岡田尊司のレビュー一覧
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この著者の本はこれまでに『マインドコントロール』、『母という病』、『父という病』を読んだ。文体というか、展開がどれも似ている。「異常心理」という言葉を軸に、色んな事例を、自身の臨床経験や有名人の半生を交えて語っていく。
・この類の本を読んでよく思うことは、他者の例を知ることで自分を省みることができるということだ。自分の特徴や普段無意識に捉えている漠然としたものを言語化することができる。言語化しないと、考えることすらできない。自分のことを自分だけで気付くのは、とても難しい。
・前半は三島由紀夫、東電OL殺人事件、ガンジー、水木しげるといった人物・事件を交えて話が展開していく。この辺りは自分もどんな人なのかをある程度知っているので、理解しやすかった。
・後半になると有名な外国の思想家や哲学者が登場する。初めて聞く名前で、わからない。自分の勉強が足りないということか。ジョルジュ・バタイユの「悪の哲学」なんていうのが出てきたが、あまり理解できていない。
・完璧主義や潔癖という流れで三島由紀夫、東電OL殺人事件、ガンジーの例が出た。こういう風に、ある異常心理に対して実在の人物の例が出てくると、なるほどと腑に落ちる。そういうのが面白い。
・完璧主義な三島由紀夫の自決、極端に潔癖で禁欲的なガンジーがなぜそうなったのか?といった辺りは初めて知ったが、興味深かった。
・この本では、極端な例がいくつも示されている。しかし、案外それらは自分が日常で感じることの延長線上にあるものに思う。自分は完璧主義者とは思わないが、無意識に完璧なものに拘って足踏みしたり、見切りをつけられないことがある。社会的には望ましくないと知りつつも、頭の中に欲求が湧いてくることもある。
・『自己目的化した、閉じられた快楽の回路』という表現が気に入った。自己目的化という言葉も初めて知った。
・それにしても、新しい思想や概念を切り開いてきた昔の心理学者や精神科医は、みんなうつ状態だったんじゃないかと思う。 -
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結婚していて夫婦間に諍いがある身としては、様々なケーススタディより、多くのことを学ぶことができた一冊だった。
愛着形成から始まり、ホルモンやライフバランスを経て、現代の家族関係や近い将来の変遷まで考察していて、面白い一冊だった。
内容が夫婦ということもあり、自身の環境と照らし合わせたりしてしまい、「あいつがーっ」と相手に粗を求めてしまう事も多かったが、本書では根本的な問題に対してのアプローチが重要だと書かれていたように思える。
結果が全てではなく、そこに至るまでプロセスにおいて、両者の求めていたものを理解することだ。
それは本人も意識していないこともあるので、難しいが。
さらに、これからの家族社会が大きく変わる可能性を示唆されると、なんとも言えない気持ちになる。
進化と呼べるものなのか、愛は人間には扱うことが難しかったものなのか。保守的な私は、どうしても寂しいきもちになってしまう。
現在営んでいる家族が、家庭内で子どもに理想形を取ることが叶えば、繋がりが希薄な家族関係は発展しないではないかと思うし、それを願っていきたい
終わりに、解説が気持ち良い。正に一家に一冊かと。 -
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適応という概念を学ぶによし。けどその概念そのものが、疾患のひとつを学ぶというようなパキッとしたことではないので、理解した! とはなかなかいかないなと。
遺伝特性はさまざまな場面における種の保存というか生存戦略としてあり、現代社会の仕組みとのあいだに相容れてないという構図をおさえておくのは有用。いまの社会では多様な遺伝特性を活かす合理性を確保できてないということ
思考法のあたりからが対応や解決手法について書かれているということになると思うけど、あまりにふわっとしててぜんぜん足りないなと。で、どうしたら……という気持ちのまま。しかしこの紙幅で理解することがおよそ無理なのはわかるので不満はなし -
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リンカーンは、こう言っていた。
『中年を過ぎたら、人は自分の顔に責任がある』
筆者がパーソナリティ障害に惹かれる理由は、背負わされた重荷の重さにもかかわらず、それをはねのけていく姿に、人間の強さや素晴らしさを感じるからだと述べる。
ぼくも同感である。
パーソナリティ障害とは、
愛することと信じることの障害である。
対等で信頼しあった人間関係を築くことの障害である。
傷ついた片羽根で、
だからといって飛ぶのをやめるわけにはいかず、
必死になって飛び続けてきた結果、
「変な飛び方だ」「近づくと巻き添えをくらう」
と周囲に煙たがられるような、
そんな飛び方が、パーソナリティ障害というものである。
障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。しかし一方で、ひきずったまま年をとった人は、煙たがられ、見せかけだけの関係で結びついた人ばかりに取り囲まれることになる。信頼できる人は離れていき、次第に孤独になる。
どんなに社会的に成功しても、克服できていなければ、
人生は空虚なままである。
生涯かけて、成功や金や欲望では空虚が満たされないことを
証明するための人生となる。
幼い頃は、遺伝や育った環境に強く影響されるため、
運命に逆らうことはできない。
ある意味で、どうしようもない。
しかし、大人になれば、
もはや親のせいや環境のせいにすることはできない。
問題を維持させているのは、
他の誰でもない、自分自身なのである。 -
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一時期メンタルの不調から不眠が続き、それまで気に留めてなかった「眠り」って一体なんだろうと思い手にとりました。
多かれ少なかれ誰しも「眠り」に関して悩みがあると思いますが、この本一冊に解決の糸口がありそうです。歴史的人物のエピソードも交えながら丁寧に解説してくれます。
眠れない眠れないとモヤモヤしてる悩むより、睡眠薬のお世話になったり(酒はNG)、いっそのこと起きてしまったり、目を瞑るだけでも脳を休める効果があるんだからそのままモヤモヤしてたり、と症状も対処も人それぞれ。
不眠でも過眠でも深刻にならず、自分自身が一番欲している「眠り」のスタイルを探し出してみるのも面白そうですね。
※ちなみに私、睡眠薬を常用中ですがクセになるのも怖いので、出来るだけ自然に寝ることが出来るように工夫してみたいと思います。 -
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ネタバレマインドコントロール。
今までにたくさんの人から怪しげなマルチ商法のビジネス話をされた経験がありますがああいう人たちを見るたびに完全に洗脳を受けてはるんやなぁと思ってました。
その人に悪気はなく、むしろ僕のことを思って言ってるのにみたいなノリで。
冷静に話を聞いてると話し方とかうまい人もいますしね。
こりゃアホやったらハマってまうやろなぁみたいな。
何言ってるかわけわからん人もいましたが。w
で、思ったわけです。他人をマインドコントロールできればビジネスにも繋がるし自分の思うままにできると。
この本にもありましたが主体的に考えることを許さず、絶対的な受動状態を作り出すことがマインドコントロールの基本であって、会社、団体に属することで狭いトンネルに入り視野を奪い、他の選択肢のないところまで狭めていく。
そのトンネルの中が世界のすべてになるわけです。
経営者は少なからずそういう心理があると思います。
テロリストの心理とかにも触れてたのでおもしろかった。 -
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本来の医学は、病の症状の根底にある原因を突き止め、そこを改善しなければならない。ところが、昨今は原因が分からなくても、症状に対して薬を処方すれば、症状だけは改善してしまう。不眠や不安、うつといった症状は、とりあえず薬によって改善することが可能なのだ。すなわち、症状は改善しても、そもそも症状を引き起こしていた原因には手当はされていない。最終的な結果である症状だけを見て、そこだけに対症療法が施されるということが当たり前になっている。
境界性パーソナリティ障害は、一種の愛着障害。それを改善することによって、薬ではどうにもならなかったようなケースも、改善が得られたりする。愛着障害は言い換えれば「絆の病」。境界性パーソナリティ障害は、不安定な絆しかもてなかった人が、確かな絆を手に入れようとして必死にもがいている姿そのもの。症状だけを薬で止めてしまうことは、その回復の機会を奪うだけでなく、薬物依存といった、もっと厄介な問題を引き起こすことになりかねない。
薬を飲めば飲むほど、どんどん状況が悪化することも多い。症状を追いかけていたのでは、木を見て森を見ずになってしまう。結局、大本で何が起きているのかを、トータルで見る視点こそが必要なのだ。 -
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人が抱える内面や対人関係、社会適応に関する様々な悩みは、実はその背景に愛着障害が潜んでいることが多い。愛着障害とは、家庭環境における問題(親の離婚、過干渉、虐待等)によって愛着が不安定となり、生きるための土台となる安心感や幸福感が欠如し、社会生活や対人関係に問題を引き起こしてしまう状態のことである。程度の差はあれど、現代人の多くがこのような問題を抱えているように思える。
不安定な愛着を抱えた人は、ストレス耐性が低く、対人関係の困難を抱えていることも多く、孤立して心身の病気に至ってしまう。そうした場合には、従来の医学モデルのように「症状だけに着目してそれを治療することをゴールにする」のではなく、「背後に潜む不安定な愛着に着目し、それを改善する」という愛着アプローチが有効だと筆者は本書の中で何度も強調している。そのようなアプローチで回復した臨床例も多く掲載している。
自分の状況と比較して、実感をもって頷けることが多かった。驚くほど単純な仕組みで、本当にこんなシンプルなアプローチでこんなに重篤な症状が改善するものなのか?と思うような事例もあったが、同時に人間にとって他者からただ受け入れてもらえることというのがどれだけ重要なことかを思い知らされた。
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最初は、五感に関するような感覚の過敏性。
そこから、他者の言葉などで傷付きやすいといった精神の過敏性にも触れられていく。
これらの過敏性が相互に作用して、幸福感や精神病に影響していくデータも。
私にとって「気になる」という状態は、結構切実な問題を含んでいる。
眠る時の物音が耳障りで仕方がなかったり。
高い評価を得たいというより、落胆されたくないという不安感が強かったり。
それって、この本でいう過敏性に当てはまるのか?と思い、まあ読んでみようか程度に思っていた。
不安感の源には幼少期の愛着が由来しており、自分にとっての「安全地帯」を確保するといったことも書かれている。
そして末尾、その「安全地帯」がイコール自分自身になるように、と。
そうなれれば、楽だろうな。