スティーヴン・ハンターのレビュー一覧

  • 囚われのスナイパー(上)

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    スティーヴン・ハンター『囚われのスナイパー(上)』扶桑社ミステリー。

    スワガー・シリーズの第16作。

    前作『狙撃手のゲーム』で、退役海兵隊一等軍曹ボブ・リー・スワガーがアメリカに潜入したアラブ人の凄腕狙撃手、ジューバ・ザ・スナイパーを狙撃戦の末に打ち倒した後から物語は始まる。

    74歳になったボブ・リー・スワガーはこれまで伝説的な英雄として描かれて来たのだが、いきなり殺人指向の狙撃手の汚名を着せられるといういつもと趣の異なる展開に戸惑う。そして、新型コロナウイルスが作中に描かれると虚構であるのはずの物語は一気に現実味を帯びた物語となり、少し気持ちが冷めてしまうのだが……

    殺人者の汚名を着

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    2022年06月06日
  • ベイジルの戦争

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    楽しいし、テンポが良い。娯楽小説として読みやすい。さらにいえば、スパイの世界のスケールの大きさが良い。

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    2021年11月07日
  • 真夜中のデッド・リミット(下)

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    スティーヴン・ハンター『真夜中のデッド・リミット(下)』扶桑社ミステリー。

    1989年に新潮文庫から刊行されたスティーヴン・ハンターの初期の傑作冒険小説の復刊。

    ページをめくる度に手に汗握る緊迫の闘いが描かれ、次々と命を失う登場人物に何度も胸が締め付けられる。いつの間にか、登場人物たちに感情移入していたようだ。

    核ミサイル発射が迫る中、伝説の兵士、ディック・プラーは副官のスケージー少佐やFBI捜査官アクリーらと共にデルタ・フォースの混成チームを結成し、核ミサイル発射基地を占拠した謎の武装組織との地みどろの闘いを繰り広げる。一方、ベトナム戦争でトンネル・ネズミとして活躍したネイサン・ウォー

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    2020年10月05日
  • 真夜中のデッド・リミット(上)

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    スティーヴン・ハンター『真夜中のデッド・リミット(上)』扶桑社ミステリー。

    1989年に新潮文庫から刊行されたスティーヴン・ハンターの初期の傑作の復刊。31年振りに再読となる。

    圧倒的なスケールで描かれる冒険小説である。再読しても、なお面白い。1989年版の『このミステリーがすごい!』の海外第2位を獲得。この年の第1位がトマス・ハリスの『羊たちの沈黙』だったので、第2位というのは致し方無しだろう。

    アメリカのメリーランド州の山中にある核ミサイル発射基地が謎の武装集団に占拠される。最新鋭核ミサイル発射を阻止するためにデルタ・フォースを創設した伝説の兵士、ディック・プラーはベトナム戦争でトン

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    2020年10月04日
  • 極大射程(下)

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    思った通りに大団円。
    確実に狩る事が出来ると思っている大悪党共の
    裏をいともたやすく画く、この気持ちよさ!
    にくいね~ボブ。
    コロナで閉塞感のある毎日を送ってる今だからこそ、
    小説の世界だけでも、スッキリ爽快な気分に
    させてくれるのは、とても素晴らしい事だ。

    やっぱり悪党は絶対的に悪党であって欲しいものだ。
    そしてヒーローは常に完璧でなくてはいけない。

    悪党に同情したり、ヒーローが悩むのは頂けない。

    暑くて喉がカラカラに乾いてる時にキンキンに冷えた
    ビールを一気にゴクゴク呑むような突き抜けた爽快感が
    冒険小説の醍醐味なのだ。

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    2020年08月16日
  • 極大射程(下)

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    まさに娯楽エンターテインメント小説の決定版。
    狙撃手(スナイパー)を主役にした小説は数あれど、本書が元祖スナイパー小説の最高峰だろう。
    ボブ・リー・スワガーシリーズの第一巻。映画化もされている。
    恥ずかしながら僕はこの本のことはずっと前から知っていたのだが未読だった。

    いや、みなが傑作ということだけのことはある。
    この本が1993年の刊行だとは思えないほど古さを感じさせない。
    まさに手に汗握る大活劇。
    主人公は、ベトナム戦争で海兵隊の狙撃手として活躍したスワガ―軍曹。現在は退役し、余生を一人で過ごしている。そんな彼のもとに特製のライフル用弾丸を試射してほしいという依頼がくる。そこからスワガ―

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    2020年08月13日
  • 狙撃手のゲーム(下)

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    スティーヴン・ハンター『狙撃手のゲーム(下)』扶桑社文庫。

    現代最高峰のスナイパー・アクション冒険小説シリーズ。解説によれば、いつの間にか第15作目ということだ。大昔からのファンとしては、この先もずっと続いてほしいシリーズである。

    手に汗を握り、血沸き肉踊る展開が続く。年齢を全く感じさせないボブ・リー・スワガーの八面六臂の活躍。流石は伝説のボブ・ザ・ネイラー、我らがヒーロー。

    イスラム最強の天才スナイパー『ジューバ・ザ・スナイパー』が消息を絶ち、アメリカに向かい、新たな標的を狙い始める。ボブはFBIと共に『ジューバ』を追うが……そして、迎えた『狩りのとき』。

    凄腕シリア人スナイパー『ジ

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    2019年09月12日
  • 狙撃手のゲーム(上)

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    スティーヴン・ハンター『狙撃手のゲーム(上)』扶桑社文庫。

    現代最高峰のスナイパー・アクション冒険小説シリーズ。

    凄腕シリア人スナイパー『ジューバ・ザ・スナイパー』対72歳のボブ・リー・スワガーなんて、これは最後まで目が離せないゾ。

    相変わらずのスティーブン・ハンターの銃火器オタクぶりが光る。

    ボブ・リー・スワガーも72歳となり、アイダホで家族と愛馬に囲まれ、平穏無事な日々を過ごしていた……

    ある日、ボブを訪ねてきたジャネット・マクダウェルという女性の話によると、彼女は身の危険を省みずに、2013年にイラクの戦地で息子を射殺した敵軍のスナイパー『ジューバ・ザ・スナイパー』を追い続けて

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    2019年09月11日
  • 第三の銃弾(下)

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    【上下巻のレビュー】
    あのボブ・リーが20世紀最大のミステリー「JFK暗殺」に挑む!

    「JFK暗殺」といえば陰謀説の枚挙にいとまがないが、銃器に詳しい作者ならではの視点から導き出した答えは(小説としての脚色はあれど)何とも説得力のあるものに仕上がっている。それしてもまさか傑作『極大射程』と「JFK暗殺」がこんなにもリンクしようとは!?スワガー・サーガを読み続けている人にはいろいろなピースがピタリと心地良くハマる。そこまで上手くいくとは作者自身も考えてもいなかっただろうから、まさに天啓を受けたといえるような作品(原作を無視したトンデモ映画がシリーズ化していたら、本作は映画化出来なかっただろう)

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    2019年01月09日
  • 極大射程(上)

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    伝説のスナイパー
    ボブ・リー・スワガーの一冊目
    ここから「スワガー・サーガ」と呼ばれる父か祖父?子らのシリーズが続くそうです。
    罠にはめられたボブ
    なんで?とつっこむ要素はあるのですが、読むうちにだんだんとボブの友人の仇を撮りたい気持ちも理解できてきたところ
    落ちこぼれFBIのニックのパートと切り替わりつつぐいぐい読ませます。
    余談ですが、ニックと上司の「エドワード・D〜」という名前の並びを読むうちに怪盗ニックを何度も連想させる。下巻へ

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    2018年03月16日
  • 極大射程(下)

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    銃についての描写が詳細で、正直読み飛ばす部分が多々ありました。
    思ってた以上に戦争ものでした。

    ラストの法廷対決の場面は良かったです。

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    2016年06月01日
  • スナイパーの誇り(下)

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    前作「第3の銃弾」が上手いことツボにはまったのか、同じ路線で来ましたね。
    今度は第2次世界大戦時のソ連のスナイパー、愛称「ミリ」、恐るべき狙撃技術から「白い魔女」と呼ばれた女性が第2の主役。
    歴史に埋もれた最後の狙撃が今、スワガーに依って白日の下に晒される。
    導入部はいいです。スワガーの事件の関わり方が相変わらず弱いとは思いますが。
    「白い魔女」はいったい誰を暗殺したのか?成功したのか?失敗したのか?70年前の狙撃を解き明かすことが、何故現在のスワガーへの妨害に繋がるのか?
    この辺が解き明かされていく様は、実にスリリングです。
    話が現在のスワガーに、1944年のウクライナに、ドイツに、ソ連に、

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    2016年02月29日
  • スナイパーの誇り(下)

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    ネタバレ

    ロシアの女性スナイパーの足跡を辿る話。その下巻。
    スナイパーのミリはナチス高官の暗殺を命じられ、ウクライナに潜入するが、本国高官の裏切りに会い、殲滅されかける。しかしスナイパーとしての執念により不可能に思える暗殺を実行する。
    対して、過去の真実に到達しようとするスワガーたちにも真実の解明を阻む輩が立ちふさがる。

    そんなバリバリのアクション大作。
    最後に全ての糸が繋がり、ハッピーエンドにするのは見事。

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    2015年05月26日
  • スナイパーの誇り(上)

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    ネタバレ

    アメリカ軍の天才スナイパー、ボブリースワガーシリーズ。
    今回は60を越えたスワガーが旅をする話。
    ある日、1944年にロシアで活躍した天才女性スナイパーを追いかけるジャーナリストから連絡が来て、興味をそそられたスワガーはかつてのスナイパーの足跡を追いかけ始める。

    物語はそれと平行して1944年のストーリーも展開される。

    奇抜な話は特にないけど、アクション描写が相変わらず秀逸でまた、容赦がない。
    とても面白かったです。

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    2015年05月26日
  • ブラックライト(上)

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    ネタバレ

    スティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズ第三弾上巻。
    前作でラマーの父とボブの父の関係がチラッと出てきたが、本作ではそれをより深く描くべく、物語が展開する。一方では前作でラマーを倒したバドの息子、ラスがボブに会いにやってくる。この、父と息子の物語が入れ替わり立ち替わり描かれる中、不穏な空気をまとったレッドや保安官・ドゥエインなどが絡んできて物語は混沌とし始める。
    物語の中心を貫くのは、なぜアール・スワガーが殺されたのか、という点だ。アールはラマーの父、ジミーに殺されたと思っていたらどうやらそうではないらしいことが明らかになるし、アールが最後に関わっていた殺人事件の犯人ももしかす

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    2015年03月30日
  • スナイパーの誇り(下)

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    現代の悪役が弱くて、ヒリヒリする緊張感には欠けるが、70年前と現代のストーリーが交錯する語り口は安心して楽しめる。
    しかも途中の伏線から期待できる通り、強引なハッピーエンドまでつけてくれてサービス満点。
    年寄りは元気だ(^^)

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    2015年03月14日
  • ダーティホワイトボーイズ

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    ネタバレ

    スティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズの番外編。
    本作だけ読むと、ボブ・リーの物語との関連性をほとんど見つけることができず、それゆえか日本語版は本作が最初に刊行されたという。この物語は確かに本作だけで完結しており、他の作品を読まなくても問題なく楽しめる。
    とはいえ、前作「極大射程」を読んでいれば本作の中に本当にチラッとだけ現れるシリーズとの関連性に、思わずニヤリとなるだろう。本作中に前作との関連性を見出せるのはここのみであるのだが。
    本作はタイトル通り、白人のワルどもの物語である。脱獄囚のラマー一味と不本意ながらもそれを追う羽目になるハイウエイパトロールのバドが、お互いの知恵

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    2015年02月20日
  • 極大射程(下)

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    ネタバレ

    スティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズ第一弾下巻。
    容疑者となったボブとFBIを追放されることになったニックがともに協力しながら自らの無実の証明と自らを窮地に追いやった相手への復讐を果たすために動き出す。
    やがてニックはボブの無実を確信し、CIAの汚れ仕事を担ってきた組織の証拠集めを始める。ボブは意外とそこへの執着はなく、ニックはそんなボブの態度に苛立ちを隠せない。
    この辺りの二人の描写の上手さ、これが最後の最後に法廷でのボブの公判の際まで効いてくる。なぜボブがこれほどまでに証拠に固執しなかったのかが明かされると、ボブという人の奥深さに改めてハッとさせられるとともに、ますます

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    2015年02月20日
  • 極大射程(上)

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    ネタバレ

    スティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズ第一弾。
    様々な書評でかなりの高評価を受けている作品で、シリーズ作品が続々と書かれていることもあり、期待を持って読み始めてみた。
    冒頭から上巻の半ば過ぎまではある意味退屈なまでにボブの人となりを描くことに費やされる。大きな展開もなく、淡々とボフの質素な生活、ハンターとしての力量、銃の解説、といったことが綴られ、正直何が面白いのかと思い始めた頃、物語が急展開を見せる。
    ここからのジェットコースターばりの怒涛の展開は、まさにこの冒頭から続く下地があってこそで、容疑者となったボブがどんな活躍をしていくのか、下巻が楽しみである。

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    2015年02月20日
  • スナイパーの誇り(下)

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    本作の主人公は、ボブ・リー・スワガーというよりは、70年前に活躍し、忽然と記録から姿を消した天才女性スナイパー、リュドミラ・ペトコフであろう。リュドミラ・ペトコフは目的を果たしたのか、リュドミラ・ペトコフの運命は…

    スティーヴン・ハンターの読者の冒険心をくすぐるストーリー展開の上手さとスケール感、相変わらずの銃器オタクぶりには舌を巻く。

    リュドミラ・ペトコフに何が起きたのかを探るボブ・リーとキャシー、ボブ・リーとキャシーを襲う謎の男たち、幕間劇で語られる事実は…70年の時を超えて、ボブ・リー・スワガーとリュドミラ・ペトコフの二人の天才スナイパーが交錯する時…

    吉野仁の解説によれば、『ハバ

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    2014年12月29日