木原音瀬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレうわぁうわぁうわぁなんじゃこりゃー!!!
と思いながら夢中で読んだこちらの作品。
木原音瀬さんの作品は、以前『箱の中』という別の作品を読んでいて、結構重い感じだったのでこちらもそういう作品なんだろうなと手を出さずにいました…が!!!
なんかもうピュアというか、恋愛の葛藤というか、もどかしさというか、
ずっと床をごろごろ転がって胸がキュンキュン(死語だとわかってるけどこの表現しか浮かばない)して、違う意味でしんどい作品だった。
そしてとにかく読みやすい文体。
主人公にも感情移入しやすい。
唯一同期だけ腹が立ったけど、あとはみんな良心的。
BLといえば、
すれ違ったり葛藤しても『嫌われてると思ったら勘違いだった!』『ノンケだったけど体の関係持ってみたら好きになった!』みたいな感じで割とこちらも安心感持ってくっつく過程を見れるんだが…これは違った。
『どーせ大丈夫でしょ?』と読者同様思ってる主人公をビンタするような展開(笑)
そしてしんどい…のに!!期待してはビンタされ、でも期待してしまう…!!
なにこれ、DV夫か?
みたいな気持ちになりながら気づけば終盤へ。
私の知ってるBL小説と違う…!!!
なのになぞの読後の多幸感…
以前から地味に気がついていた。
恋愛って、くっついてからより
くっつくまでが一番ドキドキするんだよな…
それを再確認させられました。
でもね、続編ないの???と思っちゃったよね。きっとみんなそうだと思う(笑)
木原音瀬さんは他の作品もあるのだろうか?調べてみよう。
しかし最近イヤミスとかホラーばかり読んでたから、久しぶりに読むきれいなBL…心が洗われたわ…
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購入済み
重かった。でも面白くて一気読みだった。
上下巻読んで、結論として思うのは、どこまでも、最後まで惣一は一途だったなと言うこと。
スタイリッシュで頭もすこぶるよく、手に入らないモノが今まで無かったであろう惣一が、唯一手に入れられなかったのが嘉藤だった。なので気を引きたかったり自暴自棄になったりで変態的な行動を取り続けたけど、嘉藤からは酷く傷つけられてばかりで愛してはもらえず、本当に哀れだった。
父である組長が殺されて、復讐の為立ち上がった惣一を、理想の組長として立たせたい嘉藤の願い通りに、惣一はそれを体現して見せる。けれど、本当の彼の望みは嘉藤に愛してもらえる事だけ。叶わぬ望みと知りながらも体を変えることを選んでしまう程の純粋で強い愛に泣けて泣けて。
嘉藤は恋人としては受け入れてくれないけれど、惣一に対する執着と忠誠は違った形の愛だと思う。二人の生きる世界は非情で危険な救いのない場所なので、義理を立てた苦渋の判断で、二度と取れ返しのつかない失敗を犯してしまった。それでもまだ何とか間に合うのではないかと期待して読み進めたけど、容赦ない結末が待っていて…。
波乱過ぎる人生を送ってきた惣一は、たぶん因果応報の清算をして神に許されたんじゃないかな。嘉藤は時々、なんだこの生き物はと我に返りつつも、惣一と離れることはできなくて、完全にヤクザの世界と縁を切って長い長い余生を二人でささやかに送って行くのだろうな。
泥や汚物にまみれた中から出てきた珠玉のような、純愛の物語でした。 -
ネタバレ 購入済み
焦燥感に追いかけ回されました
凄かった。上巻は地固めで、下巻は本番だった。
ホントに容赦ないストーリー。
暴力シーンも残虐で、ヤクザの世界の理不尽さをリアルに想像できた。坂を転がるように事態が悪化していき、最後に頼れるのは路彦だけ。そして路彦は全力で信二を助ける。行き詰まった二人の関係性は劇的に変化した。路彦の想いは純粋で深い。
子供だった路彦はいつの間にか、賢くて頼れる大人に成長した。寂しさと劣等感から臆病になっていた信二は、路彦を失う怖さからも逃げたけど、最後はちゃんと向き合う事ができた。
タイトルの、『月に笑う』のが誰なのか、ラストシーンでジーンときました。 -
購入済み
上巻を読み終えた。
中学生だった路彦は学校ではイジメにあい、家では厳しい父母に管理され、子供時代の狭い世界の中で初めて素の自分を出すことができたのがチンピラの信二だった。乱暴だけど本質は優しくて面倒見が良い信二に路彦の心は救われた。信二も懐いてどこまでもついてくる路彦が可愛くて弟のように構ってしまうが、二人の関係が路彦の親に知られた時、当然ながら大人達によって二人は引き離された。
その後、二人は引き合うように偶然再会し再び交流を持つが、組の解散により信二は東京へ。そして追いかけるように東京の大学に進学した路彦。この頃には路彦も大人になり、時には性的な関わりを持つのだけど恋人ではない。茶化したり、からかいすぎて泣かせたりしながら気づかない振りをしている。路彦は、ヤクザとして生きる信二の事をただ心配し、でも彼の生き方を決して否定しない。
物語として、今後二人の関係や周りの状況がどうなっていくのか、とても危なっかしくてハラハラする。
BLとしては、少し路彦に年下大型ワンコの気配を感じるようになってきた。
では下巻へ旅立ちます。 -
Posted by ブクログ
買おうか迷ってる人によってややネタバレっぽいことを書いているのでそれでも良い方は続きを読んでください。
木原先生の作品を何かしら読みたいってずっと前から思い意を決して購入。
中身は短編集3つで、
1作目 スパダリと不器用な凄腕俳優の話
濡れ場率高め
2作目 消化器外科とカメラマンの話
濡れ場はそこそこ
3作目 戦争で出会った2人の話
濡れ場なし
って感じでした。
3作目がちょうど良いブロマンスで大変好みです
スパダリ系が好きな方は買って間違いありません!!保証します!!
BL作品をそこまで読まない方は3作目から行った方がいいかも…
次のKISS 30も楽しみ -
ネタバレ 購入済み
木原先生の作品、「美しいこと」で一気に引き込まれて、他代表作として書かれていた本作を読みました。起きる現実の淡々とした残酷さが壮絶。ただ真面目に、普通に生きようとするだけの堂野の身に起こる、冤罪との闘い、服役、詐欺被害、子どもの死、妻の浮気。作中で、何一つ、彼は報われない。作品の中で、彼から伝わる絶望や、家庭を築き普通の幸せに対して感じている心の温かさ、裏切られた妻に対して感じていたしがらみはすごく普通で、人間的だと思う。(本当にそんな残酷なことが人生で自分の身に起きたら普通には生きていられないとも思うけど・・)堂野の感情の機微が人間的なのに比べて、感情があまりに幼く描かれていて、際立つ。唯一堂野から愛をねだり、堂野を傷つけられると激情する。人から騙されても気づかない、人を疑わない、堂野の妻もねたまない、殺されかけても恨まない。ずっと堂野が好きだっただけ。最終的に堂野を救ったのが、喜多川の変わらない、子どもが親に求めるような愛だったというのが、とても悲しかった。
個人的にBLの好きなところって、マイノリティで、偏見を持たれやすいという障壁があってもなお惹かれあってしまう熱いところなんですが、箱の中の二人はそういう愛憎劇を超えた、世界に二人しか残されなかったから愛するしかなかった・・みたいな二人でした。
第二部の大江探偵の話も、救われなくていいですね。物語がずっとヒリヒリしてて、最高でした。心奪われる物語でした。めちゃくちゃ好きです。