あらすじ
★発売たちまち大重版!
★ビル・ゲイツ絶賛
★世界16カ国で続々刊行の超話題作
★読むと世界が違って見える圧倒的な読書体験! これが、世界の学生が熱狂する「未来」の講義
新学問「ビッグヒストリー」を提唱する世界屈指の歴史学者が、宇宙物理学、生物学、脳科学、哲学そして歴史学の最新知見を総動員。「未来」という人類最大の謎を解き明かす!
「人類の過去、現在、未来の本質がわかる、最良の書物」
――佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
「私は著者の大ファンだ。人類を待ち受ける、あまりに大きな課題と未来。どう備えるべきか、歴史学に基づいた本書のアプローチに学べ」
――ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
「私たちは〈まだ知らぬ未来〉へと突き進んでいくために、つねに〈過去〉に目を向けている。歴史を手がかりにして未来を予想し、望むべき未来へと舵を切っていくのだ。
実はこうした能力は人間だけのものではない。人間以外の動物や植物、さらには1個1個の細胞や微生物ですら、未来を予想している。それは進化によってあらゆる生物が身につけたスキルだというのだ。
そこで本書は、微生物や動植物、そして人間が、未来や時間というものをどう受け止め、どうやって過去から未来を予想するのかを、ビッグヒストリーの視点からひもといていく。
そしてその上で、人類やこの宇宙を待ち受ける未来について大胆な予想を繰り広げていく。今後100年といった近未来だけでなく、数千年や数万年、さらには数億年、数百億年先までの未来を相手にするという、途方もない壮大さだ」
――水谷淳(「訳者あとがき」より)
目次
第1章 未来とは何か――「川の時間」と「地図の時間」
第2章 実際的な未来思考――「関係性の時間」
第3章 細胞はどのように未来を操るか
第4章 動物と植物はどのように未来を操るか
第5章 人間の未来思考はどこが新しいのか
第6章 農耕時代の未来思考
第7章 近代の未来思考
第8章 近未来――この先100年
第9章 中程度の未来――人類の系統
第10章 遠い未来――さらに先へ
原注
訳者あとがき
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
特に理由もなく書店で目についたので購入しましたが予想以上に面白かったです。本書の著者は歴史学の先生とのことですが、生物学、物理学の領域にもかなり踏み込みつつ、私が感じた書籍全体の印象は、人類がこれまで「未来」をどのように考えてきたか、言い換えると「未来感の歴史(未来感史)」を扱った本、というものでした。
まずパート1で「未来について考える」ということで、A系列時間:川の時間、B系列時間:地図の時間、という未来に関する2つの概念について解説していますが、この2つが本書を通じて何度も登場する大事な概念です。さらにアインシュタインの相対性理論と光円錐を用いて過去と現在、未来のイメージも紹介してくれています。
パート2は「未来を操る」ということで、生物学の領域に踏み込み、細胞、植物、動物は未来をどう操っているかについて説明しますが、さすがにこのパートのボリュームは流石に少ないです。
パート3は「未来に備える」ということで、こちらは文化人類学および歴史学ということで、人類の歴史を振り返っています。ここでは古代ギリシャの予言(アムトラムサイコスの予言)などの紹介もあり、なかなか興味深かったです。このあたりから未来を決定論的ではなく確率論的に見る見方が出始めた、ということになります。個人的にはこのパートが一番面白かった。やはり著者の専門性に一番近いからかもしれません。
最後にパート4「未来を想像する」ということで近未来(今後100年)、中程度の未来(1000年先)、そして遠い未来(宇宙の終わりまで)について書かれていますが、あまり印象には残りませんでした。おそらくこの手の話はSFのようにストーリー性がないと頭に残らないからでしょうか。
扱っている領域の広さに驚いたのと、本書のタイトルからは予想もしていなかったコンテンツも多数含まれていて(例えば古代ギリシャ時代の占い)、知的好奇心を十分満たしてくれる本でした。
Posted by ブクログ
宇宙誕生以降の全歴史を学際的な視点から掘り下げることによって理解を深める研究・教育手法である「ビッグヒストリー」の提唱者が、過去から未来に目を転じて、人類を含めたすべての生物にとっての未来思考の意味を探求するとともに、現時点で予測可能な未来像を描き出した一冊。
著者は、人類を含めたすべての生物が意識的か無意識的かに関わらず、自らの「目的」を達成するために、発生することが確実な領域と予測不可能な領域の間にある「重大なことが起こるかもしれない不安領域」即ち「レッドゾーン」について、相関やサンプリング、因果の分析等を駆使して未来を予測し行動していることを、微生物や動植物の例を挙げて解説する。
さらに人類は、脳の巨大化と言語の発明によって他の生物とは一線を画し、旧石器時代から農耕時代を経て「人新世」に至る中で、知識の保有範囲が個人から社会集団へ広がるとともに、時間に対する認知も過去・未来の両面へと拡大したことに伴い、未来思考も占いや宗教的なものからより科学的・機械論的なものへと高度化してきたが、それでも政治経済的な動向を予測することは困難なままであるという。
そのような認識の上で著者は、今後百年の近未来、数千年〜数百万年の中程度の未来について、「崩壊」「成長縮小」「持続可能性」「成長」という4つのシナリオによる予測を立てるとともに、宇宙の終焉まで見通した遠い未来にも思いを馳せる。考古学や哲学から進化論や量子物理学まで様々な学術的視点を網羅しており、多くの学びが得られる「未来論」となっている。
Posted by ブクログ
◾︎生命は意志を持って「未来を操作する」という視点が目からウロコ
138億年のビッグヒストリーをベースに未来予想をする本。宇宙や太陽・地球の創成は無機的で意志などない。
だが生命は明らかに生存や繁栄の意図を持って未来を作って行こうとしている。それゆえ複雑で不確定要素が多いが、意志を持って未来を操作できる。この視点はすごい。
一方遠未来では、地球や太陽、宇宙が終わることは不確定要素なく分かっている。
このスケールだからこそ見えることで、非常に面白かった。それだけに、いまの我々の意志と行動で、近未来・中未来が決まるということは改めて考えさせられる。人生についても同じだなと思った。
Posted by ブクログ
過去から未来に向かって、いろいろ寄り道しながら宇宙の終わりまで解説してくれます。個人的にはだいぶ冗長だと思いました。宇宙の終わりを知りたいなら、ブルーバックスの宇宙の終わりには何が起こるか、の方が、すっきりしていて読みやすいです。
Posted by ブクログ
哲学、生物学、歴史学、宇宙物理学と、様々な学問から「未来」というものを触れており、1つのキーワードを巡る様々な解釈の差なども現れていた。「未来とは何か」という難解な命題に簡単に答えはでないだろうが、生物や人はどのように未来と向かい合ってきたか、は描かれていた思う。
あらゆる生物は未来を操ろうとするものであり、①どんな未来を望むかという目標、②起こりうる未来を見極める予想、③目標に向かうための行動、という3ステップによって未来操作が行われる。未来予想では現在目に見えるトレンドから帰納的に推測するしかなく、そうした意味で未来を見ることは過去を見ることに等しい。