雲田はるこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作風誰かに似ている……。
と、読んだときに思ったのですが、今思い出した。
20年ほど前、マニアな人が読む雑誌に書いていた○○○○太郎さんだ!
あの人のデッサンがくるってるのか正しいのか、古いのか新しいのか、カオスで惹かれる絵柄とどことなしに似ている。
ようするにマニアなのか…。
タイトルかっこいいし、中身見て納得。
好みではないけれど、雰囲気があって家に置いておきたくなる漫画です。
落語の書き方も、落語の漫画を描くのではなく、落語を語る人の色っぽさやかっこよさをいろいろな角度で絵にしているところが、本筋を離れていなくてよい。
すっごく好き! 面白い!というには好みではないけれど、人にすす -
Posted by ブクログ
ネタバレ菊比古と助六の過去話も佳境にはいってまいりましたエ。
みよ吉と逢瀬を重ねまして、破門もなされたものですからずるずるッとみよ吉に引きずられるように落語をぱたりとやめてしまった助六。マア、破門された身ですからやりたくともやれないというほうが正しいのかもしれませぬが。
求められなくなった、だからやめる。
ふるくせェッていうのがそんなに頭に来たのかと首をかしげておりましたが七代目の語るところによりますとなんとマア驚いたことに七代目と同期に助六なる大変な才能を持つ弟子がおりまして、七代目の父親である六代目、そして弟子たちは助六こそがふさわしいと思うほどにその才は目を見張るものでして、七代目はその -
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八雲編も中盤に差し掛かり、落語に人生を懸けた男たちの悲痛な運命が廻る4巻。
人間の性は何時の時代も。落語界も様々な事情がある。名跡という受け継がれる誇りと重圧はどんな者にも降りかかる。求められるものと求められざるものの違いが浮き彫りになった今巻ですが、それでも菊比古にとって助六は必要だったわけです。師匠の人間としての性によって助六を拒否してしまったのはなんとも人間臭い行動でボクは好きです。それも八雲という名の名跡が為してしまった業だと思いますが、それでも息子としての助六を何とかしてやリたいと思っていたのは悲しかった。落語家という噺で表現できる男たちが話で分かり合えない辛さがなんとも皮肉め -
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ITAN買いだして面白かったので購入。落語という歴史ある繋がりの芸を軸に人間の一つのことにかける思いを描いた作品でした。
共に沈める覚悟があるからこそ浮かぶこともできる。落語という文化は現代においてもなお受け継がれているものですが、庶民すべてが知っているかというとそうではありません。そんな文化のなかで客との間に取り憑かれた男たちがカッコよく映りました。嫉妬、羨望、焦燥といった感情すらも落語でもって表現して、客の反応に喜ぶ。落語が好きだからこそ、引けない菊比古と助六の掛け合いも鬼気迫る感じがしてよかった。
この作品は、落語を取り巻く環境や問題などそういった描写も多く、またキャラクターた -
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この巻の途中から、八雲と助六編が始まりました。
もうね、八雲(菊)さんと助六(初太)さんのかっこいいこと、かっこいいこと!
二人の出会いの頃の菊はかわいすぎるけど!
今までの絵から想像していた助六さん、もっと余裕のあるおじさまって感じでしたが、全く違いました(笑)
でも、突拍子もないところが面白くて、かっこいいです。
こういう人って人間味があふれてて、昔の落語家さんっぽくてよいですね。
そんな助六さんに劣等感をもつ八雲さん。
でも、八雲さんは八雲さんで素敵なのに。
自分にないものが欲しくなるのは人の性みたいなもので、仕方ないんだけど、八雲さんだって十分天才だろうに…。
ただ、八雲さんってだ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ興味がないわけじゃないけど、なんとなくかわいいだけの印象があってスルーしていたけれど、巷の“小樽篇”高評価につられて、時系列的にも問題ないとアドバイスも頂いたので、本編すっとばしていきなり読んでみました。
引っ越してお隣さんになって以来、屈託がなく優しい恵ちゃんに、こっそりと(周囲には丸わかりの)恋心を抱いている“みいくん”
複雑な家庭環境の自分にいつだって寄り添ってくれる恵ちゃんだけが救いだった。
カッコいいのにヘタレで泣き虫なみいくん。
天然だけど、意外と何でもちゃんとわかっている恵ちゃん。
恵ちゃんへの恋心がふたりの絆を壊すことを恐れて、鬱屈した欲望を外に向ける自分は汚いと絶望する気持ち