沢村鐵のレビュー一覧
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全容がほぼわかってきました。夢みたいな話だけど、現実にはありうるかも。だから一部の既得権者の間でひた隠しにするのも理解できるし、実際にそういう世の中です。自分や自分の大切な人の命を手玉にとられたら、どんなに使命感に溢れた人でも一度は屈してしまうだろうな。あの渋谷のスクランブル交差点の儀式、気持ち悪過ぎ。世界で「神」なんて呼ばれてる人なんて悪魔とどう違うのかさっぱりわかりません。上郷さん、あっぱれ!最初からわかってたとはいえ、相手の正体がわかるにつれクランが余りに少人数過ぎて、どうやっても討ち死にしか結論がない気がして。あ~、どんな形であれ最後までみんなが生き残ってほしいけど無理なのかな。晴山さ
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シリーズ4作目。完結。
「警察物」と一括りにするのは勿体ないくらい、思想的な要素が多く、考えさせられる結末だった。1作目、2作目と天才ハッカーだったり、中国の暗殺者との攻防が描かれて来たので、ラストも派手な結末と予想をしていたのが、裏切られた感じはする。でも、今までの警察小説にはない結末は、やはり読んで良かったと思える。
他の人のレビューでもあるが、残り200ページ近くを残して、事件は解決したかと思わせ、あとはどのような話が出てくるのだろう?とかなり不思議な構成。しかし、事件解決と見せかけ、本当の敵の存在を静かに暗示していた。
美結が主人公だが、本当の主人公は田中講師だと思う。彼の言葉の重さが -
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シリーズ第2弾。犯人とされる天才ハッカー「C」の身元がさらに明らかになり、「C」は東京スカイツリーを模したと思われる超高層タワーを始め、東京をジャックし始める。美結は前作で救出した佐々木講師と共に、サイバー攻撃を迎え撃とうとするが、今回の本当の敵は中国人の暗殺者「王」。警察と「C」と「王」との三つ巴の闘いが何ともスリリング。今作から美結や吉岡の同期でSAT入りした梓も本格的に登場し、美結自体の登場シーンは少な目だが、脇を固める墨田署の強行班のメンツやSATのメンバーなど、登場人物の熱意に好感が持てる。
事件自体は1作ごとに解決するものの、次から次へと強敵が現れ、今後、どのように終結を迎えていく -
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完結編は、これまでよりも一層哲学的で、メッセージ性の強い物語となっていた。
人類を破滅に近づけたい田中をようやく逮捕した美結たち警察。
それまでに犠牲となった人間は数知れない。
だが悲劇は終わらない。
「C」に突きつけられた暗殺予告。
正当な手段で田中を裁こうとする者たちの前に立ちはだかる、多くの襲撃者たち。
犠牲者たちを前に、辛い気持ちをかかえながらも忠輔の信念は少しも揺るがない。
忠輔の、美結の、そして彼らを信じる者たちの願いは果たして届くのだろうか。
はっきりとした結末は描かれていない。
すぐに勝敗が決するような出来事でもない。
けれど、何年先か、何十年先か、何百年先か。
いつかは忠輔 -
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一柳美結シリーズ2作目。
大学教授を爆殺事件に端を発し、ついに衆人環視の中で行われた唯の暗殺。
すべてを計画し実行した「C」を追う美結たちは、「C」が次々と実行するサイバーテロに翻弄される。
東京ライジングタワーを次々と襲うジャイロの大群。
人質となった人たちを平然と撃ち倒す王。
警察と「C」と王。
三つ巴の決戦の場面はスピード感にあふれ、高まる緊張感が支配している。
誰が味方で誰が本当の敵なのか。
鍵を握っているのは大学講師の佐々木忠輔だ。
人の顔を認識できないという特性を持つ佐々木は、物語の中に登場する人たちの良心を具現化したような人物だ。
常に理論的に、常に正誤を自分に問い周りにも問う。