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Posted by ブクログ
「一柳美結」シリーズ3作目。
一柳美結は謎の男・田中に対面するために彼の待つビルへと向かった。
「C」が映像で告発した田中の悪行を、笑いながらドキュメンタリー作品だと言いながら田中は認めた。
田中は自らの手を血で汚すことはない。
各国の要人たちと親交を持ち、各地の紛争に関与し、ありとあらゆる兵器を売りつけるために争いを奨励している。
その戦いの中で幾千万の人間が死のうと、田中にとっては関係のない出来事だ。
要注意人物として田中をマークした人々は、田中の手の者によって抹殺されていく。
元公安部長もそのひとりだった。
警察内部には田中の手足となって働く者たちが少なからずいる。
そして、佐々木忠輔を中心にした田中に対抗する者たちと、表沙汰にならないところでせめぎあっている。
「ネメシス」でようやく美結の過去が詳細に語られている。
何者かによって惨殺された家族。
はたして美結が生き残ったことは幸運だったのか。
それとも家族と一緒に殺されてしまった方が楽だったのか。
美結には生きていく力が必要だった。
それは、犯人への怒りだ。
未解決事件と呼ばれる事件が日本にもいくつもある。
被害者の家族たちが抱える悲しみ、苦しみ、怒り。
彼らが地獄のような時間を過ごしている瞬間も、犯人はどこかで笑っている。
忠輔が持つ絶対に揺るがない信念。
法律で定められているから。
自分たちの考えが正しいから。
それぞれの立場の者が都合の良い基準で語る「正義」は、あいまいで善と悪の境界を揺れ動く。
争いの根はそこにある。
忠輔は、人が人を殺す行為。
どんな理由があろうと、相手がどんなに卑劣な人間だろうと、命を奪う行為はけっして許されないと考えている。
家族を殺害した犯人が目の前にいたら、美結はいったい何をするのだろう。
警察官としての誇りを持ち、他の人間の命を守るために自らを犠牲にしていった先輩たち。
美結は殺人事件の被害者家族だ。
同時に警察官でもある。
美結はどんな決断を下すのだろう。
警察官としての使命を選ぶのか。
それとも復讐者としての道を選ぶのか。
はたしてどちらに美結の心はどちらに傾くのだろう。
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