れており、1つのキーワードを巡る様々な解釈の差なども現れていた。「未来とは何か」という難解な命題に簡単に答えはでないだろうが、生物や人はどのように未来と向かい合ってきたか、は描かれていた思う。
あらゆる生物は未来を操ろうとするものであり、①どんな未来を望むかという目標、②起こりうる未来を見極める予想、③目標に向かうための行動、という3ステップによって未来操作が行われる。未来予想では現在目に見えるトレンドから帰納的に推測するしかなく、そうした意味で未来を見ることは過去を見ることに等しい。 -
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著者はサイエンスライター。
風邪の原因となるウイルスは200種以上ある。ライノウイルスが原因の40%を占めるほか、アデノウィルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスがある。
9月にライノウイルス感染が始まり、10,11月にパラインフルエンザウイルス、冬季に呼吸器系シンチウムウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルスが流行し、3,4月にライノウイルスが戻ってくる。夏季はエンテロウイルスが独占する。
ライノウイルスは鼻咽腔、パラインフルエンザウイルスは声帯と気管、インフルエンザウイルスは肺に感染する。
ウイルスの感染経路は確実には解明されていないらしい。インフルエンザウイルスは飛沫感染が多く、ライノウイルスは多くの場合は直接感染らしい。
公共の場でウイルスに最も汚染されているのは、児童公園の遊具、バスの手すりやひじ掛け、ショッピングカートのハンドル、椅子のひじ掛け、自動販売機のボタン、エスカレーターの手すり。 -
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タイトルからして親または親になる人向けの本に見えたが、けっこう読み進めるのが難しかった。
元の題はDirt Is Goodだから、売れるようにこんな題に訳したんだろうけど…。
順を追って解説するのではなく質問に答えていく形式なので、同じような話があったりもう何度も出てきたワードについての基本的な説明が後で出てきたりする。要点を分かりやすく書いてあるとは私には思えず、100の質問と答えを全て読んで私の知りたい情報を要約するのは大変だった。
著者の意見ではなく研究の結果にもとづいて質問に答えていくので、適当に断言したりせず「それはまだよく分かっていない」とか「残念なことにデータが揃っていない」とか「今後の研究が待たれる」と結局締めくくることも多く、結局なんなの…と混乱することも。
また、研究の方法や細菌の説明が丁寧に書き連ねてあり、聞き慣れない言葉が並び理解するのが難しい。文章量もけっこうあるのでわたしは結局結論ではなさそうなところは適当に読み飛ばした。
あとはタイトルにもあるように主に腸の微生物についての専門家がその視点から書いている本なので、それを踏まえて、こういう考え方があるのね、と読んでいかないと疲れる 笑
今のコロナ感染拡大の状況では清潔にして感染を予防するのが第一なので細菌を恐れない生活はまだできそうにないけれど、食事に気をつけたり外気に触れさせたりできることはありそう。頭の隅にいつも置いて、子どもが健やかに育つようサポートしていきたいと思った。 -
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今読めて良かった。風邪に特効薬は無い、とよく言われていて、そんなわけないだろと思っていた。しかし、風邪と一口に言ってもウイルスの種類は多く、特性も違うらしい。特効薬も感染方法も分からないことが多いが、やはり手指の消毒は効果が高いみたい。こうやってみると、新型コロナウイルスも何ら新しいことは無く、この本に書かれているような特徴を持つし、既にわかっていることで対処できる様に素人目には見えるんだけどどうなんだろ。新型に限らず(この本で扱っているのはライノウイルスだが)、そんなに感染て広がるものなんだなー、なんで今まで広がらずにいたんだ?って印象。自分はあまり風邪を引いたことがないので衝撃だった。あと口から感染することは少なくて、基本は鼻っていうのも意外だった。
ウイルスは、感染力を強くするか、毒性を強くするかのスキルポイントを割り振るようなイメージで、どちらかにしかなれないらしい。致死率が高いウイルスは感染力が低く、感染力が強いウイルスは毒性が弱くなる。そんなスキル誰が決めてんだよw
そして、ウイルスの目的はあくまで増殖であり、宿主に悪影響を与えてしまうようなウイルスは、増殖ができない馬鹿なウイルスとのこと。新型コロナウイルスはなかなか優秀なウイルスなのだろうか。 -
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腸内細菌叢が大きく変わった要因は、工業生産された加工食品の増加、抗生物質の乱用、帝王切開の増加、母乳保育の衰退があげられる。
産道を下りていくる胎児は、母親の膣と肛門にいるマイクロバイオータまみれになり、新生児に受け継がれる。産道を通らずに帝王切開で生まれた人は、肥満、アレルギー、セリアック病、虫歯にかかりやすいという研究結果が多い。
乳児に対する抗生物質の使用は、喘息、湿疹、肥満など多くの疾患の罹患率の高さと関連している。また、抗生物質を与えられた乳児は、同年代の乳児より、長期にわたって体重が重くなる。
ピロリ菌が排除されると、免疫系は攻撃すべき標的とそれ以外を見分ける能力を失う。ピロリ菌がいない子供は、喘息やアレルギーを発症しやすい。子どもの時期にはピロリ菌を排除せず、壮年になったら除菌することがいいのかもしれない。
乳酸菌などの有用菌は、免疫系を刺激して人体の防御を強める働きや、腸壁を覆う細胞の間を埋めるタンパク質をたくさん作らせ、腸壁を丈夫に保つ働きがある。しかし、腸内の環境を好むものは少なく、腸内を通過するだけで、やがて排出される。
プロバイオティクスの使用に関する科学的結論は得られておらず、医療現場は、有害ではなさそうで、有益かもしれないという立場に立っている。
マイクロバイオータの食べ物になるプレバイオティクスの代表であるイヌリンは、最大で60個の果糖分子がつながったもの。タマネギやニンニクなどの野菜や多くの果物に含まれる。植物性の炭水化物重合体と食物繊維は、ほとんどがプレバイオティクスと考えてよい。
腸内のマイクロバイオータは発酵によって短鎖脂肪酸をつくり、腸はそれを吸収して熱量を得る。
グリセミック指数(GI)より大切なものとして、一人分当たりの食物に含まれる炭水化物の量を示すグリセミック負荷(GL)がある。カボチャのGIは高いが、一人分の分量が血糖値に与える影響は小さい。
小麦は、変質しやすい胚芽を取り去ることによって、貯蔵期間を大きく延長でき、外皮のブランを取り除くと、ふわふわで白い小麦粉ができる。胚芽には脂質が多く、繊維も含んでおり、ブランは繊維質のため、マイクロバイオータの餌であるマックが減ることになった。 -
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生物に起こる進化は特殊進化理論であり、世界には一般進化理論とも呼ぶべき進化の法則がある。すべてのものごとは進化している。そして進化は計画されたもの(=創造説)ではなく、小さな変化の積み重ねによって達成される。上からの計画はたいてい失敗するよ。…というのがあらましです。
進化≒ボトムアップと創造≒トップダウンの対立が本書のテーマです。そしてだいたいの章では成功したボトムアップが失敗するトップダウンにとって代わられてしまって嘆かわしい。という結論になります。
ここで疑問なのはトップダウン式の機構が作り上げられるのも進化の結果なんじゃないの?というものです。他のボトムアップものとトップダウンのものが競争した結果、トップダウンが生き残っているから今はトップダウンがあふれているのでしょう。もちろん、進化だからいいというわけではありませんが。
p149の指摘はだいじだと思いました。イノベーションは意図的に引き起こせるものではないようです。アイデアの自由交換による変異と、市場での生き残りをかけた淘汰がイノベーションの原動力であり、明確なビジョンをもった経営者~のような話ではないのです。 -
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本棚でかなり長期熟成されていたので、買ったことをすっかり忘れて2冊目も買ってしまった。悲しい。
「病名」と「ウイルスの名称」と「症状」の呼び方の3つが本文中に混じり合っているように思えてそれなりに読みにくい。
風邪にまつわる情報はフェイクだらけでワロタ。著者もフェイク情報と知りつつ亜鉛の飴を舐めてるというのもワロタ。
風邪と風邪にまつわるビジネスなどの周辺の情報について知ることができてよかった。
前にも別の本で読んで、本書でも触れられているのだけど、プラシーボ効果ってチョーサーの『カンタベリー物語』に語源を持つのって本当なのか、ということが気になってしまった。風邪よりも。 -
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かぜはどれほど移りやすいか。マスクをせずに風邪でごほごほしている人の隣に座ってしまったら殺意を覚える人は多いと思うが、一方で家人が風邪を引いたからといって一家全滅するとは必ずしも限らない。少し空間を共有しただけの他人のウィルスに恐怖心を感じるのは余計な心配なのだろうか、いったい日常生活でどのように私たちは風邪をひくのだろうか。
想像通り、大事なのは、粘膜を保護すること(免疫向上)、手をよく洗うこと(接触感染防止)、手で目や鼻をこすらない。禁煙や適度な運動、十分な休養は当然のこと。
ビタミン剤などのサプリは風邪の予防(免疫力の向上)に効果はない。
マスクはほとんど効果がない!(限定意見付きの日本の研究)マスクが目と鼻を覆い、3か月間24時間かけていられるなら、新型インフルエンザ予防には効果がある。
インターネットに様々な風邪予防に関する矛盾する情報が流布しているように、本著も様々な学説を紹介するも、結論としては「さらなる調査が必要」もしくは「諸説あり」。 -
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本のタイトルは、私のお得意の誤字ではない。一時期ブームとなった、超に続く、超科学の誤字ではと思われる方もいるかもしれないが、腸の科学なので、腸科学なのだそうだ。
それはさておき、この本を読もうと思ったのは、昨年のTVドキュメンタリーがきっかけだ。そのドキュメンタリーでは、アメリカでは糞便移植(?)が行われており、糞便バンクまでできていると言うのだ。
???である。
入門書であるこの書籍で認識しなければならないことは、
・食物の栄養の吸収において微生物による分解が必要であること
・微生物は多種多様にいるが、その割合が重要であること
・微生物の種類の豊富さ、割合の偏りによって、体質、そして性格までかわること(まだ究明されていない部分が多い)
ということだろう。
特にこの分野でアメリカでの研究が進んでいるのは、食文化が単一化し、微生物層が貧困となってきており、病気が多発しているからであるようである。
旧来の、日本の食生活であれば、そのようなことにはならないと考えられるが、スナックが食事の代わりとなるような時代となれば、そんなことも言っていられないかもしれないだろう。