酒見賢一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この第6巻では前回のやきもきした展開が怒涛のように進展します。まず、妤と五六が顔回が登場することにより助け出されます。顔回の登場はやっぱり待ってました!と期待するところです。危機に際しての彼のスタンスは勇者といえるものです。力まず向かい合い、それを自覚して恐れをなすといった心がまえは礼を学ぶものにとって当然のことのようですが、普段になかなかできるものではありません。妤を操っていた子蓉との対決場面では、子蓉の微妙な女ごころが哀しさを誘います。顔回に負けた子蓉のパワーがそのため、深手を負って療養中の少正卯に向かうところは何やら小気味よいのですが・・
一方、孔子側と反勢力側との戦いは、その動向が注目 -
Posted by ブクログ
13巻シリーズの2巻目です。この巻から主人公顔回の生得の能力、巫儒の一族としての呪力発揮の場面が盛んに登場します。俄然物語は面白くなります。そして、このシリーズでは欠かせない悪役たち(少正卯、悪悦 )の正体、そして謎の美女、子蓉がとうとう顔回の前に姿を現します。念の入った唐変木であるという巷の評価のある顔回が、彼女に心を動かされた様子なので、これもこの先の展開が楽しみになります。
本の扉に巻のタイトル文字を白川静の「字統」から引用した解説が載っています。今回は呪という文字ですが、これはもとの文字が祝(しゅう)ということです。呪と祝は正反対の意味を持つものと捉えていたのですが、これによると、・ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白い・・・陽虎との対決、怪物、饕餮(とうてつ)とのやり取りはもう面白すぎ。だけどこの巻の一番は八佾(はちいつ)の事だったりします。
これは天子のまえで礼のために八人八列で踊る舞の事。天子にしかゆるされません。八X八は易の八卦にもつうじ、64の卦で世界を表します。なので世界(宇宙)を統べるのは世界に一人(天子)しか許されない。なんて凄いんだ。こういったことが色々とでてきてもう、凄すぎて面白い。陽虎が失墜して謎の巫士、小正卯(しょうせいぼう)が登場、その弟子、白顔子、悪悦と魔女の様な美女、悪子蓉。呪術のやりとりが面白いです。顔回と妤も頑張れ~ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!顔回、孔子、陽虎・・・諸星大二郎さんの表紙絵もあって「孔子暗黒伝」を思わずにはいられない。妤が可愛くて、顔回とどんな関係を築くのかすごく楽しみ。孔子が活躍したのは紀元前なんですね。改めて凄い!実はこの本、出たときにも手に取ったんですがその時は読んでませんでした。だけどずっと気になっていました。あの時読んでいたらと後悔。古本でしか手にはいりません。呪とか礼とか儒の事始め、今に続くお葬式のいみとか、とても興味深い。もちろん孔子vs陽虎の呪術対決も面白い!全巻そろえるの大変だけど今はネットがあるので最後はネット古本ですね^^
-
Posted by ブクログ
三国志はその昔、横山光輝が描いた漫画の三国志から知識を得た程度です。それとしばらく前に漫才の島田伸介と竜介が解説をやっていた「NHKの人形劇の三国志」が私の知識の源であるからいささか心もとありません。最近では映画でレッドクリフ(観てはいませんが・・)が公開されたりして一般的ともいえるのかもしれませんが、有名な桃園の誓いやら、劉備玄徳が孔明を軍師として迎えるところの三顧の礼ぐらいの浅い知識でした。 しかし、その浅い知識を持ってして読んでもこの酒見版の三国志は読み進む度に、その常識?を覆す人物像がこれでもかと飛び出します。 ほとんどギャグに近い部分もあります。 例えば、孔明は怪しげでブスの新妻と散