沢村鐵のレビュー一覧

  • はざまにある部屋
    「下手をすれば私だって、彼らと一緒に山道を登ってどこかへ消えていたかも知れない。あの日はそれぐらい、生と死が近かった。
     あれ以来あんな場所に行ったことはない。死者を見たことは一度もない。
     それでも――私もいつかあの道を往く。」
  • クランVI 警視庁内密命組織・最後の任務
    ふだん警察小説など読まない私がこのシリーズを手に取ったのは友人が面白いと薦めてくれたからだが、見事にはまった。
    文章にリズムがあり、キャラクターの書き分けが的確にできていることから、相当に力のある書き手だという印象を受ける。岩沢、上郷、区界の描出が特に際立っている。
    これほど登場人物が多く複数のスト...続きを読む
  • クランI 警視庁捜査一課・晴山旭の密命
    渋谷の片隅で、警察官の遺体が発見された。
    どう見ても他殺なのに、検死官は、自殺と断定、そんな馬鹿な...

    しかし、それは単なる始まりに過ぎなかった。
    捜査一課、晴山警部補を巡る状況は、刻一刻と大きなうねりを見せて行く。

    警察の裏に巣食う巨大な闇に、どう対応するのか。
    果たして、この闇はどこまで広...続きを読む
  • ネメシス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結3
    本作のほとんどが、主人公である一柳美結がいる田中の住処とサイバーフォース本部の二拠点で進行するソリッド・シチュエーション・スリラーに近い形式ながら、緊迫感は抜群でした。
    "C"ことチャールズと佐々木忠輔の間で交わされる殺人の是非の議論にも惹きつけられました
    エンディングの「続きが気になる」感も前2作...続きを読む
  • スカイハイ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結2
    本作でいよいよその正体と姿を現し、東京を実質的に制圧した"C"が、前作でうまく逃げおおせた中国人工作員 王超との対決を繰り広げます。
    一方、日本政府は関連省庁のトップクラスを集めた極秘会議を招集し、"C"への対抗策を練ります。
    大きく動く事件に翻弄されつつも、各人が自身のやるべき事柄を理解し、正面切...続きを読む
  • フェイスレス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結
    なかなか面白いぞ!キャラクター設定もそれぞれ個性を出しつつできていて感情移入しやすいし、映画やドラマになりそう!しかし、つづく・・かよ!
    次読みます!
  • 刑事の灯
    警察小説の書き手としては新しめの4作家の作品を収録したアンソロジー。
    既にシリーズ化されているモノもあれば、単発モノもあり、内容が、医療系、ファンタジー系、コメディ系。公安バイオレンス系と幅広いジャンルを揃えている。
    アンソロジーならではの楽しみの一冊。

  • クランI 警視庁捜査一課・晴山旭の密命
    シリーズ物第一弾。同じ様なシリーズ物が有りましたが結構面白く読み続けたくなりました。物語の大きな流れはそう変わらないでしょうが、楽しみに期待したいと思います。現在は第二弾に突入中です。
  • 偽りの捜査線 警察小説アンソロジー
    警察小説を得意とする実力派作家にて固められた警察小説アンソロジー。
    一言で警察と言っても色んな組織があり、本作においても、公安刑事、警察犬担当、新任刑事、県警本部捜査刑事、交番勤務の警察官、県警本部刑事、公安刑事とバラエティ豊かな内容。
    短編ならではのキレ味鋭いオチ。短編らしからぬ味のある余韻を持つ...続きを読む
  • 世界警察3 簒奪のオブシディアン
    4弱、かな。かなり核心に近づいてきたと思うけど、なんというか、少しずつ少しずつ核心に近づいていき、でもなかなか触れない、という「引き」があまり長すぎると焦れったいを通り越してうんざりしてしまい、最後は放り投げるということがないことを祈りたい。
  • 偽りの捜査線 警察小説アンソロジー
    読みやすい長さだけど読み応えがある。初めて読んだ作家もいたが好きな作風だったので、長編も読んでみたい。特定の作家に偏りがちなのでオムニバスは新境地を見つけるのに役立つ。
  • 刑事の灯
    吉川作品以外は興味なく。「ファーストレディの黒子」はこんな体裁の本に短編で発表するのが非常に勿体ない。「十三階」シリーズと「原麻希」シリーズの合体で、かつ黒江も原麻希も登場せず、そのオトコが警察学校同期で。。というファンには垂涎ものの設定で、この設定をスピンオフ短編で終わらせるのは何度も言うが本当に...続きを読む
  • 雨の鎮魂歌
    ミステリだけど、青春物語…という、裏表紙のあらすじ文やや巻末解説者の言葉に納得。

    終始雨に包まれたような、薄暗い世界観の中で紡がれる物語。あいだあいだに挟まれる、仲間たちとの交流に心を洗われつつ、きっと重く哀しく切ないものになるのだろうとしか思えないラストシーンへ向かっていく…。そんな読書時間を過...続きを読む
  • クランVI 警視庁内密命組織・最後の任務
    「クランI」から約2年半、ついに大団円。私も直助ロス…
    リアルな部分と、ありえない大胆な設定とが入り混じった警察小説で、楽しませていただきました。随分と引っ張ったのにスパッとは終わらないのですね。
  • クランIV 警視庁機動分析課・上郷奈津実の執心
    全容がほぼわかってきました。夢みたいな話だけど、現実にはありうるかも。だから一部の既得権者の間でひた隠しにするのも理解できるし、実際にそういう世の中です。自分や自分の大切な人の命を手玉にとられたら、どんなに使命感に溢れた人でも一度は屈してしまうだろうな。あの渋谷のスクランブル交差点の儀式、気持ち悪過...続きを読む
  • クランV 警視庁渋谷南署巡査・足ヶ瀬直助の覚醒
    待ちに待ったシリーズ第5弾。
    前作で渋谷スクランブル交差点でのテロを防ぎ、一見、敵に勝利したかと思いきや、黒幕である「神」はクランのメンバーを直接狙うように…メンバーが次々に消され、誰が敵で、誰が味方なのか、分からない展開に思わず一気読み!
    ついに次作で完結するらしいが、また半年待つかと思うと…先が...続きを読む
  • シュラ -警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結4
    シリーズ4作目。完結。
    「警察物」と一括りにするのは勿体ないくらい、思想的な要素が多く、考えさせられる結末だった。1作目、2作目と天才ハッカーだったり、中国の暗殺者との攻防が描かれて来たので、ラストも派手な結末と予想をしていたのが、裏切られた感じはする。でも、今までの警察小説にはない結末は、やはり読...続きを読む
  • スカイハイ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結2
    シリーズ第2弾。犯人とされる天才ハッカー「C」の身元がさらに明らかになり、「C」は東京スカイツリーを模したと思われる超高層タワーを始め、東京をジャックし始める。美結は前作で救出した佐々木講師と共に、サイバー攻撃を迎え撃とうとするが、今回の本当の敵は中国人の暗殺者「王」。警察と「C」と「王」との三つ巴...続きを読む
  • フェイスレス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結
    5月に入り、まだ警察ものを1冊も読んでなかったので、レビューで気になっていた、このシリーズを大人買いして、読むことに。
    「クラン」シリーズを読んで、一気にファンになったこの作者。4作で完結するし、「クラン」を読んでいると、1冊目はイントロダクションみたいな位置付けかと思ったら、かなり、飛ばしてきた!...続きを読む
  • シュラ -警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結4
    完結編は、これまでよりも一層哲学的で、メッセージ性の強い物語となっていた。
    人類を破滅に近づけたい田中をようやく逮捕した美結たち警察。
    それまでに犠牲となった人間は数知れない。
    だが悲劇は終わらない。
    「C」に突きつけられた暗殺予告。
    正当な手段で田中を裁こうとする者たちの前に立ちはだかる、多くの襲...続きを読む