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幕末前夜の「闇の歴史」を暴く!
第1章では、東北地方から北海道、さらには千島列島まで、独自の文化を育んできたアイヌの歴史を照射する。和人が蝦夷地に進出する契機となった北東北の争いから和人の過酷な仕打ちに端を発した「アイヌ三大蜂起」。さらには、老中・松平定信が蝦夷地調査報告書を黙殺した理由にも迫る。
第2章では、幕末に燎原の火の如く盛り上がった尊皇攘夷思想の源流ともいえる国学思想の成り立ちを、荷田春満、本居宣長、賀茂真淵、平田篤胤ら「国学四大人」の軌跡を通じて解読する。
第3章では、天保の改革に挑んだ徳川幕府が「祖法大事」と変革の波に乗り遅れる様を詳述。優秀な官吏が国の行く末を見誤っていく歴史をあますところなく活写する。
第4章では、「なぜ日本の道路舗装率が中国・韓国などより低いのか?」という命題から、いたずらに開発に走らず、身の丈にあった暮らし、完全リサイクル社会を実現していた江戸の暮らしに陽を当てる。
目次
第1章 アイヌ民族のルーツと展開編
第2章 国学の成立と展開編
第3章 幕府外交と天保の改革編
第4章 ユートピアとしての江戸編
年表
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Posted by ブクログ
北方史かー、と読んだが、そう考えるのは違いますね。筆者の言うとおり、辺境のことは日本のことである。蝦夷地が江戸の幕末の熱い衝突地なんですね。アイヌはコメがないから交易でしか生活できなかった、というのが辛すぎる。
読むほど、田沼意次の先見性と、その後の松平定信以降の落差。朱子学の毒は凶悪ですね。
江戸中期に、松平定信が馬車の利用の提案を退けてる。それは発展させないため。江戸はタイムカプセルのように保管された、ある意味理想的な世界。競争を減らすこと、エネルギーを使わないこと、その代わりに得られる安寧。
だがその安寧を止めるのが、ロシアやアメリカの船。そして交渉する老中たちの愚かさ。びっくりするほどの愚かさですが、学ぶことは情報の大事さ、イデオロギーは視野を狭くすること、その2点かな
Posted by ブクログ
今回も、前巻までに引きつづいて江戸時代の歴史があつかわれており、アイヌの歴史、本居宣長と平田篤胤の思想、ロシアの来航とそれに対する幕府の対応、そして薩摩藩や長州藩の藩政などが解説されています。
幕府の対外政策については、朱子学的な発想によって現実を正しく見ることができなかったという、従来の著者の主張がくり返されています。著者は、朱子学を「宗教」だと断じていますが、このばあいの「宗教」は現実を歪めて認識させるイデオロギーというくらいの意味なのだと思います。そのうえで著者は、現代の「常識」にもとづいて、「宗教」的な認識のゆがみに対する否定的評価をくだしています。
著者のようなしかたで、明快に歴史的な事実に対する評価をくだすべきなのかという点では、どうしてもためらいを感じてしまいます。また、このような歴史の見かたが可能なのも、朱子学的なものの見かたから距離をとることができる現在の立場にもとづいていることへの留意も必要ではないかという気がします。たとえば中国史のように、歴史と思想がいわば骨がらみになっているようなばあいには、本シリーズのようなしかたで「常識」と「イデオロギー」を明確に切り離して歴史を語ることの意味が問いなおされることになると考えます。
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