太田紫織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
桜と死体は、よく一つのイメージの中で語られることが多い。
それだけ、桜は、妖しい雰囲気をまとっているということなのだろうが。
ホームズ役の櫻子さんと、ワトソン役の「少年」こと、正太郎のコンビシリーズ。
櫻子さんは、モデル張りのルックスと、口からポンポン飛び出す男言葉のミスマッチがかなり魅力的な女性なのだが、歯に衣着せぬ物言いと、
空気をまったく読まない言動で、正太郎クンをいつも振り回す。
生物の骨を組み立てる標本士という、なかなかユニークな設定だ。
一方の正太郎クンは、草食系の代表のような男子。甘くて、チキンで、女子力のほうが高そうである。
櫻子さんが動くところ、そこでなぜか、人 -
購入済み
一気読み
いつも一気読みしてしまいます。
電子書籍でも とても読みやすいです
ジワジワと変化する
正太郎の思考
櫻子さんとの衝突
あの人は本当に花房と関係ないのか!?
次巻へ繋げる終わり方は
いつも楽しませてくれます
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ11作目で書き下ろし。
短編と長編が1作ずつ。
短編の「蝶の足跡」では、櫻子とばあやが「旅行に出る」といなくなったまま連絡が取れないため、正太郎は薔子さんと磯崎先生の車で探しに行き、層雲峡の廃ホテルで無理心中の母娘の遺体を発見する。
長編の「灰色の追行」はひき逃げ犯の裁判員裁判の話で、被害者と遺族が苦しんでいるのに加害者が法に守られ犯罪を繰り返すのを見て、元裁判員が軽い量刑にしたことに苛まれ、私刑を加える。そこにファントムの影がちらつく。
去年の幾寅の水害の話が出てくるので、同時代で進行してることがわかる。
正太郎は進路を変えて法医学を目指すらしい。
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Posted by ブクログ
櫻子さんシリーズ3作目。短編集。
▼呪われた男
大切な人のために命をかける男と、大切な人の命を守りたいと願う女の物語。
短命の家系、呪われた犬、そして呪われた絵。
それらをつなぎあわせて、櫻子さんはオカルトなどではなく現実の問題として謎を解明していく。
けれど、謎解きのもう一歩先には、隠されていたもうひとつの謎が待ち受けていた。
この世でもっとも難しい謎とは、人の心のありようなのかもしれない。
▼お祖母ちゃんのプリン
亡き祖母と僕こと正太郎の優しくも切ないあたたかな思い出。
入院した祖母を見舞うたびに持って行った祖母がリクエストしていた大好きなプリン。
とろけるような味わいのプリンは、そのま -
Posted by ブクログ
10年ほど前に起きた一人の女性の死にまつわる出来事を記した長編である。
果たして彼女の死は自殺なのか、それとも他殺なのか。
櫻子さんの叔父が残した当時を記録したファイルを手に、「僕」と櫻子さんは関係者たちに話を聞いてまわる。
時が経っても、一人の人間が死んだ事実は、関わった人たちに今も影を落としている。
時間が解決してくれる問題もある。
けれど、死にまつわる記憶は、亡くなった人との関係が密度の高いものであればあるほど、色褪せることはない。
大きすぎる犠牲を払ってまで「僕」と櫻子さんが手にした真実。
けっして後味の良いものではなかったし、犯人の末路もどこか哀れだった。
「画家」の謎は少しも解かれ -
Posted by ブクログ
文庫書き下ろしで、シリーズ9巻目、中編2作。
第1話 狼の時間
Phantomにそそのかされ、自殺志願サイトでその日旭川で決行しようと集まる集団に正太郎は紛れ込み、Phantomに指示されて「誰か」を救おうとする。
向かったのは磯崎先生のかつての教え子仲良し3人組のうちの一人が花房絡みで死に、他の遺体も発見されたあの廃屋。
ちょっと設定に無理がある感じだが。
正太郎は櫻子さんのビンタを食らって当然。
第2話 午前4時のノック
内海巡査のモノローグで始まり、事故物件のアパートの部屋で、明け方ノックの音が聞こえるという怪談風の展開になるのだが、最後は内海巡査が感動して大泣きする結末。
それに