スティーヴン・ハンターのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。
スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。
寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できることは何だろう。いまここにある危機、すなわちイスラムからアメリカに潜入したスナイパーを見つけ出し、その目的を探り、最後にはその狙撃を阻止することだ。
かくもシンプルなストーリー。相手は聖戦の戦士ジューバ・ザ・スナイパー。かつてのボブ・リー同様に天分の才能を持つ狙撃手。その意図はアラーの神への深い信仰。ストレートで曲がらない弾丸のような揺るぎなさ。
米国に潜入したジューバと彼をアシストする元メキシコ特殊部隊チーム、対するはボブ・リーやイスラエルの分析官までをも急遽交えて完璧を期した極秘捜索チーム。駆け引きとその行動と分析が面白い。かつて時代を謳歌した冒険小説の断面がここそこに見受けられる。
ターゲットは誰であるのかも最後の最後までわからない。仕掛けられた伏線、知略の攻防、久々にスケールの大きな狙撃スパイゲームを読んでいる感触。誰にでも奨められる小説とは言えないが、銃器や弾薬やスコープに関する専門的かつ科学的な分析、それによって狙撃場所を特定してゆく、スワガー・サーガならではの推理と、追撃の様子が手に汗握る展開で眼を放せない。男の子の小説はこうだと言わんばかりの展開だが、最近では女子でもこういう作品に餓えている方がいるのではないだろうか? -
Posted by ブクログ
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。
スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。
寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できることは何だろう。いまここにある危機、すなわちイスラムからアメリカに潜入したスナイパーを見つけ出し、その目的を探り、最後にはその狙撃を阻止することだ。
かくもシンプルなストーリー。相手は聖戦の戦士ジューバ・ザ・スナイパー。かつてのボブ・リー同様に天分の才能を持つ狙撃手。その意図はアラーの神への深い信仰。ストレートで曲がらない弾丸のような揺るぎなさ。
米国に潜入したジューバと彼をアシストする元メキシコ特殊部隊チーム、対するはボブ・リーやイスラエルの分析官までをも急遽交えて完璧を期した極秘捜索チーム。駆け引きとその行動と分析が面白い。かつて時代を謳歌した冒険小説の断面がここそこに見受けられる。
ターゲットは誰であるのかも最後の最後までわからない。仕掛けられた伏線、知略の攻防、久々にスケールの大きな狙撃スパイゲームを読んでいる感触。誰にでも奨められる小説とは言えないが、銃器や弾薬やスコープに関する専門的かつ科学的な分析、それによって狙撃場所を特定してゆく、スワガー・サーガならではの推理と、追撃の様子が手に汗握る展開で眼を放せない。男の子の小説はこうだと言わんばかりの展開だが、最近では女子でもこういう作品に餓えている方がいるのではないだろうか? -
購入済み
以前に比べれば・・
以前に比べればストーリー性は少し落ちたかなっていう気がします。そして、その分少し無理な設定が増えたような気がする。まあ、それにしても、シリーズものを読み続けてきて、スワガーはこんなに老いたのかという感慨もありますが、自分もともに年を取ってきたのだという感慨がひとしおですね。でも、読み終えた後、やはりスナイパーに復帰して、推理を働かせてほしいという気持ちがわいてきますよ。不思議だ。
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Posted by ブクログ
【上下巻合わせてのレビュー】
世代交代失敗。。。オーヴァー。
本作はボブ・リーからレイ・クルーズに主役交代。さて、その出来栄えはというと・・・アメリカ人のステレオタイプなイスラム人への偏見、アメリカ人の銃への依存がつらつらと書かれていて日本人には理解しがたい場面もあり、あまり読み心地が良いとは言えない。とりあえずアメリカ人は未来永劫テロの陰に怯えてくらしていく恐怖と相対していかないといけないことは否が応でも伝わってくる。そんな中でついにこんな時代がやってきたのだなぁと震撼させられる。これまでのボブ・リー・サーガには敵も明確な理念を持ち合わせていた。しかし本作の敵にはそれが無い。確かに実世界でもそうした犯罪が急増しているので、今後も大きな脅威となっていくのだろうが、それを何のひねりもなくダラダラと展開していくのはいかがなものか。
せっかくボブから代替わりして新たなシリーズを構築するなら、もっと別なキャラクターを作れば良かったのに。引退した海兵隊員ってボブと大差ないじゃん。。。もうそろそろネタ切れかな。シリーズのファンとして残念な出来栄えであった。 -
Posted by ブクログ
犯罪史上最悪にして最も有名な未解決の猟奇殺人。なんでまた切り裂きジャックなの?という疑問がまず最初にあったが、巻末の参考文献リストを見ると、作者のリサーチに費やした想いが見て取れる。
ストーリーは、犯人の日記と記者の回顧録を交互に並べる形で展開する。上巻はスローペース。五人目の被害者以降に動き出すが、当時の時代背景や、記者としての葛藤などにページを割いてあるようで、謎解きよりもその世界観の方が印象に残った。正直、新犯人の解釈よりも時代考証の緻密さに脱帽した感じ。
そして肝心の新犯人だが、あやふやに終わらせるのではなく、はっきりと断定している。今まで語られてきた数多くの犯人像とは明らかに異なる。そこに至る推理のプロセスも自然で違和感ないのだが、作者流のアレンジが加わっているため、やはりどこまでいっても小説の中における新解釈という感は拭えない。ま、フィクションなんだから当たり前か。切り裂きジャック関連の先入観はなしに、でも「小説」だという前提で読んでほしい作品です。
最後に野暮だけど言わせて。やっぱりハンターはガンアクションがないとつまんねーわ。 -
Posted by ブクログ
ベトナムにおけるヒーローと旧知のFBIの執行官になすりつけられた汚名を灌ぐためボブ・リー・スワガーが巨悪に対してたった一人で動き出す。そもそもの4件の狙撃の目的は何か、そして、事件の背景に何があるのか。この聡明にして凄腕のスナイパーが海兵隊の伝を頼りながら核心へと迫ってくる。そして、彼の鋭敏な知性により、事件の背景が浮き彫りになり、その決定的な鍵となる証拠を求め、単独で敵陣に潜入を決心する。彼が立ち向かうのが、最新鋭のハイテクスコープにより秒角の精度で射撃を身に付けたSAS崩れの私的傭兵であり、荒野での戦いは男臭さ満載のガンノベルとなっている。スティーブン・ハンターのボブを主人公とした小説は、「極大射程」「狩りのとき」を読んではいたが、本作品の前2作を読んでいないので何かと辻褄を理解するのに時間がかかるのが玉に瑕。