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Posted by ブクログ 2024年02月04日
自分の正義(信念)は一体なんなのか。人それぞれの想う正義があり、それを信じて生きている。
全て正義である。自分の正義は自分で決める。とても考えさせられる本でした。ぜひぜひ読んで欲しい本です。
Posted by ブクログ 2024年01月11日
一貫した主義を持つこと、全員の正義感が一致することの不可能を痛感する本。
本作では数々の例を挙げ、多角的な視点から各々の意見が述べられる。それらに目を通すうちに己の主義は何なのかと迷走を始めた。
誰しもが納得のいく政治、経営の難しさが身に染みる一冊となった。
一点疑問だったのは、アリストテレスの奴...続きを読む隷擁護論で、当時の政府への忖度があったのではないかと疑うほどの脆弱性を感じた。
ソクラテスの最期を知ってかどうかはわからないが。
Posted by ブクログ 2023年05月02日
ハーバードで長年政治哲学を教え、ハーバード熱血教室でも一躍有名になったサンデル氏の代表作です。本書の冒頭に書かれていますが、正義を議論するには3つのアプローチがある。それは福祉(効用)、自由、道徳である。冒頭ではどれが良い、悪いというような結論は示さず、まさにハーバード流ケースメソッドではありません...続きを読むが、読者の頭を柔らかくし、視野を広くすることを目指している、という印象を強く感じました。そして最後の方で、ようやくサンデル氏の持論として、「道徳」の大事さ、別の言葉で言えば「連帯的な責任」の重要性を説くわけですが、個人的には説得力があったと思いますし、この展開は納得性がありました。
サンデル氏というとコミュニタリアン(共同体主義者)というようなレッテルを貼られていることが多いかと思いますが、本書でも述べられているように、本人としては当惑しているとのこと。コミュニタリアンという呼び名は間違ってはいないのでしょうが、おそらく彼が最も主張したいのは「連帯的な責任」の重要性でしょう。これは日本人にはわかりやすい主張かと思います。個人主義や自由信奉主義がゆきすぎた結果が、今の米国社会の危機(市民的生活の崩壊)だというのは納得できました。またサンデル氏が述べているように、唯一の正解などないし、合意に至ることもないかもしれないが、それでも議論をすること、公共的言説の質を高めていくことが重要だという点は深く共感しました。
Posted by ブクログ 2023年04月11日
本書は、正義とは何か?という問いに対し、次の3つの視点から説明している。
①最大多数の最大幸福(効用や福祉の最大化を目的にした功利主義的な見方)
②選択の自由(市場を重視する自由至上主義的な立場と、リベラルな平等主義者とで立場が別れる)
③美徳と共通善
現代において正義をめぐる議論は、効用や自...続きを読む由を中心に行われているが、
本書ではそれらについて功利主義や自由至上主主義における伝統的な議論を踏まえた上でその限界を示す。
そういった正義における考え方の限界を乗り越えるために、美徳や共通善からのアプローチが必要だと著者のマイケル・サンデルは説く。
本書を読んで良かったことは、正義における様々な立場を理解することができたこと。
この本の目的としては、正義をめぐるいくつもの考察を経ることで、自分自身がこれまで漠然と抱いてきた見解を批判的に見るということだと思う。
効用の最大化も、選択の自由も、必ずしも道徳や正義にかなう結論には至らない場合もあり、
「この考えが正解」という万能薬は無く、時代や状況に合わせて共通の善や美徳を追求するという考え方も大事だと感じた。
Posted by ブクログ 2023年04月02日
正義を理解するためのフレームワーク(最大幸福、自由、美徳)を学べたことで、日常生活で直面する正義に関する問題への解像度が上がったように感じる。
ロールズの「無知のベール」と「格差原理」は、最近考えていた世の中の不平等への疑問にヒントを与えてくれるものだった。
Posted by ブクログ 2023年01月04日
正義とは?の正解が書かれている本ではないが、以下の点において大変有意義な読書だった。
また随所に出てくる例はとても分かりやすい。
1. 我々が普段考える正しさが政治哲学上でどのような考えにあたるのかが良く理解できた。
2. 功利主義やリベラルと言った一般的な考え方からもう一歩進んだ視点として、他...続きを読む者の道徳的・宗教的信念も積極的に理解すべく話し合うと言う考え方がある。
3. 道徳的・宗教的な問題に向き合うことなくして良い社会は作れないが、対立する意見がまとまらない事も多い。自分の考えに反対する意見も一歩離れて冷静に見れる視点を持つ。
Posted by ブクログ 2022年08月22日
人間社会の正しさとは何なのか。理不尽や矛盾に溢れ何を持って正義とするか、例を豊富に挙げて投げかけ、読み手に考えさせてくれる。もちろん、答えなんて載っておらず、個々の見解や解釈が、それぞれの正義。
Posted by ブクログ 2022年07月22日
有名なトロッコ問題から始まり、我々の正義とは何か?を深く考えさせてくれる一冊。
考え方として、功利主義の話や、平等主義の無知のベールの話など、様々な考え方を紹介しつつ
どう考えていくことが誰もが納得するような正義や価値観を作っていけるのか?
そうした答えに対して、多くの補助線が引いてある一冊であ...続きを読むった。
Posted by ブクログ 2022年06月16日
自分が政治哲学に興味をもつきっかけになった本。
サンデルの文章は分かりやすくて毎度感動する。現実に起きている問題と政治哲学を結びつけて議論していく内容となっている。例も分かりやすく、これからの世の中を考えるには最適な1冊。ただ、カントの内容は難しい。
2回目
やっばりサンデルの考えはいい。だけど、...続きを読むロールズの話もなんとなく魅力に感じてきた。
Posted by ブクログ 2022年01月23日
「正義」・・子供の頃、ヒーローに憧れた私は、この言葉が好きです。
本書は、功利主義・自由主義・自律と他律・定言命法と仮言命法・・etc.の哲学用語に馴染みのない読者でも理解できるように、具体的な事例を交えながら「正義とは何だ?」を考えさせてくれます。
自分の頭では、全ての内容を理解しているとは...続きを読む到底言えませんが、現在の資本主義に順応し、格差社会を賢く生き抜く知恵を授けるというよりも、明日をほんの少しだけ良くしたいと足掻く人への応援メッセージ的な意味合いが強い印象を受けました。
個人的には、ロールズの「無知のベール」に関する話が印象に残りました。
〇【さいごに】
正義を掲げることは危険と隣り合わせである一方、社会を良くする原動力として必要不可欠な要素だと考えます。私が倒したい相手は「弱者に対する理不尽な暴力、その暴力を防ぐことができない社会システム」かな。
生きていく限り「正義」について考えていく・・ひいては自分の生き方を見つめることに繋がる・・社会の分断が叫ばれる中、私達はどう歩むべきか考えさせてくれる一冊でした。
P.S. 頭が少し疲れたので、甘々の恋愛小説でも読んでリフレッシュしたいです(笑)
Posted by ブクログ 2024年03月23日
わたしの人生の中でこれまで「正義」について考えたこともなかった。「正義」に限定せずあらゆる視点で物事をみる楽しさがあります。またいつか読み返します。
Posted by ブクログ 2023年09月25日
◯自由に行動するというのは、(中略)目的を目的そのもののために選択することだ。(144p)
◯カントにとって、自殺は殺人が誤りであるのと同じ理由で誤りだ。どちらも人格を物として扱っており、それ自体が究極目的である人間性を尊重していない。(160p)
◯幸福とは心の状態ではなく人間のあり方であり、...続きを読む「美德に一致する魂の活動」なのである。(255p)
★カント、ロールズの哲学を少しでも知ることができて良かった。
★何が正しいのか、どう生きるべきか、知りたい。
★翻訳本ってやっぱり難しい。
Posted by ブクログ 2023年07月27日
やっと読めた。
功利主義やリバタリアンといった社会正義の捉え方の変遷を辿りながら「正義」はどうあるべきかを考えさせられる本。
特に序盤、「あーそういう考え方もあるかー」と思った直後その反論が提示され「たしかになー、その目線が欠けてたわ」となり、また別種の反論が提示され…と自分の思考がどんどん揺り動...続きを読むかされるのが理解できて面白かった。
Posted by ブクログ 2023年05月02日
功利主義と平等主義、どちらも欠点があって私たちのモヤモヤを完全に解消してくれる訳ではない。
アリストテレスの唱えた善き生、道徳、政治のつながりからリベラル・保守など政治のことまでよくわかって
Posted by ブクログ 2023年03月25日
この一冊を一言で言うならば、「大人の道徳」。
正義とは何か?をさまざまな視点から、具体例とともに述べられている。
特に印象に残った話は、暴走する電車。
1人の命と5人の命、どちらかを犠牲にしなければならないとしたら、多くの人は1人の命と言うだろう。
しかし、命は数なのだろうか。
他にも、妊娠中...続きを読む絶やアファーマティブアクション、パープルハート勲章、代理出産など、答えが出ないテーマが本書には描かれる。
読みにくい箇所も十分あったが、自分の知識により深みが増すような一冊だと感じる。
Posted by ブクログ 2022年11月28日
倫理的な問題に当たった時に今まで考えていたよりもさらに深く考えることが大切だと気付かされた。何が正しいのかはわからないけどなるべく深く考えて決断できればいいのかなと思った。
Posted by ブクログ 2022年09月30日
正義について書かれた哲学書。考え方によって正義は異なり、人と哲学の数だけ正義があると実感した。正義の反対側には悪があるのではなく、反対の正義があるのだと思う。
以下、印象的な2文。
・正義の意味や善良な生活の本質を把握するには、先入観や決まりきった日常生活を乗り越えなければならない。
・幸福とは心の...続きを読む状態ではなく人間のあり方であり、「美徳に一致する魂の活動」なのである。
Posted by ブクログ 2022年09月18日
「正義」について1つの決まった正解はなく、人の数だけ考え方があるので、その折り合いをつけるように努力することが大事である。
その折り合いをつけるためには様々な哲学を知る必要がある。例えば、功利主義、カントの哲学、ロールズの平等主義である。本書は、哲学について紹介することで私たちに道徳心や倫理...続きを読む観について考える題目をもたらしてくれる。
カントの動機を重要とする考え方は、個人の主観によるところが大きく、様々な解釈が可能となるので興味深いと思った。
Posted by ブクログ 2022年09月02日
読もうと思ってやっと読めた。。
サンデル教授の最終的な主張は今の価値観がどうやって醸成され、共同体主義(命名方法は著者の云う通り違和感あり)を目指したほうが良いということにあると理解。(浅い理解かなぁ。。)
共同体主義は、アメリカ人は違和感あるのかな?日本人は割りと賛同する価値観なような気もする。
Posted by ブクログ 2022年07月15日
いろんな考え方を持つ人がいるから、正義の定義はその人によって変わる。いろんな正義があってかまわないと思うけれど、正義を振りかざして人を傷つけたり、貶めたり、それを押し付けたりするのは絶対に違うと思ってる。
Posted by ブクログ 2022年04月14日
10年以上前の本だが、内容に古さは全くない。それどころか、挙がっている課題の多くは現在も解決されていないし、ようやく日本でも話題に出てくるようになったような課題ばかり。いまさら、と思わずに読んでみる価値のある本だと思う。日本人でも想像しやすい例が豊富でとっつきにくい「政治哲学」をジブンゴトとして考え...続きを読むてみやすくしてくれている。正直内容の三分の一も理解できてないと思うけど、どのように考えていけばよいのかのヒントをもらえたように思う。
それはそうと、アリストテレスと四書五経の中庸って似たような考え方してる?なんかその辺をわかりやすく教えてくれる本ってないかな。
Posted by ブクログ 2022年04月11日
うーん。ひさびさに読むのにすごく頭を使った気がする…
こういうノンフィクションものというか、現実的な物事を題材とした本をわたしはもっと読むべきだなぁと実感。
いろんな考え方をする人がたくさんいるこの世界で、必ずしも“正義”は一致しない。
そんな世の中でどう“正義”を定義できるのか。
この本では答え...続きを読むは出ません。
もっと、高校の時に哲学について学んでおけば良かったなぁと反省するばかりです。
知らないことが多すぎる。
ケネディ大統領がもし暗殺されていなかったら、今のアメリカはどうなっているんだろう?
オバマさんが大統領に選ばれたときは、何かがアメリカで変わりつつあるんだ…なんて思ったけれど、そのあとトランプが大統領になったし…ますますアメリカって国がわからなくなりました苦笑
難しい国だなと思います。
なんか話が脱線してしまったけれど、この本は繰り返し読むべきだと感じました。
そしてわたしももっと勉強しなければと、奮い立たされる思いです。
Posted by ブクログ 2022年03月05日
幸福、自由、美徳
3つのアプローチから「正義」とは何かを問う。
大多数の幸福のために一人が犠牲になるのは正義か。
富裕層の所得に税金をかけるのは正義か。
死を願う者を殺すのは正義か。
4章までは楽しんで読めるが、
5章からは過去の哲学者の思想に触れる内容。
難しくて頭が痛くなってくる。
ずっと同じ...続きを読むこと考え過ぎてこじらせたのかなとか
思ったり思わなかったり。
Posted by ブクログ 2022年01月28日
「正義ってなに?君のその考えは普通?」
難しい。量的にも、質的にも絶対に1日で読めない。
しかし、正義はもちろん、普通とは何か、常識とは何か、当たり前とは何かを考えさせられる。
目の前の人の行動やモノをもう「普通」という言葉で片付けられなくなる。
Posted by ブクログ 2023年12月26日
正義と正義は対立する
正義についてのミニ論文を書くことになり、中学三年の頃に読んだ本。
今でも記憶に残っているのは、暴走列車の話である。5人を救うために1人を救うという数の原理が、状況によって異なるという話だ。一方では正しい原理でも状況が違えば、間違っている。正義とは、一言では表せないと感じさせられ...続きを読むる。文化的背景からくる正義、宗教からくる正義、全ての正義は別の正義と対立する事で悪となる。
自分の思考は「リバタリアン」に寄っている。自由である事が活発な「生」に繋がっていると考えている。一方で、先天的な理由によって不利益を被っている人には、その是正をすべきであると考えているため、やはり正義は一つだけの立場では語れないと改めて感じる。
Posted by ブクログ 2024年03月06日
・感想
現代の正義、善についてあらゆる哲学者の理論や具体例を交えながら模索している本。
納得したり反感もったりそもそも書いてる内容が理解できなかったり。
正義なんて「人によって違う」ものだけどその「人によって違う部分」をもっと掘り下げて考えてみましょうという本。
著者がコスモポリタニズムの第一人者ら...続きを読むしくやはり結論はそっち向きになってた。
読みながらそんなこと言われたって一般大衆(私含めて)ってあんたが思ってるより馬鹿なんだよなって気持ちになってしまった、
まぁだからこそもっと思考して考えて議論して、生きなさいと説いている。
Posted by ブクログ 2023年03月21日
難しい。というのか、欧米人と日本人の違いなのか、一般人と哲学者の違いなのか。途中、引き込まれる部分もあったけれど、よく分からなかった。なにを重要視してるのかがそもそも違うのかな。僕が自分のことを分かってないだけなのかも。
Posted by ブクログ 2023年01月06日
功利主義やリバタリアニズム・リベラルといった思想の具体的な内容と限界、そこから導かれる「道徳」の必然性を、様々な事例とともに理解できる一冊。例えば、功利主義(="最大多数の最大幸福")と基本的人権は両立しない(功利主義は、少数の人権を蔑ろにして多数の効用が向上することを是とするか...続きを読むら)等、あの有名な考え方にはこんな弱点があったのか!と目から鱗な点が多数あった。
が、全体としてそれらが整理されておらず、似たような話がダラダラ続いたり、逆にいきなり主題が切り替わったりして、かなり読みにくい印象も受けた。講義としては面白いのかもしれないが、本の構成(≠内容)としてはあまり良い出来とは思えなかった。本書をこれから読まれる方は、最終章である10章に比較的筆者の主張がまとまっているので、そこから読むと少しは全体感を理解した上で読み進められるのでは無いかと思う。(なお、筆者もその点は理解したのか、巻末についている別著「WHAT MONEY CAN'T BUY」の前書きでは、当該本における筆者の主張が明瞭に記されている)