幕末前夜の「闇の歴史」を暴く!
第1章では、東北地方から北海道、さらには千島列島まで、独自の文化を育んできたアイヌの歴史を照射する。和人が蝦夷地に進出する契機となった北東北の争いから和人の過酷な仕打ちに端を発した「アイヌ三大蜂起」。さらには、老中・松平定信が蝦夷地調査報告書を黙殺した理由にも迫る。
第2章では、幕末に燎原の火の如く盛り上がった尊皇攘夷思想の源流ともいえる国学思想の成り立ちを、荷田春満、本居宣長、賀茂真淵、平田篤胤ら「国学四大人」の軌跡を通じて解読する。
第3章では、天保の改革に挑んだ徳川幕府が「祖法大事」と変革の波に乗り遅れる様を詳述。優秀な官吏が国の行く末を見誤っていく歴史をあますところなく活写する。
第4章では、「なぜ日本の道路舗装率が中国・韓国などより低いのか?」という命題から、いたずらに開発に走らず、身の丈にあった暮らし、完全リサイクル社会を実現していた江戸の暮らしに陽を当てる。
目次
第1章 アイヌ民族のルーツと展開編
第2章 国学の成立と展開編
第3章 幕府外交と天保の改革編
第4章 ユートピアとしての江戸編
年表
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Posted by ブクログ 2015年09月13日
随分、江戸時代に付き合わされている感もあるが、それだけ長い時代であったのだろう。
この巻はアイヌとの交渉史、及び、朱子学の功罪が語られている。
アイヌについては、知らない事ばかりであったので勉強になった。朱子学は井沢氏の言う通り、罪な部分の方が多いのだろう。
江戸期の日本人の生活は基本的には満ち...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年11月14日
流し読み。本書は当初の「歴史を再定義」する役割から「歴史を再認識」する役割に変わったように思える。当時の状況を推察して歴史を考察する姿勢は歴史研究家に欠ける点でもあり評価に値する。アイヌの併合と差別の違いや黒船来航の衝撃はなるほどなと唸らされる。
第1章 北方世界の歴史・アイヌ民族のルーツと展開編...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年07月19日
アイヌ民族と幕府崩壊の謎
第1章 北方世界の歴史
アイヌ民族のルーツと展開編
松前藩の卑劣な手口と幕府の無策を暴く!
第2章 幕末維新への胎動Ⅰ
国学の成立と展開編
明治維新の精神的支柱となった四大人の思想
第3章 幕末維新への胎動Ⅱ
幕府外交と天保の改革編
社会を混乱させた頑...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月01日
今回も、前巻までに引きつづいて江戸時代の歴史があつかわれており、アイヌの歴史、本居宣長と平田篤胤の思想、ロシアの来航とそれに対する幕府の対応、そして薩摩藩や長州藩の藩政などが解説されています。
幕府の対外政策については、朱子学的な発想によって現実を正しく見ることができなかったという、従来の著者の主...続きを読む
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