井沢元彦のレビュー一覧
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日本史は元来好きだったのですが、自分の中ではあまり触れることが少なかった平安時代以前の歴史の面白さを教えてくれたのが、この本の著者の井沢元彦氏です。逆説の日本史シリーズは毎年秋口に単行本が出るので楽しみにしています。
この本は井沢氏がその大作の執筆の合間に書かれた本だと理解していますが、「学校では教えてくれない日本史の授業」というタイトルで文庫本で出されているもので、12の分野について講義の形で書かれています。
源氏物語、平家物語が書かれた背景を説明されていますが、日本というのは本当に面白い国なのだなと思いました。幕府と天皇が共存している等、日本には他国では見られない特徴がありますが、それ -
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15巻を飛ばして本巻を読んでしまったが、まぁ、江戸時代のことだからよしとしよう。
15巻は内政史、本巻は文化史ということでもあるので。
いっとき著者のしつっこさについてけない時もあったが、だんだんとその執念に敬意を感じるようになってきた。もちろん、あまりに大雑把すぎるろ論証も多く、納得できない点もあるのですが・・・
本巻で言えば、鎌倉後教育史に当たる部分。大筋は納得できるのですが、あまりに、大雑把すぎて、本当に、日本人の当時の教育水準の高さを説明しているのか、今一つでした。
蛮勇とも言える試みで、荒さは仕方ないと思うが、その時代の専門家の必要性もあると思う。
井沢通史が完成したら、次は -
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末位から関白まで上り詰めた豊臣秀吉こそ下克上の象徴であるにも関わらず、織田信長や徳川家康に比べると些か劣る印象を持っていた。しかし本書では一冊を秀吉に充て、彼の人たらしの「大悪人」としての天才性を取り上げる。
自分の身分を心得、巧みに織田家や徳川家を排除する様は天才謀略家と言えよう。第5章では「朝鮮征伐」をスペインを代表したカトリック教への抵抗を目的とした明制圧とする説も面白い。
第1章 豊臣秀吉、その虚像と実像編
第2章 秀吉、天下乗っ取りの大戦略1
第3章 秀吉、天下乗っ取りの大戦略2
第4章 秀吉の天下統一経営1
第5章 秀吉の天下統一経営2 -
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織田信長に一冊を裂く。天才信長にはそれ程の価値がある。筆者が言う「天才の偉業はその後の常識になる。現代の価値観で計っても凄さは理解できない」には深く同意したい。
いつもながら筆者特有の冗長性や偏向性はやや気になるものの、視点は鋭い。特に延暦寺・本願寺との戦いは、宗教弾圧ではなく武闘勢力の弾圧であり、現代から見れば虐殺でも当時としては正当性があった、という論説はなかなか興味深い。信長は残虐性だけが取り上げられがちだが徹底した顧客主義(庶民)だった点も、他にはない卓越した分析だと思う。
第1章 織田信長の変革編
第2章 信長vs宗教勢力の大血戦編
第3章 新しき権力の構築編
第4章 本能寺の変 -
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3章から読書。戦国時代を「和」の転換期と捉える発想が面白い。井沢氏の著作の面白さは、足利義満にスポットライトをあてるなど、埋もれてしまった歴史的人物の功績を再検証するところにある。司馬遼太郎に似ているかもしれない。本巻で言えば北条早雲。そして織田信長と同列に毛利元就を取り上げる視点も興味深い。現代と江戸時代からみた人物評価の違い、兵農一体の信玄公の限界、そして信長の独創的天才性など。長篠の戦前の司馬氏の梅雨のエピソードは、まさに井沢氏が提言したいことの本質だろう。シリーズ当初にあった、暴走感も(多少)取れ、史学書としても十分面白い。
第1章 琉球王国の興亡編
第2章 海と倭寇の歴史編
第3章 -