香魚子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ深まっていく感じがいい
寿雪はらん家の生き残りとして身を隠し、母を殺され、烏妃に選ばれ、自分ではどうしようもないことばかりのなかで、それでも自分の足で立ち、生きのびてゆくしかないのだと、そう思いさだめて生きてきた。自分自身だけは、誰にも踏みこまれない、誰からも奪われない唯一のものだと思っていた。信じるまでもなく、当たり前のこととして、それを芯に寿雪は背を伸ばして立っていた。
いまのわたしは、わたしなのか?
わたしは、わたしを温めてくれるものに頼ることで、かろうじて立っている。が、それは、師との約束を違える、過ちなのかもしれない。それでも━━。