スティーヴン・ハンターのレビュー一覧
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久し振りにベタベタの冒険小説を読む。
男の憧れ最高のタフガイの話。
絶対に助からない、既に人間の域を超えてる。なのに不死鳥の様に、都合良く復活する。
どんなに、後付けで理由付けをしても無理でしょ!ありえないでしょ!と言っても強引に筆は進む。
結局、読者は諦めて、そうなるのねとシブシブ納得しながら
読むしかない(笑)
この世界観に素直にハマればこよなく気持ち良い。
主人公はどんなに窮地に立っても、間違いなく乗り越えて行くのだ!我らがヒーローボブ!!!
ハラハラドキドキなんか全然しないぞ、安心して読めるぞ。
僕は大好きだ!!
「戦えば勝つ、必ず」(宇宙怪人ゴースト) -
Posted by ブクログ
盆と正月が来たみたいだという言い方があるけれど、冒険小説ファンにとっては今秋がそれにあたるのではないだろうか。8月にグレイマンシリーズ『暗殺者の追跡』、9月に本作、ボブ・リー・スワガーシリーズ『狙撃手のゲーム』発刊だ。秋の入り口で十分に楽しませてもらった。
動のグレイマン、静のスワガーといった対比ができるだろうか。理詰めで敵対するスナイパーを追い詰めていく様はスリリングで、気持ちよく読み手を先に進ませる。少しづつ距離を詰めていき、最後に両者が邂逅し決着がつく・・・大団円・・・拍手・・・幕・・・。
『狙撃手のゲーム』では精密射撃の世界が丁寧に書かれており、僕くらいの年代の人たちは、40年ほど前に月刊『Gun』誌でレポーターをしておられたT.高野さんを思い出した方も大勢いらっしゃったのではないだろうか。当時は地味なレポートだなと思っていたけれど、今となっては、その奥深さが理解できる。本作を読んでいると、当時のリローディングの記事が脳裏に蘇るから驚いてしまう。40年前の雑誌の記事が記憶の引き出しに仕舞われていることに、だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に「スワガー・サーガ」を読んだ。いつものハンター節で描かれるのは、なんとボブのおじいちゃん、チャールズ・スワガーである。
舞台は1934年、世界恐慌の余波が残り、禁酒法が終わり、イタリアン・マフィアの全盛期にも陰りが見えてきた頃で、その影響で裏社会の秩序も乱れている。
銀行強盗が盛んに行われたこの時代の、実話を下敷きにして、チャールズ・スワガーの活躍劇が描かれる。
スワガー一家のマッチョぶりは、このチャールズも変わらず(というか、遺伝的には先)なんだが、彼には第一次世界大戦を退役して以降、大きな秘密を一つ抱えていて…とこれは主筋から離れていることなのだが…圧倒的強さを誇るチャールズが、後半どうなっていくのか?「悪徳の都」で出てきたアールの冴えない父親像に、どういう風につながっていくのか。
銀行強盗団(パブリックエネミーズ)達との息詰まるガンファイトが圧倒的魅力にあふれている裏で、こういう登場人物の葛藤を描く技法もいいなぁ。そしてさらに、その秘密を追う現代のボブの描写も複層的な効果があって面白い。
基本的には荒っぽいガンファイト系アクション小説なのだが、重層的な構成を読み解いていく楽しみも含まれていて、一筋縄ではいかない小説。ただその重層さが単純にガンアクションを楽しむには少々クドく感じられてしまう部分もあったのは若干残念だった。 -
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【上下巻のレビュー】
新たなボブ・リー・サーガへの序章
今回、ボブはスナイパーとしてライフルを持つことはない(なんとスポッター!)。これまでのようなスナイパーアクションとは趣を変え、良く練られたポリティカルサスペンスに仕上がっている。彼以外の登場人物はバンバン撃っているだけに、やはりファンとしてはボブのシューティングが見たかったところ。特に場所をアメリカ国内に移してからというもの、ばらばらだったパズルが一つ一つ組みあがっていく構成には唸らされる。また、ある意味では人の入れ替えが行われたシリーズ転換期といえよう。
それにしてもボブもさすがに年をとった(還暦過ぎのおじいちゃん!)。シリーズ初期にはベトナム戦争でドラグノフを巡ってソ連と攻防を繰り広げていたのに(それも今作品のポイントとなる!)、今や戦いは戦場から離れた場所から指示が出されリーパーのような無人機がいとも簡単に人を殺すような時代になった。そんなものを目の当たりにしてボブは何を感じたのか。それでもやはり人が人を殺すのだと歴戦の勇士ボブは諭すのだ。そのあたりの達観振りがやはり彼の魅力とも言えよう。
今回は今までにも増して映画ネタが多く、特に香港映画ファンの私は「男たちの挽歌」のチョウ・ユンファが引き合いに出された時には思わずニヤリとしてしまった。 -
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ネタバレこのミス海外編2000年版1位。海外編もこの年代になると普通に面白い。この年の2位がボーン・コレクターだし、この先も楽しみ。本作はのちにシリーズ化される第1作目であり、スーパーヒーローが活躍するやつってわかってるので安心して楽しめる。話は比較的わかり易い娯楽大活劇。主役がかっこいいし、魅力的な女性がからんでくる。まあ、最初はちょっととっつきにくいとこあるけど、途中からはグイグイ進む。前半は緻密なロジックでスゲーと思うけど、後半はなんだか雑な感じで大味になってきて、そんなとこブラついてたら殺られてまうでしょとか、ちょっとご都合主義すぎるでしょと思ったりします。それでも、最後に大技がかかるのが爽快。文庫上巻の242頁の「数分間の溶接と、ちょっとした調整ですむことで、少なくとも彼らがなんらかのやり方で自分を利用しようとしたときには身を守る手段にもなる。」を読んだあとしばらくはこの伏線はどこで回収されるのか気になっててたのですが、下巻の最後にはすっかり忘れてました。
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S.ハンターの新刊というだけで楽しみにしており、発売直後にネットで購入したのは、間違いだった。これは以前に読んだことがあると、読み始めてすぐに分かった。良く調べてみると、新潮社から出版された『魔弾』がそれだった。それならそうと大きく書いておけよと思うが、自分のブックレビューにもないし、読んでいて面白いのでそのまま読み進めることにする。
暗視装置を使用したナチスドイツの最終兵器が軸となり、ストーリーは展開する。作戦上静音性が求められるため、亜音速弾を使用し、直進性を求めるため弾丸は被甲せず、鉛のままを使用する。マニア心鷲掴みだな。
ホロコーストを大きなポイントに、スナイパーの行動、特殊作戦部隊の思考をうまく交差させ、一つの作戦をめぐり、追う者、追われる者を描き切っている。再読になるが、面白く読み切った。 -
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コルトガバメントM1911という拳銃。モデルナンバーが示す通り、1911年から軍隊や警察等の政府組織の男たち、government-man(Gマン)が愛用してきた銃だ。使用する弾丸は45ACP(45口径Auto Colt Pistol)で、半インチの大口径は携行する弾丸の量は制限されるが被弾時のストッピングパワーが大きく、一発で敵を無力化させることができる。
トンプソンサブマシンガン(トミーガン)も45ACP弾を使用しており、アルカポネが葉巻を咥えてドラム型弾倉のトミーガンを抱えているイメージも印象的だ。現代では9mm口径に主流を譲ったが、今も根強いファンを獲得している。
そのM1911やトミーガン、45ACPに対するオマージュも含め、大恐慌後にポスト・アルカポネとして、銀行強盗たちが跳梁した1938年のアメリカで、ボブ・リー・スワガーの祖父であるチャールズ・スワガーの生きざまを描いた作品だ。高倉健を彷彿させるキャラクターは洋の東西を問わず、理想の男性像の典型として確立されたものだ。
現在と1938年のチャールズ・スワガーの時代が交互に語られていき、現在の語りが終わり1938年の章が始まると、現在の物語が気がかりで、1938年の語りが終わり、現在の章が始まると1938年の物語がどうなっていくのかと気になって仕方ない。ミステリーとして十分の展開で、前半は少し展開がゆっくりしているが、下巻に入ればスピード感は十分で、ぐいぐいとラストシーンまで引っ張っていく。
ミステリーファンにも、スワガー・サーガのファンの期待にも十分応えてくれている。シリーズの大半を読んでいるが、記憶があやふやな私にも配慮された訳注がついており、ありがたく大いに楽しめた。 -
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あまりにも有名な殺人鬼<切り裂きジャック>について書かれた本をぼくはこれまで読んだことがない。特に読まなかったことの理由はない。ほとんどの作品を読んでいるはずのパトリシア・コーンウェルが『切り裂きジャック』を書いた時にもなぜか食指が動かなかった。
ほとんどの作品を読んでいるこの作家スティーヴン・ハンターの本書にしても買ってすぐに手に取ったわけではない。半年以上経った頃になってようやく、それもどちらかと言えば気が向かぬままに手に取った。
古いロンドンの街を脅かした切り裂きジャックが有名な連続殺人鬼の代表格のような存在として知られながら、ついに逮捕されることなく未解決に終わっているという中途半端な伝説的事実。
それに近代という古臭い時代、ロンドンの石畳とガス灯の街路を馬車が歩くそんな時代にまで遡って結局は解決もしなかった事件を、作家の想像力で仕立てたり、調査した事実関係を並べられたりしても読むに値する物語ができるとはとても考えられなかったのだ。
しかしハンターには実績がある。ケネディ暗殺を独自の視点から描いた『第三の銃弾』、ロシアに実在した女スナイパーを題材にした『スナイパーの誇り』と、歴史を物語らせる最近のハンターの文学的手腕に対する信頼がある。なので、他の作家であれば手に取ることがなかっただろうこの切り裂きジャックテーマに挑んだ作家の手腕を改めて見てみようじゃないか、という気持ちになれたのだ。
そしてその手腕は裏切られることがなかった。切り裂きジャックの事件はなぜ未解決だったのか? 半年に満たない短期間に五人もの連続殺人を犯した切り裂きジャックはなぜ犯行を唐突にやめたのか? その二つの疑問に挑むハンターの想像力は『第三の銃弾』でケネディを暗殺しなければならなかった男の内面をモノローグで描いたと同様に、本書でも切り裂きジャックの日記を鬼気迫る武器として用いている。
さらに売春婦の手紙、雑誌記者の手記と三つの形式で物語を紡いでゆく。事実に基づくことから、シャーロック・ホームズと同時代であることも含めて、ロンドンの闇の回廊に蠢く殺人鬼と、推理する側の好奇心と、スプラッター映画のような過酷な殺害シーンとを。
数ある伏線とひねり抜いたストーリーにあっと驚く主要登場人物の正体など、遊び感覚を備えながら語る、語らせる、そんな技巧とツイストに満ちた上物ミステリーに仕上がっているのである。円熟のハンターはあの名作『真夜中のデッドリミット』からこっちずっと読者の心をとらえて離さないままなのである。 -
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あまりにも有名な殺人鬼<切り裂きジャック>について書かれた本をぼくはこれまで読んだことがない。特に読まなかったことの理由はない。ほとんどの作品を読んでいるはずのパトリシア・コーンウェルが『切り裂きジャック』を書いた時にもなぜか食指が動かなかった。
ほとんどの作品を読んでいるこの作家スティーヴン・ハンターの本書にしても買ってすぐに手に取ったわけではない。半年以上経った頃になってようやく、それもどちらかと言えば気が向かぬままに手に取った。
古いロンドンの街を脅かした切り裂きジャックが有名な連続殺人鬼の代表格のような存在として知られながら、ついに逮捕されることなく未解決に終わっているという中途半端な伝説的事実。
それに近代という古臭い時代、ロンドンの石畳とガス灯の街路を馬車が歩くそんな時代にまで遡って結局は解決もしなかった事件を、作家の想像力で仕立てたり、調査した事実関係を並べられたりしても読むに値する物語ができるとはとても考えられなかったのだ。
しかしハンターには実績がある。ケネディ暗殺を独自の視点から描いた『第三の銃弾』、ロシアに実在した女スナイパーを題材にした『スナイパーの誇り』と、歴史を物語らせる最近のハンターの文学的手腕に対する信頼がある。なので、他の作家であれば手に取ることがなかっただろうこの切り裂きジャックテーマに挑んだ作家の手腕を改めて見てみようじゃないか、という気持ちになれたのだ。
そしてその手腕は裏切られることがなかった。切り裂きジャックの事件はなぜ未解決だったのか? 半年に満たない短期間に五人もの連続殺人を犯した切り裂きジャックはなぜ犯行を唐突にやめたのか? その二つの疑問に挑むハンターの想像力は『第三の銃弾』でケネディを暗殺しなければならなかった男の内面をモノローグで描いたと同様に、本書でも切り裂きジャックの日記を鬼気迫る武器として用いている。
さらに売春婦の手紙、雑誌記者の手記と三つの形式で物語を紡いでゆく。事実に基づくことから、シャーロック・ホームズと同時代であることも含めて、ロンドンの闇の回廊に蠢く殺人鬼と、推理する側の好奇心と、スプラッター映画のような過酷な殺害シーンとを。
数ある伏線とひねり抜いたストーリーにあっと驚く主要登場人物の正体など、遊び感覚を備えながら語る、語らせる、そんな技巧とツイストに満ちた上物ミステリーに仕上がっているのである。円熟のハンターはあの名作『真夜中のデッドリミット』からこっちずっと読者の心をとらえて離さないままなのである。 -
Posted by ブクログ
何故にスティーブンハンターが切り裂きジャック?つい先日、シェリーディクスンカーの切り裂きジャックを題材にしたタイムトラベルものを読んだばかりなので
事件にはちょっと詳しくなったところ。凄惨な事件ですが現在まで未解決であることでイギリスでは有名みたいですね。
小説での描写や実際の犯人の遣り口から現代ならDNA鑑定であっという間に捕まってしまいそう。
また1880年代ってシャーロックホームズと同時代なんですね。小説の中にも「緋色の研究」が発表されたばかりとの記述があります。
混沌としたヴィクトリア朝時代、ロンドンの下町の世相が良く判る、風俗小説として読んでも面白いです。
スカートを捲っただけで路上で出来ちゃう、西欧の娼婦って凄いですね。
小説の主人公には高名な実在の小説家(戯曲家?)を配し、一応犯人を追いつめて自滅させていますが、実在の人物なのかモデルがいるのか、その辺は詳しくないので
面白みには欠けます。欧米の作家なら、一度は扱ってみたい題材なのでしょうか、昔の事件を描くよりも、ボブザネイラーを活躍させてくれよ!と思う今日この頃です。 -
Posted by ブクログ
物語りは、全米を揺るがす4件の狙撃事件のシーンから始まる。FBIの初動捜査によりベトナムにおける、伝説的なスナイパーによれ犯罪が濃厚となるが、本捜査を指揮するニックは、射撃の専門家という触れ込みで旧知である老スナイパー、ボブ・リー・スワガーに鑑定を依頼する。ボブは、これら事件の狙撃がありえない精度でおこなわれたことを突き止め、ベトナムのヒーロースナイパーのギアでは不可能なことを証明する。では、この超絶技巧の狙撃は、どのように可能となったのか。物語りは、ハイテクスコープ、事件の背景、FBIの指揮捜査官への誹謗中傷などを巧みに織り交ぜ進んでいく。