雲田はるこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
若いころには行き場のなかった感情の落としどころが見つかる。頑固にこだわっていたことに対して、少し柔軟になる。それが歳をとるということ。最終話で小夏さんも言っていたように、若いってつらいし苦しいし、罪深い。
落語と心中するつもりでいた八雲師が変化した理由は、積み重ねた経験や時の流れによるものじゃないかと思う。とはいえ、情に抗えず未練を残してしまうことへの苦悩や葛藤を、もうちょっと見たかったな。そのうえでいま目の前にあるすべてを肯定してくれたら、物語としての必然性もより感じられた気がする。
それにしても、落語が時代を超えて大衆芸能として生き続けていることってすごい。
江戸から平成までの空気が感 -
Posted by ブクログ
落語が好きで、この漫画も以前から気になっていた。
このほど十巻で完結したと聞き、買って読むことを決断した次第。
だって、何十巻続くかわからない漫画を買い続けるのは怖い。
書棚のことも考えなくちゃいけないから。
あまりアタマは強くなさそうな若者、与太郎が、服役中の慰問高座を見て、八雲師匠の下に弟子入りする。
最初、昔ドラマでやっていた「タイガーアンドドラゴン」を思い起こした。
でも、全く違う、当然のことながら。
兄弟弟子の有楽亭助六の非業の死、八雲が引き取って育てた助六の娘、庫夏との確執など、気になる要素満載。
愛嬌溢れる与太郎と、色っぽく洒脱なようで闇を抱えているような八雲師匠。
人物も魅力