日本中が熱狂したベストセラーが紙版の文庫化に合わせて大幅値下げ。
さらに世界初公開、マイケル・サンデル氏の次作『それをお金で買いますか』より「序章」を先行収録いたしました。
1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?
哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。
アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。
Posted by ブクログ 2023年05月02日
ハーバードで長年政治哲学を教え、ハーバード熱血教室でも一躍有名になったサンデル氏の代表作です。本書の冒頭に書かれていますが、正義を議論するには3つのアプローチがある。それは福祉(効用)、自由、道徳である。冒頭ではどれが良い、悪いというような結論は示さず、まさにハーバード流ケースメソッドではありません...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月11日
本書は、正義とは何か?という問いに対し、次の3つの視点から説明している。
①最大多数の最大幸福(効用や福祉の最大化を目的にした功利主義的な見方)
②選択の自由(市場を重視する自由至上主義的な立場と、リベラルな平等主義者とで立場が別れる)
③美徳と共通善
現代において正義をめぐる議論は、効用や自...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月04日
正義とは?の正解が書かれている本ではないが、以下の点において大変有意義な読書だった。
また随所に出てくる例はとても分かりやすい。
1. 我々が普段考える正しさが政治哲学上でどのような考えにあたるのかが良く理解できた。
2. 功利主義やリベラルと言った一般的な考え方からもう一歩進んだ視点として、他...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月22日
有名なトロッコ問題から始まり、我々の正義とは何か?を深く考えさせてくれる一冊。
考え方として、功利主義の話や、平等主義の無知のベールの話など、様々な考え方を紹介しつつ
どう考えていくことが誰もが納得するような正義や価値観を作っていけるのか?
そうした答えに対して、多くの補助線が引いてある一冊であ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月23日
「正義」・・子供の頃、ヒーローに憧れた私は、この言葉が好きです。
本書は、功利主義・自由主義・自律と他律・定言命法と仮言命法・・etc.の哲学用語に馴染みのない読者でも理解できるように、具体的な事例を交えながら「正義とは何だ?」を考えさせてくれます。
自分の頭では、全ての内容を理解しているとは...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月21日
現代社会の道徳的な問題を哲学でどのように解決しうるのかを解説した本。
とっつきにくい哲学者たちの思想を、自分と関連のある問題と紐づけることで、わかりやすく理解することができる。哲学入門にも良いと感じた。
哲学は役に立たない学問だとよく言われるが、他の学問では答えの出せない問いに答えることのできる唯一...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月14日
表題通り「正義」についての議論や考え方を多く提示しています。現代社会に巣食う諸問題を理解するためのヒントが得られる書籍です。個人的には、道徳的個人主義とアイデンティティの問題が印象的でした。これに限らず、現代人が深く考えさせられるトピックが多かったため読破に時間がかかりました。
この本の良いところ...続きを読む