青木祐子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「十二夜の手紙」「わたしの美しい人だから」「聖者は薔薇を抱きしめて」の三篇を収録した作品集。
「十二夜の手紙」は、結婚間近な令嬢が「薔薇色」でドレスを作るお話。手紙について(珍しく)シャーロックが探偵役をするのが楽しい。
「わたしの美しい人だから」朴念仁イアンと、患者とその姉、それにパメラのお話。「薔薇色」のドレスでみんなが幸せになれるならいいのにね。
「聖者は薔薇を抱きしめて」パメラの出生と、恋のお話。パメラらしく冷静。「だから、あたしに、自分は辛かったって話はしないでほしいの」といえるパメラにはそんじょそこらの男は敵わない。まあ順当に。 -
Posted by ブクログ
今時流行りのちゃきちゃきとはっきり動く主人公とは真逆の、引っ込み思案で大人しく、読んでいる側が突っ込みたくなってしまうような地味な少女クリス。
類まれなるドレス作りの才能があるとは言え彼女だけでは暗い話になってしまいそうなところを、親友兼お店の売り子でもあるパメラの明るさとはっきりものを言う性格が助けていてとても良いバランスです。
作者がブログなどで言っている「人は欠点があるからこそ魅力的」という言葉そのままに、生き生きとしたキャラクターが生活している様子にいつのまにか没頭してあっという間に読めてしまいます。
少女小説の中でも特にオススメしたい一作。 -
Posted by ブクログ
愛する人との結婚が、周りから全く祝福されなかった時、一番の難関は、相手の両親との最初の話し合いだと私は思います。
最初はどんな恋人同士だって、相手の両親を大事にしたい。本当の家族になりたいと謙虚に願うものですから。
もちろん、結婚してからもその気持ちは同じ。でも暮らし始めてしまったら、幸せは自分達で築くもの、若干色合いは変わるのかもしれませんが…。ともあれ、大事なこと。ついに、クリスはその難関に立ち向かいます。
ハクニール公爵の、切羽詰った叫びは本物だと思いますが、出された条件は懐柔…ですよね。そこで折れてしまったら、シャーリーの頑張りに意味はないので…。立派に切り抜けたというところ。
-
Posted by ブクログ
こっちも佳境が近くなっていますね。
いよいよ身分の壁を打ち破ってでもクリスを選ぶと決心したシャーリー。
エマでも同じテーマを扱っていたので、今後の展開は興味を引くところです。
でもまだ闇のドレスが関わってくるのか、と思うと何ともなぁ。
これは最後の最後まで切っても切れない縁になるのでしょう。
下手したら、恋の障害がなくなって、最後の決着がそっちなのか。
しかし思った以上に障害が少ない、というか味方が多い。
いや、ここに来てこれだけ味方がいなければ、二人が結ばれる流れに無理が出るから仕方がないけど、それが今までクリスが人に真摯に関わってきたからだと言われれば、それまでですが。
私としては、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一冊の本を読むのに、一体どれだけかかってるんだよ、と自嘲したくなるほど。これの前に読んでいた本に時間がかかっていたので、速攻でいけるこの本に手が伸びました(笑)
クライマックスを迎えつつある本シリーズ、仕立て屋のクリスと大貴族の御曹司、シャーロックとの身分違いの恋を描いています。
一度は別れた二人が、ひかれ合い、クリスの暗い過去と決着を着けるべく闘いに臨んだあとの、つかの間の小休止のこの巻。
決定的なところで理解し合えないまま、それでも愛しあっているという事実に支えられて二人は進んでいくのですが…その溝が明らかにされる時は、もうすぐそこ。
その時、すべての不安を一方的でない解決で乗り -
Posted by ブクログ
俺がコバルト文庫に求めているのはこれだと声を大にして言いたい。つまり、可憐だが内気な少女であり、気が強いように見えつつ何だかんだで優しかったりヘタレだったりするイケメンで有り、美人で溌剌としていて気が利く気持ちの良い女友達である。そんな面子が揃っているのだから、これはどんな風にお話を転がしても面白くなろうというもの。
ストーリー的にはそれほど目新しいところはなく、ドレス職人というヒロインの職業は珍しいとも言えるかも知れないが、それでもイケメンくんが貴族階級であることに対しての労働者階級である……と見れば、これまたそれほど珍しい構図ではない。
だが、如何せんこのクリスが可愛い。芯の強いとこ