酒見賢一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とうとう全13巻読み終えました。10年ほど前に一度読んだもののその時は筋書きの面白さに惹かれたものの、深く味わうまでに至らなかったなあと今回読み終えてわかった次第です。主人公は顔回子淵という青年ではありましたが、彼が師と仰いだ孔子の半生もこのお話には欠かせない部分でしたので、論語を中心とした孔子の言葉が登場する度、私としても多少は理解できる年齢になっていたのでした。作者が10年という歳月をかけて書いただけに、時々筋書きとは逸れた蘊蓄の部分も多い異色とも言えそうな小説ですが、そのスタイルに嵌ると読むのが惜しい気持ちにさえなります。それだけに既に絶版になっているとはとても残念に思います。「陋巷に在り」の顔回が陋巷にいなくなるのではこの小説は陋巷に在りではないので…と作者らしい理屈を述べて、孔子と魯国を出立するところまででお話は終わってしまいました。嗚呼〜この続き書いてくれないかしら…と切に願う次第です。
-
Posted by ブクログ
ロング・ロング・タイム・アゴー。イン・トゥーブレント・エイジにロイヤル・ブラッドのベリー・ナイス・ヒーローを二人のスーパー・ストロンゲスト・グラジエーターがサポート&アシストしながら、テリブルに暴れ回り、ある晴れた日、ハーミットであったドラゴン・ウィザードが出てきて、プラン・オブ・スリー・キングダムズでまやかし、マジックやオカルティック・アートを駆使してドミネーション・オブ・ザ・ワールドのために邁進していくレジェンド・ストーリー。
この本はドラゴン・ウィザードが出てくる所までが描かれています・・・うん、白モノファンタジーとしか思えないなこれはw -
Posted by ブクログ
このシリーズも11巻目で終章にさしかかってきました。この巻では今は亡き孔子の母、顔徴在という女性がどのようにして孔子を産み育てたのかを、その父である太長老が療養中の身である「妤」に語る形で始まります。
孔子は50歳を過ぎ天命を知った今、その母を思いながら魯の国の政治の難局に取り組もうとしているのでした。以前にも、抵抗勢力に合い自ら武勇を奮った孔子でしたが、今回の局面でもひとりの武将がまたもや、悪悦の呪術の罠にはまり、彼に操られ孔子の計画を阻もうとしていました。悪悦は孔子の故郷・尼丘(顔氏一族の住む)を襲うという恐ろしい意図をその武将に吹き込んでいたのでした。悪の根源ともいうべき少正卯がすっかり影を薄くしたと思っていたら、またもやその弟子の始末に負えない悪悦の企みにげんなりします。しかし、この局面にはこれとは別に身をやつしていた「スーパー媚女」子蓉が復活して登場します。彼女は自分を招く声に誘われるまま尼丘を目指します。彼女のことですから当然、人間技とは思えない凄まじい戦闘技で顔氏の手練れた術者を次々と倒して進みます。そして、とうとう禁地とされる尼山の神の住む祠にたどり着いたのでした。そこでは太長老の命を受けた妤にも出会います。深手を負い死を真近かに予感しながら彼女が聞いた言葉は・・・
とうとう、ここで顔氏一族の存亡の秘密が明かされます。ようやく子蓉の命の秘密も明かされてこれまでの緊張が緩みました。しかし、未だ尼丘を取り囲む兵たちには悪悦の魔の手が支配しているのです。次を早く!の場面です。 -
Posted by ブクログ
この巻では悪の根源ともいうべき少正卯との対決で衰弱してしまった太長老が南方から招いた医者、医鶃(いげい)が初めて登場します。彼はこの時代の医術を駆使して、子蓉の媚術に操られて暴動を起こすなど過激な行動により死の淵を彷徨っている少女、「妤」の治療を始めます。
医鶃は諸国を遍歴して自身の腕で数々の患者やそれに伴う危機を経験してきただけあって、腕には絶対の自信があり、妤の病根が呪術をしかけられたことによる心の病であることをつきとめます。結局のところ治療は妤の体を借りた媚女、子蓉との対決になるのですが、その準備は着々と進められ満月に近い夜に山場を迎えます。神秘的な月の光を使った強大な力を持った術が、医鶃や顔回たちの前に立ちはだかろうとしています。
一方孔子は、ようやく治まった戦火の基になった武将が、少正卯一味の陰謀により孔子に憎悪の念を抱いたことを知り、魯国の政治の正常化への道を推し進めようと一層念を強くするのでした。
子蓉が孔子に面会を求め、初対面の二人がお互いの印象を確かめ合う非常に興味深い場面も登場するのでこれも見ものです。 -
Posted by ブクログ
この第6巻では前回のやきもきした展開が怒涛のように進展します。まず、妤と五六が顔回が登場することにより助け出されます。顔回の登場はやっぱり待ってました!と期待するところです。危機に際しての彼のスタンスは勇者といえるものです。力まず向かい合い、それを自覚して恐れをなすといった心がまえは礼を学ぶものにとって当然のことのようですが、普段になかなかできるものではありません。妤を操っていた子蓉との対決場面では、子蓉の微妙な女ごころが哀しさを誘います。顔回に負けた子蓉のパワーがそのため、深手を負って療養中の少正卯に向かうところは何やら小気味よいのですが・・
一方、孔子側と反勢力側との戦いは、その動向が注目されていた武将が悪悦の陰謀に掛かり、卑劣な手段を施され孔子をひどく憎むことになります。そのため、鬼神に憑かれ常人ではないパワーを発揮して猛進、孔子側を追い詰めます。孔子との命をかけた対決の場面は、孔子のこれも秘めた超人的な戦闘能力により闘いの決着をつけるところになります。孔子の並外れた身体能力は、驚きであり納得する場面でした。 -
Posted by ブクログ
13巻シリーズの2巻目です。この巻から主人公顔回の生得の能力、巫儒の一族としての呪力発揮の場面が盛んに登場します。俄然物語は面白くなります。そして、このシリーズでは欠かせない悪役たち(少正卯、悪悦 )の正体、そして謎の美女、子蓉がとうとう顔回の前に姿を現します。念の入った唐変木であるという巷の評価のある顔回が、彼女に心を動かされた様子なので、これもこの先の展開が楽しみになります。
本の扉に巻のタイトル文字を白川静の「字統」から引用した解説が載っています。今回は呪という文字ですが、これはもとの文字が祝(しゅう)ということです。呪と祝は正反対の意味を持つものと捉えていたのですが、これによると、・・呪は必ずしも呪詛のことのみではなく、禁忌全般のことにわたるもので、古くは祝の字を用いた。とありますから、現代では単純に祝い事とされていることも古くは、祭り事としての意義が大きかったのだろうと想像できます。それにしても、この本は中国史を語るので当然ですが、見たこともないような画数の多い漢字が頻繁に登場します。今回登場した妖怪の饕餮(とうてつ)はその代表的なもので、作者も感想を述べていますが漢字を見ただけでその凄まじさが分かります。・・というわけでこの本はいろいろな楽しみ方ができます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白い・・・陽虎との対決、怪物、饕餮(とうてつ)とのやり取りはもう面白すぎ。だけどこの巻の一番は八佾(はちいつ)の事だったりします。
これは天子のまえで礼のために八人八列で踊る舞の事。天子にしかゆるされません。八X八は易の八卦にもつうじ、64の卦で世界を表します。なので世界(宇宙)を統べるのは世界に一人(天子)しか許されない。なんて凄いんだ。こういったことが色々とでてきてもう、凄すぎて面白い。陽虎が失墜して謎の巫士、小正卯(しょうせいぼう)が登場、その弟子、白顔子、悪悦と魔女の様な美女、悪子蓉。呪術のやりとりが面白いです。顔回と妤も頑張れ~ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!顔回、孔子、陽虎・・・諸星大二郎さんの表紙絵もあって「孔子暗黒伝」を思わずにはいられない。妤が可愛くて、顔回とどんな関係を築くのかすごく楽しみ。孔子が活躍したのは紀元前なんですね。改めて凄い!実はこの本、出たときにも手に取ったんですがその時は読んでませんでした。だけどずっと気になっていました。あの時読んでいたらと後悔。古本でしか手にはいりません。呪とか礼とか儒の事始め、今に続くお葬式のいみとか、とても興味深い。もちろん孔子vs陽虎の呪術対決も面白い!全巻そろえるの大変だけど今はネットがあるので最後はネット古本ですね^^
-
Posted by ブクログ
三国志はその昔、横山光輝が描いた漫画の三国志から知識を得た程度です。それとしばらく前に漫才の島田伸介と竜介が解説をやっていた「NHKの人形劇の三国志」が私の知識の源であるからいささか心もとありません。最近では映画でレッドクリフ(観てはいませんが・・)が公開されたりして一般的ともいえるのかもしれませんが、有名な桃園の誓いやら、劉備玄徳が孔明を軍師として迎えるところの三顧の礼ぐらいの浅い知識でした。 しかし、その浅い知識を持ってして読んでもこの酒見版の三国志は読み進む度に、その常識?を覆す人物像がこれでもかと飛び出します。 ほとんどギャグに近い部分もあります。 例えば、孔明は怪しげでブスの新妻と散々いちゃついている・・とか劉備の軽薄な色男ぶりとか・・(この他抱腹絶倒の場面が満載です!) この本では、歴史物のテレビドラマのように時折作者が登場し解説を入れてくれます。(多分この部分が作者の一番の武器でしょうね) それが殆ど第三者的なのでこの小説を二度楽しめる仕組みになっています。第壱部なので、今回は三顧の礼の場面まですが、この先ずっと続くであろうことを考えると次の発刊が”陋巷に在り”のシリーズのように待ち遠しいです。