喜多喜久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
化学に強い喜多喜久さんらしい新しいタイプの探偵を考えたものだ。桜庭潤平は死臭に敏感に反応し、死人によって違う食べ物の香りに感じる。その代わりにその香りの食べ物が悪臭漂うようになり食べられなくなってしまう難儀な能力なのである。風間由人という化学の准教授とともに警察の殺人事件の捜査に協力している。この風間が大企業の御曹司でイケメンで、自分の研究第一で、殺人現場に行くと生き生きとするというなんともナイスな人物造形なのだ。勿論、潤平は風間にとってまたとない研究対象だ。この二人や警察の人間、潤平の仕事仲間の樹(死人の出た家や部屋を清掃するという仕事!)たちとの掛け合いが面白い。推理の方は潤平の能力ありき