スティーヴン・ハンターのレビュー一覧
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やっぱりスワガー・サーガは面白い。それが第一の感想だ。
今作のスワガーは70歳を超えた老人で、もはや激しい銃撃戦では前線に立てない、というか周りが必死に止めようとする。それはそうだろう。いかに鍛えていても、70歳の老人が特殊部隊とともにヘリボーンをしようと言い出したら誰だって止める。結局ヘリボーンはしてしまうのだけど。
そんな本作で主題となるのは、アメリカ国内に潜入したテロリストの発見だ。作者自身の銃への深い造詣をベースに、現代社会ならではのガジェットを駆使した捜査の様子は一級品のサスペンスとなっている。
詳細はネタバレとなるので伏せるが、鍵となっているのはAccuracy Interna -
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久し振りにベタベタの冒険小説を読む。
男の憧れ最高のタフガイの話。
絶対に助からない、既に人間の域を超えてる。なのに不死鳥の様に、都合良く復活する。
どんなに、後付けで理由付けをしても無理でしょ!ありえないでしょ!と言っても強引に筆は進む。
結局、読者は諦めて、そうなるのねとシブシブ納得しながら
読むしかない(笑)
この世界観に素直にハマればこよなく気持ち良い。
主人公はどんなに窮地に立っても、間違いなく乗り越えて行くのだ!我らがヒーローボブ!!!
ハラハラドキドキなんか全然しないぞ、安心して読めるぞ。
僕は大好きだ!!
「戦えば勝つ、必ず」(宇宙怪人ゴースト) -
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盆と正月が来たみたいだという言い方があるけれど、冒険小説ファンにとっては今秋がそれにあたるのではないだろうか。8月にグレイマンシリーズ『暗殺者の追跡』、9月に本作、ボブ・リー・スワガーシリーズ『狙撃手のゲーム』発刊だ。秋の入り口で十分に楽しませてもらった。
動のグレイマン、静のスワガーといった対比ができるだろうか。理詰めで敵対するスナイパーを追い詰めていく様はスリリングで、気持ちよく読み手を先に進ませる。少しづつ距離を詰めていき、最後に両者が邂逅し決着がつく・・・大団円・・・拍手・・・幕・・・。
『狙撃手のゲーム』では精密射撃の世界が丁寧に書かれており、僕くらいの年代の人たちは、40年 -
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ネタバレ久々に「スワガー・サーガ」を読んだ。いつものハンター節で描かれるのは、なんとボブのおじいちゃん、チャールズ・スワガーである。
舞台は1934年、世界恐慌の余波が残り、禁酒法が終わり、イタリアン・マフィアの全盛期にも陰りが見えてきた頃で、その影響で裏社会の秩序も乱れている。
銀行強盗が盛んに行われたこの時代の、実話を下敷きにして、チャールズ・スワガーの活躍劇が描かれる。
スワガー一家のマッチョぶりは、このチャールズも変わらず(というか、遺伝的には先)なんだが、彼には第一次世界大戦を退役して以降、大きな秘密を一つ抱えていて…とこれは主筋から離れていることなのだが…圧倒的強さを誇るチャールズが、 -
- カート
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試し読み
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【上下巻のレビュー】
新たなボブ・リー・サーガへの序章
今回、ボブはスナイパーとしてライフルを持つことはない(なんとスポッター!)。これまでのようなスナイパーアクションとは趣を変え、良く練られたポリティカルサスペンスに仕上がっている。彼以外の登場人物はバンバン撃っているだけに、やはりファンとしてはボブのシューティングが見たかったところ。特に場所をアメリカ国内に移してからというもの、ばらばらだったパズルが一つ一つ組みあがっていく構成には唸らされる。また、ある意味では人の入れ替えが行われたシリーズ転換期といえよう。
それにしてもボブもさすがに年をとった(還暦過ぎのおじいちゃん!)。シリーズ初期 -
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ネタバレこのミス海外編2000年版1位。海外編もこの年代になると普通に面白い。この年の2位がボーン・コレクターだし、この先も楽しみ。本作はのちにシリーズ化される第1作目であり、スーパーヒーローが活躍するやつってわかってるので安心して楽しめる。話は比較的わかり易い娯楽大活劇。主役がかっこいいし、魅力的な女性がからんでくる。まあ、最初はちょっととっつきにくいとこあるけど、途中からはグイグイ進む。前半は緻密なロジックでスゲーと思うけど、後半はなんだか雑な感じで大味になってきて、そんなとこブラついてたら殺られてまうでしょとか、ちょっとご都合主義すぎるでしょと思ったりします。それでも、最後に大技がかかるのが爽快
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S.ハンターの新刊というだけで楽しみにしており、発売直後にネットで購入したのは、間違いだった。これは以前に読んだことがあると、読み始めてすぐに分かった。良く調べてみると、新潮社から出版された『魔弾』がそれだった。それならそうと大きく書いておけよと思うが、自分のブックレビューにもないし、読んでいて面白いのでそのまま読み進めることにする。
暗視装置を使用したナチスドイツの最終兵器が軸となり、ストーリーは展開する。作戦上静音性が求められるため、亜音速弾を使用し、直進性を求めるため弾丸は被甲せず、鉛のままを使用する。マニア心鷲掴みだな。
ホロコーストを大きなポイントに、スナイパーの行動、特殊 -
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コルトガバメントM1911という拳銃。モデルナンバーが示す通り、1911年から軍隊や警察等の政府組織の男たち、government-man(Gマン)が愛用してきた銃だ。使用する弾丸は45ACP(45口径Auto Colt Pistol)で、半インチの大口径は携行する弾丸の量は制限されるが被弾時のストッピングパワーが大きく、一発で敵を無力化させることができる。
トンプソンサブマシンガン(トミーガン)も45ACP弾を使用しており、アルカポネが葉巻を咥えてドラム型弾倉のトミーガンを抱えているイメージも印象的だ。現代では9mm口径に主流を譲ったが、今も根強いファンを獲得している。
そのM191 -
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スティーヴン・ハンター『Gマン 宿命の銃弾(下)』扶桑社ミステリー。
上巻のスローな少しまどろっこしい展開から一転、ギャングが跳梁跋扈した1930年代を舞台にチャールズ・F・スワガーの秘めたる謎を明らかにしていく。
ボブがチャールズの過去で追い求めることは一点のみ。何故チャールズがFBIの記録から抹消され、酒に溺れる転落の人生を送ることになったのか。
本作はスワガー・サーガというよりも、ギャングどもが跳梁跋扈した1930年代を描いた歴史小説という色彩が強い。また、これまでは各時代のヒーローとして描かれてきたスワガー一族の男たちだが、本作ではチャールズのスキャンダラスな、人間的に脆い一面が -
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スティーヴン・ハンター『Gマン 宿命の銃弾(上)』扶桑社ミステリー。
スワガー・サーガの第15作。本サーガの中核を成すボブ・リー・スワガーも71歳となり、後継者のレイ・クルーズとの世代交代も今一つ不調ということで、今回は一体どのような設定になるのか非常に気になっていた。蓋を開ければ、何と今回はボブの祖父チャールズ・F・スワガーを主人公にした物語であった。
アーカンソー州にあるボブ・リー・スワガーの地所から祖父チャールズの遺品とおぼしきコルト45と紙幣、謎の地図、FBIの前身である司法省捜査局のバッジなどが発見される。ボブは自らのルーツである祖父の謎に満ちた過去に迫る。
チャールズの時代で