鬼澤忍のレビュー一覧
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能力は、神の恩寵でなく努力の賜物である。だから能力が重視されるのである。そのためには能力を評価するための平等な仕組みは必要であり、社会は (学歴や労働の面で) 平等と思われる仕組み作りに奔走してきた。能力があるものが社会やコミュニティへの貢献度が高い。だから富や権力を得るのは当然であり、それが社会を発展に導く。
と、皆思っている (思わされている) がそうではない、が著者の主張。
能力 (とりわけ知的な) は努力だけでは測れない要因 (広く言えば諸々の環境) が多々ある上、厳密に平等を実現するのは困難である。平等を突き詰めれば、より明確な勝者と (言い訳のできない) 敗者が生まれ、敗者は -
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第二次世界大戦後、アメリカは豊かだった。1950年代。
これはよく聞く話。
技術革新がなされ、それが労働者にも反映された、古き良き時代。
しかしそれが続かなかった。
機械化がどんどん進み、労働者は隅に追いやられた。切られた。
必然的に労働分配率は下がる。
理屈は分かる。それだけ設備投資に金が要るのだ。その金が利益を生む。
。。ここでまた、ミルトン・フリードマンが登場する。
企業は利益と配当だけ考えればいいと。フリードマン・ドクトリンと。
悪のように書かれる。フリードマン信者としては心外だな。
フリードマンは再配分を疑ってかかってる。私も同じ。うまくできるはずがない。
必ず恣意的なものになる。権 -
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ネタバレ《「あなた」は今、どんな気持ち?》
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※少し本の内容に触れておりますので、ご注意ください。とても分かりやすく有益なお話なので、未読の方は是非お手に取って頂けたらと思います。
※今回のレビューは私が好きな夢小説というジャンル(自分で苗字や名前を変えられるネット小説)風に、(名前)さんに向けてお届けします。(名前)には皆様の苗字や名前を当てはめてお楽しみください。
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(名前)さん、はじめまして。
不躾な質問で恐縮ですが、あなたは今、どんな気持ちですか?
「不安な記事や動画を見てしまい、動揺している」
「考えたくないマイナスな考えに支配されて、上手く感情を抑 -
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能力主義とは、一般に、家柄などのような本人の意思では変えることのできない属性により生涯が決まってしまう貴族制よりも、公正な制度だと一般に考えられている。 しかし現実には、高額な教育費を支払える富裕層の子は名門私立大学に進学するうえで明らかに有利になっている。現代社会で能力を推し量る最大の目安となる学歴が、親の資産である程度決まってしまうのである。
そのような現実にも関わらず、高学歴のエリートたちは、努力さえすれば誰でも能力の許す限り高い地位を得ることができるという建前を主張する。能力主義を主張することは、エリートたちにとっては自らの現在の地位が己の努力によってのみ獲得したものとみなせる反面、非 -
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ネタバレ行動心理学の本読みたい→検索→行動心理学の本ランキング!→ほえ〜買うか
多分5位?とかだった気がする
シンプルに内容(文章)が面白い。
一つ一つの章が海外ドラマみたい。
著者もそうだけど、翻訳の人が上手いのかな。
・第三者視点で俯瞰して映像化してイメージする〇
・心の中で自分を名前で呼んで語り掛ける〇
・日記を書く〇
・儀式を行う(一連の決まった流れを行う事を習慣化する)
・自分なりのお守りを持ち歩く〇
チャッター(心の声)と距離を置くにはこれがお勧めらしい。
他にも色々あったけど。
〇は自分で無意識にやってた事だった。
儀式するのいいな。
音駒の「俺たちは血液だ。〜」みたいな事でしょ? -
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例が細かく多様
言ってしまえば、核心は変わらず様々なケーススタディで繰り返し主張への説得力を固めていく形。でもそのケース内容が細かくて、じわじわと教養も広がって、既存の知識と結びついていく感じがして読みがいもあるし、主張内容も納得。
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購入済み
ローマ人の物語の併読を推奨
民主政、共和政が過度にお気に入りの様子なので、少しおかしなこと言ってるのではないの、
みたいなとこもあります。
塩野先生のローマ人の物語で裏をとってください。
ローマは、王政、共和政、帝政、東西に分割、西、東の順番に消失になります。
ライン河、ドナウ河の南西部が最盛期の領土で、ルーマニア、当時はダキア、ローマニアと発音すべき気もします。
領土的には出っ張りもあります。
共和制で協議しちゃうと決定するのに時間がかかる、戦争仕掛けられて対応の協議に時間がかかるのとか、まずいと思いますし、
仕掛けた場合も同様です。そこで頭にいる皇帝が速やかに仕切るようにしたのが帝政ローマ。
初めの約200年はパスク -
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ネタバレ十数年前にサンデル教授の「正義論」を学び、
議論し続けることの大事さを訴える実践的な講義に感銘を受けました。
今回この著書をあらためて読み、
政治哲学を経済学との関係で考え議論することが不可欠であることを再度学びました。
すべてが売り物になる懸念として挙げられていた2点は、
1、公正の議論:お金のあるなしがあらゆる違いを生み出す
2、腐敗の議論:あらゆる領域の価値観を侵食する
不平等、格差、公平についての倫理基準の考え方は、経済と政治を議論するうえで主要なトピックであるように思いますが、
本書では、とくに2点目の腐敗の議論に焦点を当てられています。
商品なると腐敗、堕落したり