酒見賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
二十年以上前に読んでいるが、古本屋で再会し、再読。
今でも覚えているフレーズを見つけたりして、何とも懐かしかった。
それと同時に、ああ、デビュー作の頃から、酒見さんは酒見さんなんだなあ、とも思う。
架空の「素乾書」なのか、実在する「三国志」の違いはあれど、それにツッコミをいれながら、自在に物語を紡いでいく手法なんて、そのままだ。
一方で、昔はひたすら天衣無縫の銀河ばかり追っかけて、わくわくしながら読んでいたのが、今は混沌がとても気になったりする。
世沙明のことは覚えていたのに、玉遥樹のことは全く覚えていなかった。
あれ、この辺りあの事件を踏まえているのかなあ、なんて思うようになったのも、年を -
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毎巻レビューに書いている気がするけれど、私にとっては三国志は敷居が高い。
登場人物が多いし、地名も事件もたくさんあって…。
長年ずっと敬遠してきた。
で、マイ・ファースト三国志がこれだったわけだけど、ほんとにいいんかい!と自分に突っ込みを入れてしまう。
四冊目にもなると、もうだいぶ読み慣れてくる。
というか、普通の三国志ものを今後受け入れられるか、不安になってくる^^;
この部では、赤壁の戦いの後からスタート。
荊州を巡る呉と蜀の攻防。
関羽の死、曹操の死と曹丕、曹植兄弟の骨肉の争い。
劉備の即位と関羽の弔い合戦での敗北。
白帝城に逃げた劉備は、有名な遺言を孔明に託し、死ぬ。
もう、いろんな -
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『ピュタゴラスの旅』からの二編をはじめとする、今や入手困難な作品を文庫化したものだそうだ。
確かに『ピュタゴラスの旅』は読んだけれど、それ以外は初めて。
それにしても、本当に酒見賢一さんは幅の広い作家だと思う。
表題作「分解」。
語り手は分解者の先達として、分解の技術を指南する。
そのレッスンの様子が延々と語られる。
分解者なるもには、いったい何者なのか。
まったくわからないままに、だ。
最初の授業は拳銃の解体、次に人体、と進んでいく。
あおれぞれのパーツが頭に描けないので、ここで挫折するかと思った。
が、その後、人間の意識の解体、小説の解体へと進むと、俄然面白くなった。
メタ物語というか、 -
ネタバレ
雲のように風のように
中学生の頃にアニメで見てからずっと忘れられなくて、原作が後宮小説と知り購入。
原作はアニメには無い大人な表現と、軽快なストーリー展開が良い。アニメはどちらかと言えばお子様向けな、本当に夢見がちな物語だけど、小説はまさに歴史小説。
比べてみると面白いです。 -
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1~4巻までが最初に手に入り、その後、8~13巻が手に入った。そして、最後まで手に入らなかったのが5~7巻。
やっと手に入って、読み始めることに。
読み始めると、ついつい読み続けてしまう。
この巻では、費の公山不杻(本当はけものへんだが、字が入っていないので、これで代用する)、叔孫輒と、孔子たちとの盟約が、悪悦に引き裂かれていくところ。
それから、妤が鏡を介して子蓉の媚術に陥り、顔回の守り役である五六にも及んでいく。
それぞれが破局というか、爆発に向けて、緊張が高まっていく、息詰まるような巻だった。
で、この巻では、ただ緊張が高まるだけで、解決はしていないわけで…
こうやって、次の巻に手が伸 -
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ようやく文庫本の第3部が刊行されました。続けて読みたいところですが、いかんせん作者の酒見さんの遅筆?!なのか前回の発行から間が空くのでお話が何処まで進んだのか思い出し思い出しの読書です。それでも、読み始めると酒見流の独特な作風に引きずりこまれます。
題名からわかるとおり、これまでの三国志などのイメージからの孔明や劉備玄徳像を覆すトンデモ人物表現が満載。彼らの言動に物語の中でケチをつけ、大いに突っ込むスタイルです。今回はあの赤壁の戦い辺りが舞台になりますが、何故か九州弁をしゃべる重臣や三国志武将の中でもカッコよさでナンバーワンの周瑜=美周郎が孔明を狙ってメラメラするシーンとか可笑しさが随所にあり -
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新本で手に入らなくて、古本屋を探して、探して・・・ようやく手に入れた。
これまで白川静の『孔子伝』などを読んできた。
祭祀などをしきる「儒」という社会集団から孔子が出たということが書かれていたけれど、正直、なかなか具体的なイメージがわかなかった。
この本を読んで(無論フィクションも含まれているだろうけれど)どういう存在なのか、もう少しリアルに想像できるようになった。
晏子との行き違いや、陽虎、子貢などの人物像なども、なんだか、きっとそんな風だったのかも、と思わされてしまった。
まだこの巻では顔回のすごさは、それほど描かれていない。
どうなっていくのだろう。