鬼澤忍のレビュー一覧

  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    イスラエルに暮らしていたこともある、リベラルなユダヤ系アメリカ人の著者が、イスラエルの歴史と現状を解説する本。現在のガザで起きていることを理解する一助になるかと思い手に取る。
    ジョークは多々交えられるも、読後感は重苦しい。イスラエルは、ユダヤ人にとっての希望の地であり、ヨーロッパが中東に押し付けた尻拭いの末路であり、アメリカの恋人であり、パレスチナ人を苦しめる厄災とも言えるかもしれない。イスラエルは(少なくともユダヤ人にとって)必要だったが、現状の有り様が満足できるものとは言い難い。
    ヨーロッパにおけるユダヤ人の迫害、イスラエル建国とナクバ、アラブ諸国とイスラエルの相次ぐ戦争、右派政権の台頭に

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    2024年06月23日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    実力も運のうち。
    運が良い過程の育ったなら、実力も高くなる。
    特に学歴は家庭の所得と大きく関係している。
    機会は均等に与えられているとされているが、実際なスタート地点が違うのだから同じではない。
    高学歴者と低学歴労働者との間の格差が広がり、それがアメリカではトランプの当選につながったと説明されている。
    アメリカの現状がとてもよく分かった。

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    2024年05月21日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    中東戦争、イスラエルパレスチナ問題はニュースで長年流れていますが、お恥ずかしながらどことどこが戦って、敵で、味方で、そもそもなんでこんな争いになっているのか、よく聞く人名や組織名がなんなのかが理解できず…。
    そんなイスラエルパレスチ問題をユダヤ系アメリカ人で、イスラエルを真の民主主義国家達成を目指すNGO代表でもある著者が語る。


    こちらの本は聖書時代に遡る歴史問題に、周辺諸国や欧米各国の思惑が絡み合い手出し口出しされ、「人類史上最も厄介な問題」になっているイスラエル・パレスチナのことをわかりやすく書かれている。…のだが、込み入りすぎている上に、それぞれの国や組織がその都度方針を変えるのでや

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    2024年05月13日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    わたしの人生の中でこれまで「正義」について考えたこともなかった。「正義」に限定せずあらゆる視点で物事をみる楽しさがあります。またいつか読み返します。

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    2024年03月23日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

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    四騎士として戦争、革命、崩壊、疫病を挙げ歴史上それらが不平等の解消にどれくらい寄与したのかが細かいデータに基づいて述べられている。
    結論から言うと暴力を伴わない富の再配分は効果が薄く、累進課税制をはじめとした平和的な制度によるアプローチは論外でフランス革命や共産主義革命ですら効果は限定的だったという救いのない考察。個人的にはベターな選択肢として第三次世界大戦が始まるよりも格差のある平和な世界を望んでしまう。

    Chaos isn't a pit.Chaos is a ladder.
    読みながら「ゲームオブスローンズ」リトルフィンガーの言葉を思い出した。

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    2024年02月10日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    真の平等とは何か?を考えさせられる本だった。オバマ元大統領等、過去の大統領らの発言・境遇を例とした論拠は理解しやすく、能力主義を市場原理と道徳性の観点から分けて説明している点も分かりやすい。
    社会への目の向け方に気づきを与えてくれる一冊。おすすめです。

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    2024年02月04日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    自分の正義(信念)は一体なんなのか。人それぞれの想う正義があり、それを信じて生きている。
    全て正義である。自分の正義は自分で決める。とても考えさせられる本でした。ぜひぜひ読んで欲しい本です。

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    2024年02月04日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    ユダヤ系アメリカ人が書いたアラブとイスラエルの関係史。
    複雑に絡みあった状況をその歴史、背景から理解できる良書。

    自身がアイデンティティに苦しんだリベラルらしく、現状のイスラエルにはかなり批判的。
    自由と民主主義を求めて父祖の地に移住(帰還)した民族が、先住者である他民族を差別し、ましてや人種隔離政策を推し進めようとしている。

    全世界のユダヤ人に門戸を開いたため、西欧、東欧・ロシア、中東、アフリカにルーツを持つ人々が住み、国内でも階層化が進んでいること(アラブ(イスラム)系イスラエル人は最下層)、長年密接な関係にあった米国のユダヤ人社会においてイスラエルに対する見方が近年大きく変わって来て

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    2024年01月29日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    一貫した主義を持つこと、全員の正義感が一致することの不可能を痛感する本。
    本作では数々の例を挙げ、多角的な視点から各々の意見が述べられる。それらに目を通すうちに己の主義は何なのかと迷走を始めた。
    誰しもが納得のいく政治、経営の難しさが身に染みる一冊となった。

    一点疑問だったのは、アリストテレスの奴隷擁護論で、当時の政府への忖度があったのではないかと疑うほどの脆弱性を感じた。
    ソクラテスの最期を知ってかどうかはわからないが。

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    2024年01月11日
  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

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    自己を精神的にコントロールするための方法を学びたく購入。
    内省方法の概念を覆す一冊だった。

    以下、実践したい学びとTo do。

    ①学び
    ・チャッター(頭の中のお喋り声)とは、循環するネガティブな思考と感情で構成されている

    ②To do
    ・チャッターに見舞われた際は、自分をYouと捉え、「同じ悩みを抱える友人にどんな言葉をかけるのか」を想像して自分に当てはめる

    ・直面している現状を、「今から1年後、それより先の自分がどう感じるのか」を考え、現在の悩みも長期的に見たらたいしたことない、永遠に続くモノではないと思う

    ・愛を込めて(敬意も忘れずに)触れる
    ・生活/仕事環境に秩序を作り出す

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    2023年12月31日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    他の方々と同様にハマスへのイスラエルによる報復のニュースをみて、パレスチナ問題への問題意識と関心を持つきっかけなり本書を手に取る。

    今までの歴史的背景をつぶさに解説し、多角的にこの問題の紛糾する理由、非常にナイーブな立場の軋轢を提示されている。今までのあいまいな理解を整理することができた。

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    2023年12月16日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    著者はアメリカのリベラルなユダヤ人コミュニティ出身とのことですが、ユダヤ系イスラエル人側の主張に偏ることなく、パレスチナ人側の主張や、歴史的背景を丁寧に解説してくれていると感じました。
    ハマスとイスラエルの紛争のニュースを見て、イスラエル問題を知りたいと思い書店で手に取った本でした。
    どちらかの主張に偏ったものではなく、フラットな目線でこの問題を知ることができる本、という点で非常に素晴らしい本でと感じました。

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    2023年12月13日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    在米ユダヤ人によるイスラエル・パレスチナ問題に関する解説書。5月に日経の書評欄に取り上げられていて気になっていたが、買うのを先延ばしにしているうちに事態がだいぶ変わってしまった。
    歴史の記述などが豊富なのは当然として、興味深かった記述は、
    - 原題"Can we talk about Israel?"に表されているように、イスラエル・パレスチナに関する問題になると他のトピックとはうってかわって冷静な議論が難しくなるケースが多い
    - イスラエルの入植や攻撃の批判とanti-semitismは明らかに違うのに、意図的にそこを混ぜた反論がされやすい(現時点でもこれはかなり見られる

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    2023年11月19日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

    匿名

    購入済み

    奇しくも今、ハマスの非道なテロから始まり、イスラエルの自衛権を逸脱した激しい暴力がガザ地区を襲ってます。
    いわば狂信武装テロとイスラエル右翼の狂信への傾きが衝突し、市民が犠牲になってます。
    背景の一面であるイスラエル史の、あまりにも複雑な過程を見事にわかりやすく提示した著者の力量は素晴らしい。
    おそらく子供達にもイスラエル史を教える機会が多い事や、著者の信条が建国初代首相のベン=グリオン、オスロ合意を果たしたラビン首相の系譜に近しいものである事にあると思います。

    #タメになる #切ない #深い

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    2023年11月17日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    イスラエル問題について詳細にかつ公平に(と感じる)書かれた一冊。もうね、こういうの以外は信じちゃダメだなと思った。どれだけ長く現地で記者をやってようが、どれだけ国際情勢に精通してようが、日本人がこの問題をどれだけ分析してみたところでこの著者からしたら「むちゃくちゃ浅い」のよ絶対。両国の間に起きた数々の事実は時系列順に並べればそれなりに歴史っぽくはなるんだけど、それぞれの事実の経緯を説明するに足る宗教観や感性はさ、もうこんなの当事者にしかわからないじゃん。自分がこの問題について全て分かってるわけじゃないけど、イスラエル問題について軽々しく書いてあるメディアに触れるのはほんと良くない。「日本の現在

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    2023年10月24日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    共和主義の伝統的な生産者の倫理の喪失
    能力主義による蔑視、驕りの蔓延=個人主義(≠共同体主義)の蔓延
    アリストテレスの生産を通じた美徳
    教育への選別機能の付加
    競争優位を失いたくないがための完璧主義

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    2023年10月09日
  • ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

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    欧米企業は、ジョブ型や実力主義など、
    人に関して、もっとドライなのかと
    思っていましたが、本書より、
    そうではないことに気付かせてもらいました。

    社会環境や時代が移りゆく中で、
    変化してきたのではないかと思いますが、
    こうした側面を情報として新聞等で、
    取り上げてほしいと感じました。

    答えをすぐ求めずに、
    仮説を立て、実験し、
    社内で実験をすることを伝え、
    進めている点は、公平性、透明性がありました。
    その中で、変化に対して耐性が付き、
    創造性も磨かれていくのだと
    感じました。

    人事系(育成/採用)の方は、もちろんのこと、
    人事系でないマネジャーの方も、
    読んでおくべき良書としてお薦めで

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    2023年10月08日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    イスラエルとパレスチナの問題を過去から比較的中立的な立場で解説していて、非常にわかやすい。迫害を受け続けてきたユダヤ人が、パレスチナの人々を迫害し、アパルトヘイトであるとまで言われるような事を推し進めていることは、なかなか理解できない。
    にもかかわらず、アメリカの福音派キリスト教徒が何故かこのイスラエルの行動を全面的に支援して、事態を悪化させている。
    日本はこの問題について、イスラエルの譲歩を強く求めて行くべきである。

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    2023年08月31日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

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    イスラエル…
    正直、全く知らない時事ネタというところ

    どちらかというと、
    パレスチナは難民が出て可哀想で
    イスラエルは悪者
    みたいな印象があった

    パレスチナと検索すると、BDSなのか?
    完全にイスラエルが一方的に攻撃をしている
    (インティファーダのことなどを書いていない)
    記事が出てきたりする

    今回、中立的な視点でイスラエルの歴史を紐解いてくれているので、複雑さがよくわかった。

    過激派の人たちの思想(完全なゼロサムゲームで、和平など求めておらず、闘い続ければ神に選ばれた自分達が勝利するはず)というのが、衝撃的で…テロリズムってこういうことなのかと思った。

    イスラエル建国の父ベン=グリ

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    2023年08月09日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    ハーバードで長年政治哲学を教え、ハーバード熱血教室でも一躍有名になったサンデル氏の代表作です。本書の冒頭に書かれていますが、正義を議論するには3つのアプローチがある。それは福祉(効用)、自由、道徳である。冒頭ではどれが良い、悪いというような結論は示さず、まさにハーバード流ケースメソッドではありませんが、読者の頭を柔らかくし、視野を広くすることを目指している、という印象を強く感じました。そして最後の方で、ようやくサンデル氏の持論として、「道徳」の大事さ、別の言葉で言えば「連帯的な責任」の重要性を説くわけですが、個人的には説得力があったと思いますし、この展開は納得性がありました。

    サンデル氏とい

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    2023年05月02日