狙撃手ボブ・リー・スワガー(Bob Lee Swagger)シリーズ第4弾です。書評を読むとこれがもう目を覆いたくなるほどの酷評。読んで良いものかどうかちょっぴり迷ってしまいましたが、シリーズの大ファンの私として読まないわけにはいかない、ハンター氏を信じて地獄まででもついて行くのだ、と本書を手に取りました。
読んでみてどうだったか……。なんと”釘打ち師”「ボブ・ザ・ネイラー(Bob the Nailer)」の異名を持つ伝説の狙撃手に銃を持たせず、チャンバラをさせてしまいました。あぁ……、なんと言うか、やってしまいましたねーって感じです。(笑) つまり日本人が読むとディテールに違和感があるんですね。日本を舞台にしており、侍をテーマに日本人の精神世界にまで入りこんで書かれているだけに、当の日本人にすれば「それは違うだろ!」とツッコミを入れたくなるところがたくさんあります。加えて、日本人以外の読者に読ませることを前提にしているので、やむを得ないことながら、日本特有のものについてはくどくどと説明がついてくる。例えば207Pの文章に次のような一節がある。