鬼澤忍のレビュー一覧
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お金で買えるものは何か、お金で買うべきでないものはあるか、あるとすればそれを決めるのは何か、そんなお話。
世界では突拍子もないものに値段がついている。驚くような例がたくさん出てきた。
一番印象に残っているのは、「薬物中毒の女性が不妊手術か長期の避妊処置を受ければ、300ドルの現金を与える」という慈...続きを読むPosted by ブクログ -
「ゾンビで生じる神経科学的におかしな動作」を話の種に、「人間の脳神経科学について解説する」本。
最近流行りの「走るゾンビ」と古典的な「ゆっくり歩くゾンビ」は脳科学的には小さな差があることが示されています。あくまでも想像でしかありませんが、綿密なロジックによる説得力は圧巻でした。
非常に面白かっ...続きを読むPosted by ブクログ -
社員は基本的に善良だという信念。そして社員をオーナーのように扱う。
自らを創業者と考え、創業者のように行動する。
採用活動を第一に投資する。時間をかけて最高の人材だけ雇う。
何らかの点で自分より優れた人材だけを雇う。
マネージャーに自チームのメンバー採用を任せてはならない。
マネージャーの意見...続きを読むPosted by ブクログ -
ハーバードのサンデル教授による経済と倫理観について述べられた本。市場至上主義により何もかもがビジネスの対象となり、不公平と腐敗を招いていることを説いている。白熱教室で学生と討論した時と同じく、数多くのことをケーススタディ的に取り上げており、わかりやすく、かつ興味深く読めた。
「絶滅の危機に瀕したク...続きを読むPosted by ブクログ -
HRのイロハのイもわからないまま読んだ。
よくグーグルの凄い点として語られる、素晴らしい制度・文化、優秀な人材はあくまで結果に過ぎない。とわかった。
同じ企業として学ぶべきは、
・試練の前でも信念に従って行動すること
・スモールテストを繰り返して失敗を乗り越えること
・情報の透明性を土台に...続きを読むPosted by ブクログ -
長期的な経済発展の成否を左右する要因は、政治経済制度の違いである。
経済発展には、inclusive=包括的な政治制度(民主政治)と包括的な経済制度(開放的で公平な市場経済)との相互依存というメカニズムが存在する。
また、良いスパイラルとは逆の、独裁政治と収奪的な経済制度との悪循環も同時に存在する。Posted by ブクログ -
①当たり前のことをしている
②みんなそうであろうと思っているけれども、どうもそうならない何かがある。
③そして、それが伝わらない。Posted by ブクログ -
ゾンビはもともとブードゥー教で、作られる存在らしいです。(現在は禁止されているそうですが)
腕をだらーっとたらして、のろのろと動き、自分の意志がない状態。これがゾンビの状態ですが、この状態は、果たして脳がどういうときに、起こりうるのか。これを科学的に検証したのがこの本。
SPAで空想科学研究所み...続きを読むPosted by ブクログ -
小難しい専門用語は読み飛ばし…
ゾンビの症状を解説するという体を取りつつ、脳の認識の仕組みを多角的に読み解いていく。脳に起因するいろんな病気の解説やゾンビ化の原因考察がおもしろい。Posted by ブクログ -
有名な本。遊園地の割り込み権にはじまって、いろいろなモノが売り買いされている現在の経済に関する指摘。例は豊富で非常に興味深いが、根底には次の2つに集約される。不平等と腐敗だ。というわけで、解析パートは単調だが、事例研究として考えてみるに値する問題が多く紹介されている。Posted by ブクログ
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上巻に続き、国家規模の貧富や発展の差がどこから来るかについての研究。資源や文化、人種ではなく、制度であるとする主張とその裏づけが詳しく語られていることや、今世紀に入ってからも同じ愚行を繰り返していることに気づかされとても驚く。国連やNGOなどが貧困対策を講じているがなかなか改善しないことの原因が理解...続きを読むPosted by ブクログ
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長期的な経済発展の成否は、政治経済制度のちがいであり、社会を支配している制度的枠組みが、収奪的であるのか、包括的であるのか、の違いが、持続的な経済成長が可能となるかどうかを左右していると、主張している。Posted by ブクログ
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下巻では、ヨーロッパに植民地にされた南米やアフリカの国々が、その遺産の制度にどのように対処したかによって、今日の貧困などの状況へと至る道筋を歴史的に見ることができます。また、先見の明のあるリーダー達によってそれを回避できた事実も教えてくれます。
収奪的な制度、包括的な制度という2つの選択肢から、いか...続きを読むPosted by ブクログ -
「滅亡へのカウントダウン」
何とも気分の晴れない本だった。人口爆発による人類の危機についての各地のレポートと種々の回避策についてのノンフィクションである。
昔、高校の時にローマクラブの「成長の限界」が大きな反響を呼んだときのことを思い出す。あのときは石油が40年で枯渇するといわれ、そのうち電気製品を...続きを読むPosted by ブクログ -
なぜいま国家や地域によって経済や成長にここまで格差が生じているのかを考察した本。名著「銃、病原菌、鉄」では「近くにいた動植物がたまたま飼いならしやすいもので食料化し、かつそれらにいた病原菌を欧州民族が最初に抗体をつけたから」みたいな要因に格差が生じる根本原因を見出していたが、本書ではそれを社会システ...続きを読むPosted by ブクログ
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読み進めるにつれて、この題名の意味について考えさせられる。・・・・副題だけで十分ではないかと。
たびたび手を休め、考える。副題だけだと、「何だ、富や権力起源はそんなところなのかー」と、狭い範囲で納得してしまう気がした。
今、12章の悪循環を読んだいる途中だが、最後まで読み、通読してから、タイト...続きを読むPosted by ブクログ -
市場原理主義に対して、具体的な事例を挙げながら、倫理的な面からの考察をしている。
事例が秀逸で、非常にわかりやすい。
倫理的に許される範囲なのかどうかの線引きは明確にはしていないが、そこはコミュニタリアニズムのサンデルらしい落としどころ。
良著。Posted by ブクログ -
日本は分権、中国は中央集権、大きさが全く違うのに中国が中央集権を出来たのはすごい。
豊かになるには搾取するか、独占するか。奴隷制度、プランテーション。メディアの独占。
日本もドイツも経済的に豊かだったがそこからナチス、軍国主義が生まれている。
搾取をしないのであれば、何かの制限をかけて対等な豊かさを...続きを読むPosted by ブクログ -
収奪の体制になると経済的な成長が止まるという理論。過去のいろいろな地域、国を事例として説明している。
政治体制によって経済体制が決まり、成長のインセンティブが働くなくなると国家は衰退する。国家の衰退を経済的な衰退ととらえている。
政治体制が民主的であれば経済成長が促される仕組みになっている。ただ、ロ...続きを読むPosted by ブクログ -
「国家はなぜ衰退するのか」(上)は「国家はなぜ衰退したのか」「国家はなぜ繁栄したのか」「国家はなぜ繁栄できないのか」の事例のショーケースでした。包括的制度と収奪的制度という本書の提示するフレームワークのもと、産業のイノベーションが事業者に対してインセンティブをもたらす政治体制かどうか、というシンプル...続きを読むPosted by ブクログ