鬼澤忍のレビュー一覧

  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

    Posted by ブクログ

    この本の中でチャッターとは頭の中で考えてしまう悪い妄想の類の内容だと勝手に考えた。
    本の中で出てくる通り、頭の中で起こり自分を陥れてしまうもの。これは自分を責めてしまったり、悪い方向に物事を考えてしまう「妄想」だと考えた。
    なので本の中でも繰り返し自分と距離を取り、俯瞰してみる。そうすることでチャッターを回避できるという。
    あくまでマイナスの方向に向かってしまうものについて体、心の健康に悪いと警鐘を鳴らしている。
    なので楽しくさせる、気持ちの良い内容についてはある意味健康に良いという認識でいる。(あまりにも過度だとそれはそれだが)

    結末に全てが詰まっている。
    困った時は対処法をまた紐解く。

    0
    2025年06月05日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

    Posted by ブクログ

    豊かさの国家間差を生む最大の要因は国家制度が包括的もしくは収奪的かの違いであり、地理説、文化説、無知説というような従来の定説では「国境を境とする2つの街の豊かさの差」を説明がつけられないとし、国家制度による国力発展への影響を様々な歴史事例から多角的に分析した本。

    権力による政治変革・自由競争の阻害は悪循環を生むため、世界各地域で走る保護主義政策はいずれ行き詰まるのではないかと感じた。近年大きく進んだグローバル化への揺り戻しではあるが、元の場所まで着地することはないだろう。
    一方、この本からでは政治権力と市場には限りなく自由と流動性を与えるのがよいと読めるが、その場合は国内の分断が限りなく進む

    0
    2025年05月09日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

    Posted by ブクログ

    面白かった。が、本当にそうなのかなという思いが拭えない。20世紀の一時期だけ経済成長と労働分配率が同時に上がっただけで、本来的にテクノロジーの進化の利益は投資できる資本家のものじゃないのだろうか。人類は経済活動に倫理観を取り込んできたのだと思うが、その蓄積が20世紀の一時期に社会福祉に向かったものの、その後、新自由主義の価値観に揺り戻されただけな気がする。テクノロジーの使い方や分配方法は選べなくて、そのときの価値観が支配的。戦争とか暴動とか災害とか発見とか、何か契機があってガラっと価値観が変わる、その動態という感覚。倫理観、社会やコミュニティへの信頼が大事。あとパワーバランスは柄谷行人を読まな

    0
    2025年03月20日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    Posted by ブクログ

    改めて読むと2024年までのアメリカにおけるポリコレの根っこが理解できる。この本に書かれていることとして、正義の追求には反対、一定マスの道徳に従うべきとあるが、大きく賛同する。
    アメリカのポリコレは行き過ぎた自由主義が暴走したといえよう。

    0
    2025年03月19日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    Posted by ブクログ

    前半は、有名な「トロッコ問題」や「臓器移植の是非」に対して多角的な視点を挙げており、倫理観を育める内容だった。後半は、内容以前に難解な文章で読むのに疲れた。

    0
    2025年03月16日
  • 技術革新と不平等の1000年史 上

    Posted by ブクログ

    イノベーションは労働者の平均賃金を上げる、労働者の生活水準も上げる、などが起こるには条件があるという話。言われるまでもない気がするが、どんな条件かが気になる。結局は資本家が力を増すようなものは労働者を貧しくするということのよう。しかし、1800年代後半になるまで労働者はずっと搾取されてきたのがわかり、かわいそうになる。人は時間をかけて道徳的になったのだな。下巻は現代また搾取が始まっている話らしい。気になる。

    0
    2025年03月08日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    国家が貧困を免れるのは、適切な経済制度、特に私有財産と競争が保証されている場合に限られる。
    エジプトが貧困なのは、砂漠や気候、土壌、文化的特性、イスラム信仰、間違った政策、ではない。限られたエリートによって支配されてきたから。
    イングランド、フランス、合衆国、日本、ボツワナ、ブラジルで政治変革が起きたために、豊かになった。

    アリゾナ州ノガレスと、メキシコのソノラ州ノガレス。同じ地域、気候風土だが、生活は全く違っている。メキシコは独立後50年間、政情不安にあった。アメリカの銀行は、競争があった。メキシコの銀行間にはなかった。政治家は、選挙で勝つためには銀行と結託したくても続けられなかった。メキ

    0
    2025年02月20日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    Posted by ブクログ

    頭でっかちのインテリの考えにもともすると見えてしまうが、国という大きなものを舵取りするためには通らなきゃいけない道だなと思う。 
    具体的なエピソードが全部面白いのでそれなりに楽しめる。

    0
    2025年01月03日
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

    Posted by ブクログ

    20世紀における不平等を解消した方法は、戦争・革命・崩壊・疫病だった。今世紀もいまだ不平等はなくなっていない。その解決策は紹介だけにとどまっているいるけれども、この実態を知ることができたことは実に有意義だった。

    0
    2024年12月20日
  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

    Posted by ブクログ

    「あなた」を使う
    友人に助言すると考える
    経験を一般化する
    視点を変える、ハエになる
    儀式を行う
    触れ合う
    環境に秩序を作り出す、緑を活用する

    0
    2024年12月10日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

    Posted by ブクログ

    近代に入るまでは身分制度があったので、人間は良い意味で不自由であった。身分が違うので農民が貴族に憧れるということはなかった。しかし、人間が自由を持ったことで、人に対する羨望やそれに対する絶望が蔓延するようになった。能力主義を絶対的な正義とする今日の世の中で、成功すれば自分の努力の賜物、失敗も自分のせいという風潮になり、ますます格差が生まれる世の中になった。能力はそれを必要とされる世の中に生まれてこそ発揮されるものであって、それは単に運に過ぎない。例えば、大谷選手が中世のヨーロッパに生まれていたらあんな活躍は恐らくなかったであろう。成功はあくまで運であり、謙虚になることが求められる。

    0
    2024年12月08日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

    Posted by ブクログ

    少し難しい内容でした。
    上巻で人類の歴史上、技術革新が起きたら特権階級の人が富を得る、労働者階級の人は今まで以上の成果を同じ時間で求められるようになった。という内容だったと思います。
    下巻では、自動車工場等で労働者が集まり、労働組合を設立したことで、対抗策を作り技術向上に伴う利益の分配を求めることが出来た。
    このことから、技術革新の恩恵を分配する仕組みが格差を縮める方法であると予想される。
    ここ最近の技術革新とされる人工知能(AI)にも同じことが言える。この技術が特権階級に有利に働く事になれば、富の格差は広がってしまうだろう。
    このAIの技術は会社の経営者と労働者の話ではなく、国家と国民の規模

    0
    2024年12月01日
  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

    Posted by ブクログ

    頭の中の独り言や絶望なども、いくつかのテクニックによって視野が広がり、他人事になり、距離ができ解決しやすくなる。

    悟り系の本ではなく、心理学的な本ですが、自我との脱同一化とつながるような内容に感じました。

    悩みやすい人におすすめの良書です。

    0
    2024年11月17日
  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

    Posted by ブクログ

    読書をしていて気になるのが、頭の中のひとりごと。そのせいで、内容に集中できない。寝る前に気になるのも、頭の中の反芻。その日の嫌なことや不快な記憶が何度も湧き上がってくる。どうすれば、そうした症状から逃れて、自らをコントロールできるか。人間は機械ではないから、多少は内発的な感情のなすがままでも良いのだが、やられっぱなしは避けたい。本を読みたい時は、無心に読みたい。もういいやと諦めたのだから、気持ちを切り替えて前を向きたい。本書が、その処方箋となり得るか。

    ー チャッターを構成するのは、「循環するネガティブな思考と感情」だ。こうした思考や感情は、内省という素晴らしい能力を祝福ではなく呪いに変えて

    0
    2024年11月16日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    Posted by ブクログ

    アメリカでトランプ氏が復権した時代に、きわめて弱い声かもしれないが、聞かなくてはいけない主張がここにあるような気がした。

    自由な選択を尊重するリバタリアンも、全体の幸福を目指す功利主義も、正義の観点からは疑問符がつく。カントも、ロールズも、いまひとつだ。ではどうすれば?

    多元的社会では、道徳も共通善も一致しない。でも、他者の尊重の名のもとに、議論を回避すれば、「偽りの敵意」が生まれかねない。公共の言説の貧困化につながりかねない。(実際そうなっている)。だから、道徳や共通善を考えるという、困難な道筋をあきらめてはいけない。市民道徳を育み、公民的生活基盤の再構築を目指すべし――。

    道徳に関与

    0
    2024年11月15日
  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

    Posted by ブクログ

    自分の心の声(チャッター)との向き合い方が様々な面から書いてあったが、共通して言えるのは第三者視点でとらえるということかと感じました。自分への問いかけも相手と話しているように行なうことで俯瞰して冷静に物事の判断ができるようになると思うので日々意識して実践しようと思います。
    また、本書における儀式のようなルーティン(習慣)の実行や環境整備によってより安定した自己対話を目指そうと思いました。

    0
    2024年11月10日
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

    Posted by ブクログ

    二国家解決を目指しながら銃弾に倒れたラビン首相、強硬な右派として入植活動を強力に進めながらも晩年は二国家解決に舵を切ろうとして病に倒れたシャロン首相。歴史にifはないが、もしこの二人が倒れなければイスラエルーパレスチナ問題は現在ほど悲劇的な状況になっていたかったのだろうか。
    国を追われホロコーストを受け安息の地としてイスラエルを建国したユダヤ人、そのユダヤ人に国を追われたパレスチナ人、双方に双方の正当性があるから解決が難しい問題。二国家解決しかないだろうが、ますますその道は遠のいているように感じる。

    0
    2024年10月27日
  • Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間は、内なる声を糧とする思考と記憶と空想の働きによって、内なる世界の活気を維持する力を発達させてきた。絶え間ない内なる会話のおかげで、頭の中に情報を保存し、 自分の決定について考察し、感情をコントロールし、別の未来をシミュレートし、回想に 耽り、目標までの道筋をたどり、自己認識を下支えする個人的物語を絶えず更新しつづけることができる。

    自分の心から完全には離れられないその性質が、人間の創意の主たる原動力となり、そ のおかげで私たちは建造物を造り、物語を紡ぎ、未来を夢見る。 

    0
    2024年10月01日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    Posted by ブクログ

    「正義」に関する哲学の理論体系が整理されている。
    ハーバードの授業が元になっているだけあって、網羅的だ。

    正義を功利主義(効用の最大化)として捉えることも、リバタリアニズムやリベラリズム(選択の自由、平等)で考えることも、限界がある。
    道徳や価値観は人によって異なるが、その差異を無視するのではなく、個別のテーマについて議論を深めることで、共通善を探っていくことが必要だ。

    分断が進む社会での示唆にも富む名著。

    日本はアメリカほど分断が進んでいないと実感したので(富裕層も公立の学校に行きたがる、公営の病院が機能しているなど)、維持されてほしい…

    0
    2024年09月13日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

    Posted by ブクログ

    技術革新は必ずしも人間を幸せにしないし、バンドワゴン効果も限られるし、トリクルダウンも起こらないという仮説を、いろいろな事例から検証したもの。過去に、全体が豊かになった時には「社会運動」「社会の連帯」が起こり、方向性が正されていた。今の時代、SNSなどで連携はし易い一方で、ヘイトなども起こりやすくなっているし、ネット遮断や監視に走る国家もあり、過去の事例は期待できそうもない。これは気をつけておかないと。

    0
    2024年09月01日