酒見賢一のレビュー一覧

  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部

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    最近酒見さんの「周公旦」や「墨攻」を読んだ。
    「後宮小説」のあの人が、こんなに渋い書き手になったのね…と思いながら、本書を手にしたので度肝を抜かれた気分。
    登場人物に繰り出される、語り手からの突っ込みの嵐。
    こんな歴史小説もあるのね、と感動してしまった。

    この巻では孔明が劉備玄徳から三顧の礼を受けて出仕するまで。
    この調子でいくと、いったい何巻まででることやら(笑)

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    2014年04月11日
  • 墨攻 1

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    守のエキスパート墨家であるスキンヘッドな漢の生きざまを描いた中国戦乱記。武将ではなく庶民からの目線で戦をとらえています。
    城の守りについての内部の動き、虫という刺客のアイデアなど無駄なくストーリーが進行していく展開が好きです。

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    2013年10月10日
  • 陋巷に在り10―命の巻―

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    この巻では孔子の母徴在の話が中心となり、孔子出生の秘密が明らかになります。あと医げいも相変わらず大活躍ですが、顔回の影はちょっと薄いかなあ。
    にしても65歳と16歳のカップルってのは凄いですなあ。

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    2012年12月15日
  • 陋巷に在り9―眩の巻―

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    妤を冥界から救い出すための顔回の悪戦苦闘ぶりがこの巻の話の中心となります。それにしても顔回、ナイーブな草食男子ぶりが度を超してます。でも意外とこういう男子はモテるかもしれませんねえ(笑)。

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    2012年12月10日
  • 陋巷に在り8―冥の巻―

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    顔回が妤を救うために冥界に向かいます。この巻の主役は何と言っても男気あり過ぎの女神「祝融」様。強くて怖くてちょっと優しい「祝融」様がかっこよすぎです。顔回は冥界の淵にいる妤を無事救い出す事が出来るのか、いよいよクライマックスって感じです。

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    2012年12月01日
  • 陋巷に在り7―医の巻―

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    この巻は、妤に取り憑いた子蓉と南方医の医げいとの闘いが中心となります。それにしてもどんどん子蓉が強くなってる気がするんですが・・・・。
    妤は一体どうなってしまうのか。私もすっかりこの物語に取り憑かれてしまっております(笑)。

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    2012年11月23日
  • 陋巷に在り6―劇の巻―

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    顔回はなんとか妤を救出したものの瀕死の状態。何とかしろ顔回。
    この巻では孔子の腕っぷしの強さが存分に発揮されます。孔子ってそんなに強かったんだ。
    ただ、魯が窮地に陥ったのは孔子に全面的な責任があるわけで、死刑になってもおかしくなかったと思えるんですが、実際にはそうなってないわけで少々腑に落ちない感じもしました。

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    2012年11月18日
  • 陋巷に在り5―妨の巻―

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    この巻は顔回の出番があまりありませんが、その代わり五六が大活躍です。媚術に操られた妤がいよいよおかしな事になってきます。
    一方、孔子と小正卯一派との暗闘も熾烈を極めて、いよいよ大激突の様相となります。
    顔回、ボォーとしてる場合じゃないぞ。

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    2012年11月17日
  • 陋巷に在り4―徒の巻―

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    小正卯一派と顔氏との死闘が本格化してきます。
    顔氏の本拠地に乗り込んだ小正卯と犬たちとの闘いがまた凄まじい。犬に襲われた時の身の防ぎ方がよく分かります(笑)。
    媚術に操られてしまった妤はどうなっていくのか、顔回との恋は成就できるのか、と連続ドラマのように次巻に繋がっていきます。

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    2012年11月14日
  • 陋巷に在り3―媚の巻―

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    この巻は主人公「顔回」と媚術の達人「子蓉」との死闘が話の中心となります。それにしても「子蓉」姐さんエロ過ぎます。強すぎます。
    自称許嫁の「妤」が、実は凄い能力者かもしれないとも予感されます。
    段々大人びてきた「妤」と「顔回」との恋も進展していきそうな気配で、今後の展開が楽しみです。
    3巻目にしてようやく漢字や言葉の難しさに慣れてきてすんなり読めるようになってきました。全13巻なのでまだまだ先は長いですが、読み進めていくのが楽しみです。

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    2012年11月08日
  • 陋巷に在り2―呪の巻―

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    難しい漢字やら、似たような名前やら、意味の分からない言葉やらが多くて読みにくいという難点はありますが、この第2巻は呪術者どうしの息詰まるような闘いの場面が多くて、はらはらドキドキしながら楽しめます。
    あとがきも中々面白いです。写真で見る著者は飄々とした感じなんですが、あとがきの文章は結構毒づいていて、そのギャップがいい感じです。

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    2012年11月05日
  • 墨攻 2

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    p.150
    革離
    「戦の勝ち負けは死者の数で決まる!今が勝負時なのだ!!」
    シュミレーションゲームが好きで、
    三国志や信長の野望をよくやりました。
    大戦略はあまりやらなかったけど
    今はhex-empire
    でもねゲームと事実は違うと思ってはいるんです。
    現代になっても無くならない戦争。
    現在は武器もすすんでいるので、直接死体を見ることなく殺人を犯せるわけです。
    それが戦争になると殺人にもならないわけですが、
    なんだかやるせないですね。
    昔は向き合っていわばどつきあいの戦争です。
    弓ができて騎馬があって、鉄砲になったあたりから近代戦争でしょうか。
    人が人を殺すことに正当な理由がどこにあるんでしょ

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    2012年10月12日
  • 墨攻 1

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    主人公、革離には覚悟がある。
    取り繕うべきプライドはあまりない。
    それは信念があり、覚悟があるからである。
    その他の事はどうでもよい。

    普通の登場人物にはプライドがある。
    権力というプライドだったりする。

    プライドは肩書につく。
    個人につくのは覚悟や信念である。

    似たような感じで全く違うものだと思う。

    革離は墨子であり、墨家として学んできたことに絶対の自信がある。
    それが信念であり、覚悟を持っているのだ。

    バックボーンのない、信念や覚悟は単なる独りよがりなものである。

    革離をみればわかるが、バックボーンがあってさえ、
    覚悟がある人間は人から疎まれるものである。

    しかし、
    覚悟を持

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    2012年10月10日
  • 陋巷に在り1―儒の巻―

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    最初の感想としては、とにかく読みにくい。
    話があっちにいったり、こっちにいったりし過ぎだし、小説の中に当時の社会状況等の解説が頻繁に出てきて話がややこしいし、仕方がないとは言えやたらに難しい言葉(漢字)が出てくるしで、とにかく読みにくいこと甚だしいという感じです。
    でも、そういった点を補って余りあるほどに物語が面白い。孔子の弟子の顔回を中心にしたお話ですが、呪術を使った闘いあり、政治的な虚虚実実の駆け引きあり、顔回と自称許嫁の少女とのとぼけたやり取り等々、物語の世界に引き込まれてしまいました。
    13巻で完結らしいので、まだまだ先は長いですが、読み進めていくのが楽しみです。

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    2013年10月13日
  • 陋巷に在り13―魯の巻―

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    とりあえずまだ顔回も孔子も死なずに最終巻。
    孔子の出魯で話が終わります……。

    これまでの展開を読んでると、この後史実に記録されている孔子の放浪中の数々の困難の影に、種々の謀略だの呪術だのが施されているのだろうなあ、と考えるに難くない。
    いや、きっとそうだと思わずにはいられない。

    いやあ、史実の隙間って、面白い。
    あえて続編は求めません。その方が妄想たっぷりで楽しいし!

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    2013年09月30日
  • 陋巷に在り7―医の巻―

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    流浪の医師:イゲイ登場。
    顔回、五六を顎で使い、呪のやり取り合戦は見どころ満載。
    なんだかねここへきて、人物の動きが目に見えるようになってきた。

    ああ、鏡が力を持つのは、古今東西変わらないんだねえ。

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    2012年09月18日
  • 陋巷に在り6―劇の巻―

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    内から外からいろいろ勃発して、孔子大変。
    子路の直情ぶりは笑えるし、孔子仁王立ちだし、攻城戦はテンションup!
    でも、死んでいく人のさまはつらいのであった…。

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    2012年09月18日
  • 陋巷に在り10―命の巻―

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    命とは神の啓示を待ち与えられたものとのこと。この巻では孔子の両親がどのように出会って孔子が生まれたのか・・その経緯を孔子の母親である顔徴在の父、太長老が明かします。顔氏の一族の長の末娘である徴在は、その頃の習わしで家に残る定めがありながら、家出同然の有様でかなり年上の男性と一緒になります。男勝りの性格を持ち身体能力の高さで際立った存在だった彼女は、一族の年に一度の祭祀において舞を舞っているときに神の啓示を受けたからなのでした。
    この巻ではこの他に妤を回復させた医鶃が、さらにその医師としての腕を発揮する場面が登場します。孔子一門の弟子のひとりが少正卯一味の悪巧みにより瀕死の状態に陥っているところ

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    2012年08月25日
  • 陋巷に在り9―眩の巻―

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    前の巻で冥界に降りた主人公の顔回でしたが、妤と子蓉、二人とも連れて帰ることは冥界の決まりでできないという難問が彼の前に立ちはだかります。今回は「眩」の巻とということで、めまいのような人を惑わす場面がテーマになります。この巻での山場は何といっても顔回が子蓉の提案を受け入れ、冥界から帰るときに驚くべき術を実行する場面です。この場面では常に冷静な顔回が熱い感情をほとばしらせるのですから見逃せません。作者はここで、炎神の祝融や最強の媚女というべき子蓉、そして少女でありながら秘めた強い力を持つ妤と3人の女性を全面に出して顔回と対峙させます。女神まで含む女性たちの強さと男性との釣り合いを引き合いに出して述

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    2012年08月04日
  • 陋巷に在り8―冥の巻―

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    前回の巻で医鶃(いげい)と子蓉との対決は決着がつかず、途中で終わってしまったので、果たしてこの戦いはどうなるのだろうと先を読み急ぎたくなります。
    ・・というわけで以前に読んだにもかかわらず、やっぱりこの巻では手に汗握るという表現がぴったりの場面が続出するので、最後まで目が離せません。
    昨夜の対決から一夜が明けて満月の夜、再度二人の死力を尽くした戦いが繰り広げられます。医鶃(いげい)は医術だけでなく、魔術的医療も駆使して子蓉の掛けた呪術に対抗するのですが、劣勢を強いられます。
    そのため彼は、奥の手として顔回の特殊な才能に賭けて、何と!女神を招きます。炎系の神様である祝融が登場するのがこの巻のすご

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    2012年07月08日