鍛原多惠子のレビュー一覧
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脳から情報を収集する、脳に直接働きかける、脳を操作する、ということが現実になりつつあるなかで、「認知的自由(記憶、内言、心象など)を新しい人権として確立する必要を主張している。その主張には賛同するが、世の中の動きは鈍いように思う。また、中国などではすでに 実際に国家がニューロテクノロジーを使っているのではないかとも思う。ニューロテクノロジーのガバナンスを考えるのに良い本。
【原題】The Battle for Your Brain : Defending the Rishts to Think Freely in the Age of Neurotechnology
【目次】
はじめに
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ネタバレなぜ組織の人員が増えると物事がうまく進まなくなるなるのか、について事例や研究結果を交えて答えてくれる本。
組織が成功する要因を、目的、文化、学習、価値観、帰属意識、つながりの6要素とするスライブモデルを提案している。
噛み砕いてしまえば、居心地の良い職場、気のおける同僚を作ろう、一緒の空間で仕事をしよう、ということだが、
それを丁寧に解説、理論立てて説明している。
読んでいて面白く、職場に対する気持ちが変わる本。
生来のコミュ障にはかなり辛い内容ではある。コミュ障はメンタライジング能力低いか、ダンバー数の上限が人よりも低いのだろうか。 -
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人類がなぜここまで繁栄したのか、そしてこれからも繁栄できるのかについて、「合理的楽観主義者」の著者が描く。
鍵は「専門化と交換」にある。
この性質は現生人類だけに見られる特徴であり、我々より脳の容量が大きいとされたネアンデルタール人にも見られなかった。
人類は専門化と交換により、集団的知性を高め、テクノロジーの進化を引き起こし続けた。
逆に言えば、その2点が抑制されると進歩は停滞する。
過去の例を見ると、いずれも強権力者による抑圧で交易が制限された場合には停滞が見られる。
そしてそれは未来にも言える。
もしもなんらかの圧力により経済活動が抑制でもされれば、解決できるはずの問題も未解決のままにな -
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人類が交換と専門家により繁栄してきて、そしてこれからも繁栄は続いていく。
世界は絶望に向かう悲観論に注目されがちだがこれまで予測されたものは大きく外れている。
むしろ予測に反して世の中は良くなっており貧困や病気、環境問題、エネルギーなど改善されてきている。
少し楽観的な主張は強いと感じたが全体的に世界が良い方向に向かっているのは間違いないと思う。
昔は良かった,というフレーズはここ最近ではなく何千年も前から言われているが、実際全体の数字で見ると世界の問題は確実に解決されてきている。
人間は昔(というか恐らく自分が若い時代)とネガティブ論が好きなだけでそれに現実的で数字や根拠を用いてツッコミを入 -
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ネタバレ中米ホンジェラスに伝わる「猿神王国」伝説。熱帯雨林の奥地に謎の古代都市群が存在していたという、過去に数々の探検家が都市の場所を突き止めようとしたものの未開のジャングルの脅威やホンジェラスの政情不安や殺人発生率世界一という治安の悪さも相まって、そこは未開の地であった。
最新のテクノロジーを駆使し、空中からの探索によりある程度の目処はつけれたものの、考古学的なグラウンドエビデンスも必要というのが考古学を知らない者からしたら驚きだった。世界にはまだまだ発見されていない土地があるのも驚きであった。
また、都市の発見後のアフターストーリーにも力が入れられており、作者も言及していたが、冒険には未知ある -
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合理的楽観主義者の本は読んでいて明るい気持ちになれる
そして、分業と専門化、それを支える信用は最近考えていたことが言語化された感じがして面白かった。
発展した場所は必ず規制と保護主義の温床になるので次の自由、資本、知識が流動化している場所に飛び込むことが大事だと思わされる本
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- 人類は分業と専門化によって発展してきた。
- 分業と専門化には信用が必要で、利己主義になりすぎると継続的に分業ができなくなるため、継続的に取引が行われる場合に人間は礼儀正しく振る舞う。
- 知らない相手との分業に役に立つのが、貨幣と国家による法律の設計。法律によって、完全に見知らぬ他者を信用し -
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ネタバレ" アメリカ先住民ポタワトミの一員で生物学者のロビン・ウォール・キマラーは、ポタワトミに固有の言語は動詞が豊富で、ヒト以外の世界に生き生きとした感覚を与えると言う。たとえば、「山」という語は動詞であり、「山になる」ことを意味する。山はずっと「山になる」プロセスにあり、能動的に山でいるのだ。こうした「有生性の文法」〔有生性は語が示す対象の生物としての性質を表す〕があるので、他の生物の生活を「それ」と形容したり、伝統的に人間に使用される概念を借用したりせずに記述することが可能になる。これに対して英語では、「他の生物の存在という単純な事実」さえ認めることができないと彼は述べる。もしあなたが
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ヒトの繁栄は,その社会全体で分業(専門化)と交換.
繁栄=時間の創出
時間に余剰が生まれることで,さらなる価値創出の機会が生まれる.これを繰り返して人はどんどん幸せになる.
テクノロジーにとっての交換は遺伝子にとっての生殖に値.
確かに,昔の生活を思えば,生活を維持するのに必要なコスト(1日のうち他者に貢ぐ時間)は減っているように見える.
周囲の人間はその余暇を無に使っているような気がするが
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利己的な遺伝子やファクトフルネスとも親和する内容であり自然科学(生物,進化,環境...)と社会科学(経済,政治,経済史,歴史...)を縦横無尽に横断する良作.
これは手元に置いておいて読み返した -
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地球上に「生命」が現れてから約40億年もの間に、さまざまな種が生まれては絶滅していった。
現代の私たちは地層や化石などの研究によって過去に5回の大規模な絶滅(ビッグファイブ)があったことを知っている。
(ウィキペディアの地質時代、大量絶滅を参照)
過去の大絶滅では当時に存在した種のうち70〜90%が失われたといわれている。私たちにいちばん馴染みがあるのが白亜紀末の大絶滅で、当時地上で大繁栄していた恐竜類が隕石の落下による影響で一斉に絶滅したことは有名だ。
そして、今現在、6度目の大量絶滅が進行中で、その主な原因が私たち「ヒト」である、という事がこの本のテーマである。
私たちヒト(現生人類) -
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早川書房公式ツイッターで紹介されていたので購入。
ああ、ありがとう>早川書房公式ツイッター
「人類の未来」について述べている書籍のほとんどが、『悲観論』に満ちあふれている。書店にはありとあらゆる悲観的な未来についての情報で満ちている。でも、本当に未来は悲観的なの?明るい未来は来ないの??ってなんとなーく思っていたのが腑に落ちる本が見つかった感。そう、こんなのが読みたかったね。歴史をたどれば人類が、いかに発展してきたのか。現在の自分の生活を百年前のエリート層と比べて、二百年前の上流階層と比べて、三百年前の王侯貴族と比べていかにすばらしいか。人類は、『交換と専門化』これによっていかに進歩に進歩を繰 -
ネタバレ
マイクロバイオータの存在と免疫
腸科学
https://t.co/wPQyDk26rR
https://youtu.be/KfZBsDup-vk
粘膜免疫系は、一方が脅威に激しく反応する(炎症誘発)、他方が、脅威が去ればこの激しい反応を抑制する(抗炎症)。制御性Tレグ細胞は、このバランスをもたらす。マイクロバイオータの排泄物の主成分に短鎖脂肪酸があり、これらの分子は、制御性Tレグ細胞を増やすのを助ける。
病院の免疫療法は、炎症を意図的に起こして、がん細胞への攻撃を期待するもの。この手法の危険性は、善玉菌まで標的となり、炎症性腸疾患に見舞われること
マイクロバイオータを育て、彼らの活動による免疫機能回復の方が