スティーヴン・ハンターのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレJFK暗殺事件と主人公の過去をうまく組み合わせた話を紡いだものではあるが、アメリカ人ほど、思い入れはないことと、予備知識並びに過去の作品における脇役たちの立ち位置を覚えていないことと、黒幕のモノローグが何故はさまれているのかわからず、謎の答えが最初から用意された上巻ではど正直、どうかなと思っていたが、下巻からは何とか盛り返した感があるが、やはり実話を下敷きにしたため、あまりに無茶はできず、主人公も老いて、あまりに何度も幸運にも尻の金属に助けられるということで、いつものアクション感は乏しい。また、最後には何故、モノローグをはさむ必要があったのかがよくわかるのだが、そうでなければ結末に至らない物語の作り方にはやはり無理が多かったと思う。
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Posted by ブクログ
スワガー・サーガ以降のシリーズはイマイチだという巷の評判に惑わされて長らく手を出していなかったが、本作品の完成度は全盛期に匹敵するということで期待して読んでみた。結果的にはフツーの評価に落ち着いたが、なんとも言えぬ歯痒い読後感が後を引く作品ではある。
上巻は吸引力が強い。ボブ・リーが老いたという軽いショックはあるにしても、サーガで経験した緊張感が蘇ってきてわくわくしながら読める。JFK暗殺という手垢のついた王道ネタの扱い方に、この作者のこだわりのスタンスが見て取れる。CIAやマフィアなどのザ・陰謀説には目もくれず、狙撃という観点のみで、あの日あの現場で何が起こっていたのかに迫っていく。この着眼点は斬新で新鮮。シューターの目線から公式報告の矛盾を突き、角度や速度の細かなポイントを検証していくシーンは読み応え抜群。そこに作家事故死の捜査が加わり、ボリュームのある展開にどんどん入り込んでしまう。
がしかし、黒幕の回顧録の開始と共に、ストーリーは二手に分かれ、それぞれ独走していく。回顧録は冗長で飽きやすいかも。狙撃に対するボブ・リーの推論を裏付ける形で、小さな伏線や手掛かりがひとつに繋がっていく様は面白いが、よくよく考えるとやっぱり無理がある。歴史的事件の謎のピースに、自作のシリーズ・キャラを当てはめるのって頓珍漢よね。フィクションとノン・フィションが入り乱れ、もはやSFの範疇じゃないかとさえ思えてくる。
多分、ボブ・リー・シリーズだと認識して読むことが正解なのでしょう。あくまでもシリーズ優先のストーリーなので、その意味での決着には納得できる。でもなあ。黒幕との対峙は別の機会にした方がよかったんじゃないの。JFKネタだけを堪能したかった。 -
Posted by ブクログ
ボブ・リー・スワガーシリーズの外伝ということで『ブラックライト』を読む前に読んでみた。序盤はなんだかだらだらそれほど緊張感のない逃走劇という感じを受けたが、後半になるにつれ気付けば引き込まれていた。
不倫をやめられないパドのだめっぷりに腹が立ち、反面ラマーの仲間思い(?)な所になんだかほっとする。でも悪役なんだよなと思う。愛着が沸くわけでもないし、頑張れとも思えない。ただパドもそうとも思えない。複雑な気持のまま最後まで読んで、結果としてはまぁ楽しめた。
ボブ・リー・スワガーに関しては本当に2~3行、彼の父親がラマーの親父を殺したとか何とかで出てくるだけ。この作品が『ブラックライト』にどうつながるか楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ボブ・リー・スワガーも初老の年齢となったが、前作では、『キル・ビル』を彷彿とさせる、白羽を交えた闘いを、まさかの日本で展開してきたばかり。その死闘の古傷も癒えぬというのに、前作では荒れ地に馬を乗りこなしていた愛娘ニッキの危機を知り、ナスカー・レースの開催されるブリストルの街を訪れる。
剣に続いては車! 最近のハンター作品は、ボブ・リーの高齢化か、作者のそれか知らぬが、創作のモチーフにも趣味が混じるなど余裕の出てきた感が強い。もちろんその分だけ強引なストーリー展開に持ち込まねばならないのだが、そのあたりのプロット作りにも安定ぶりが窺えて、やはりそういうところに巨匠の存在感を感じさせるのである。
本書では、山道でいきなりニッキが暴走車に危険な追い込みをかけられる。自動車事故に見せかける手口で仕事を引き受ける殺し屋という、ありそうでなかなか前例が思い浮かばないキャラクター、ブラザー・リチャードの登場シーンであり、ニッキの危機である。
街がレースの熱気に包まれる中、犯罪者集団クラムリー一家が父娘を包囲する展開となる。クラムリー一家といえば、あの『悪徳の都』でボブ・リーの父アールが壊滅させたはずの犯罪者一族であり、ここで現れるのはその末裔なのである。
こんな設定自体にも、なぜか余裕のサービス精神を感じさせてしまうハンターの近年の創作ぶりは頼もしい限りなのだが、何より読み始めたら一気に最後まで駆け抜ける物語の疾走感こそが素晴らしいのである。
いつまでも変わらぬ冒険小説のエッセンスをそのままに、最後の最後の対決シーンに以って行くストーリー・テリングが何とも頼もしいのである。
最近、スワガー・サーガが、ダーク・ピットやジェイムズ・ボンドのシリーズのような無敵ヒーロー・シリーズに見えてきている。こうして安定してしまうことに淋しさを感じる自分と、冒険小説の醍醐味を存分に楽しみたがる自分とに分裂してしまいそうで、大変に悩ませられている今日この頃である。 -
Posted by ブクログ
ボブ・リー・スワガーも初老の年齢となったが、前作では、『キル・ビル』を彷彿とさせる、白羽を交えた闘いを、まさかの日本で展開してきたばかり。その死闘の古傷も癒えぬというのに、前作では荒れ地に馬を乗りこなしていた愛娘ニッキの危機を知り、ナスカー・レースの開催されるブリストルの街を訪れる。
剣に続いては車! 最近のハンター作品は、ボブ・リーの高齢化か、作者のそれか知らぬが、創作のモチーフにも趣味が混じるなど余裕の出てきた感が強い。もちろんその分だけ強引なストーリー展開に持ち込まねばならないのだが、そのあたりのプロット作りにも安定ぶりが窺えて、やはりそういうところに巨匠の存在感を感じさせるのである。
本書では、山道でいきなりニッキが暴走車に危険な追い込みをかけられる。自動車事故に見せかける手口で仕事を引き受ける殺し屋という、ありそうでなかなか前例が思い浮かばないキャラクター、ブラザー・リチャードの登場シーンであり、ニッキの危機である。
街がレースの熱気に包まれる中、犯罪者集団クラムリー一家が父娘を包囲する展開となる。クラムリー一家といえば、あの『悪徳の都』でボブ・リーの父アールが壊滅させたはずの犯罪者一族であり、ここで現れるのはその末裔なのである。
こんな設定自体にも、なぜか余裕のサービス精神を感じさせてしまうハンターの近年の創作ぶりは頼もしい限りなのだが、何より読み始めたら一気に最後まで駆け抜ける物語の疾走感こそが素晴らしいのである。
いつまでも変わらぬ冒険小説のエッセンスをそのままに、最後の最後の対決シーンに以って行くストーリー・テリングが何とも頼もしいのである。
最近、スワガー・サーガが、ダーク・ピットやジェイムズ・ボンドのシリーズのような無敵ヒーロー・シリーズに見えてきている。こうして安定してしまうことに淋しさを感じる自分と、冒険小説の醍醐味を存分に楽しみたがる自分とに分裂してしまいそうで、大変に悩ませられている今日この頃である。