沢村鐵のレビュー一覧

  • 処刑国会

    Posted by ブクログ

    494ページの長編でしたが、最後まで緊張感を持って読めました。政治的な裏話が本質的なものなのか、偏った大げさな作り話なのかわからないところが恐いと思いました。

    0
    2024年10月11日
  • 処刑国会

    Posted by ブクログ

    沢村鐵『処刑国会』双葉文庫。

    沢村鐵の小説の中では一番面白かった。

    今の日本の政界は本当に狂っている。それにも関わらず、日本人は何も行動を起こさないという不可思議。与党は旧統一教会というカルト教団と癒着し、集票と裏金作りに勤しみ、宗教団体を背景とする政党と連立政権を組むという異常な状況だ。さらには原発利権や東京五輪、コロナ禍などを巡る搾取の構造。非正規雇用を増やし、異常な物価高を引き起こし、今さら少子化を叫ぶ、馬鹿げた政府の対応。このままだと日本人は間違いなく政治家に殺されるだろう。

    そんな政治への不信感と怒りが沸々と伝わってくるような過激なエンタメ小説であった。


    通常国会の開催初日

    0
    2024年09月03日
  • はざまにある部屋

    Posted by ブクログ

    「下手をすれば私だって、彼らと一緒に山道を登ってどこかへ消えていたかも知れない。あの日はそれぐらい、生と死が近かった。
     あれ以来あんな場所に行ったことはない。死者を見たことは一度もない。
     それでも――私もいつかあの道を往く。」

    0
    2021年05月08日
  • クランVI 警視庁内密命組織・最後の任務

    Posted by ブクログ

    ふだん警察小説など読まない私がこのシリーズを手に取ったのは友人が面白いと薦めてくれたからだが、見事にはまった。
    文章にリズムがあり、キャラクターの書き分けが的確にできていることから、相当に力のある書き手だという印象を受ける。岩沢、上郷、区界の描出が特に際立っている。
    これほど登場人物が多く複数のストーリーが同時並行するのに、混乱することはなかった。ちょうど完結のタイミングで、ラストまで一気読みできたのも良かったのだろうが。
    ありがちな娯楽小説になっていないことが何より好感が持てる。ただの売れ線狙いではこんな構成や終わり方を選ばないだろう。警察の闇にとどまらず、もっと大きな闇を捕らえようとしてお

    0
    2018年02月23日
  • クランI 警視庁捜査一課・晴山旭の密命

    Posted by ブクログ

    渋谷の片隅で、警察官の遺体が発見された。
    どう見ても他殺なのに、検死官は、自殺と断定、そんな馬鹿な...

    しかし、それは単なる始まりに過ぎなかった。
    捜査一課、晴山警部補を巡る状況は、刻一刻と大きなうねりを見せて行く。

    警察の裏に巣食う巨大な闇に、どう対応するのか。
    果たして、この闇はどこまで広がっていくのか。

    晴山警部補の困難な闘いは続く。

    0
    2018年01月22日
  • ネメシス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結3

    Posted by ブクログ

    本作のほとんどが、主人公である一柳美結がいる田中の住処とサイバーフォース本部の二拠点で進行するソリッド・シチュエーション・スリラーに近い形式ながら、緊迫感は抜群でした。
    "C"ことチャールズと佐々木忠輔の間で交わされる殺人の是非の議論にも惹きつけられました
    エンディングの「続きが気になる」感も前2作とは段違いで、物語はいよいよ最終巻に進みます。

    0
    2015年02月25日
  • スカイハイ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結2

    Posted by ブクログ

    本作でいよいよその正体と姿を現し、東京を実質的に制圧した"C"が、前作でうまく逃げおおせた中国人工作員 王超との対決を繰り広げます。
    一方、日本政府は関連省庁のトップクラスを集めた極秘会議を招集し、"C"への対抗策を練ります。
    大きく動く事件に翻弄されつつも、各人が自身のやるべき事柄を理解し、正面切って立ち向かい、犠牲者も出てきます。
    そして最後には国ですら手が出せない巨悪の存在が仄めかされ、次巻へと続きます。
    物語のスケールの大きさ、激しいアクション、善悪入り乱れての駆け引きなど、前作に続いてほぼイッキ読みの面白さでした。

    0
    2015年01月19日
  • シュラ -警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結4

    Posted by ブクログ

    シリーズ最終巻。やはり、この最終巻に主人公・一柳美結の活躍の場が用意されていた。Cが警察と手を組み、全世界の敵・田中晃次と対決する。そして、最大の謎が…

    シリーズ全巻を通して読むと、如何に綿密に構成された壮大な物語なのかが分かる。登場人物の抱える過去、秘密が少しづつ明らかになるにつれ、物語の中の世界が広がるという面白い構成である。登場人物の誰が悪で、誰が正義なのかも混沌としており、読み進むと読者の予想は大きく裏切られる。これだけのボリュームの書き下ろしシリーズとなると、巻を重ねる度につまらなくなる作品が多いのだが、この作品は面白さが増すという稀有な例だろう。

    0
    2014年08月06日
  • フェイスレス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結

    Posted by ブクログ

    なかなか面白いぞ!キャラクター設定もそれぞれ個性を出しつつできていて感情移入しやすいし、映画やドラマになりそう!しかし、つづく・・かよ!
    次読みます!

    0
    2014年01月26日
  • 処刑国会

    Posted by ブクログ

    テロリスト集団が国会を占拠し、与党の疑惑議員を証言台に立たせ国民裁判を始めるという前代未聞の事件が勃発。
    謎のリーダー「コッカイくん」が暴く疑惑は、現実の事件をなぞるものばかりー国有地払い下げ、改竄されられた公務員の自殺、”学術会議”に推薦されたメンバーの非承認、カルト教団との癒着問題、信者二世による癒着の要にいた元首相狙撃と国葬問題、さらには裏金問題等々、文庫書き下ろしならではの同時代性が。
    最新のポリグラフを駆使し、疑惑が暴かれる議員にネット投票で判決が下され、別室で処刑が執行される。
    科される刑は、焚刑、舌を抜く、議員辞職、無罪放免、戦々恐々とする議員たち。
    この非常事態に、公安と自衛隊

    0
    2025年02月10日
  • 刑事の灯

    Posted by ブクログ

    警察小説の書き手としては新しめの4作家の作品を収録したアンソロジー。
    既にシリーズ化されているモノもあれば、単発モノもあり、内容が、医療系、ファンタジー系、コメディ系。公安バイオレンス系と幅広いジャンルを揃えている。
    アンソロジーならではの楽しみの一冊。

    0
    2023年07月18日
  • クランI 警視庁捜査一課・晴山旭の密命

    Posted by ブクログ

    シリーズ物第一弾。同じ様なシリーズ物が有りましたが結構面白く読み続けたくなりました。物語の大きな流れはそう変わらないでしょうが、楽しみに期待したいと思います。現在は第二弾に突入中です。

    0
    2023年06月23日
  • 偽りの捜査線 警察小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    警察小説を得意とする実力派作家にて固められた警察小説アンソロジー。
    一言で警察と言っても色んな組織があり、本作においても、公安刑事、警察犬担当、新任刑事、県警本部捜査刑事、交番勤務の警察官、県警本部刑事、公安刑事とバラエティ豊かな内容。
    短編ならではのキレ味鋭いオチ。短編らしからぬ味のある余韻を持つもの。シリーズ化してほしいなと思えるような魅力的なキャラクターや舞台設定のもの。いずれも読み応え抜群の7作品。

    0
    2023年04月07日
  • 世界警察3 簒奪のオブシディアン

    Posted by ブクログ

    4弱、かな。かなり核心に近づいてきたと思うけど、なんというか、少しずつ少しずつ核心に近づいていき、でもなかなか触れない、という「引き」があまり長すぎると焦れったいを通り越してうんざりしてしまい、最後は放り投げるということがないことを祈りたい。

    0
    2023年01月23日
  • 偽りの捜査線 警察小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    読みやすい長さだけど読み応えがある。初めて読んだ作家もいたが好きな作風だったので、長編も読んでみたい。特定の作家に偏りがちなのでオムニバスは新境地を見つけるのに役立つ。

    0
    2022年08月03日
  • 刑事の灯

    Posted by ブクログ

    吉川作品以外は興味なく。「ファーストレディの黒子」はこんな体裁の本に短編で発表するのが非常に勿体ない。「十三階」シリーズと「原麻希」シリーズの合体で、かつ黒江も原麻希も登場せず、そのオトコが警察学校同期で。。というファンには垂涎ものの設定で、この設定をスピンオフ短編で終わらせるのは何度も言うが本当に勿体ない。内容もプロットも本当に良いのに。。。
    麻見氏の「星の傷痕」はそこそこ面白かったので、別の作品を読んでみたい。
    残り2篇は個人的に全く刺さらず。

    0
    2020年07月03日
  • 刑事の灯

    Posted by ブクログ

    麻見和史、沢村鐵、藤崎翔、吉川英梨『刑事の灯』双葉文庫。

    シリーズ第3弾。新進気鋭4人の作家による4編の短編を収録した警察小説アンソロジー。些か奇をてらった感の強い短編ばかりが並び、ストレートな警察小説が読みたかったというのが、正直な感想。

    麻見和史『星の傷痕』、沢村鐵『道案内 警視庁捜査一課・小野瀬遙の黄昏事件簿』、藤崎翔『読心刑事・神尾瑠美』、吉川英梨『ファーストレディの黒子』を収録。

    麻見和史『星の傷痕』。転落死した男の身体に残された星形の傷を手掛かりに、ネガティブ思考の黒星とポジティブ思考の白石の2人の刑事が事件を捜査する。

    沢村鐵『道案内 警視庁捜査一課・小野瀬遙の黄昏事件簿

    0
    2020年04月19日
  • 雨の鎮魂歌

    Posted by ブクログ

    ミステリだけど、青春物語…という、裏表紙のあらすじ文やや巻末解説者の言葉に納得。

    終始雨に包まれたような、薄暗い世界観の中で紡がれる物語。あいだあいだに挟まれる、仲間たちとの交流に心を洗われつつ、きっと重く哀しく切ないものになるのだろうとしか思えないラストシーンへ向かっていく…。そんな読書時間を過ごした。

    ミステリらしくちょっと驚くような謎の開示となる展開も見せつつ、やはり上記にも記したように、少年たちの成長の物語でも、確かにある。

    ★4つ、8ポイント。
    2018.12.13.新。

    ※自分の読解力の無さが悔やまれるのみなのだが…終盤での路子の台詞、埠頭での対決シーンの終わり、藤原が驚愕

    0
    2018年12月13日
  • クランVI 警視庁内密命組織・最後の任務

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「クランI」から約2年半、ついに大団円。私も直助ロス…
    リアルな部分と、ありえない大胆な設定とが入り混じった警察小説で、楽しませていただきました。随分と引っ張ったのにスパッとは終わらないのですね。

    0
    2018年04月28日
  • あの世とこの世を季節は巡る

    Posted by ブクログ

    沢村鐵『あの世とこの世を季節は巡る』潮文庫。

    ホラー短編集。いずれの短編も然程は怖くないが、短編集全体に大きな仕掛けが隠されている。逆に言えば、大きな仕掛けありきで、各短編は仕掛けを構成する小さな欠片に過ぎないようだ。それ故、各短編には物足りなさを感じる。

    第一話『水の中の黒』、第二話『山手六道輪廻線』、第三話『漣の彼方』、第四話『オール・オールライト』、エピローグ『青葉のジャンクション』を収録。

    0
    2018年04月04日