井沢元彦のレビュー一覧
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購入済み
爽快感さえ覚える
作者は「逆説の日本史」で有名であるが、この作品はその前身とも言うべき本である。
「逆説の日本史」と内容がかぶっているのはやむを得ないが、イッキ読みする日はこれくらいのボリュームがちょうどよい。
怨霊信仰 言霊 というキーワードを使って歴史の謎を解き新解釈を加えてゆく手法には、いつものことながら爽快感さえ覚える。もっとも牽強付会のきらいがないでもないが。 -
Posted by ブクログ
令和2年の今年は、昨年の新元号制定のお祝いムードがコロナ勃発の影響で吹っ飛んでしまい、私たちの考え方まで変えさせられてしまう一年でした。
この本を本屋さんで見つけて読んだのは、コロナ第二波が到着する前の九月末の頃ですが、今回のコロナのような疾病は日本でも何度か流行し、それが歴史を変えてきたという事実を知りました。
疾病が流行ることは止められないにしても、歴史の節目において疾病が流行り、それが終息した後には別世界が開けているという流れがあることを知ることは良いことだと思います。病気にかからないよう、健康に気をつける、罹患しても克服できるだけの免疫・抵抗力をつけておくことの大切さを痛感しました -
Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった。
「なぜ田沼意次の政治は吉宗松平水野の3大改革に含まれないの?」「田沼意次って悪者なの?」っていう疑問がボンヤリ中学時代からあったけど、解決した。
史実を知るための資料が、いつどんな人によって書かれたかを知ると、真実が見えてくる。
また、この本では「宗教」と「神話」なくしては歴史の真実はわからないと度々書かれている。
日本は無宗教と思われがちだが、そうではない。
日本がどんな宗教を持っているかを知ることで、歴史に対する考察が深まるのは確かだと思った。
中学の歴史をある程度真面目に勉強したことがある人なら誰でも楽しく読めるのでは。
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Posted by ブクログ
日本人独自の信仰=穢れ忌避、怨霊信仰、言霊信仰。
日本人の行動指針=和、朱子学、天皇。
天皇が変わるたびに遷都したのは穢れ信仰から。
皮細工は、穢れたもの、焼き物は工芸品があるが皮製品のブランドはない理由。
律令の中の兵部省と刑部省の成り手がいなかった。検非違使や征夷大将軍という令外官を作って軍事を任せた。
日本で動物の死を扱うことがタブーになったのは稲作が発達したから。天皇の儀式に動物のいけにえの儀式がない。
ケガレが映らないように、清流で区分する。部落との間には橋がない=橋のない川。
日本は稲作文化の弥生人が、縄文文化の縄文人を征服した。そのため、ケガレ忌避信仰になった。
憲法17 -
Posted by ブクログ
☆☆☆2020年9月☆☆☆
生麦事件や薩英戦争、長州の陰謀等を取り上げた第20巻。
この時代の動きは複雑でわかりにくい。
ここでは、印象に残った部分を引用する。
P77 これほどの謀略を成し遂げる能力のあるものは久坂しかいない。
P144 生涯伊藤は、「高杉のおかげで彦島が香港にならずに済んだ」と言い続けた。やろうと思えば可能であったにもかかわらず、高杉の功績を盗もうとはしなかったのである。
P189 久坂の思惑通り、将軍という「鳥」は、朝廷という「鳥カゴ」に入った。
P230 注目すべきは旗本の「お殿様」でも領民を有無を言わさず兵にすることができなくなっていたということだ。