【感想・ネタバレ】処刑国会のレビュー

あらすじ

謎のテロリストが衆院本会議場を武力で占拠! 首謀者「コッカイくん」は与党議員を裁判にかけ、裏金問題、カルト宗教との癒着、公文書改ざんを厳しく尋問する。最新のポリグラフを駆使した鑑定結果をリアルタイム中継でネットに公表。彼らの嘘を白日のもとに晒し、誰でも参加できるネット投票で判決を下していく。総理や元幹事長が死刑に処されていくなか、警視庁公安部の幡多は与党議員秘書の親友・知念と連絡を取りながら、突入の準備を進める。衝撃のラストまでノンストップ、史上空前の政治エンタメ小説!

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Posted by ブクログ

494ページの長編でしたが、最後まで緊張感を持って読めました。政治的な裏話が本質的なものなのか、偏った大げさな作り話なのかわからないところが恐いと思いました。

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

沢村鐵『処刑国会』双葉文庫。

沢村鐵の小説の中では一番面白かった。

今の日本の政界は本当に狂っている。それにも関わらず、日本人は何も行動を起こさないという不可思議。与党は旧統一教会というカルト教団と癒着し、集票と裏金作りに勤しみ、宗教団体を背景とする政党と連立政権を組むという異常な状況だ。さらには原発利権や東京五輪、コロナ禍などを巡る搾取の構造。非正規雇用を増やし、異常な物価高を引き起こし、今さら少子化を叫ぶ、馬鹿げた政府の対応。このままだと日本人は間違いなく政治家に殺されるだろう。

そんな政治への不信感と怒りが沸々と伝わってくるような過激なエンタメ小説であった。


通常国会の開催初日に所信表明演説の最中に首相が突然倒れ、直ぐに救急隊員が駆け付ける。しかし、救急隊員の正体はテロリストで様々な覆面や被り物の異形の集団は衆議院本会議場を占拠し、衆議院議員の国民裁判を開始する。

謎の首謀者『コッカイくん』は、議員たちの裏金問題、カルト宗教との癒着、原発問題などに関する質問への回答の真偽を最新のポリグラフで判定し、全世界生中継の状況下でネット投票による判決を下す。

幹事長をはじめとする与党の大物議員に次々と死刑判決が下され、別室で死刑が執行される中、警視庁公安部の幡多充はテロリストの正体を探り、突入の準備を進める。衆議院には議員控室に警察学校同期で元捜査一課刑事で今は与党議員の秘書を務める知念が閉じ込められていた。幡多は知念に連絡を取り、情報収集を試みる。

本体価格900円
★★★★★

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

テロリスト集団が国会を占拠し、与党の疑惑議員を証言台に立たせ国民裁判を始めるという前代未聞の事件が勃発。
謎のリーダー「コッカイくん」が暴く疑惑は、現実の事件をなぞるものばかりー国有地払い下げ、改竄されられた公務員の自殺、”学術会議”に推薦されたメンバーの非承認、カルト教団との癒着問題、信者二世による癒着の要にいた元首相狙撃と国葬問題、さらには裏金問題等々、文庫書き下ろしならではの同時代性が。
最新のポリグラフを駆使し、疑惑が暴かれる議員にネット投票で判決が下され、別室で処刑が執行される。
科される刑は、焚刑、舌を抜く、議員辞職、無罪放免、戦々恐々とする議員たち。
この非常事態に、公安と自衛隊が動き出し、主導権を巡って双方のつばぜり合いが繰り広げられる。
暗澹たる処刑のクロ状況が一転シロ状態に、さらにクロ状況と、めまぐるしく反転する。
一筋縄ではいかない展開に、エンタメの醍醐味を味わう。
現代日本の政治状況に一石を投じるこのような小説が、今後も著されることを期待したい。

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

国会議事堂を占拠したテロリストが、その様子を生配信しながら、与党の政治家を弾劾します。汚職や不祥事を繰り返してもなお権力の座にしがみつき、誠意の見られない答弁に終始する悪徳政治家に、ウソ発見器を突きつけて尋問する「国民裁判」を開廷。そしてその判決は国民がWEB投票で選ぶという劇場型テロです。

登場する汚職政治家たちは、実際に起こった事件に関与した実在の政治家を髣髴とさせます。「あんなヤツ、死んだほうがましだ!」「地獄に堕ちろ」という国民の怨嗟の声を痛快に再現している反面、テロの首謀者である「コッカイくん」は国民にも容赦しません。このような政治家がのさばる社会を作り上げてしまった原因は国民の無関心と無批判にある、と指摘します。
たしかに、この作品を通して、①選挙に行くこと ②「おかしい」と思うことはきちんと批判すること は、民主主義の根幹であり、主権者の(国民の)義務だと強く感じましたし、読者は選挙に行かなければ、という思いを新たにするのではないかと思います。

ただ、物語の後半部分の展開とラストシーンは個人的には好きになれませんでした。テロリストたちの行動で社会がどのように変化するのか(あるいは、また喉元過ぎれば熱さを忘れる、なのか)、日本の社会の行く末(国民の意識の変革という意味で)に未来はあるのか、という問いに「絶望」を突きつけられたような気がします。
もちろん、ラストシーンの解釈は人それぞれでしょうが、政府与党の陰謀が諸悪の根源だ、という主張が垣間見えるような気がしました。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネトウヨがエックス(旧Twitter)で妄想を吐き散らかした様な国会テロ小説、ラストの章含め作者への不満は多々あれど前半は左翼のネトウヨが大喜び、テロリスト『コッカイくん』が少人数で国会制圧し、最新鋭のポリグラフ等で問題議員(裏金問題、森友問題、学術会議任命拒否、官房機密費問題、統一教会問題、経済停滞、非正規雇用、杉田水脈問題、原発問題)に質問・判定し、全世界生放送でネット投票による判決を下す痛快テロリスト小説
現実の狂った政界・政治家に唯々諾々としたがう日本人への警告に見えるが、小説の根底が浅く左翼的な思想の作者にしか見えないのと、ラストが後味悪い

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

あからさまな伏線があり、展開がある程度読めてしまうのが残念。それでも後半の急展開には勢いがあり、引き込まれる。本作のテロリストは、悪政を行う政治家だけでなく、声を上げない民衆に対しても手厳しく、耳が痛い。

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2024年10月18日

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