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Posted by ブクログ
読書録「それをお金で買いますか」4
著者 マイケル・サンデル
訳 鬼澤忍
出版 早川書房
p169より引用
“実のところ、それだけではない。一二週間
ほどしてから保育所が罰金を廃止しても、上
昇した新たな遅刻率はそのままだったのだ。
お金を払うことで、迎えの時間に遅れないと
いう道徳的義務がいったん蝕まれると、かつ
ての責任感を回復させるのは難しかった。”
目次より抜粋引用
“市場と道徳
行列に割り込む
インセンティブ
いかにして市場は道徳を締め出すか
生と死を扱う市場”
哲学者である著者による、経済学の市場原
理が人の日常生活に及ぼす影響について論じ
る一冊。
行列に並ぶことについてから公共物への名
付けについてまで、値段が付くことがどのよ
うに作用するかの多くの実例を挙げてかかれ
ています。
上記の引用は、保育所のお迎え遅刻と罰金
に関する一節。
一度壊れてしまったものは、完全に元に戻す
のは難しいようです。形のあるものでも、修
復した跡が残るのに、目に見えないものは、
ちゃんと元に戻ったかどうかも、確かめられ
ません。
お金を払うことで商品として扱うようになる
ことは、思っている以上にリスクをはらんで
いるものなのかも知れませんね。
経済市場がどれ程人の日常生活に影響と変
化を与えるのかが、多くの実例を示して書か
れているので、説得力が高く感じ取れます。
どのような物事になら、お金を使って介入し
ていいのかについて、考える元になる一冊で
はないでしょうか。
姿形の無いものにお金を使うときは、よく
よく考えて使いたいものです。
著者は哲学者であるためか、人は考え続け
ることで良い方向へ動くものだと、信じてお
られるような感を受けます。
しかし、作中で示される事例を見ていると、
考えれば考えるほど強欲になっていく人々も
居るものではないかと、思わざるを得ませ
ん。
ーーーーー
Posted by ブクログ
けっこう前に出た本だが、普遍的なテーマを扱っているので、今読んでもいろいろと考えさせられる。
これまで価値のなかったものに値段がつけられ、需要と供給が生まれたケースは、今も増え続けていると思う。
本の中で扱われた列への割り込み、命名権などは、今日本でもそれほどの忌避感もなく受け入れられているような気がするし、自分自身、ユニバーサルスタジオでファストパスを買うことや、映画館で少し高い値段を払って周りの人が気にならないボックス席をとることを、それほど疑問には思わずに過ごしている。けれど、それがもともと無料の、慈善事業コンサートなら同じことは思わない。似た事柄でありながら、その溝は以外に深い。裏を返せば精神的な違和感ほどにその事柄は相違がないのだ。そのことにはっとした自分がいた。
経済は大事だし、経済が上手くいっていればたいていのことは解決するものだと、私は思っている。しかし、鈍感になってはならない。自分を戒めた一冊だった?
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