木原音瀬のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
木原先生の作品、「美しいこと」で一気に引き込まれて、他代表作として書かれていた本作を読みました。起きる現実の淡々とした残酷さが壮絶。ただ真面目に、普通に生きようとするだけの堂野の身に起こる、冤罪との闘い、服役、詐欺被害、子どもの死、妻の浮気。作中で、何一つ、彼は報われない。作品の中で、彼から伝わる絶望や、家庭を築き普通の幸せに対して感じている心の温かさ、裏切られた妻に対して感じていたしがらみはすごく普通で、人間的だと思う。(本当にそんな残酷なことが人生で自分の身に起きたら普通には生きていられないとも思うけど・・)堂野の感情の機微が人間的なのに比べて、感情があまりに幼く描かれていて、際立つ。唯一堂野から愛をねだり、堂野を傷つけられると激情する。人から騙されても気づかない、人を疑わない、堂野の妻もねたまない、殺されかけても恨まない。ずっと堂野が好きだっただけ。最終的に堂野を救ったのが、喜多川の変わらない、子どもが親に求めるような愛だったというのが、とても悲しかった。
個人的にBLの好きなところって、マイノリティで、偏見を持たれやすいという障壁があってもなお惹かれあってしまう熱いところなんですが、箱の中の二人はそういう愛憎劇を超えた、世界に二人しか残されなかったから愛するしかなかった・・みたいな二人でした。
第二部の大江探偵の話も、救われなくていいですね。物語がずっとヒリヒリしてて、最高でした。心奪われる物語でした。めちゃくちゃ好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前巻が2017年 本巻は同人誌としては2018年に刊行されていたのか
コミックスから先に入ったので 小説に動きが生じるかも と期待していたので今回の完結が嬉しい
何より(色々とあるけれど)ハッピーエンドが嬉しい
コミックス発行時 巻末に書き下ろし小説が掲載されている
アルと甥っ子の物語以外は過去話だったけれど
これからの書き下ろしが小説完結後の未来だと嬉しい
コミックスも楽しみだけれど 『精神をタコ殴りにされて』とか木原さんの文章はシリアスでもくすりとしてしまう
最終巻読む前に5巻とアキラの子供時代の巻を読み直していたので 海斗に対するアキラの思いが切ない
本当に優しいのだな と
そして 嘘をついたことを一生後悔していくのだろうな
『世界中にたった一人だけだったとしても お前のことを考えている人間がいる そうお父さんは伝え続けている その気持ちにあの男が気づくかどうかわからないけれども』
『ただ産んだだけでは 人は育たない それを この人はあんまりわかってない』
蓮という存在は暁にとって救いだろうし 蓮にとっても アルが暁に抱いたような感謝の念でいっぱいになる日が来ると思う
無条件に甘えられる存在がいる子供時代となって良かった
『…あの男は嫌な人だ 最悪の人間だ そして可哀想な人だ 不幸ばっかり連鎖させて 幸せになる方法を考えられなかった人だ』
『…怒りは持続しない そして絶望もしない 自分には 安心できる場所と 守ってくれる人がいる だからあの男には何も揺らがされない 目の前にあるものをしっかりと見る 自分の周りを確かめる たくさんの人に愛されている自分は最強で そしてきっとずっと幸せでいられる自信があった』
蓮の面会をゆるした暁にも 自信があったのだろうか
海斗目線だと どんな言葉で物語は紡がれるのだろう?
車内で泣きながら 2人の名前を呼んでいた時 常軌を逸していると思ったが 。。
お婆さんの時は ずっと心に残っていた 記憶も消えない と だれも知らなくても 確かに殺人犯 だというセリフがあったけれど。。ひょっとしたら そこの時点で心が壊れていたのだろうか
『どうでもいい奴の言うことなんて どうでもいいんですよ 優しい人にやられたから こんなはずじゃなかったって ダメージがでかかったんです 嘘つきやがって クソがって』
『…あいつに悪かったって気持ちがなくならない 嘘で傷つくってことを俺は知っていたのに 誰よりも知っていると思ってたのに』
アルが日本に戻ってきて アキラの側にいて 言葉をかけ続けてくれて本当に良かった
キエフのアドバイス通り 支えられる存在になっていて良かった
『かこ かわるない…にんげん もどるない どうにもならない けど みらいある』
『自分は幸せなのかもしれない 自信を持って誰かを 暁を支えると言えること そうすることができると思えることは 幸せなのだ もう 自分は 一人じゃない
…自分が悲しくても 誰かを心配できる人 そういう人だから 好きになったのだ』
これ もしいなかったらアキラどうなっていたのだろう?
職場の人達もいい人達で良かった 確かに普通解雇されるよなぁ。。嘘をつかない=信頼されているんだろう
もしアキラがこの世を去る時 アルがどういった選択をするか分からないけれど
次世代の蓮 キエフと アメリカに三谷もいて
人との繋がりがある未来があって良かった
『ずっと一緒だったから 離れるのは嫌だ だけどいつかは一人立しないといけない 警察官はやめて 二人と一緒にアメリカに行こうかなとも悩んだが やっぱりそれは違うと思い直した』
蓮が自立しているのは性格なのか 教育の賜物か
こうもりの顔に 人間の体 はまだ想像つくけれど
逆バージョン コミックスのシリアスイラストで是非とも観たい。。怖いもの見たさ。。
暁が結構 驚きの時は素直にリアクションするのが微笑ましい -
Posted by ブクログ
ネタバレ完結の最終巻を読む前に、と読み返したが、読み返して本当に良かった。。
最終巻でなぜアキラがああいった選択をしたかが分かる子供時代。
ハイリスクハイリターンではなく、ローリスク、ローリターン。
物凄く嬉しい事を望まない代わりに、物凄く悲しい思いをせずに済む、という生き方。
一方で 情に厚いという二面性
呪術廻戦で主人公を陽キャな根暗 乙骨を陰キャな根明と表現した人がいたが アキラは後者で 海斗は前者だったのかもしれない
(園長 本当、お金、何に使っていたのだろう??ソファーとか備品だったのだとしたら、当時経営状態は最悪だったのか??)
海斗が園長が嫌いだと感じた理由はなんだったのだろう??同僚になってから?蝙蝠の件??敏い子だったのだろうか??
身長は、沢山食べる環境でも低いままだったかもしれないけれど、環境が人を変えるなぁ、と。。
笑顔満載のアキラだったら、また、蝙蝠を飼わなかったら、
忽滑谷との交友関係や、何よりアルとの関係性が無かったかもしれないけれど。
アルが、こういった背景を知らずにアキラを優しいと感じることが出来たのが凄い。
無条件に甘えられる存在がいるって、人格形成に大きく影響するのだなぁ。。
イングリットとはもう関係切れたのだろうか。。
正しく完璧な大人として
別れをアキラは選択したけれど 巻末短編でリチャードを頼る選択をしたわけだし
年賀状のやり取り位はしていてほしい。。
お互い心配かけまいとするけれど、何かあったら絶対助けてくれるような存在でいてほしい。
『売春なんて絶対に絶対に絶対に駄目。体だけって、思うだけかもしれないけど、ああいうのはちょっとずつ心も切り売りしてってるのよ!』
『…十代の子って頭が悪いの 馬鹿なのよ 猿山の猿よりお馬鹿なの…あたしはもういい大人だから 女の格好をしてても 良識はあるのよ だから猿山の猿が何を言ったって 気にしないことにしたわ』
嘘を付く人=弱い人 という見解はアキラと一致しなかったけれど
『…自分に対してだけでなく、どの子供にも平等に優しかった。…芸能人みたいだなと感じるようになった。…誰のものにもならない。』
『自分はいつも一人だった。誰かの特別にはなれなかったし、してもらえなかった。』
『猛烈に…欲しいと思った。この優しくて、暖かいひとに自分だけを見てほしい。本物の父親になってほしい。守ってほしい。』
『…には何も期待していないので、裏切られることもない。…は優しいから、それ以上を期待してしまう。』
『何もできないんだと気づいたとき、…報告をするのをやめた。せっかく話をしているのに、この人は何もしてくれないんだと思いたくなかった。』
『大人になることを考えなければいけない。』
『眠っているように美しく、けれど確実な死。それを感じ取ることで、自分の中で気持ちを整理することができた。…死んだ顔を見られていたら、自分の中で「終わり」をはっきりと感じることができたんだろうか。…美しく最期を迎えることは、残される人、死んでしまった人両方のためだ。』
『人の心なんてわからない。わからないけど、…自分から見えている部分と、そうでない部分の違いはない人だと思っていた。…怖い。…裏切られたくない。。。。信じているものに絶望させられたくない。…もう誰も信じられなくなる。』
『優しくされたい。気にかけてもらいたい。けど優しくされたくない。放っておいてほしい。一人は寂しい。でも優しいのは怖い。嬉しくて怖い。』
『人は人を裏切る。…優しくしても裏切る。…それなら頼りたくない。裏切られるのも、嘘をつかれるのも嫌だ。失望するくらいなら、最初から期待なんてしない方がいい。』
『早く大人になりたい。…自分が子供だから、他に居場所がないから、人を頼りにしてしまう。もし誰にも頼らず一人で生きていくことができたら、こんな思いはしなくてもいい。悔しいとも寂しいとも、悲しいとも思わなくていい。』
『けど見習うはずの大人が噓をつく。それじゃあ誰も信用なんてできない、自分の心の中は、怖くて誰にも見せられない。…あの人は…死んでいるから、もう何も言えない。だからどれだけ愛しても、あの美しい人は永遠に自分を裏切ることはない。…寂しくても一人がいい。誰にも裏切られない一人がいい。』
『自分はきっと ビーズの一粒だ …一つぐらい落ちてもわからない だから死んだって何も変わらない 世の中で生きるというのは そういうことなのかもしれなかった』 -
無料版購入済み
3巻あるし 原作者の方が別にいらっしゃる からなんとなく今まで手が伸びませんでした。でも 試しに読んでみたらこのシリアスさ麻生先生の絵がぴったりです。記憶喪失ものは読み出すとどうしても結末が知りたくなる。というわけで読むと決めました。
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Posted by ブクログ
BLというジャンルを超えた人間小説、みたいな投稿を見て気になって読んだんだけど…
BL界の芥川賞、なるほど。
これは私の知ってるBLではない。
ずっとしんどい、ずっと不安。
若手アイドル起用して実写化してキラキラ演じさせられるような代物ではない。
てかこれは恋愛ものなのか疑問に思う始末。
ただただひたむきで重くて異常で無垢。
『脆弱な詐欺師』からはもう
涙なしには読めなかった。
ちなみにあとがきは三浦しをんさん。
ノベルス版とやらに続編があるみたいで激賞しておられたので私も読みたい。
一部言いたいこともあるにはあるけどそれを上回る大満足の★5
喜多川圭。
『悪人』の清水祐一に通ずるものがある。
実写化したとして誰が演じても納得いかないだろうといういらん自信がある。 -
Posted by ブクログ
衝撃度指数。
最大100%のうち、500%…
上巻に引き続き、お股がヒュンってなって危うく消えそうになりました(何がってナニが…)
灰の月は総じてどんな物語か。私には説明が不可能なので木原さんのあとがきの言葉を引用させて頂きます。
「殺伐とした、ある意味狂った人たちの胸焼けする話を最後までお読みいただき、ありがとうございました。」
個人的には胸焼けと言うよりもガツンとやられて読み終えた今も放心状態ですが、このテンションのまま感想を書いた方が500%が伝わるかなと思ったのですが…
そもそもどう感想を書けば良いか分からない事に気付く。
ですが星は勿論5です。
ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、インテリ美人ヤクザの聡一さん、下巻の方が、特に最後の聡一さんが1番好きでした。
一見、変態の私が驚愕する程の変態MAXな聡一さんだけど、下巻で、いや聡一さんは実はピュア過ぎるのでは…?と思い直す。
既読の方の中では賛否両論あると思うのですが、私は下巻の聡一さんがめちゃくちゃ好きだった。
なんという純粋な想い…報われるか分からないのにここまでするとは…。いっそ泣けていた、私は。
秘書兼ボディーガードの嘉藤も、拒絶し複雑な想いを抱えながらも全く見捨てないし、それを人は愛と呼ぶのだぜ?!と何度も心で語りかけてしまった。
なので、エンディングも物凄く良かった。良かったよ、本当に!!
今まで読んだBLの中で実は1番の純愛なんじゃないのか、これ…。
そう思ってしまう私も狂ってるのか…?
それでも良いわ、深淵を覗く時、深淵もこちらを覗いてるんだから。(ニーチェもビックリだわ)
下巻はヤクザの抗争も丁寧に描かれていて、そっち方面でもハラハラ出来るのですが、途中とその後の衝撃で全部吹っ飛ぶ。ヒュンってなる。
色んな方面でエグいのに耐性がある私でも吹っ飛んだ。
BLを読み始めてまだ浅いのですが、木原さんのは相変わらずジャンルを超越して来てる。それは私にも伝わる。
一番強烈だったのは、やっぱり惣一がピュアを煮詰め過ぎてとある物をアレする所(壮大なネタバレなので伏せますが、アレコレ想像してみて下さい)
ふぁあ?!となったけど、読み進めつつ考えてみるとあの場面はただの衝撃描写では無く、惣一の孤独や渇望が凝縮されていて、哀しさが押し寄せて来る。そして驚愕と哀しみと純度500%の純愛に、読み手の心をめちゃくちゃにしてくる。
更に嘉藤との関係も真っ直ぐにはならず、捻れた愛や依存に満ちてて苦しいのに、どうしても目を逸らせない!
ページを閉じてもずっと余韻が残って、今放心状態…と言うわけです。
簡単に「よかった」とか「面白かった」とは言えない作品です。
でも間違いなく、読んでしまったら忘れられない一冊。
『箱の中』よりも衝撃度は上。まあ別物ですけども。
そして私は好き。でもここでは素直に言えるけど、安易に「好きだった」と紹介すると私のイメージがどえらいことになる作品なのも事実…。
BL文学と言うジャンルと照らし合わせて思った事も少し。
基本的にハッピーエンドが多いと言われるジャンルですが、本作も私的にはハッピーエンドです。
私が読んできたBL文学はどれも美しく、性別を越えた先にある純愛に恍惚とする方が多い理由が分かりました。
そんな中で木原さんの作品は生々しい問題も盛り込まれている印象です。ずっと恍惚としたい方からすると、綺麗なステンドグラスを全力で回し蹴りされた上に、バールのようなものでこれでもかと叩き割られる感覚になるかも知れません。
けれど、木原さんの作品には割った先に一つだけ野花が綺麗に咲いているイメージ。
その美しさに激しく心を揺さぶられる。
ヒュンってなるけど。
本作は『月に笑う』のスピンオフらしいので、また本編も読んでみたいと思います。みんみんさんが仰るにはヒュンってしないそうです。
みんみんさん、お勧めしにくい作品をご紹介下さりありがとうございます!木原さんが益々好きになりました!木原さんには変わらずにステンドグラスを叩き割って欲しいです。
さて、放心したまま夕飯の食材の買い出しに行こうと思います。
ずっとヤクザの抗争に揉まれていたので肩で風切って歩いてしまいそう(昭和のヤクザ寄り)
次のBLはおびのりさんの推しのお褌を堪能する予定です(凄く誤解されそうな書き方…) -
Posted by ブクログ
ネタバレ何度も読んでいます。が、本音を言えば、この本は後半にあたる「愛しいこと」のカタルシスを最大に味わうためにあると思っています。
「美しいこと」のみで、その後を読んでない方が多いようなので、声を大にして言いたい。
「愛しいこと」を読んで、初めてこの物語は最高になるのです…!!
もちろん「美しいこと」だけでも木原ワールドは全開なので痛いながらも楽しめるのですが、あまりに松岡くんが可哀想です。
いつの世もクソ鈍感で高慢な攻め(外見はパッとしない)に傷つけられる美しくて優しくて男前な受けはいるけれども、やっぱり傷つけられたままだったら悲しすぎる。
美しくて健気な受けが幸せになるところを見たい…!!!
っていう気持ちが昇華されるのが「愛しいこと」です。
そうだよ、松岡くんは女装してなくてもかわいいんだよ、分かったか寛末!!!ってキレつつ(笑)、松岡くんの思いが報われたことに涙する…
特に電車のシーンは必見です。 -
Posted by ブクログ
原作を読んでいる方の中には、裸エプロンのシーンを楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。(私だけじゃないはず)
原作が完結してしまったのは寂しいですが、コミカライズがまだ続いてくれるのが救いです。
アルのコウモリ姿は相変わらずかわいいし、暁が口の中を切ってキスしながら血を与えるシーンは、官能的かつ、互いを思い合っているのが伝わってきて感動。アルは暁のことが大好きだけど、暁にとってはそれがあくまでアルを助けるための行為であって、アル自身もそれを分かっている。それでもなお、自分のためにそこまでしてくれることが嬉しくて…そこがまた切なくて、たまらなく胸に響きました。
巻末にある木原音瀬先生描き下ろしの「キエフ20years ago」にはホロリ。さらに、コミコミで購入すると付いてくる羅川真里茂先生の描き下ろしペーパーもおもしろかった!あのTシャツ、私も欲しい。恥ずかしくて、きっとパジャマ代わりにしかできなさそうだけど。
特典のショートストーリーも毎回見逃せなくて、本当に大好きな作品です。 -
Posted by ブクログ
まだ数冊しか読んでいない私でも分かる…。木原さんは紛うことなきBL界の極北である!!
前人未到の地で執筆されておられる!!
みんみんさんがおびのりさんと私にしか勧められないと仰っていましたが、予想以上にその通りでした笑
ちゃんとした感想は下巻の方に纏めようと思いますが、とにかくのっけからフルボルテージで痛い。
痛い…痛い!!!
もう途中のあるシーンなんかヒュンってなって冷や汗出ました。本当にヒュンってなった(どこがって?放送禁止音入れてください、ぴーーーー)
これ、男性で読まれている方はいらっしゃるのでしょうか?
いらっしゃったら絶対にあのシーンでヒュンってなるはず!賭けても良い!(ポテチのビッグパックを)
いや、ヒュンの話は良いんですよ。
本作はもう仁義なき戦いの頃のようにオラオラではやって行けないヤクザさんのお話。
ヤクザが生き残るには知恵と要領も必要な時代。
そんな中、本橋組の跡目である主人公の聡一は頭を使って金を生みだす天才。見目も良いし冷酷な所もあるし、2代目としては将来有望株なインテリヤクザ。
異常な性欲を除けば。
惣一に心酔してずっと秘書兼ボディーガードとして付き従っているイケメン嘉藤。本好きだしクールだし目の前で聡一が乱行してようが平気で読書が出来る肝の据わった男。
未だ上巻とは言え、これからこの2人がどういう関係になって行くのかこれっぽっちも予想が付かない。
暫くキュンキュンとか切ないBLばかり読んでいたのでこの木原さん節、忘れていました。
物凄い洗礼を受けている途中です。ああ、これだ、この感じ。
全く未知の扉を開かされて、気付けばその扉の向こうで何度も一本背負いされて、それでも先が気になって自ら投げ飛ばされに行く感じ。
木原さんの筆力が物凄い熱を持っているので止まらないんですよね。
80%アレ。その上痛い(心身共に痛くなる)
完全に読み手を選ぶBLの中の極北も極北。
でもですね…星5だわこれは!
異常性欲×異常忠誠心のぶつかり合い!
ある意味、純愛のガチンコ勝負。
まともなようで嘉藤もぶっ飛んでる。あ、受け攻め逆だった。まあ良いか(攻めを左に書いて×するらしいですね。どうでも良い知識がまた学べましたね)
ヒュンのシーンはヒュンするけど、2人の相手に対する感情のズレが見事に表現された凄いシーンだと思う。
あれを書けるのは木原さんの他にはいない気がする。
さあ、下巻はどうなるのか…。
ドキドキが止まらないze!!(色んな意味で)
どんなラストになるか毛ほども想像が付かない。
これも木原さんの凄い所。
本作には最後におまけの短編が2篇載っているのですが、全く知らない2人のお話。共通なのは主人公が元本橋組だったという事位。(こちらは割と甘々)
君たち、誰…?
と思っていたら、本来はこの2人のお話『月に笑う』がメインだそうです。
本作『灰の月』はスピンオフでなんと同人誌だったのが、商業用として出されたそうです。
BLって作家さんご自身が同人誌を書いて、それが商業用になったりするのですね。面白いなあ。
読者の私としては読ませて頂けて有難い話です。
総括のちゃんとした感想は下巻にて。
ところで、本作は電子書籍なので移動中や寝る前、自宅での読書時間は『続巷説百物語』を拝読している私。
時には江戸時代であやかしの謎を追い、時にはヤクザさんの特殊性欲と言う名の狂気に近い純愛にヒュンとなり、忙しい毎日を送っております。