青木祐子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。真夕ちゃん、鎌本、亜希、馬垣、新発田部長の五篇です。
読んでいてしんどかったのは鎌本と馬垣。
しかし読み応えがあったのもこの二人が語り手の話でした。
鎌本は森若さんへの拗らせが度を越していて気持ち悪いのですが、失恋と挫折を経たこと、そして周りの営業部員が陰に日向に助け船を出してくれるので大丈夫でしょう。
山崎や亜希が「嫌いではない」と評価している部分が何となく分かる気がしました。使い所さえ間違わなければ、仕事の同僚としてはやっていける…かも?いや、やはり山崎や亜希のような度量がなければ生理的な嫌悪や感情を優先してしまうに違いない…。
そして馬垣。
なんて逃げる人なんでしょう。人には多かれ少なかれ逃げることもありますが、馬垣の逃げっぷりは読んでいて辛かったです。身につまされます。
自分を客観視できない、しようとしない。だから他者への観察も働かないし、興味がない。
自分の感情に蓋をして鈍感になっている。
他者の言葉のうち都合の良い部分しか拾えず、自分の発言も過去も都合の良いように思い込んで誤る。
悲鳴が出そうでした。笑
あとがきで青木先生も述べていますが、馬垣は、彼を思いやってくれる人のことほど恨むんですよね。
過去には祖母、今は須藤。
山崎が懇切丁寧にプレッシャーをかけて馬垣を追い詰めていくシーンでは、スッキリもするけど恐ろしかったです。山崎は「その人が欲しいものをあげたい」人。亜希の話で彼の信条を理解した後に、この仕打ちって…青木先生…!笑
次巻は本編のようなので、楽しみに待ちます。