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Posted by ブクログ
最初はラマーのことが酷いやつと思っていたのに、途中から偉大な男を見るようになっていた。ラストでそれがピークになった。
700ページくらいあるけどバドの壮大な不倫の物語と思うほど40代の男の心情がいっぱい書かれていてリアルすぎて少しへこんだ。ラマーの影が途中から薄くなる。すけべ親父のバド。途中このままバドの不倫相手をラマが殺して一件落着みたいになったらどうしようと思ったけどそうならずに男のケジメを付ける感じになって良かった。
結構シリアスな場面でちょこちょこふざけたジョークが入ってきてそこも面白い。
スワガーのことが数行書かれていたのでこの後のシリーズでどういう風に書かれてくるのかそこも楽しみ。
Posted by ブクログ
「極大射程」以来のスティーヴン・ハンター。
以下はネタバレありの感想。
文庫本32章700ページを超える分量にも度肝を抜かれるが、6章(150ページ)あたりで正義側の主要登場人物のほとんどが殺される。(と、思わされる)
罪悪感を持たぬ殺人者と罪悪感に苛まれる刑事が出会うという設定もナイス。
そして本書の魅力は、トンデモナイ悪人を描きながらもリアリティぎりぎりの人物造形と彼らの内なる心の葛藤や気持ちがなぜか共感もしくは理解出来るという作者の職人技にある。
本書の主人公、悪の権化ラマーは凶暴だがバカではない。無理矢理脱走犯仲間にされたリチャードは彼を以下の様に狡猾な無秩序の天才と称する。「ラマーは常に考えている。何か課題を与えたら、彼は真っ先に、しかも正しくそれを解決するだろう。とはいっても、それは普通の人間のやり方ではない。他人より自分が多くを得られる様に解決するのだ。それが彼の唯一の道徳律であり、何の後ろめたさも疑問も持っていない。彼は情熱的かつ揺るぎない確信を持ってその道徳律を行使する」
解説の鵜條芳流氏の言葉。「悪い男に限って人の心を捕らえて離さない。華麗な悪の前では、正義さえも霞んで見える時がある。アメリカンヒーローを描いて来た男は、どうやらそれに気付いてしまったようだ。悪が栄えた試しなし。だが、栄えないからこそ刹那で美しい」
一方の正義側キャラは48歳のハイウェイパトロールの巡査部長パド。妻子がありながら部下の奥さんと不倫、再び良き家庭を取り戻したいと願いながらも、目先の欲望に負けて自己嫌悪に陥る日々。
そして、前半の魅力的キャラは人質となった老夫婦。リタイアして狩猟が趣味だった夫は、悪にも怯まない。巨悪に対して卑屈にならず勇敢にも対峙しようとする。
分厚い文庫本を終始飽きさせることなく引き付ける筆力は流石です。
Posted by ブクログ
ボブ・リー・スワガーシリーズの外伝ということで『ブラックライト』を読む前に読んでみた。序盤はなんだかだらだらそれほど緊張感のない逃走劇という感じを受けたが、後半になるにつれ気付けば引き込まれていた。
不倫をやめられないパドのだめっぷりに腹が立ち、反面ラマーの仲間思い(?)な所になんだかほっとする。でも悪役なんだよなと思う。愛着が沸くわけでもないし、頑張れとも思えない。ただパドもそうとも思えない。複雑な気持のまま最後まで読んで、結果としてはまぁ楽しめた。
ボブ・リー・スワガーに関しては本当に2~3行、彼の父親がラマーの親父を殺したとか何とかで出てくるだけ。この作品が『ブラックライト』にどうつながるか楽しみ。
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