鬼澤忍のレビュー一覧
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ネタバレ頂点に立つ人びとは、自分は自分の手にしている境遇にふさわしい人間であり、底辺にいる人びともまたその境遇にふさわしいという独りよがりの信念を持ちやすい。
リベラル派 保守派
左派 右派
民主党 共和党
主流派 反主流派
ヒラリー トランプ
道徳的に行動する責任を負わせることと、われわれ一人ひとりが自分の運命に全責任を負っていると想定することは全く別である。
神は正義に叶う、神は全能、悪が存在 この三つの見解を同時に取ることは難しい
→人間の自由意志 悪への責任を神から人間へ移行する考え
リベラリズムの先駆者
しかし、自由意志を認めれば神の究極の贈り物である十字架にか -
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昨今の世の中の混乱を西洋におけるプロテスタント倫理の崩壊と言う意見を聞くようになりました。
本書でもそのあたりを『自らの健康とささやかな成功を神に感謝する考えから、健康で成功するためにきちんとできる人間である事は神に愛されている証と言う考えに変わり、健康で成功するために努力する事が神に愛される原因と考えるようになり、健康で成功するための努力そのものが個人の選択と能力により獲得できるものと考えるようになり、ついには自分の運命は自分が握るものと言う考えに至った』とページを割いて説明しています。
自分の運命は自分で切り拓くものと言う考えは実に人間本位の考え方だと思います。
多分ですが、今の私がある -
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心がざわざわするということはないだろうか?
そんな時、「こうだったらどうしよう」と思考を巡らせるのは私だけではないはず。
この本はそんな「頭の中のひとりごと」とどう向き合っていくかが書かれている。
頭の中のひとりごとというと本当にさまざまだけれど、この本ではネガティブな要素に関して書かれており、それをチャッターいう名前で表されていた。
強み資質診断ツールの『ストレングスファインダー』で内省が7位だったわたし。
この内省が磨かれるのかな?と思い手に取ってみたが、チャッターと内省は別物だったということが判明した。
私なりの解釈になるが、チャッターは自分の内面や感情に焦点を当て、心の状態を -
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社会に対する主張や行動に個人が一貫性を高めるのがとても難しいことがある。一貫性の罠に囚われず、「白書など存在しないかのように戦争ではイギリス軍を支援し、戦争など存在しないかのように白書に抵抗しなければならない」とするスタンスは示唆に富んでいるし、日々の暮らしで実践できる。こんなスタンスはなんかかっこ悪いかも知れないし、人には説明しにくい。いちいち考えなければならない労力は掛かるし、もちろん全ての判断材料を把握しているわけでもないので選択を誤る可能性もある。でも、そんな解を示した先人に共感する。
めんどくさいけど民主主義ってなそういうもんだ、と勝海舟に言わせたみなもと太郎さんに。
第一部の「ア -
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前半はイスラエル建国の歴史を、後半はテーマ別の話と言う二部構成です。
ベン・グリオンの三角形、ユダヤ人の国家・民主主義国家・領土を維持すると言う3つの方針がすべて同時に成立する事はないと言う考えはとても新鮮な視点でした。
お互いに信仰や実体験で築かれた強い絆をムキになって否定したり無視したりしても、自分はいい気分なっても、相手が感じている事を感じなくさせる事はできないとは、否定だけでは何も生まないと言う、まさにその通りだと思います。
今の日本でも多様性や寛容やナショナリズムや日本人ファーストと言った考えが物事の対極のように語られていますが、やはりベン・グリオンの三角形のように同時に成立さ -
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当たり前だと思ってきた「能力主義」というものを根本から考え直させられました。
努力すれば報われる、教育機会を広げれば公平になる…リベラルな考えに比較的共感してきて、これまで善意だと思っていた考えが、実は「成功できなかった人は失敗者」という偏見を助長しているのではないか、と気づいて少し衝撃を受けました。
私たちは生まれてから受験、就活、昇進とずっと選別され続けています。何かしらの基準で「優れている」「劣っている」とラベルを貼られるのが当たり前になっていて、達成した人は驕り、達成できなかった人は自分を責めてしまう。
でも本当に大事なのは、そうした基準を超えて、どんな立場の人も尊厳をもって生きられ -
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私は心の中の独り言が多いタイプで、例えば、嫌なことがあった時にはそのことを延々と考え続け、また、誰かと話した後は嫌なことを言ってしまってないかと1人反省会をするなどしていた。そして、それによりどんどんマイナスな方向に物事を考えてしまっていた。
そんな私にとって、心の中の独り言からポジティブな効果を得る方法を記したこの本はぴったりだった。
特に、以前はネガティブなことを考えるのを無理やりやめようとしていたが、そうではなくある簡単な(すぐ実践できる)方法により客観的にその物事を捉えられるようになったことは良い収穫だった。
不安な気持ちに苛まれた際にはまた読み直そうと思う。 -
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イスラエルパレスチナ問題に関するニュースは毎日のように見かけるけど、実際詳しいことはよく知らなかったので知識を付ける目的でこの本を読み始めた。
正直イスラエルパレスチナ問題に関してはイギリスが二枚舌外交をして今のようなややこしい状態になってしまった、くらいの認識しかなかった。その後何度か和平に近づいたこと、それが毎回阻まれてしまったこと、現代においてもイスラエルが入植活動をしていること、イスラエルも一枚岩ではないことなど全然知らなかったことをこの本を通じて知ることができた。
ベングリオンの三角形はイスラエルの問題を的確に表していて、ユダヤ人国家であること、民主主義国家であること、新しい占領地を -
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我々の幸福の大前提である「人間の尊厳」そして誰もが従う「正義」に照らして「能力主義」は人間の尊厳を踏み躙る平等主義の間違った理想であり、正義ではない、という話。
能力ですべてを決める。能力はその人の努力の賜物である。そうすると、努力しても社会が認める能力を持てない人には自信の喪失、屈辱と敗北感、そして貧困が待っている。すべての子供に教育の機会を与えるというACジャパンのCMや、高校の授業料無料といった施策が善とされる。しかし、お金や機会の問題ではなく勉強ができない人は逃げ場がなくなる。成功した者は「機会の平等」を与えれば解決すると思い込んでるが、それは平等ではなく能力を基準とした不平等の再配 -
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ネタバレ行き過ぎた資本主義は、全ての物をお金で取引できる市場主義へと変えてしまった。お金の為に人身売買や臓器売買までもが需要と供給によって成り立ってしまう場合だって有るのだ。そこには道徳やモラルが歯止めになる事もあるが、当事者同士が双方利益を享受出来るとしたら、そして市場として成り立ってしまったら、そう考えると恐ろしい世界になってしまうだろう。イスラエルの幼稚園では、時間になっても子供を迎えに来ない親を如何に減らすか、対策として罰金を設ける事にした。結果はどうだろう?意に反して子供を迎えに来ない親が増えてしまった。親たちは、罰金を料金と受け止めてしまったのだ。
などなど、色んな考えさせられる事例がこの